はたきおとす(ポケモン)

登録日:2015/04/12 (日曜日) 23:36:29
更新日:2024/01/11 Thu 19:58:37
所要時間:約 4 分で読めます




【はたきおとす】
タイプ:あく
分類:特殊(第三世代)→物理(第四世代から)
威力:20→65(XYから)
命中率:100
接触:○
範囲:単体
PP:20→25(XYから)
追加効果:相手の持ち物を落とし、そのバトルの間だけ持ち物の効果を得られなくする。
更に道具を持った相手には1.5倍のダメージを与える(XYから)



◆概要

第三世代より登場した、あくタイプの攻撃技。
ダメージを与えた後、相手の道具を一時的に喪失させるという特殊な効果を持つ技。
早い話がこの技を喰らうと戦闘中は持ち物がなくなる。その戦闘が終了するまで効果は継続する。

登場した頃はレベルアップで覚えるポケモンは少なく、後の作品ではいくらか追加されている。
また、ブラック・ホワイト以降の新規ポケモンは自力で覚えるものが居ない。
その割にはタマゴ技や教え技では覚えるポケモンは200匹近くおり、あくタイプやかくとうタイプを中心に、時たまくさタイプなども覚える。



◆教え技

【プラチナ】
場所:212番道路
交換条件:青のかけらと赤のかけらが各4個ずつ

ハートゴールド/ソウルシルバー
場所:バトルフロンティア内の民家
交換条件:40BP(バトルポイント)

ブラック2/ホワイト2
場所:セイガイハシティ
交換条件:黄色のかけら4個

オメガルビー/アルファサファイア
場所:バトルリゾートの教え技屋台
交換条件:12BP



◆対戦では

威力はたったの20と連続ヒット技の単発ダメージ並みと非常に低く、ダメージよりも追加効果が主体となっていた。
「たべのこし」「くろいヘドロ」などを用いて耐久戦を行うポケモンのメタとなっている。
しかし、似たような効果を持つ「トリック」と「すりかえ」の方が幅をきかせていた為、どうにも不遇の技であった……というか、「トリック」などは相手に持ち物を押し付けることで機能不全化を招くという点も主眼に置いているので比較対象がそもそもおかしい。

威力が低すぎる上に、はたきおとした後は「わるあがきの方が威力が高い」ような技を採用できるほどポケモンのわざスペースは余裕があるわけではない。せいぜい「ヌケニン対策」で正当化できる程度。

というより初出時の第三世代は覚えるポケモンの絶対数が少なすぎる上、それらの大半が環境上位のポケモンに太刀打ちできないという構造矛盾を抱えている技だった。
第四世代までは持ち物に大きく依存した戦略というのが今ほど多くなく、後世で幅を利かせている凶悪な持ち物「ゴツゴツメット」「しんかのきせき」「とつげきチョッキ」「じゃくてんほけん」などがまだ存在しなかったという事情もある。
っていうか威力20の技でちまちま妨害するよりもっといい選択肢なんていくらでもあるのだ。


しかしXYからは、その性能に大幅なテコ入れがなされた。
威力は65と、前作の3倍以上と強化。
さらに相手が道具を持っていた場合だと威力が1.5倍になり、数値の上では97.5になるという強力な追加効果が加わった。

タイプの面でも、XYでは今まであくタイプを半減して来たはがねタイプの耐性が弱体化したため、等倍で通る様に。
同様の理由で選出される機会が上昇したゴーストタイプにも元から効果抜群と、大きな追い風を受けた。

道具を使った戦法のポケモンを切り崩すには非常に有効なのは相変わらず。
特に、BWでの「しんかのきせき」の登場により、相手の道具をどうにかする技の需要は高くなっていた。

XYでは教え技のシステム自体がないも同然だったが、ORASでは復活したのも大きい。

これらの点により、不遇技から一転、あくタイプのメインウェポンとなったのは勿論、サブウェポンとしても有力な選択肢に。



シザリガー「はたきおとす!」

スイクンカゴのみが…!!これじゃあねむるの、ねむり状態を回復できなくなってしまった…」



しかし、欠点も存在する。
それは持ち物が使えなくなる効果は、この技の処理終了から発揮される事。
よって、ダメージ発生時に発動する「ゴツゴツメット」のダメージは受けるし、「きあいのタスキ」「じゃくてんほけん」も発動してしまう。
また、ゴツメダメージを受けてこちらがひんしになった場合、相手のもちものはなくならない。技の処理終了前に使用者が倒れてしまうからと思われる。

そうそうない話だが、抜群半減の効果を持つ「ナモのみ」を持った相手に使うと、攻撃の前に道具を消費するために使用不可に出来ない。
更にナモのみの効果で威力が半減するので、実質的には相性等倍=威力65の技となる。



ローブシン「はたきおとす!」

ギルガルド「いたっ!!」

ギルガルドは じゃくてんほけんで 攻撃が ぐーんと 上がった!

ギルガルドは じゃくてんほけんで 特攻が ぐーんと 上がった!

ローブシン「…え?」


なお、あくタイプが弱点でないならじゃくてんほけんは発動せず無効化する。



また、「メガストーン」や「Zクリスタル」、一部ポケモンのフォルムチェンジ用アイテム(ギラティナの「はっきんだま」など)などは落とす事が出来ず、威力も上がらない。
はたきおとす側からすればデメリットだが、これらのどうぐを使う側からすればメリットだろう。
特にメガストーンとZクリスタルは第7世代環境の主軸であり、メガ枠とZクリスタル持ちがそれぞれ2匹ずつといったパーティーも少なくなかった。
よってZクリスタル登場を機に「はたきおとす」の採用率は以前より大きく落ちることになった。
それでも「しんかのきせき」持ちポリゴン2ラッキー*1、くいしんぼうカビゴンの対策等、依然として「はたきおとす」が役立つ場面も少なくない。

ちなみに特性「ねんちゃく」のポケモンは持ち物を落とさない効果の為に落とせないが、威力に1.5倍補正が常時掛かる。
特性が「かるわざ」のポケモンの場合は、特性が発動してしまう。

第8世代ではメガストーン・Zクリスタルの両方が登場しないため、「はたきおとす」の利便性が大幅に上昇した……が、さすがにそれはマズいと判断されたのか、技マシン及び技レコードの対象にはならず、教え技にもならなかったために習得できるポケモンは減ってしまった。キリキザンのような今まで主力技だったポケモンにとっては大きな痛手に。
その代わりなのか「じごくづき」「DDラリアット」の習得者はその分増えている。

SV(第9世代)ではDLC第1弾で「はたきおとす」のわざマシンが作れるようになり、習得者は前世代より増加。
DLC第2弾では様々なポケモンが解禁されると同時に、ラグラージエンブオーメタグロスなどなど、新たな習得者が更に増えた。

しかし対戦バランスを考慮されたのか、ランドロスやドドゲザン(キリキザン)などの従来作では使えた一部のポケモンは覚えられなくなっている。
今作ではパラドックスポケモン専用持ち物の「ブーストエナジー」が登場後直ぐに消費されるため叩き落とすが有効でなく、オーガポンの仮面に至ってはZクリスタル等と同様に効果対象外など、威力増加を狙いづらい、狙えない相手も多い。

しかしトリックやすりかえによる道具すり替えができないサーフゴーには有効な手段だったり、トドロクツキなどがこの技を習得後には大きく躍進、バンギラスも習得後はかつて60位台だったのが40位台にいたりと、この技で使用率が伸びている。

「はたきおとす」の技マシンを作るのに必要な素材のヘイガニとタネボーは両者ともにキタカミの里の南東エリアに出現する。


◆主に対戦で覚えているポケモン

最高火力をたたき出せるため採用率が高く、比較的クセがないのも利点。
特に適応力シザリガーの威力はそのまま命を叩き落すレベルである。
前述の通りにコマタナ系統は8世代以降は習得不可になったが、9世代ではバンギラス、スカタンクなどの過去作は覚えなかったのが覚えるようになった

  • ローブシンなどのかくとうタイプ
苦手なエスパーやゴーストへの新たな対抗技として採用されやすい。
ランクルスヤドランなどの「しっぺがえし」が通じにくい連中には有効。

ノーマルを無効にするゴーストタイプの対策で採用される。
また、はがねタイプに等倍も大きい。

テクニシャン補正は受けないものの、バレットパンチ等のはがねタイプの技とあくタイプとの相性が良いため採用されやすい。

特にこれといった役割対象はいないが、パーティーの先発やクッション役など多彩な動きができるポケモンなので汎用技として持たせられることが多い。


他にもライチュウウツボットなどと意外な連中が使ってくるため、道具を要にしてるポケモンは頭を入れておきたい。
教え技での習得者が多いが、現在ではカイリキー、シザリガー、ヤミラミモジャンボなど自力orタマゴで覚えるポケモンもそこそこいるため教え技が使えない環境でも油断は禁物。



追記、修正は手持ちポケモンに「はたきおとす」を覚えてる方でお願いします。


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最終更新:2024年01月11日 19:58

*1 こちらはよほどレベル差がないと一撃で倒される事も多いが。

*2 第7世代まで