魔聖デス・アルカディア

登録日:2015/04/12 Sun 21:20:17
更新日:2024/02/03 Sat 01:49:01
所要時間:約 6 分で読めます







魔に落ちた精霊の身体に渦巻く後悔は、怒りに代わり、

すべての生命を死へと追いやる。




概要

魔聖デス・アルカディアとは、デュエル・マスターズのクリーチャー。

DM-21「不死鳥編 第3弾 封魔王の系譜(ヒストリー・オブ・デビル・ノヴァ)」にて初収録。レアリティはベリーレア。
DMX-12「ブラック・ボックス・パック」にも再録された。



スペック

魔聖デス・アルカディア VR 闇文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/グランド・デビル 6000
ブロッカー
スレイヤー
相手のクリーチャーが自分のシールドをブレイクする時、そのシールドを手札に加えるかわりに墓地に置いてもよい。そうした場合、そのシールドをブレイクしたクリーチャーを破壊する。
このクリーチャーは攻撃することができない。
闇堕ちした後悔からの八つ当たりか、徹底的に相手を巻き添えにする効果に長けた。

シールドをブレイクした相手クリーチャーを、ブレイクされたシールドを犠牲にすることで破壊できる。
自分のシールドが疑似的な《デーモン・ハンド》化する能力である。
ただし、シールドブレイクに置換効果を持つ《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》などの一部カードには通用しない。

それだけでは無く、ブロッカー持ち。
闇ブロッカー恒例のスレイヤーも持っており、シールドが0枚になっても一体は破壊できるようになっている。

種族面で見ても、当時の単色カードとしては異色的。
アルカディアスから変わらずエンジェル・コマンドを持っている。
ただし、不死鳥編時期からするとエンジェル・コマンドながら闇単色という異様な光景であった。
不死鳥編のDM-19で、旧種族の他文明進出の試みは行われていたが、それにしても斬新な種族設定だったのだ。
ついでに闇堕ちに伴い、当時のメイン種族であるグランド・デビルも持っている。

システムクリーチャーとしての登場時点での評価は高く、このカード一枚で相手にとってかなり厄介な壁になるのは間違いない。
ブレイクした瞬間に破壊されるという仕様から、アンブロッカブルなどでもかなり動きにくくなる。
仮にシールドを全てブレイクしても、デス・アルカディア自体もスレイヤー持ちなので、クリーチャーを一体は倒せる。

さらに、エピソード2時期では本格的に闇のエンジェル・コマンドが大量に登場したため、長い時を経てまさかの強化となった。
これによって、闇天使の種族デッキへの投入という新たな道筋も出来た。
ちなみに、闇のエンジェル・コマンドはシールドを犠牲にして発動する能力が多いが、このクリーチャーから来たのかもしれない。

しかし、システムクリーチャーとして高評価を安易には出せない惜しい面も目立つ。
まず、ブロッカーとしてはパワーが6000という数値は決して低いわけでもないが、コストが結構重いことを考えるともう少しパワーが欲しかったところ。
登場当時の赤単速攻でよく使われていた《火炎流星弾》や《ボルカニック・アロー》などに除去されてしまう。
能力自体は速攻デッキに浴びせてやりたいところだが、上記の面やコストから見て速攻対策には役に立ちにくい。

とは言え、上述の弱点を考慮しても相手への妨害としては一定以上の働きを行えるカードと言えるか。


相性の良いカード

ウェディング・ゲート R 闇文明 (6)
呪文
S・トリガー
光でも進化でもないエンジェル・コマンドを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。
闇天使を踏み倒す、闇天使版《ヘブンズ・ゲート》。

この呪文登場よりも6年前に登場したデス・アルカディアもこの呪文で踏み倒せる。
相手の攻勢に対するカウンターとして働くことができるだろう。

ただし、闇天使には《偽りの星夜 ブーケトス》や《偽りの星夜 エンゲージ・リングXX》といった強力ブロッカーのライバルがいる。
その辺は自分の戦い方と相談する必要があるか。

インパクト・アブソーバー R 光文明 (5)
クロスギア
これをクロスしたクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに裏向きにして自分のシールドに加える。
このカードがどのクリーチャーにもクロスされていない時、クリーチャーは攻撃1回につきシールドを1枚しかブレイクできない。
クロスされていなければ、ブレイクされるシールド枚数を制限できるクロスギア。

忘れられがちだが、このクロスギアもデス・アルカディアとは相性が良い。
ブレイクしたシールドを一枚に出来るため、単純に考えればデス・アルカディアの効果で5体は倒せるようになる。

地味にコスト的にも綺麗に繋げやすい点も評価点。

デュエル・マスターズ プレイス

魔聖デス・アルカディア SR 闇文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/グランド・デビル 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
スレイヤー
相手のクリーチャーが自分を攻撃してブロックされなかった時、ランダムな自分のシールド1つを墓地に置く。そうした場合、そのクリーチャーを破壊する。

DMPP-07 第7弾「超神星爆誕 -GATE OF DISASTER-」にて収録。レアリティは本家から昇格してスーパーレアに。
能力の発動タイミングがブレイク前に変更され、焼却となるシールドはランダムに1つだけ選ばれるという形になった。
シールドへの犠牲のデメリットが減った分、能力は任意ではなく強制発動と自由度は下がっている。
本家では攻撃できなかったが、プレイスでは攻撃可能なだけではなくW・ブレイカーも獲得して打点もパワーアップとなった。

一見すると本家の上位互換にも思える調整であり、実際に単純に相手の動きを制限できる点は文句なしに強い。
特に《悪魔聖霊バルホルス》とのコンビネーションが強烈であり、「動いたら死ぬし、動かなくても死ぬ」というような状況を添加して相手の場を壊滅させることが出来る。

一方で強制効果となった点が地味に大きな欠点と化しており、小型クリーチャーの大量展開と物量によるごり押し攻撃を仕掛けられると非常に危うくなる。
cipを使い終わったような小型クリーチャーを1体葬るのにシールドが1枚焼却となる状況では流石に割に合わないが、それを狙ってどんどん攻められる可能性がある。


背景ストーリー

上記で述べたように闇堕ちしたアルカディアスだが、背景ストーリーでも闇堕ちをするまでのストーリーが存在する。

光文明の象徴でもあるアルカディアスが何故このような事態になってしまったか。
それは、転生編から不死鳥編の間の背景ストーリーに原因がある。

転生編終盤の世界滅亡によって、絶滅の危機に立たされた既存の種族。
世界がユニバースに吸収されていく過酷な環境の中で、多くの旧種族が努力虚しく全滅することとなった。

光文明の住民は一部の上層部を除いて天空都市におけるシルヴァー・グローリーの絶対防御体制の移行によって地上へと捨てられており、そのせいでエンジェル・コマンドも絶滅寸前になったのだろう
そんな危機的状況の中、アルカディアスは滅亡寸前の仲間達の命を救うべく自分の魂と肉体を悪魔へと売り渡したのである。
アルカディアスは闇文明の墓地再生に長けた能力に以前から注目していたらしい。
アルカディアスさん、あんた本当に漢ですな……。

当時のコロコロコミックのDM-21のスクープポスターでは、アルカディアスが闇に堕ちるまでの姿が描かれた描き下ろしイラストのポスターが存在する。
EVIL LIVE.(悪の生中継!!)」と命名されているそのイラストは、現時点では当時のコロコロコミックで観覧するしか見る手段は存在しない。
イラストは全4段階の連続ショットとなっており、このような流れとなっている。

1.聖霊王アルカディアスの身体が僅かに黒色になっていく
2.頭部などが多少変形を起こし、大きな羽などが背中から失われる
3.顔からはアルカディアスの面影が消え、腕などが禍々しく変化
4.顔が完全に変化して羽が再度生えるなどの変化が起き、カード版のイラストの魔聖デス・アルカディアに完全変形

解説文では全身を貫く激痛と共に身体がグランド・デビル化したようで、最早天使ではなく正真正銘の悪に変貌したとされている。
気高い美しさだけを聖霊王の「形見」に残したと表現されているが、確かに魔聖化してもエンジェル・コマンドの種族が残ったのは気高い美しさの名残と言えるだろう。

フレーバーテキストを見る限り悪魔に身売りしたことを後悔した模様で、その後悔が怒りに変わっているらしく、生命を死に追いやるらしい。迷惑な奴だな。
しかし、仲間の為に犠牲になったような存在が単純に悪魔になった事を後悔するとは考えにくい。
そのため、一部からはグランド・デビルがアルカディアスとの取引を守らなかったか、或いは意にそぐわない形で応じたのではないかと見る考察もある。
グランド・デビルには「より強力な力を手に入れるために天使の亡骸を欲している」という不穏な設定があり、実際に《魔皇アゼルザード》など光文明のクリーチャーを取り込んでいるような容姿の存在も見られる。

プレイス版のボイスでは身体に渦巻く公開からなのか常に怒っている様子がうかがえ、「光など…要らぬ」と言い出したり、「魔の力とはこんなに素晴らしいものなのか!」と言いながら高笑いするボイスもある。
これは何だかんだで完全に悪魔としての生活を楽しんでの発言なのか、もしくは後悔しているとの記述からヤケクソ半分な発言なのか…。

一応言っておくと、不死鳥編時期でも《護法の精霊アムシオン》などが登場しているのでエンジェル・コマンドは完全に途絶えてはいない。
そこから考えるにアルカディアスのその頑張りは無駄でなかったと信じたいが…。
さらに言うと、グランド・デビルの蘇生術乱発の結果、旧種族は極神編で復活しており、エンジェル・コマンドもこの流れに乗って復活を果たしている。
アルカディアスとの契約とは関係ない行動なのだが、グランド・デビルは結果としてちゃんとある意味アルカディアスの仲間を助けたことになる。

背景ストーリーでは闇堕ち後、グランド・デビル&ティラノ・ドレイク軍によって復活した旧種族軍団の中にいることが確認されたと全方位ファイルで語られている。
グレートメカオー軍を相手に戦って連合軍の快進撃を支えたと考えられるが、以後の動向は謎に包まれている。
不死鳥編直後の極神編のワールドマップでは通常のアルカディアスの様子が描かれているため、少なくとも遠くない未来に聖霊王は光文明に戻った模様。
何らかの理由で魔聖の姿から本来の自分を取り戻したのか、或いは同名の別個体なのだろうか?

また、不死鳥編の時代から遥か未来の超獣世界では、多数の天使が闇に堕ちる現象が発生する。
最初に闇に堕ちたアルカディアスも、まさかはるか未来で自分と同じことになる仲間が増えるとは思いもしなかっただろう。

ちなみに、後に《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》も守る存在の為に悪魔と取引をして《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》に変貌している。
超獣世界において、強者がどうしようもない状況に陥った場合は悪魔に身体を売るのは割と珍しくないのかもしれない。
ただし、ボルメテウスが取引したと思われる悪魔は、種族的にはグランド・デビルではなくデーモン・コマンドである。

余談だが、不死鳥編時期のアルカディアスが落ちぶれている一方、ライバルのバロム一族は《悪魔神デスモナーク》の指揮下の元でグランド・デビルと同盟関係で普通に活躍していたことが示唆されている。なんでここまで扱いに差があるの…?
不死鳥編背景ストーリーで大活躍した「蘇生の術」こと《インフェルノ・ゲート》を解放したのも、不死鳥編時期でも生き残っていた《悪魔神ドルバロム》である。
実はあまり気が付かれにくいが、不死鳥編時期のデーモン・コマンドの設定的に覚醒編よりも先にアルカディアスとバロムが共闘関係にあった時期だったりもする。

このように不死鳥編では散々な状態のアルカディアスだが、落ちぶれたアルカディアス家の唯一の救いを見つけるとすれば、ワールドマップを見るに《聖霊王アルファディオス》は辛うじてそのまま生き残っていたと見られる点だろうか。
アルファディオスは腐っても一族最強の精霊なだけあって悪魔に魂を売り渡すまでには至らなかったのか、或いは当主ほど仲間思いではなかっただけなのか…。


補足

  • 不死鳥編時期においていきなりアルカディアスが闇堕ちしたカードが出た意図としては、一部のファンからは当時の漫画版において白凰がW(ホワイト)として悪堕ちしていた様子を反映したのではないかと言う説がある。
    まあ、単純に不死鳥編では既存種族の文明シャッフルが行われていたので、その試みの集大成と言うだけで漫画版とは連携は特に意識していない可能性もあるが。



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最終更新:2024年02月03日 01:49