ミクトラン(テイルズオブシリーズ)

登録日:2015/04/12 (日) 16:58:18
更新日:2024/02/09 Fri 12:17:05
所要時間:約 5 分で読めます





ミクトランとは『テイルズ オブ デスティニー』の登場人物。
CV. 置鮎龍太郎PS版)
  堀川りょう(ドラマCD、PS2版、D2


天地戦争時代に空中都市を率いて、ソーディアンチーム率いる地上軍と戦った天上軍のリーダー。
通称「天上王」。
その強大な力でソーディアンチームとも互角に渡り合い追い詰めたが、ソーディアンチームの一人であるカーレル・ベルセリオスと刺し違える形で死亡した。

名前の由来は恐らく、アステカ神話における冥界『ミクトラン』。

【概要】

1000年前、突如降り注いだ巨大彗星により世界が荒廃を極めた際、隕石を構成していたレンズの力を見出し、荒廃から逃れる為に遥か空中に新たな大地「外殻」を作り上げ、空中都市を築いてその王となった天才
ここまでなら奇跡の救世主だったのだが、彼が空中都市に招いたのは地上の特権階級の人間のみで、そうでない者達は招かなかったどころか徹底的に差別し弾圧まで行った。
なお、それに反旗を翻した地上の民が軍を結成し、彼が率いる天上軍に戦いを挑んだことがきっかけで開幕したのが「天地戦争」である。

人員こそ地上軍が勝っていたのだが、天上軍にはそれを補って余りある技術力や兵器があり、かつては大地を削って外殻を作り出す兵器であったビーム砲『ベルクラント』を文字通りの破壊兵器とし地上軍を圧倒した。
しかし、ミクトランの非情なやり方に天上軍内でも反発の声が上がり、一部の兵器開発グループがミクトランに反旗を翻し地上軍に投降。
それを契機とし、地上軍の天才ハロルド・ベルセリオスを筆頭に人格を宿す強力な武器『ソーディアン』を開発。
それらは地上軍でも屈指の実力と人望を持つ将校らの手に託され、空中戦艦ラディスロウで空中都市の中枢であるダイクロフトに総攻撃をかける。
ソーディアンチームとミクトランの決戦は熾烈を極めたが、決意を固めたカーレル・ベルセリオスと刺し違える形でとうとう倒された。

以下ネタバレ












あそこにいるのは神などではない!妄執に取り付かれた千年前の亡霊だ!




本作の真の黒幕にしてラスボス

上述したように、強い選民思想を持つ種族主義者で、テイルズオブシリーズの悪役としては珍しく、過去や行動原理に悲劇性や同情すべき点が全くない完全悪、はっきり言ってかなり徹底したクズ。
その選民ぶりは凄まじく、自分たちの子孫にあたるカルバレイス地方の人間たちさえ容赦なく滅ぼしにかかった程。
ドラマCDではウッドロウに『お前にとっては地上に住む者、全てが敵なのだな!』と糾弾された。
…が、かつては弱すぎて、プレイヤーに別の意味で同情されたことがある。(後述)かなり正統派な悪役なのに…
そんな有様だからか、PSP版「デスティニー2」の特典DVDでは「信念も存在感もないラスボス」呼ばわりされてしまっている。


実は死の間際に魂をソーディアン・ベルセリオスのコアクリスタルに移すことに成功し、生き延びていた。
このことについてはメディアによって諸説あるが、ゲーム中では戦いの最中にソーディアン・ベルセリオスのコアクリスタルが破損したことで人格が失われたところに逃げ込んだとされており、PS2版では加えて、天上軍でもソーディアンの開発・研究がおこなわれていたため、その技術を応用したとされている。ドラマCDではベルセリオスのコアクリスタルにはもう1人分空白の許容量が存在し、そこに逃げ込んだ事になっている。何故もう1体分の人格スペースがあったのかは明らかにされていないが、恐らくベルセリオスの「弟」が関係していると思われる。


その後長らく眠りについていたが、ルーティリオンの父である考古学者ヒューゴがソーディアン・ベルセリオスを発掘したことで目覚め、ヒューゴの体を乗っ取ることに成功、暗躍を開始する。
手始めにオベロン社を興すと現在では失われたレンズ技術を存分に用いて数年で大企業に成長させ、七将軍フェンレイ・ダグ暗殺等を経て、セインガルドの重責の地位を手に入れる。
さらに世界各地にオベロン社の支部を設立、忠実な部下を据えることで神の眼の行方を調査していた。
この時の手腕は全てミクトランの物であり、かつて天上軍を築き上げたのもそうだが、政治力や組織の運営手腕が極めて高いことがうかがえる。
(強い信念の元故郷の為に戦い抜いた哀しき悪役ながら組織運営手腕や政治手腕が全体的にザルで、いたずらに余計な犠牲を増やしたダオスとは対照的である)

そしてクリスと結婚し長女ルーティを産ませたが彼女は辺境の町クレスタに追いやり*1、翌年産ませた長男エミリオはソーディアン・シャルティエを与えて徹底的に剣術などを仕込んで「リオン・マグナス」と名乗らせセインガルド城の客員剣士として派遣する。リオンがメイド長であるマリアンに惚れていた事を見抜いており、マリアンを人質にとってリオンを自在に操ってもいた。
途中、神の眼に近しい位置に居るストレイライズ大司祭であるグレバムと手を組むが、グレバムは彼に反旗を翻して神の眼を持ち去り、それを奪還せんとリオン、ソーディアン・ディムロスを持つスタンやソーディアン・アトワイトを持つルーティを協力させグレバムを倒させ、今度こそ神の眼を手中に置き、兼ねてよりの計画であった空中都市群を復活させることに成功した。
その最後の時間稼ぎとしてリオンをスタン達への殿…捨て駒として戦わせ、海底洞窟を破壊し遂に空中都市を復活させた。スタン達は辛くも逃げ延びたが、リオンは崩壊の際の濁流に呑まれて命を落とす。

その後最大のベルクラントにてスタン一行と対峙し、ヒューゴの姿のまま戦うもこの時は敗北。
しかし直後に本来の姿を取り戻して完全に復活し、先だって完成させていたソーディアン第2形態による圧倒的な力でスタン達を一気に瀕死まで追い込む。
この時初めてヒューゴがミクトランに乗っ取られていたことが明らかとなった。

この後これ以上スタン達に何もできまいと慢心してとどめを刺さずに、用済みとなった破壊兵器ベルクラントごとスタン一行を海に捨てるがスタン達はジョニー達に助けられ、辛くも生き延びた。
その後は完全に世界の空を外殻で覆い地上世界を暗黒に閉ざし、更に地上からのエネルギーを吸収するバリアー「エネルギーアブソーバ」を展開、地上に大量のモンスターを派遣し本格的に地上を滅ぼしにかかる。吸収したエネルギーはダイクロフトで冷凍保存されているかつての天上人の復活の為に注がれ、名実ともに天上軍の完全復活を目指す。



その後ダイクロフトにて、同じくソーディアンを進化させ再び空中に上がってきたスタン一行と再び対峙する。
PS版ではこの時にリオンをゾンビとして甦らせて差し向けてくるなどやはり外道。
そしてスタン一行はミクトランとの最終決戦に挑むことになるのだが・・・







・・・弱い。 メッチャ弱い。

第1形態は上級晶術を連発したり、遠距離攻撃をしかけてきたりと厄介な攻撃もしてくるのだが、第2形態の「NEOミクトラン」は 超弱い。
一応全体に攻撃する技や術を多数持っているのだが、その巨体と動きの鈍さが仇となり攻撃が非常にあてやすく、適当に奥義を連発するだけで簡単にハメることができる。
当時はゲームシステムが練り切れていなかったこともあるのだが、そのあまりの弱さからシリーズ最弱のラスボスとまで称される。
また、ビジュアルも正直言ってイマイチで、その姿から「千葉県」「手羽先」などとネタにされる始末。
あげく攻略本にまで弱いと書かれてしまった。ひでえ。

あまりにも弱いためベスト版では強化された。
回避率を念入りに強化されてるため、固めることができず簡単に割り込みの攻撃を仕掛けてくるためやっかいとなった。
対策としては命中率の高い技で仕掛けること。
そして、命中率の高い技に殺劇舞荒剣があるので…
一応言っておくと、ベスト版だとプレイヤー側がミスしてそこらへんを途切れさせた隙にワープ→レーザーをぶちかまされることがある。
そして、ラスボスではあるので攻撃力が高いことには高く、レーザーが回避困難なのもあって全滅してしまうことはある。
それでも弱いのは間違いないが。

倒されると最期のあがきとして外殻大地を崩落させ地上に大きな被害をもたらして死亡。最後の最後まで往生際の悪い散りざまであった。
しかしその影響は凄まじく世界的な首都であったダリルシェイドをはじめいくつもの町が滅ぶなど続編でも深くその傷跡を残している。
なお、荒廃した世界で苦しみ喘ぐ人々の悲鳴や幸せを求める願いが続編のラスボスたちを生み出した。








【リメイク版(PS2版)】

基本的な設定はPS版を踏襲。

一応、蘇生途中の天上人たちへの思いを口にしたり、外殻大地を緑溢れる世界にしたりと彼なりの理想や信念の描写が追加された。
しかし、ヒューゴの家族愛をあざ笑うようなセリフが追加されるなど、その外道っぷりにはむしろ磨きがかかっている。
身内への情はあるがそれ以外の者は徹底的に侮蔑するあたり、若干ダオスと共通しだしている。

また、グレバムの行動も彼の差し金であり、空中都市群復活の下準備であったことが明かされている。
つまりTODの物語はだいたいどころか、ぜんぶこいつのせいだった。


ベルクラントでのヒューゴ戦の後の展開はPS版とPS2版でだいぶ異なっており、PS2版ではそのままスタン達にトドメを刺そうとするがミクトランの体に残されたヒューゴの残留思念が抵抗し一時的にミクトランの体を奪い、ベルクラントを落下させる事で娘達を逃がした(この時にヒューゴの残留意思は完全に消滅してしまった)。
感動のイベントなのだがこの時のミクトランの動きがやたら奇妙であり、ミクトランダンスと呼ばれてしまっている…。



また、続編との整合性を合わせるためか、最終決戦直前にゾンビリオンをけしかけてこなくなった。

第2形態は「NEOミクトラン」から「ミクトラン・イグゼシブ」に変更され、ビジュアルも何とも言えない三角形っぽいやつから紫色の人型に変更された。

そして何よりも






・・・強い。 メッチャ強い。

いままで散々弱い弱いと言われてきた鬱憤を晴らすかのように、鬼神のごとき強さを見せる。
そのため、リメイク前と同じつもりで挑んで返り討ちにあったプレイヤー多数。

攻撃の大半に各種の状態異常にするものが含まれており、数が多彩なため防具や宝石だけでそれら全部に対処するのはむずかしい。
なので対処しきれないものはパナシーアボトル等で対処しよう。
特に危険なのは麻痺。大勢がマヒると即全滅に追い込まれかねない。
せめて操作キャラだけでもパラライチェックは装備しておきたい。
攻撃は光属性と闇属性が多いため、防具か宝石かで事前に両属性に対する耐性を高めておくと戦闘が楽になる。
隠しボスを倒すとさらに強くなり、ヒール、リカバー、レイズデッドなどに対して全滅必至のカウンター攻撃まで仕掛けてくるようになる。
その強さからリメイク前の評価とは一転、シリーズ最強のラスボスとまで称される。
まあ今度は見た目と声優のせいで「王子」だの「超サイヤ人」だのと言われてしまうこともあるが…

最終的にはスタンの斬空天翔剣*2を受けて消滅し、最期のあがきは行わずなんと無言で消滅する。これはこれでどこか物足りない。
更に外殻の破片もソーディアン達の手によりすべて宇宙空間に放出されたので地上にも外殻の影響はほとんど残っておらず、前述の斬空天翔剣やリオンの戦闘スタイルやロロニなどD2要素を加えてるのに その『D2』と話が繋がらなくなるというよく分からない事態になってしまった


追記・修正は天上王になってからお願いします。

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最終更新:2024年02月09日 12:17

*1 詳しい理由は明かされてないが、アナザーストーリーのドラマCDではルーティが女だったからという事が示唆されている。また本来はクリスに殺せと命じていたがクリスはそれに反してクレスタに逃がしていた。

*2 カイルの没セリフに「一子相伝の技を見よ!」というものがあるため、この技がそれに当たるということなのだろう。