講談社キャラクター文庫

登録日:2015/04/10 Fri 00:10:25
更新日:2024/03/20 Wed 18:56:48
所要時間:約 19 分で読めます


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きだつよし ウルトラシリーズ ゲゲゲの鬼太郎 スーパー戦隊シリーズ セーラームーン プリキュア プリキュアシリーズ 三条陸 下山健人 井上亜樹子 井上敏樹 仮面ライダー 前川純 古怒田健志 塚田英明 大和屋暁 大森敬仁 大野敏哉 宮下隼一 小林雄次 小説 小説版 小説版仮面ライダーリンク 山田隆司 岡村直宏 川村敏江 平光琢也 平成ライダー 平成ライダーシリーズ 拓植社 明日のナージャ 毛利亘宏 白倉伸一郎 砂亜久雁 福田卓郎 稲上晃 米村正二 美少女戦士セーラームーン 荒川稔久 虚淵玄 講談社 講談社キャラクター文庫 金春智子 鋼屋ジン 鐘弘亜樹 長谷川圭一 香川久 馬越嘉彦 高橋悠也 高橋晃


講談社キャラクター文庫とは、講談社が発行している文庫レーベルである。

創刊は2012年11月30日。
平成仮面ライダーシリーズの『クウガ』から『オーズ』まで計12作を題材に、各一冊ずつスピンオフ小説として刊行するという趣旨のもと発表された。
レーベル創設直後には公式Twitterで『フォーゼ』及び当時放送中だった現行ライダー『ウィザード』の小説もいずれ刊行する事が仄めかされており、
2014年10月時点で共に実現を果たしている。

当初発表されたラインナップは平成ライダーのみだったが、12作を一通り刊行した後は『侍戦隊シンケンジャー』を筆頭にスーパー戦隊シリーズの小説も登場、
2015年4月には『美少女戦士セーラームーン』のミュージカル版を題材としたノベライズが刊行、
更に同年9月から実写ではなくアニメ作品である『プリキュア』シリーズも加わった。

レーベルで取り扱う作品は長らく東映に縁のある映像作品ばかりであったが、
2018年12月2日、初の円谷プロダクションからのラインナップである『ウルトラマンガイア』の小説が刊行された。
今後の更なるラインナップ追加にも期待がかかるところである。


小説の内容については各作品で様々だがバリエーションはかなり豊かで
  • TVシリーズでは語られる事のなかった物語を描く前日談もしくは挿話
  • 新たなる戦いに挑むヒーロー達の姿を描いた後日談
  • シリーズ本編とはかけ離れた時代を舞台とした番外編
  • 本編そのものを小説媒体向けに再構成したリメイク
等々、それぞれの原作を知ってる読者を惹きつけるラインナップを取り揃えている。
特に、作品によっては映像作品で結局解明されずに終わった謎や、重箱の隅レベルの疑問点なども独自に回収しているものもあり、
そういう意味でも映像作品視聴後のファン・マニアにとっての見所が多いシリーズである。
現在ホビージャパンで連載中の『HERO SAGA』とも共通する部分があると言える。


各小説の著者は、いずれもそれぞれの原作において脚本・プロデューサー等の形で多かれ少なかれ制作に関わった人物である事が殆ど。
TV版の脚本を担当していた人物が書いたものはTV版の幕間や後日談であるものが多いが、もちろん例外もあり、
井上敏樹氏が執筆/監修を手掛けた小説については、現状全てがTVシリーズのリメイク的内容となっている。

またレーベル創刊の際に発表された『クウガ』~『オーズ』の12作は、当初告知された発売日から大きく変動があった事も有名で、
『クウガ』が著者の多忙による執筆の遅れで刊行が半年ほど延期した他(ちなみに多忙の一因であった作品内に「この件についての謝罪」と解釈できる台詞がある)、
早い段階での発売が告知されていた『龍騎』が12作のトリを飾る形になり、逆に最後の方を予定していた『剣』の発売が数ヶ月前倒しされるという事態になっている。


余談だが、他と比べても一般小説かライトノベル寄りか割と定義が曖昧なレーベルであり*1
書店で取り扱われる際にもどちらの棚に陳列されるかは店舗ごとの判断に委ねられる事が多いため、店頭で直接探す際には留意。
特撮・ホビー関連で一コーナーを設立してる大型店舗についてはそちらで纏めている場合もある。


香港では東映などが正式認可した日本のヒーローものや女児向け作品の専門情報誌、現地オリジナルコミカライズなどを出版する拓植社から、
講談社の正式な認可を受けた翻訳版が刊行されている。
表紙の色やレイアウトは同じだが、頭部の写真は日本版と異なるものが使用され、初回特典のしおりはその全身になっている。



レーベルの作品紹介

本Wikiに小説単独、もしくは作中要素の項目が存在するものについてはリンクも付記。

仮面ライダーシリーズ

以下の他、『仮面ライダービルド』の小説も武藤将吾・大森敬仁の共著でリリースされることが公式Twitterで告知されていたが、2022年時点で発売には至っていない。

小説 仮面ライダークウガ
著者は荒川稔久。2013年6月28日発売。(香港:第1弾として2015年12月10日発売)
仮面ライダークウガ』の後日談。2000年に放送されたTVシリーズから13年が経過した(刊行当時の)紛れもない「現在」を舞台に、再び暗躍を始めたグロンギとそれに対抗する一条薫らの戦いを描いている。
前述のとおり、刊行日程に大幅な延期が生じてファンをやきもきさせた事でも有名。


小説 仮面ライダーアギト
著者は岡村直宏(監修:井上敏樹)。2013年1月31日発売。(香港:第2弾として2016年3月10日発売)
仮面ライダーアギト』のリメイク。『クウガ』との繋がりや闇の青年等といった要素をオミットし、真魚と“三人の仮面ライダー”に焦点を置いたシナリオに再構成されている。


小説 仮面ライダー龍騎
著者は井上敏樹。2013年8月30日発売。(香港:第3弾として2016年5月25日発売)
仮面ライダー龍騎』のリメイクだが、シナリオ自体はどちらかというと劇場版『EPISODE FINAL』寄り。後述する『小説ファイズ』同様、氏のブラック方面の作風がかなり強く出ている内容。


小説 仮面ライダーファイズ
著者は井上敏樹。2013年1月31日発売。(香港:第4弾として2016年7月20日発売)
仮面ライダー555』のリメイクで、2004年に発売された小説『仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々』に後日談を加筆したもの。
ライダーファンの中で語り草となった伝説級のエグさは必読。


【小説 仮面ライダーブレイド】
著者は宮下隼一。2013年6月28日発売。(香港:第9弾として2017年7月15日発売)
仮面ライダー剣』の後日談。TVシリーズ最終話から300年の年月を経て荒廃した未来を舞台に、ジョーカーとして生き延びていた剣崎、そしてギャレンレンゲルを継いだ若者達がバトルファイトの統制者に挑む。
『剣』は後日談が多数描かれているが、本作は単純な時系列で言えば會川昇の短篇小説『たそがれ』よりも更に未来に位置する。


小説 仮面ライダー響鬼
著者はきだつよし。2013年5月23日発売。(香港:第6弾として2016年12月25日発売)
仮面ライダー響鬼』の前日談……というよりも、劇場映画『7人の戦鬼』同様にTVシリーズより数百年前を舞台とした時代物の色が強い番外編。
石ノ森章太郎原作の特撮『変身忍者 嵐』との競演を主軸とし、実質当代ヒビキとハヤテをダブル主人公に位置づけた、まさしく『東映まんがまつり 仮面ライダー響鬼対変身忍者嵐』的な内容。
なお作者制作・出演舞台の初演日と合わせるため、発売日が予定より8日ほど前倒しされたという。
最終盤にて、『響鬼』とは別のとあるライダー作品にもストーリーがつながっている事が示されている。もちろんこの設定がTV版『響鬼』にも適用されるかは未だ語られていない。


【小説 仮面ライダーカブト】
著者は米村正二。2012年11月30日発売。(香港:第11弾として2017年12月10日発売)
仮面ライダーカブト』のセルDVD初回特典として執筆された連作小説『世界の果てで君と出会う』の再録に加え、TVシリーズの初回と終盤戦のノベライズを加筆した内容となっている。
書き下ろし部はTVシリーズの単純なノベライズとなっており、擬音の多用など読者からは賛否も少なからず出ているが、特典小説の再録部については一見の価値あり。


小説 仮面ライダー電王 東京ワールドタワーの魔犬
著者は白倉伸一郎。2013年7月26日発売。(香港:第8弾として2017年4月30日発売)
仮面ライダー電王』の小説で、概ねTVシリーズからの延長線上といった雰囲気の作品(パラレル要素も幾つか見られるが)。
大がかりな歴史改変を行ったイマジンに、度々出没する「魔犬」を手掛かりにデンライナー一行が挑む。


【小説 仮面ライダー電王 デネブ勧進帳】
著者は白倉伸一郎。2020年11月30日発売。
『仮面ライダー電王』小説第2弾。仮面ライダーゼロノスこと桜井侑斗、並びにデネブが物語の主役を務めている。設定は『東京ワールドタワーの魔犬』よりも映像作品に近い。
内容は12世紀の日本を舞台にしたタイムトラベル物であり、帯で「映像化不可能!」と喧伝されるまでにフリーダムかつスケールの大きい物語が展開される。何にせよ侑斗とデネブのコンビに思い入れのある読者なら楽しめること間違いなしの一冊。
通常版の他、小説中に登場するコスチュームに扮したデネブのオリジナルイラスト入りキーホルダー同梱の限定版も同時販売。


【小説 仮面ライダーキバ】
著者は古怒田健志(監修:井上敏樹)。2013年3月18日発売。(香港:第12弾として2018年2月10日発売)
仮面ライダーキバ』のリメイク。TVシリーズを小説一冊分に再構成した内容だが、原作のテーマもコンパクトながらしっかり盛り込まれている。
映像作品とは一味違った753の扱いと顛末も必見。


小説 仮面ライダーディケイド 門矢士の世界~レンズの中の箱庭~
著者は鐘弘亜樹(監修:井上敏樹)。2013年4月12日発売。(香港:第13弾として2018年5月25日発売)
仮面ライダーディケイド』のリメイク。『クウガ』から『キバ』までの平成ライダーがリ・イマジとして物語に関わってきた『ディケイド』という作品そのもののリ・イマジとも言える内容。


小説 仮面ライダーW~Zを継ぐ者~
著者は三条陸。2012年11月30日発売。(香港:第10弾として2017年9月30日発売)
仮面ライダーW』の挿話に相当する外伝で、TVシリーズで描かれなかった幾つかの空白に対する補完など見所が多い。「32話と33話の間に受けた依頼」のお話であると明言されており、漫画『風都探偵』でも雑誌掲載時のコラムで本作の出来事に触れている。
小説独自のライダーとして、今作の語り部たるフィリップが変身する「仮面ライダーサイクロン」が登場。後にフィギュアーツでも発売、仮面ライダージョーカーと対になるカラーリングとなっている。
ちなみに本書の刊行を持ってアルファベット26文字すべてが『W』のサブタイトルに使用された。


【小説 仮面ライダーオーズ】
著者は毛利亘宏。2012年11月30日発売。(香港:第7弾として2017年2月28日発売)
仮面ライダーOOO』を題材にした作品。800年前のアンクと“王”に纏わる前日談「アンクの章」、バースドライバーの視点から後藤さん伊達さんを見た番外編「バースの章」、戦いを終えた後の映司の旅を描く後日談「映司の章」の三部構成となっている。


【小説 仮面ライダーフォーゼ~天・高・卒・業~】
著者は塚田英明。2014年2月28日発売。(香港:第1弾として2015年12月10日発売)
仮面ライダーフォーゼ』の後日談。タイトル通りTVシリーズ最終話から『MOVIE大戦アルティメイタム』までの空白期を舞台に、弦太朗達の天高卒業前夜を扱った内容。
TVシリーズのみならずアルティメイタムを始めとする『フォーゼ』の関わった劇場作品全てを下地とした番外編となっており(『スーパーヒーロー大戦』シリーズ?あれは白倉さんの世界線なので…)、事実上の集大成と言っても過言では無い一冊。
帯には如月弦太朗役の福士蒼汰氏がコメントを寄せている。


【小説 仮面ライダーウィザード】
著者はきだつよし。2014年10月31日発売。(香港:第5弾として2016年10月8日発売)
仮面ライダーウィザード』の後日談。『天下分け目の戦国MOVIE大合戦』の内容も展開の下地に組み入れられている。
笛木の遺した遺産によって出現した「もう一人の操真晴人」を起点に、晴人と凛子の関係性についてTVシリーズ以上に踏み入ったドラマが展開される。
何気に『MOVIE大戦アルティメイタム』で使用されたとあるウィザードリングの処遇についても触れられている。


小説 仮面ライダー鎧武
著者は砂亜久雁・鋼屋ジン(監修:虚淵玄)。2016年3月23日発売。(香港:第14弾として2019年4月10日発売)
仮面ライダー鎧武』の後日談。TVシリーズのみならず、劇場作品やVシネマ『』シリーズ、更にはファイナルステージの設定まで総括した、『鎧武』という作品の総決算にして、事実上の完結編ともとれる内容。
更に作中には『黄金の果実争奪杯!』の主題歌フレーズの他、クウガ~ドライブまでの平成ライダー作品にも触れられ、明言されてはいないもののあるキャラクターまで登場する。
本作以降の平成ライダー小説には、TVシリーズを起点に外伝作品などを含む全史を纏めた年表が併録されるようになっている。


【小説 仮面ライダー鎧武外伝 ~仮面ライダー斬月~】
著者は毛利亘宏(監修:鋼屋ジン*2)。2020年6月3日発売。
『仮面ライダー鎧武』小説第2弾。2019年3月に開催された『舞台 仮面ライダー斬月 -鎧武外伝-』の、舞台脚本を務めた毛利亘宏氏の手によるノベライズ。
舞台では描かれなかった物語のプロローグ・エピローグ、登場人物の内面描写がより深く掘り下げられており、読めば舞台をまた違った味わいで振り返ることが出来る一冊となっている。同作者が執筆した『小説 仮面ライダーオーズ』と構成が似ている。
帯には呉島貴虎役の久保田悠来氏、アイム役の萩谷慧悟氏がコメントを寄せている。


小説 仮面ライダードライブ マッハサーガ
著者は大森敬仁(監修:長谷川圭一)。2016年4月21日発売。(香港:第15弾として2019年10月25日発売)
仮面ライダードライブ』の後日談で、タイトル通り詩島剛/仮面ライダーマッハが主人公に抜擢されている。
ロイミュードとの抗争が終結してから2年後のクリスマスを舞台に、かつての事件に関わった犯罪者たちが一斉に脱獄、剛や進ノ介を始めとする特状課が再集結して事件に挑む。
映像作品では描かれなかったドライバー入手以前の剛の足取りに追求する描写がある他、DVD媒体で展開されてきた『シークレット・ミッション』の設定を色濃く引き継ぎ、事実上同シリーズの総決算とも言える内容。
また小説と同日発売のVシネマ『ドライブサーガ 仮面ライダーチェイサー』との繋がりも明示されており、更には2016年11月16日発売の『ドライブサーガ 仮面ライダーマッハ仮面ライダーハート』への中継に位置する公式の前日談でもある。
ちなみに表紙にはドライブとマッハの姿が描かれているが、小説本編にはどちらのライダーも(後者は純粋な形としては)登場しない
帯には詩島剛役の稲葉友氏がコメントを寄せている。


【小説 仮面ライダーゴースト ~未来への記憶~】
著者は福田卓郎。2017年11月18日発売。(香港:第16弾として2020年6月30日発売)
仮面ライダーゴースト』の小説で、眼魔世界の創世を描いた第1部、大天空寺の宿命と本編のミッシングリンクを補完する第2部、そしてVシネマ『ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター』の後日談である第3部、と『オーズ』同様の三部構成となっている。
TVシリーズを中心に各外伝作品で描かれた物語を一つに集約した構成となっており、第1部と第2部は超全集にも掲載された眼魔世界や大天空寺の設定を主軸に『ゴースト』前史の大幅な掘り下げが行われ、第3部ではVシネマに登場した少女・クロエが実質的なメインキャラクターとして扱われている。
本作も『小説クウガ』同様、半年近く発売予定日が延期された経緯を持つ。


小説 仮面ライダーエグゼイド ~マイティノベルX~
著者は高橋悠也。2018年6月27日発売。(香港:第17弾として2020年11月30日発売)
仮面ライダーエグゼイド』の小説で、Vシネマ『トリロジー アナザー・エンディング』シリーズの更に後日談を描く。
映像作品では明かされなかった永夢の過去を主軸とし、その心の奥底に抱えた闇の解明、バグスター創世の真実に踏み込んでいる他、檀黎斗の根底にある価値観もうかがい知れる内容となっている。
通常版の他、「マイティノベルX ガシャットカラビナ」並びに「ビジュアルクロニクル」付属の限定版も同時刊行。
帯には宝生永夢役の飯島寛騎氏、並びに檀黎斗役の岩永徹也氏がコメントを寄せている。


【小説 仮面ライダージオウ】
著者は下山健人。2021年7月29日発売。
仮面ライダージオウ』の小説で、ウォズを語り部に、TVシリーズ終了後の戦いが終わった時空を舞台に新たな事件と陰謀に立ち向かうため時間を超えた物語が展開される。
時系列としてはTVシリーズ終了後からVシネクスト『NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』の間の挿話に相当。
平成」成分も歴代ライダーの客演も無い*3純粋に『仮面ライダージオウ』の外伝的な位置づけとなる作品であり、『ジオウ』の物語やに思い入れのある読者なら一読の価値あり。
『鎧武』以降恒例だった年表は複雑過ぎるためか収録されていない。


スーパー戦隊シリーズ


【小説 忍風戦隊ハリケンジャー】
著者は宮下隼一。2014年6月27日発売。
小説刊行の前年に発表されたVシネマ『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』の後日談で、同作の脚本を務めた宮下による事実上の続編作品。
内容は原作のテイストに沿いながらもややアダルティ寄り。


【小説 侍戦隊シンケンジャー 三度目勝機-さんどめのしょうき-】
著者は大和屋暁(協力:松井大*4)。2013年11月29日発売。
スーパー戦隊シリーズとしては初の作品。
侍戦隊シンケンジャー』の番外編的な内容で、はぐれ外道により引き起こされた国家規模の大災害にシンケンジャーがタイトル通り「三度目勝機」を狙って挑む。
電子モヂカラの開発に関わった人物が物語のキーになったり、シンケンジャーの日本国内での立場や政府との関係が明らかになったりと、TVシリーズで語られなかった細かい部分についても幾分か補完されているのが特徴。その半面、TVシリーズを遥かに凌駕するハードかつ陰鬱な作風のため、内容は完全に人を選ぶものとなっている。
また、一応原作だと中盤にあたる2009年の夏の話とされており、原作との繋がりを匂わせる要素なども出てくるのだが、一方で原作の内容と整合性がとれていない部分もあるので*5、シンケンジャーの正史のエピソードと言えるかは微妙で公式からも明言はされていない。そのため上記のハリケンジャーの小説のような、あくまで原作のテイストに沿った完全な地続きの話を期待して読むと肩透かしを食らう可能性もある。
ちなみに帯には「外道衆との最終決戦」と紹介されているが、正直これは完全な広告詐欺なので注意。


ウルトラシリーズ


小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア~超時空のアドベンチャー~
著者は長谷川圭一。2018年12月2日発売。
ウルトラマンガイア』20周年に合わせて発表された作品で、円谷プロダクションの作品からは初の、かつ2022年時点では現状唯一の選出となっている。
劇場映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』の20年後を舞台にした後日談であり、かつての冒険を経て大人になった勉たちが、再び「赤い玉」のもたらす災厄と対峙する物語を描く。
現在のウルトラシリーズ世界観の根底を成している「マルチバース」の設定が全編通してフル活用されており、特に平成期シリーズのファンであれば唸らされる展開も多く用意されている。
通常版の他、特製ピンズセットとスペシャルポスターを同梱した限定版も同時刊行。
帯、並びに後書きには高山我夢役の吉岡毅志氏がコメントを寄せている。


プリキュアシリーズ

以下の他に『Yes!プリキュア5』や『Splash☆Star』の小説も、既刊の帯や公式Twitterなどで告知されていたが、2022年時点で発売には至っていない。

2023年2月8日に、長らく絶版状態だった以下の小説プリキュアシリーズ6作品が新装版として一斉再販&電子書籍化されている。

【小説 ふたりはプリキュア】
著者は鐘弘亜樹(表紙イラスト:稲上晃)。2015年9月16日発売。
ふたりはプリキュア』の小説で、同時刊行の『ハートキャッチ』共々非実写系作品からは初の選出となった。
現在におけるプリキュア達の戦いと、60年前における雪城さなえの物語が交錯する内容。


【小説 ふたりはプリキュア マックスハート】
著者は井上亜樹子(表紙イラスト:稲上晃)。2017年10月19日発売。
ふたりはプリキュア Max Heart』の小説。内容は本編の挿話的な雰囲気が強く、TVシリーズのゲストキャラだった藤田アカネの後輩・中尾が物語に大きく絡んでくる。
ちなみに著者は同レーベルの『小説 仮面ライダーディケイド』『小説 ふたりはプリキュア』も執筆した「鐘弘亜樹」の新名義。


小説 フレッシュプリキュア!
著者は前川純(表紙イラスト:香川久)。2016年3月16日発売。
フレッシュプリキュア!』の後日談。TVシリーズの一年後を舞台に自らの進路という岐路に直面するラブ達と、新たなる敵との激突を描く。


小説 ハートキャッチプリキュア!
著者は山田隆司(表紙イラスト:馬越嘉彦)。2015年9月16日発売。
ハートキャッチプリキュア!』の小説で、『ふたりは~』と同時刊行された。
キュアムーンライトこと月影ゆりを主役とし、彼女がプリキュアとなった経緯から挫折までの前日談、本編における彼女の心情描写などを補完する形のノベライズとなっている。


【小説 スイートプリキュア♪】
著者は大野敏哉(表紙イラスト:高橋晃)。2016年11月22日発売。
スイートプリキュア♪』の小説で、TVシリーズの一年後を舞台にした後日談。同レーベルのプリキュア小説と比べても淡々とした一人称形式、かつ全編通してやや重めの作風が独自の雰囲気を醸し出している。


【小説 スマイルプリキュア!】
著者は小林雄次(表紙イラスト:川村敏江)。2016年10月4日発売。
スマイルプリキュア!』の後日談。TVシリーズの物語より10年後、24歳の大人となったみゆき達が、様々な現実の壁や挫折に直面し葛藤しながらもそれに立ち向かい、やがて一見平穏な世界の裏側に潜む邪悪な仕掛人の存在に気付く、という大筋。


ゲゲゲの鬼太郎


【小説 ゲゲゲの鬼太郎 ~蒼の刻~】
著者は大野木寛、井上亜樹子、山田瑞季、永富大地。2019年5月24日発売。
『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の小説版。講談社キャラクター文庫のレーベルとしては初の、複数著者によるアンソロジー形式の短編集となっている。
ラブコメあり、背筋の凍るホラーあり、気楽に読めるコメディあり、考えさせられるエピソードあり……と、色々な意味で「第6期鬼太郎」らしい作風を多方面から描いた全7編収録。


【小説 ゲゲゲの鬼太郎 ~朱の音~】
著者は大野木寛、市川十億衛門、金月龍之介、永富大地。2020年3月25日発売。
『ゲゲゲの鬼太郎』第6期の小説版第2弾。講談社キャラクター文庫のレーベルで、同一作品原作の2作目がリリースされるのは初となる。
今回もアンソロジー形式による全5編(+連作掌編)収録で、「第6期鬼太郎」という作品に対する小説媒体ならではのアプローチは健在。
通常版の他、フィギュア「HG GIRLSねこ娘ノワールver.」付属の限定版もリリースされている。


その他シリーズ作品


【小説 ミュージカル 美少女戦士セーラームーン La Reconquista ─ラ レコンキスタ─】
著者は平光琢也。2015年4月1日発売。
まさかの『美少女戦士セーラームーン』ノベライズ。
内容は2013年開催のミュージカル版に沿ったもので、原作漫画版のダーク・キングダム編終盤をベースにアレンジを加えたもの。
ミュージカル版で設定が大きく変更された部分もそのままにした上でキャラクターの掘り下げを行っているため、結果的に原作漫画版ともアニメ版とも違う雰囲気に仕上がっている。


【小説 明日のナージャ ~16歳の旅立ち~】
著者は金春智子(表紙イラスト:中澤一登)。2017年9月12日発売。
明日のナージャ』の小説で、タイトル通りTV本編の3年後を舞台に、16歳となったナージャとダンデライオン一座の仲間たちの新たな旅立ちを描いた物語。
巻末にはTV番組のプロデューサーを務めた関弘美氏が解説文を寄せており、当時の番組制作に纏わる裏話をコメントしている。



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最終更新:2024年03月20日 18:56

*1 主に特撮作品のノベライズを扱っているが挿絵などはなし。

*2 奥付には記載されているが、書籍表紙には鋼屋ジン氏はノンクレジット。

*3 ただし、1人だけ名前は出てくる。

*4 スーパー戦隊などの特撮番組の製作に関わる編集プロダクション「企画者104」のスタッフ。

*5 原作だと既にドウコクから追われる身になっていた十臓が、何故か三途の川にいてドウコクの舟を守ったり等