ジェットジャガー

登録日:2011/06/21(火) 09:35:05
更新日:2024/04/09 Tue 08:23:02
所要時間:約 3 分で読めます





ジェットジャガー


それは、「ゴジラ対メガロ」で鮮烈なデビューを飾った我らがである。


【劇中の活躍】

天才科学者伊吹吾郎によって作られたスーパーロボットである。こんなロボットを個人で作るんだから間違いなく天才である。
基本的に意志は無く、電波や超音波を利用した遠隔操作で操られる。また、空を飛ぶことも可能である。

作中ではその能力に(なぜか)目を付けたシートピアに奪われ、メガロに攻撃目標を指示する水先案内役を務めた。
しかし、伊吹達によりコントロールを奪還され、ゴジラを呼びに怪獣島へ行く。そしてゴジラより先に日本へ戻ると、何故か意思を持ち、メガロの目の前で


変身ポーズらしき事をし胸の部分が発光して
巨 大 化

した。これにはメガロもびっくりである。

なお本来ジェットジャガーには


自分の意思や巨大化機能は無い


自分の意思や巨大化機能は無い

大事なことなので2回(ry

製作者の伊吹も「電子頭脳が刺激されて意思が宿った」「戦わなくてはならないという強烈な意思がジェットジャガーを巨大にした」とか何とか言っていたが、意味不明である。
おそらくゴジラシリーズ最大の謎である。

ちなみに目の前で巨大化されたメガロはジェットジャガーが敵に回った事を知らなかったのか、攻撃されるまでボーっとしていた。攻撃目標に水先案内人が必要な件も含め、シートピアはメガロへの報連相をしっかりすべきである。

その後はメガロと交戦を開始。
周囲を旋回するメガロを目で追ううちに目を回して倒れる(三半規管があるの?)など間抜けな一面を見せつつも、比較的優勢に戦闘を進める。
ちなみに飛び道具はない肉弾戦仕様であり、さらに必殺技すら持っていない。一応両目にはサーチライト機能があり、地中に潜ったメガロを探すさいに使用した。

ガイガンがメガロの応援に来てからは一気に劣勢となるも、救援に来たゴジラに助けられタッグマッチに発展。
メガロとゴジラがタイマンしている間、ジャガーはガイガンに腰まで埋められていた。腕がドリルのメガロと戦ったならともかく、どうしてそうなった。
飛行機能を生かしてゴジラをアシストするも、ほとんどゴジラ無双で決着がついた。

戦闘終了後は変身ポーズらしき事をするとまた元のサイズに戻り、使命を終えた事で意思も消失した。
作品は子門真人氏が歌うテーマソング「ゴジラジェットジャガーパンチ!パンチ!パンチ!」で締められる。


【その後のジェットジャガー】

その後はゴジラシリーズに登場することは無く、作品の評価が芳しくないこともあり非常に扱いが悪かった。

しかし、平成VSシリーズがヒットする中で昭和シリーズの怪獣が続々ソフビ化され、ジェットジャガーもその恩恵に与った。
その後は東宝怪獣オールスターの人形劇「ゴジラアイランド」にも人間が操縦するロボットとして度々登場した。
色替えで救急用の白いジェットジャガーと消防用の赤いジェットジャガーが登場した。なお、限定でソフビも販売された。

さらにメガロとセットでミクロマンが発売され、ゴジラゲームに出演する等、地位向上はとどまることを知らない。

PS3ソフト「ゴジラ GODZILLA」では条件を満たすことで町を破壊するゴジラ(プレイヤー)の前に立ちふさがる。 
倒すと爆発四散…ではなく、なんとゴジラと友情が芽生え、ガッチリと握手をする
…何も言うまい。
なお、ルートによっては1回のプレイで3回ジェットジャガーと戦うことができ、その場合トロフィーを獲得できる。


そして時は流れ、令和の世となった2021年…


【『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』におけるジェットジャガー】



体は鋼!心は電子!泣く子も黙る!黙る子も泣く!

“ジェット・ジャガー”たあ、こいつのことだ!!

本年4月から放送を開始した、和製ゴジラシリーズでは初となるTVアニメ『ゴジラS.P』にて、
まさかの主役級メカとしての登場を果たした。

本作においては、何でも屋「オオタキ・ファクトリー」の所長である大滝吾郎が世界平和を目的として建造したロボットという設定。
会社のシンボルマークにも起用されており、看板や職員の制服に使われている。
一応は戦闘用ロボットとして設計されているものの、
  • コクピットハッチがただの鉄格子
  • 武器を搭載していない
…など、些か心許ない印象を受ける。

その見てくれも頭の割に広い肩幅、細長い腕、そして何より異様に足が短いアンバランスな体型となっている。
これでもガッシリした短足ならまだリアルロボとしてカッコが付くが、残念ながら自慢の短足は腕と同じレベルで細い上に股下の広いガニ股である。
例えるならジェットジャガーの胴体と顔を乗っけたバンピートロットみたいなルックス。
作中基準でも相当ダサいらしく、地元の祭りで「ジェットジャガーとあそぼう!」なる催し物をやっていた際、見ていた子供から「死ぬほどダセぇ!」と罵倒されるほど。

先述の通りコックピットが存在しており、基本的には有人操縦形式だがシステムをプログラミングすればある程度の無人運用も可能。

劇中での活躍

第2話にて、祭りの最中に突如現れた翼竜のような生物に対し大滝自ら乗り込んで交戦。
しかし、ろくに武器も持たないジェットジャガーでは防戦一方となってしまい、右腕やコクピットハッチを破壊されたため脱出を余儀なくされる。
有川ユンが無人操縦に切り替えようとするも、プログラムが祭り用に設定されていたため再起動させるのに70秒も待たなければならなかった。
ユンや大滝が懸命に時間を稼いだことで再起動を果たし態勢を立て直すが、翼竜は上空へ逃れるように飛んだかと思うと突如力尽きそのまま絶命してしまう。

結局、ジェットジャガーはこの戦いで右腕とハッチの破損に加えてモーターが12個焼き切れ、しばらくは修理に専念。
大滝も骨折を患い入院するハメとなった。

【フェス・ゴジラ4『オペレーション・ジェットジャガー』におけるジェットジャガー】

2023年11月3日のゴジラの日*1に配信された「ゴジラ・フェス2023」内で公開された新規特撮短編に登場。
2020年に始まったフェス・ゴジラは2021年にはFW版ヘドラと、2022年にはガイガンとの戦いが描かれており、ジェットジャガーのデビュー作であるゴジラ対メガロ50周年の締めくくりとして映像公開が行われた。
(なお、同じく50周年のメガロも同様にCG短編ゴジラVSメガロにてリファインデザインで復活し、ゴジラと激突している)
前年のガイガン同様にクラウドファンディングでスーツが新規作成されており、最新の技術や素材を使いながらも初代ジェットジャガーのデザインを忠実に再現している。

劇中では前作でガイガンを倒したことで戦うべき相手を失い力を持て余して日本全国で暴れまわる厄介者ゴジラを倒すべく、日本政府が総力を上げて開発した巨大人形決戦兵器として登場。無人機で、人工知能を搭載しているらしい。
ゴジラ相手に華麗な徒手空拳で戦うも、強烈な一撃を受けてダウンしてしまう。
しかしその時、まさかの金色の三つ首超怪獣が飛来。街を破壊し、更にゴジラにも攻撃を加えていく。
その様子を見ていたジェットジャガーはしばしの逡巡の末に立ち上がると、ゴジラのもとへ向かいこれを助け起こすとサムズアップで意志を伝える。ゴジラもこれに応え、握手を交わした両者は肩を並べ侵略者に立ち向かうのであった。

かくして物語は「フェス・ゴジラ5 怪獣大決戦」へとつづく。

【余談】

そもそもはデパート主催の怪獣コンテストに入賞したレッド・アローンが元である。
しかし、ボディ以外は原型を留めない勢いで変更されている。元々はコウモリみたいな羽で頭も怪獣みたいだった。

あんなニヤケ面ではなかった。

造形は安丸信行と小林知己。

ちなみに顔のイメージは般若であり、翌年のメカゴジラにも生かされた。またはアントニオ猪木との説もある。

飛行音はウルトラマン、光線音はウルトラセブンのワイドショット、機動音やゴジラに送ったサイン音はキングギドラの鳴き声をそれぞれ流用。

頭はFRP、胴体はウェットスーツに板状のフォームラバーを貼り合わせて制作されている他、眼は自動車のテールランプの流用。
また、3尺サイズの飛び人形が製作されている。
撮影で使われたスーツだが、残念ながら胴体は無いものの頭部と作中登場した設計図は現存しており、長い年月が経過したにもかかわらず綺麗な状態を維持している。イベント等で見た人も多いだろう。

平成VSシリーズの頃に出版されていた今は亡きゴジラ専門誌、「ゴジラマガジン」では嫌いな東宝怪獣ランキングにて堂々の一位を獲得した。
今やったら何位になるかが楽しみである。

『ゴジラ 怪獣黙示録』では宇宙人ビルサルドとの共同開発により「38式起動戦闘服ジャガーJ」が完成した。
こちらはあくまでパワードスーツなので巨大怪獣相手には分が悪いものの、何分小回りがきくし防御力が高いので
これを着たままMOGERAなどに乗り込むことで素早く脱出することもできる。
作中では小回りの利かない戦闘車両が破壊されていく中でビオランテを相手に奮闘する様が描かれた。

ドイツ語版『ゴジラ対メガロ』こと『キングコング - 宇宙の悪魔』ではドイツの代理店によって宣伝のために キングコング と改名された。
わざわざ「別に巨大な猿がロボットスーツを着ているわけではない」というセリフが追加されたとかなんとか……

『ゴジラS.P』版は本作におけるゴジラと同日にソフビが発売された。

なおアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に出てきたジェット・アローンはここから取られたらしい。
確かに色合いやニッとした口はどことなくそれっぽいし、名前も前述のレッド・アローンと掛けているのだろう。
ジェット・アローンはその後ゲーム版にて「ジェット・アローン改」が登場、更に世界観を一新した新劇場版シリーズにもエヴァ2号機の改造ベース「JA02」という形でわずかに登場している。
ジェットジャガーも前述のようにリメイク・リブートされての登場が行われているが、あくまでもパロディ元とパロディキャラでありそもそも両者ともにマイナーな立ち位置というわけで、共演する機会ももちろん無かった。



無いはずだった。

【ジェットジャガー-ver.JA02-】

2023年12月にバンダイのTCGバトルスピリッツにおける「ゴジラ対エヴァンゲリオン」とのコラボカードセットに収録されたJA02の装甲を纏ったジェットジャガーの姿。
ゴジラ対エヴァンゲリオンとはシン・ゴジラをエヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明氏が総監督を務めたことをきっかけにしたコラボ企画であり、フィギュアやパチンコのムービーなどが制作されていた。
バトスピは以前よりゴジラおよびエヴァとのコラボ商品をリリースしており、その両者を一度に強化できる商品として登場した形になる。

そしてこの「ジェットジャガー-ver.JA02-」なる存在はゴジラ対エヴァンゲリオンにも一切登場したことがない、本商品の新規キャラクターとなる。10年近い歴史がありマニアックな出典作品*2に定評のあるバトスピコラボでも類を見ない。
フレーバーテキストでは「破損した箇所を修復し蘇ったジェットジャガー。」という一文のみが語られており、どのような存在なのかは語られていない。イラストは頭部は初代ジェットジャガー、首から下はJA02となっており、青空の下でジェットジャガー伝統の構えを取っている。
系統*3は機人・WILLEとなっており、機人は歴代ジェットジャガー並びにロボット戦士が持つ系統。WILLEは新劇場版における組織の名前で、JA02もこの組織のもとで運用されている。カードとしては2号機・8号機を支援する効果を持っており、ある程度の想像はできるものの結局のところ詳細な設定は不明。

なおこのカードがバトスピ公式X(旧Twitter)にて公開されたのは2023年11月3日の夕方。すなわちゴジラの日当日、それもフェス・ゴジラ4が公開された直後であった。
2024年3月現在ではこのカード以外にこのジェットジャガーが他媒体に登場することはなく、どのような存在なのかは依然として謎のままである。



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最終更新:2024年04月09日 08:23

*1 ゴジラ第1作が封切られた11月3日を記念して制定された、ゴジラ誕生日。文化の日でもある。

*2 ゴジラシリーズであれば配信限定短編の「ゴジラVSガイガンレクス」が参戦済。

*3 種族や所属組織のようなもの。