小沢澄子

登録日:2015/03/29 (日曜日) 20:45:05
更新日:2024/02/04 Sun 21:09:33
所要時間:約 7 分で読めます






バカね。正しいか間違ってるかなんかどうでもいいの。

男はね、気に食うか食わないかで判断すればそれでいいの。



仮面ライダーアギト』の登場人物の一人。
演:藤田瞳子



【概要】
警視庁未確認生命体対策班(通称SAUL)の実働部隊・G3ユニットの司令塔。
階級は警部。役職は管理官。
仮面ライダーG3ことG3装着員・氷川誠の直属の上司にあたる。

役割はチームの全体指揮で、G3出動の際はオペレーションの一部も担当。
普段庁内にいる時は、会議で上層部に食って掛かったり、嫌味な同僚と戦ったりと忙しく動いている。
また、G3システムの開発を手掛ける科学者でもある。

数少ない女性レギュラーであり、一応サブヒロインかつG3サイドの華なのだが……



【人物】
年齢は25歳。氷川より二つ年上。
1977年ニューヨーク生まれの帰国子女で、12歳の時にマサチューセッツ工科大学に入学し、15歳で博士課程を首席で修了している。
その後に日本の城北大学を卒業してから警察官となった。
という華々しい経歴から分かるように、飛び抜けた頭脳を持つ天才である。IQ180以上。

しかしそれを聞いた尾室が若干疑いを持つくらいには、本人は庶民派を貫いている。エリート扱いされるのは嫌いらしい。
気取った店より焼肉屋。ほとんどいつも焼肉とビール三昧。部下にも太っ腹に焼肉を奢りまくる。
生ビールをジョッキで消費するスピードは常人の域ではない。勤務中に飲むわ他人の家で飲もうとするわ…。

それでもその無茶苦茶な言動は天才…という名の変人のそれであったりもする。
アンノウンアギトも貴方が八つ裂きにすればそれでいいのよ!」と言った翌々週には「(アギトに)二度も助けてもらったらもう味方に決まってんでしょ!!」と言い放つ。
マイペース、大雑把、自信家、唯我独尊。
非常に気が強く、感情の発露を大事にしていて、気分に合わせて好き放題言いまくる様は寧ろ清々しい。

時に男気溢れる根性論をぶち上げるので、最早G3ユニットの親分、または番長と呼ぶファンもいるとか…。
だが常に無茶苦茶やってるわけでもなく、氷川が迷走しそうになると冷静に一刀両断する。落ち着きには定評があり、テンパったことは一度も無い。
ちなみに口は出しまくっていても手はほとんどあげない。レアな被害者は若干一名のみ。

また、チームのことは彼女なりに大切に思っている。
リーダーポジションは伊達じゃない、頼れる姐御なのである。



【周囲との関係性】
◆氷川誠
「行くわよ氷川くん! G3-X出動!!」
小沢が最も信頼を置き、そして最も高く評価している人物。
氷川の人間性こそが、彼をG3の装着員に選んだ理由であり、長きに渡って揺らがぬ信頼の礎であり、小沢が考える「人間の最大の強み」である。
戦闘をギリギリまで任せるのも氷川を信じているからこそ。一方で、彼が傷つき倒れた時は休養を優先させる。
曰く、氷川は「可愛い」とのことで、上司として常に彼を支えながらも、時に保護者のように、時にあからさまに贔屓して可愛がっている。
氷川が何度か異動しても変わらず応援しているが、後半で彼が反抗期を迎えた時はやや複雑そうであった。


北條透
「元々アホ男だと思っていたけど、私が間違っていたわ。あんたはドアホよ!!」
全編通して小沢と戦い続ける天敵。最初は氷川のライバルとして登場したが、いつの間にか小沢のライバルになっていた。
小沢は元々こういうタイプの人間が嫌いなようだが、序盤は特に氷川に難癖をつけられたため関係は悪化の一途を辿る。
だがそもそも二人の因縁は本編開始前から始まっていて、小沢がG3装着員に北條を選ばなかったことが中盤までずっと尾を引いていたのだった。
二人の舌戦は本作の見どころの一つでもある。本人達にとってもいつの間にか良い刺激材料になっていたようで、最終回ラストで久々に再会した際はお互いに笑みが浮かんでいた。


◆尾室隆弘
「ところで…普段から影が薄いせいか今やっといないことに気付いたけど、尾室くんは?」
暴君と手下のような間柄。…というのもあれだが、尾室を振り回している時の小沢は輝いている。
尾室は凡人かつ小物なのでそれなりに袖にして良いように扱っているが、それでも大事な部下には違いなく、G3-MILD出動の時は温かく見守り、終盤の裏切りも寛容に許した。


津上翔一
「ああいうタイプだから理解するのが難しいかもしれないけど、器の大きな人間だわ」
小沢が氷川の次に信頼を寄せている男。
変わり者同士気が合うのか、出会ってすぐに気に入り、いち早く理解を示した。
アギトの正体を知った時もすんなり納得し、「良かった。あなたがアギトで」という言葉を贈っている。
曰く、小沢が今まで出会った人間の中でそこそこ純粋と言えるのは、氷川と翔一の二人だけらしい。


◆高村光介
◆美杉義彦
「そういうことなら、私もあなたを嫌いになります」
二人とも小沢の城北大学時代の教授で、特に高村は研究室での恩師。
小沢からすればどちらも思い出深い人物なのだが、教授側は当時からその唯我独尊っぷりが嫌いだったらしく、対応は冷たかった。
しかし高村は小沢の抱えるものの一片を指摘し、同時に助力もしてくれるなど、今でも恩師としての役割を果たしている。





さて、彼女はただの漢らしい変人上司かっていうとそうではない。





【小沢さんの可愛い子ども達】
詳細は「Gシリーズ」を参照。

◆G3
未確認用。
対アンノウンではプロトタイプであり、何度も壊されては少しずつ強化修理してデータ収集していた。
派生量産型のG3-MILDを除けば最も弱い子だが、だからこそシステム的には最も人間に優しい子。

◆G3-X
高村教授も認める完璧なAIシステムを積んでいる、まさに最高傑作。
だがその「完璧」とは小沢の天才頭脳が「完璧」と見なしたレベルであるからして、並みの人間には到底使えない代物。
アギトに進化済みの翔一だけがちゃんと扱うことができ、氷川が使うには制御チップでレベルを落とさなければならない。

G4
G3運用と同時に企画開発が進んでおり、G3の後継となるはずだった。
だがひたすら完璧な強さを追求した結果、G3-X以上にAIシステム>>>人間になってしまい、最早装着員の方がG4の餌。
小沢は当然これを世に出すことなく封印した。しかし…


以下は半公式設定
G1
S.I.C. HERO SAGA『AGITΩ EDITION -PROJECT G1-』に登場。
最初のGシリーズにして、G3以上にそのまんまメカクウガ
でもクウガ再現しすぎているため人間には使えない。

G2
てれコロコミックの2001年夏休み増刊号に掲載された漫画『G3-Xvs機動装備G2』に登場。
唯一、装着型ではなく自立式。「人間に着せずにAIシステムだけで動くようにすればいいのでは?」という疑問を解消している存在。
音声認識コントローラーで操るが、AIシステムが人間の命令を聞かなくなって制御不能→暴走し、人間の味方になるものかどうかも判然としなかったためにお蔵入りとなった。
つまりやっぱり人間には使えない。



【天才が抱える闇】
上記を見れば分かるように、小沢が完璧を求めると人間の領域を外れてしまう。
これは小沢の天才さそのものが、人間の領域を超えてしまっているということだろう。
最終回で北條と会話するシーンにて、小沢が普通の人間でありながらアギト側の肩を持ったことからもうかがえる。
高村教授が小沢に説いた「人間が使えるもの」の大切さは、彼が人間の領域で生きる科学者だからこそ説けるものである。

だが小沢が「機械的完璧の追求」をしてしまうのも、偏に天才だからこそ。
劇場版の公式サイトでは、あんなに危険なG4を生み出してしまった背景に触れており、
曰く「設計できると分かっているから設計せざるを得なかった」
それはまるで芸術家のように…警察官としてではなく、あくまで個人的動機、エゴによるものだという。
この辺りは時に彼女が“マッドサイエンティスト”と揶揄される所以である。

しかしそのまま運用に持ち込まない辺り、その辺のゲスいマッド野郎と違って悪の道に落ちない理性をちゃんと保っていると言える。
本人も自分が「機械に魅せられた天才」であることを気にしているからこそ、普段感情に重きをおいた言動をしたり、エリートぽさを嫌ったりしているのかもしれない。
ただの人間の代表たる氷川を可愛がるのも、自分には決して持てない輝きに惹かれるからだと思われる。



【余談】
◆放送当時はBSEで牛肉を控える傾向にあったが、そんな中で小沢の焼肉シーンを入れまくったアギトスタッフは全国食肉事業協同組合連合会から表彰された。
◆脚本の井上敏樹は小沢と北條がお気に入りらしい。
◆演者の藤田氏は「肉は別腹」と言うほどの肉好きだが、それ以外はとても少食らしい。小沢のほっそり加減がすごいのはそのため。
◆藤田氏の演技の関係で小沢は瞬きが少ない。その上で編集するともっと少なくなってしまい、ワンシーンの間中ずっと瞬きしてない時もあるとか…。
◆藤田氏曰く、小沢のキャラクターは元々はあれほど強気な設定ではなかったらしい。だが藤田氏の演技を見た井上が脚本をそれに合わせた結果、あのキャラが出来上がったのだとか。



【共通点がある人物】
◆お好み焼き屋の客(劇場版仮面ライダー龍騎)
真司美穂が訪れたお好み焼き屋にいた、小沢によく似た女性客。
氷川によく似た男と北條によく似た男と三人で、何故か焼肉を食べていた。
そして尾室によく似た店員があわあわしているのを尻目に「ビールまだー!?」と叫んでいた。

◆神丘令(仮面ライダー剣)
小沢によく似たカメラマン。元は遥香の夫の助手だった。
ラストでとちょっとフラグ立てていた。

◆八代陶子(仮面ライダーディケイド)
「アギトの世界」でG3やG3-Xを開発していた女性警察官。「クウガの世界」で一条さんの立ち位置を担っていた八代藍刑事に酷似している。
真魚ちゃんなどの要素も含んでいるらしく、ショウイチにとってのヒロインとして活躍した。

◆榎田ひかり(仮面ライダークウガ)
「警察関係者で女性科学者」の先代。

◆沢神りんな(仮面ライダードライブ)
「警察関係者で女性科学者」の後代。





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最終更新:2024年02月04日 21:09