木原脳幹

登録日:2015/03/26 Thu 01:00:14
更新日:2024/03/19 Tue 18:26:57
所要時間:約 3 分で読めます





木原脳幹とは、とある魔術の禁書目録の登場人物、いや登場動物である。
初出は新約7巻(名前だけなら新約4巻)。



科学の悪用を宿命としたマッド・サイエンティスト集団「木原一族」の一匹。
血族に集中している「木原」の中では、今のところただ一匹血族に縛られていない「木原」である。

正体は「ゴールデンレトリバーに演算回路を外付けしたもの」という、マジキチ集団である木原一族の中でも一際異質な存在(まぁ幻生爺さんや病理姉さんみたいに平気で人間辞める奴も居るが)。

勘違いされやすいが、元々人間だったものがゴールデンレトリバーに意識をトレースしたというわけではなく、正真正銘ただの犬が外付けされた演算回路によって人間を越える知能を有したのが彼である。

弟子に同じく木原一族の木原唯一が居る。
作中で登場した時は大体彼女と一緒に居る。唯一は彼のことを尊敬しているようで師弟仲は良好なように思えるが、彼としては突然抱きしめてきたり、尊敬しているのか馬鹿にしているのか分からない態度を取る彼女の言動に辟易している模様。

外でも周囲に一般人がいながらも普通にやたらとダンディな声で会話をするが、そこは学園都市。勝手に一般人のほうが「首輪にスピーカーがある」とか推測してくれるので問題はないらしい。

推定寿命は約80年。本人曰く既に老犬の域に差し掛かっているとのこと。
犬なのにも関わらず一族でもトップクラスの顔の広さを誇り、頭は悪いが金だけは持っているパトロンを唯一に紹介している。
因みに唯一にもどうして顔がこんなにも広いのかは分からないらしい。

嗜好品として葉巻を、それもキューバ産の一級品を好む。
逆に「ペットカフェ」みたいな、動物のため動物のためとか言っておきながらどことなく愛玩動物として見下しているような空間は苦手で、わんちゃんケーキもお気に召さないようだ。

一族の中での序列は不明だが、木原唯一を弟子としていることから科学者としての能力は極めて高いと思われる。

また統括理事長であるアレイスターと対等以上の関係で話が出来る動物でもある。

しかもこの会話内容に「魔神」や黄金系の魔術師達、はたまたアレイスターの過去についても知っているような発言がなされている。
作者があとがきで「アレイスターと肩を並べて闇を歩む者」と述べていることからも、禁書世界における最も深い闇に属していると推測される。

ただしこの手の闇に属している人物(?)にしては珍しく不要な破壊行為には嫌悪感を示したり、自らのことを外道と吐き捨てるなど「木原」らしからぬ性格の持ち主である。
もっとも必要に迫られれば何万人でも犠牲にするタイプの犬なので、本人が言っている通り間違いなく外道ではある。

彼の「木原」としての役割は、レディリー=タングルロード、フロイライン=クロイトゥーネ、コードネーム「ドラゴン」のように魔術師や理解の出来ない領域に居る者たちへの安全弁であること。
「対魔術式駆動鎧」という地の文で「鋼の塊」と書かれる兵器を所有しているらしいが、詳細は不明。

新約11巻では本来の役割ではないのだが、アレイスターが不在の時に増長し再合流さえ拒んだ蠢動俊三ら造反組72件の抹殺を、殺傷過多とも言えるほどの兵器で出来た要塞で(本人曰く「合体は男のロマン」)実行。
アレイスターに学園都市の権力を再び集中させることに成功し、イレギュラー(魔術)の撲滅のための準備が整うこととなった。


※以下新約12巻ネタバレ注意












『心配はいらない』
『たとえ貴女がこの世を去っても、貴女が遺した「木原」はここにいる』




戦後復興のドサクサに紛れて渡航してきたアレイスターが学園都市を作り上げた時、「木原」の始祖とも言える7人の研究者が居た。

彼らは当たり前のように笑い当たり前のように哀しむただの人間であった。
しかし「木原」という区分がまだ明確でなかったので、彼らは苦悩していた。

完全に狂った、イカれたと絶望しながらも科学の道を邁進する己を止められない。
常識人としての理性で苦しみながら、実験成功の報には喜んでしまう。そんな人物たちであった。

ゴールデンレトリバーに知性を与えてくれた誰かも、この頭を、完成された「木原」にはない柔らかさを持って撫でながら、いつもいつも人の言葉で謝っていた。

始祖たちは狂いながらも、絶望しながらも人の知性で世の理不尽と戦い続け、「木原」の存在を定義付けこの世を去った。
この結果が今日の完成された「木原」に繋がったのである。



そして時は流れ、ブードゥー教の魔神「ゾンビ」を撃破し、アレイスターと共に魔神たちへと宣戦布告をした木原脳幹。
本格的な魔術と科学の戦争はこれにより不可避なものとなった。

彼は殊更魔術に対して敵愾心を抱いているわけではない。魔術師によって大切な人を殺されたというわけでも勿論ない。

これは生き様の問題。始祖たちが遺した一つの心を、どのように使うかという話である。


どこまでも「木原」らしくあれ


たとえ始祖たちが嫌った外法に頼ってでも、そのルール違反の矛盾こそが「木原」なのだと胸を張って。
犬畜生を心持つ一個の存在へと昇華させてくれた人達のためにも。
そして続くことが出来なかった者達の努力を、なかったことにしないためにも。





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最終更新:2024年03月19日 18:26