機動戦士ガンダム アッガイ北米横断2250マイル

登録日:2012/06/13 Wed 18:01:41
更新日:2022/04/27 Wed 18:48:39
所要時間:約 6 分で読めます






彼らは決して忘れない

彼らを守り

共に戦った

一頭の海の魔物のことを



『機動戦士ガンダム アッガイ北米横断2250マイル』とは、あの連邦愚連隊を描いた曽野由大(脚本はクラップス)による漫画作品(愚連隊の外伝的作品にもなっている)。
アッガイが主人公機という、それだけでも世にも珍しい漫画なのだが、この作品の特徴はそれだけではない(後述)。



◇概要
アッガイ乗りの学徒兵の兄弟、ノルトとベルデ。
彼らは北米ケープカナベラル基地から、キャリフォルニアベース本部までの道のり2250マイルを、本隊のシンガリとしてアッガイで行くことになる。



◇登場キャラクター

○ノルト・キスノ
アッガイ乗りの兄弟の1人(兄)。階級は曹長。
髪の毛が黒ベタの方。
口は悪いが、仲間や弟に対しての想いは非常に強い。
アッガイを性能以上(としか見えない)に操り、向かってくる連邦軍のMSを片っ端から葬る様は圧巻。

なお、彼にとってマメッコーラ*1は『クソマジー』らしい。


○ベルデ・キスノ
同じくアッガイ乗りの兄弟。こちらは弟で階級は伍長。
髪の毛が白のままの方。
兄とは違って性格は真面目で堅く、仲間から野球に誘われても『地球帝国主義かぶれのスポーツ』と言ってやろうとしなかった(しかし、最後は……)。
兄に隠れがちだが、こちらの操縦技術も中々のもの。やっぱり性能以上に(ry


○ザク乗り(イヌ)のオッサン
階級は曹長。本来なら彼にアッガイが渡り、ノルトたちはケープカナベラルから宇宙に上がる予定だった。
が、シャトル打ち上げの時に連邦のアクアジム部隊が出現。立ち上げに手間取っていたところを、ノルトがパイロットとして交代する。

バズーカでジムたちを引きつけようとしたが……。


マゼラアタックのパイロット
ノルトらが行く途中に出会った名無しのパイロット。マゼラアタックを乗せていたトレーラーが溝にはまってしまい、本隊から置いてけぼりになっていた。
ベルデに対して教訓めいた話をした直後、敵襲に遭ったため応戦、マゼラトップで善戦するも墜落。脱出したところをトレーラーにいた仲間ごとやられてしまう。
だが、彼の残した機体はなんと……。


○ジェニファー
自称『さ迷えるダンサー』。 キャリフォルニアまでの道を諦め(ようとし)たノルトと偶然出会い、その場の流れから付近の街に共に着く。
『若い夫婦』として街の人間からは歓迎されるが……。


〇量産型ガンタンクのパイロット
顔も名前も出てこないが、絵に描いたような腐れ外道。
ノルトらをいぶり出すために、仲間と一緒に街一つを平然と焼き払うド畜生。

最終的には、ノルト機によって逆に乗機ごと悲惨な目に遭わされ敗れ去る(後述)。


○ソルマ・ヨハンセン
ブサイクなMSのパイロットの1人で、キリシア直属のヨハン特務隊隊長。
第1話の1ヶ月ほど前にノルトと格闘テストの模擬戦を行った。
機体のクセを掴みながらの操縦でアッガイを翻弄するも、必死の一撃を受けて本気を出し、アッガイの反撃を悉く捌いて絞首刑にした。模擬戦終了後は…?
本作唯一の「キスノ兄弟とガチで戦った友軍」。

余談だが、ブサイクなMSのパイロットは他にもいて、どっかのマイスターになんだか似てる。


○ハサン
ハイスクール時代のノルトの友人。
アージャ(連邦愚連隊に登場するジオンのパイロット)に装備を届けるためにコムサイで降下していたところ、偶然再会する。
ノルトらを乗せて宇宙に戻るはずだったが……。


○スハン
『連邦愚連隊』にも登場する、ジム・ライトアーマーのパイロット。
通りすがったノルトと交戦、攻撃を一つも食らわないまま彼を追い詰め、庇ったベルデのアッガイを中破させる。

そのままトドメをさそうとしたが、地下水脈に潜り込んでのノルトの戦術に翻弄され、そのまま決着はつかなかった(この様は劇中でモグラ叩きゲームとして描写された)。


ジム・ストライカー軍団
愚連隊本編にて大暴れしたピクシーの僚機。ピクシーの撃ち洩らしを仕留める為に現れた。
相手がアッガイとして侮るが彼らの戦場の絆の前に敗れ去る。


○ホーク・ロイザー
相変わらずの金言メーカー。


○水中型ガンダムのパイロット
顔無し&名無しのパイロット(でありながら本作屈指の存在感を持つ)。
キャリフォルニアベースにいた部隊をたった一機で次々と撃破、海の魔物としてハイゴッグのパイロットを戦慄させた。

とてもじゃないがアクアジムに毛が生えた程度の性能ではない。やはり性能以上(ry
あと何だかんだで生きている。



◇登場機体

アッガイ(活躍は後述)

アクアジム
あまり性能の高くない機体だが、本作では(戦場の環境も考慮してだが)『ザクでは手も足も出ない』強敵として描かれている(当該項目も参照)。

マゼラアタック(及びマゼラトップ)





ジム・ライトアーマーガンキャノンⅡガンタンクⅡ
連邦愚連隊にも登場したチーム。

ジム・ストライカー
計三機登場。
シールドがHGUCや戦場の絆でお馴染みのスパイク付きのタイプではなく、クロー付きのタイプ(グラッブシールド)となっている。

水中型ガンダム
本作ラスボス機。
先述のように異様なまでの強さを誇り、Gガン…とまでは行かないが必殺技まで備える。

○ジオン水泳部の皆さん














……さて、本作の見所だが(ネタバレありあり)












  • 前述にある通り、性能以上(異常)とも言えるアッガイの描写の数々。
  • 敵機にオラオララッシュかますアッガイ。
  • 投石で爆撃機を撃墜するアッガイ。
  • マゼラトップをバットにしてバッティングの要領で爆撃機を撃墜するアッガイ。
  • ブレイクダンスでジムやら量産型ガンタンクやらを粉々にするアッガイ。
  • 一機のアッガイを球にしてボーリングの要領で戦車をまとめて撃破するアッガイ。
  • アッガイが……飛んだ!?
  • ネメシス裏秘術!『太陽落とし』!
  • 水中型ガンダム「秘技!鳴門海峡地獄渦!」
  • 大量の水中型MSの組み体操による『海の魔物』

等々……何を言ってるか分からねえと思うが(ry
その凄まじい怪作ぶりは、読んで実感するのが一番いいだろう。
ただしストーリー自体は非常にシリアスで登場人物がガンガン死にまくるので注意。


余談だが、本来アッガイの腕部武装は右がアイアン・ネイルで左がミサイルランチャーなのだが、キスノ兄弟のアッガイは両腕がアイアン・ネイルにもミサイルランチャーにもなる*2
メガ粒子砲については不明。


ちなみに、本作ができた経緯(らしきもの)が単行本のカバーに書かれている。

※本文より一部抜粋。

↓↓↓

担当「アッガイでアメリカを歩いて渡るなんてマンガ、イカスと思わない?」

曽野「是非やらせて下さい。子供の頃に現地に住んでた経験を生かせってことですよね。」

担当「何それ。単にキミならアホなマンガにしてくれるだろうと思ったから振ってるだけだよ。」


……作者曰わく『大まじめに作った』らしい。本当かぁ?

ちなみに単行本には連邦愚連隊の前身となった読み切り漫画『ターゲット インサイト』が掲載されている。



ホーク「テンメェ…さっきはよくもこのオレに恥かかせてくれたな。  」
ユージ「だったら何スか。ステゴロならケガするっスよ大尉『殿』

……愚連隊はこの時から愚連隊だったようだ。




追記・修正は『海の魔物』を忘れずにお願いします。

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最終更新:2022年04月27日 18:48

*1 「連邦愚連隊」に登場する炭酸飲料。あっちの主役、ユージ・アルカナの好物である。ただしネメシス隊の同僚からの評価はあまりよろしくないため、ノルトのリアクションはアースノイドとかスペースノイドとかじゃなくて単純に美味しくないからの可能性が高い

*2 この辺についてはガンプラMGにて「ネイルを収納してミサイルを装備するスペースを作れる」と解釈されているため完全に間違いではない