スーパープリンセスピーチ

登録日:2015/03/18 Wed 03:50:00
更新日:2024/03/01 Fri 17:04:38
所要時間:約 7 分で読めます





『スーパープリンセスピーチ』は2005年10月にニンテンドーDS向けに発売されたアクションゲーム。

公式で発売されたものとしては現時点で唯一ピーチ姫が単独で主人公を務めているゲームである(ピーチがプレイヤーキャラであるだけなら他にもある)。

逆にマリオ達がクッパに捕まり、それをピーチが救いにいくという内容である。舞台はキノコ王国から少し離れた「キド・アイラック島」なる島。

本作の最大の特長として、喜怒哀楽システムが挙げられる。「喜ぶ」「怒る」「哀しむ」「楽しむ」の4つの「気分」を使い分けることでステージの仕掛けを解いたり、特殊なアクションがとれるようになる。

全体的にスーパーマリオシリーズのアクション性にワリオランドシリーズの謎解き要素をミックスしたようなテイストに仕上がっている。

○ストーリー
いつもマリオ達にやられているクッパ。彼はキド・アイラック島に別荘を設け、感情を操る、「キド・アイラックの杖」を探していた。そしてある日、ついに杖を入手。その力を悪用してマリオ達を捕らえてしまった。

ちょうど散歩に出ていたため難を逃れたピーチは杖の力で混乱に陥った城に戻って事件を知り、クッパが叩きつけた挑戦状を見て冒険に出ることを決意。するとキノじいは彼女に一本の不思議な傘を手渡す。言葉を話し、「カッサー」と名乗るその傘をお供にピーチの冒険が始まった。

○登場人物
ピーチ
本作の主人公。今回はさらわれずに済み、マリオ達を救うため旅立つ。喜怒哀楽システムのため、泣いたり怒ったり笑ったり忙しい。

マリオなら1、2回触れるだけでやられるはずのクリボーへの接触は勿論、クッパの攻撃や果ては溶岩への接触にまで最低6回は耐えるなどかなりタフ。スライディングによる攻撃。

プレイ中は彼女の表情が常にDSの下画面に表示され、気分を変えたりダメージを受けたりやられたりすると表情が変わる。

単独で冒険するのは初めてのはずなのにマリオとルイージに加え、キノピオ150人も含めてなんと合計152人も一度に救出することになる、まさにスーパー姫。さらわれても自分で脱出しろ、そもそもさらわれるな、などと言ってはいけない。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな

カッサー
ピーチのお供を務める、言葉を話す不思議な。語尾に「カサー」をつけるのが特徴。

ピーチのメインウェポンだが、鈍器の他にも、飛び道具、ロープウェイ型のゴンドラ、潜水艦、船、鍵、ブラシにまでなれる他、敵を食べることで喜怒哀楽ゲージ(後述)の回復までできるという、あのウルトラブレスレットも真っ青の超便利アイテムである。

全体的にスーパーマリオサンシャインにおけるポンプのような役回りである。

カッサーが本体などと言ってはいけない。



ネタばれ注意!

カッサーの正体は不思議な力を持つ少年。山で倒れていたところを助けてくれた老人とともに暮らしていたが、その不思議な力を求めた悪者(クッパではない)によって傘の姿に変えられ、捕らえられる。悪者がカッサーを落としたため自由の身になったが、傘の姿である以上自力では動けないため、そのまま転がっていた。その後、通りかかった商人に拾われ、露天商で売られていたところをキノじいに買われ、ピーチの手に渡った。

だが、結局カッサーがどんな少年だったのか、また彼を狙った悪者が何者なのかなどは不明。続編がでるならこの疑問も解消されるかもしれない。

マリオ
任天堂とキノコ王国が誇るスーパースター…のはずが、今回はクッパ軍団に不意打ちされて捕らえられ、まさかのヒロイン役に。ちなみにマリオが敵方に捕まる展開は本作以外でも意外とあったりする。

ルイージ
マリオの弟。兄と共に仲良く捕まる。
緑のヒゲ……ならぬ「緑のおっさん?を助けたよ!」と書かれるあたり、多分本作のピーチはルイージの事を知らない。

キノピオ
おなじくさらわれる。ただし、ピーチが散歩から戻ってきたときでも城には多くのキノピオが残っていたため、さらわれたのは一部だけと思われる。

ミニゲーム(後述)の主役になっているなど本作の影の主役でもある。

クッパ
クッパ軍団の親分。にっくきマリオたちをゲーム冒頭で捕まえる事に成功する。
なのだがマリオとキノピオと緑のおっさん?を救出にきたピーチ姫にぼこぼこにされることになる。1戦目ではRPG以外では珍しく、自分の攻撃や仕掛けで自滅したわけではない。
戦闘では2回にわかれており、1回目はタックルや炎を使って来る他、2回ダメージを与えるとキドアイラックの杖で様々な攻撃を仕掛ける。ジャンプ以外の攻撃はどれも通じる。2回目は巨大化して、鉄球やハンマー、ボム兵を投げてくる。ボム兵を顔に当てて倒す。
ちなみに今回のクッパ、というかクッパ軍団はピーチ姫の事を知らない。*1因みに、本作で喜怒哀楽を使わずに倒せるボスは彼と前座のブロス隊長だけ。

○喜怒哀楽システム
ピーチの気分を変えることで多彩な効果を発揮する。DS下画面のピーチの周囲にハート型のパネルが4枚ならんでおり、それらをタッチするとピーチの気分と表情が変わる。使用するには体力と別に設定されている喜怒哀楽ゲージが残っている必要がある。また、カッサーが変形している状態ではゲージがあっても発動できない。気分が変わっている間は喜怒哀楽ゲージが減っていき、無くなると自動で解除される。パネルに再びタッチしたり、ダメージを受けた場合も元に戻る。

喜ぶ
ピーチの周囲を竜巻が吹き、毒ガスや間欠泉を吹き飛ばせる。またAボタンを押し続けると空を飛ぶことができる。強力な分ゲージの消費も激しく、一部の場所では飛行能力が使えない場所もある。

怒る
ピーチの周りに炎がつく。ほぼ無敵状態な上、影響範囲が広いため、雑魚はおろか一部のボスにも有効。木の橋を燃やしたり、ジャンプして地響きを起こすことも可能。これも強力なためゲージの消費が激しい。

哀しむ
ピーチが泣き出し、涙を放出する。涙でツタの芽を育てたり、水車を回したりできる。また走る速さも速くなる。

楽しむ
ピーチの体力が少しずつ回復する。そのため体力満タンのときは使用できない。

なお、敵も一部がノーマルと違う気分のものがおり、行動が異なっている(例えばテレサの場合はノーマルとは別に怒る状態のものがおり、ノーマルとは逆に背を向けると動かず、顔を向けると襲ってくる)。

○エリア
エリア1 ランタッタ平地
最初のエリアであるため難易度は低い。穴も殆ど無いが、終盤に花を順番どおりに攻撃するイベントがある。

エリア2 モーリの森
高低差が激しい。またここから本格的に穴が出始める。

エリア3 ヒュードロ屋敷
シリーズ恒例のオバケ屋敷のエリア。独特な仕掛けが多く、喜怒哀楽を使わないと倒せない敵も多い。

エリア4 ムカム火山
溶岩があちこちに存在し、炎やマグマが吹き出てくる危険なエリア。毒ガスが漂っている場所や、溶岩のをボートに乗って進む場所もある。

エリア5 スイスイビーチ
海辺なだけあって水が多い。ビーチボールを飛ばして破壊するブロックや矢に乗って飛んでいくところなどユニークなギミックが多い。

エリア6 シクシク氷山
足場の殆どが氷や雪であるため、ピーチの運動性が大きく下がる(同時にスライディングの距離も伸びる)。

エリア7 スカイ・ザ・ルンルン
天空のエリア。足場が狭く、縄を飛び移る場所もあり、かなり難しい。

エリア8 クッパ別荘
最終エリア。凶悪な仕掛けがピーチを待ち受ける。喜怒哀楽を上手く使わないとクリアは難しい。

○雑魚敵
お馴染みのクリボーやノコノコは勿論のこと、ガボンやドラボン等のマイナーな敵まで登場する。さらに前述の通り敵それぞれに喜怒哀楽によるバリエーション違いもあるため、敵のバリエーションはかなり多い。気分違いの敵は一見の価値あり。

○ボス
エリア1 ボスパックン
プチパックンを吐き出したり、衝撃波で攻撃してくる。ダメージがたまると怒る状態になり、活発に動くようになる。

エリア2 モーリ
森の主の巨大フクロウ。卵飛ばしや体当たりで攻撃してくる。ダメージがたまると喜ぶ状態になり、空中戦をしかけてくる。おそらくボスの中では最も楽な相手。

エリア3 キングテレサ
体当たりや鬼火で攻撃。攻撃が一切効かないが、あることをするとダメージを与えられる。ダメージがたまると哀しむ状態になる。

エリア4 ハナチャン
ダメージを与える度に怒り出す強敵。ダメージがたまると常に怒った状態になり、毒ガスを噴出する。

エリア5 ボスゲッソー
巨大なゲッソー。攻撃を仕掛けてくるとんでもないイカ。ダメージがたまると楽しむ状態になり、眠って体力を回復しようとする。

エリア6 ブリザドラス
体を氷で包んだドラゴン。突進や氷柱で攻撃してくる。ダメージがたまると妖精の姿になる。ゲージさえあればそこまで手強くは無い。

エリア7 デカメック
名前のとおりでっかいカメック。宙を浮き、テレポートするため攻撃しにくい難敵。ダメージがたまると哀しむ状態になる。

エリア8 ブロス隊長
ハンマーブロス隊の隊長。メットや甲羅が黒い。常に怒る状態になっており、移動が非常に速い。部下のハンマーブロスを大量に呼び出し、ピーチを袋叩きにしようとする。

ラストボス クッパ
安定のラスボス。ブロス隊長を倒すと彼との決戦となる。クッパのみ2回勝負となり、お馴染の攻撃の他、ダメージを与えるごとにいろいろな気分に変わって攻撃してくる。上記の通りピーチ姫と面識がないため、今回は彼女に容赦ない攻撃を仕掛けてくる。

○やりこみ要素
パズル
8つのエリアそれぞれがモチーフのパズルがプレイできる。ただしパズルのピースをすべて集めてからでないとそのパネルはプレイできない。

音楽室
所謂サウンドテスト。BGMの他、ピーチのサンプルボイスも聞ける。これも「楽譜」というアイテムをゲットしないと聞けない。演奏しているメンバーは最初はピーチとキノじいだけだが、楽譜を集めるごとに合計5人まで増える。

ミニゲーム
マイクに息を吹きかけてキノピオをジャンプさせる「キノピオジャンプ」、イライラボーみたいな「キノピオキャリー」、クレー射撃のような「キノピオショット」の三種類のゲームができる。

図鑑
ボスも含めた敵キャラの図鑑。ポケモン図鑑よろしく倒さないと登録されない(倒せない敵は画面に入れるだけでOK)。

○総括
DS初期のソフトだが、ピーチ姫が主役であることや、喜怒哀楽システムというアイデアの良さは評価できるし、アクションゲームとしての完成度もなかなかではある。

ただし、そこら中にチュートリアルのためのブロックがある、穴に落ちても即死ではないなど難易度は易しめである。また、前述の通りカッサーについての謎も消化不良のままなため、全体的には惜しい出来に甘んじてしまっている。

だが、終盤のステージはかなり手応えがあるし、ボス達も本家スーパーマリオシリーズに負けないほど手強い。


追記・修正は喜怒哀楽がはっきりしている人がお願いします。
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最終更新:2024年03月01日 17:04

*1 終盤ブロス隊長が「誰だお前は!?」と、クッパの目の前でピーチ姫に言い出す場面が存在する