佐世保線

登録日:2015/03/11 (水) 17:30:00
更新日:2023/10/11 Wed 18:10:36
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佐世保線(させぼせん)は、江北駅から佐世保駅を結ぶJR九州の鉄道路線である。
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概要

2023年現在、JR路線として最西端を走る路線である。

博多と佐世保を結ぶ広域連絡路線としての役目と、大村線に直通してハウステンボスを結ぶ観光路線の役目も果たしている。
西九州新幹線開業に伴い、江北~武雄温泉間が新幹線との共用路線となる関係で複線化が進められ、2022年2月27日に大町~高橋間が複線化された。

路線図
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運行形態

全区間を走る特急「みどり」が16往復、江北~早岐間に特急「ハウステンボス」が5~7往復運行している。
なお、「ハウステンボス」は全列車が「みどり」と併結している。
「みどり」・「ハウステンボス」併結編成は増結編成専用の車両が使用されており、両端がそれぞれ貫通扉付きと貫通扉なしの編成で構成される。
合流駅で貫通扉付きの車両同士を連結すると、両端が非貫通車両の特急編成へと変わるという仕組み。
西九州新幹線開業後は上記に加え、江北~武雄温泉間で特急「リレーかもめ」が16~18往復運行されている。

普通列車は基本的に早岐で系統分離されており、江北~早岐間と長崎~佐世保間(大村線直通)で運行されている。
全区間通しの列車は朝のみ設定され、この他に早岐始発・終着の長崎本線鳥栖方面・鹿児島本線直通列車も設定されている。
早岐~佐世保間は快速「シーサイドライナー」が各駅停車で乗り入れる関係上、朝夕は1時間に2~3本、日中も1時間1本が運転されている。
一方、江北~早岐間は全時間帯で1時間1本の運行が基本だが、日中に2時間1本となる時間帯がある。

2018年3月18日のダイヤ改正により早岐~佐世保間の普通列車が4本減った他、快速列車も5本(1本が消滅、4本が区間快速)が変更となってしまった。
その代わり、上記の区間のみ特急みどりが乗車券のみで乗れる様になった他、青春18切符の特例範囲にも追加された。

使用車両

YC1系…キハ66系・キハ200系置き換えのために投入されたハイブリッド気動車。
屋根上の蓄電池と前面を覆うLED照明が特徴的。
踏切事故対策らしいが、見た目から「イカ釣り漁船」呼ばわりされたりする。

キハ47形…江北~早岐間で使用。
電車から思いっきりダウングレードした青い専用塗装の車両が使用される。
また、D&S列車として白い「ふたつ星4047」も運用されている。

783系…特急「みどり」「ハウステンボス」で運行。過去には5両編成もあったが、現在は4両編成に統一されている。
「みどり」「ハウステンボス」併結列車は、博多~早岐間で2編成併結して8両編成で運行される(早岐で分割)。
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787系…特急「リレーかもめ」「みどり」の一部で運行。臨時列車としてハウステンボス駅まで乗り入れたことがある。

885系…特急「リレーかもめ」「みどり」で運行。西九州新幹線開業と同時に運用を開始した。

811系…ラッシュ時のみ運行。普通列車では唯一の4両編成。

817系…2両編成は全区間、3両編成は江北~早岐間で運行。

◎駅一覧

※佐賀~江北間は長崎本線だが、ここでは一緒に記載する。

佐賀…長崎本線鳥栖方面乗り換え。
運転系統上の起点駅で、佐賀県の県庁所在地&中心駅。
本丸御殿が木造復元された佐賀城の最寄駅でもある。
因みに佐賀~久保田間は唐津線の列車も乗り入れている。
その為、複線とは言え実質3路線が乗り入れる過密区間となっている。

鍋島…長崎本線系統の貨物列車の拠点駅。ここから先コンテナはトラックに積みかえられて有田駅まで運ばれる。

バルーンさが…佐賀インターナショナルバルーンフェスタ開催期間(10月下旬~11月上旬の1週間程度)のみ営業を行う臨時駅。
つまりかなりレアな駅である。

久保田…唐津線乗り換え。

江北…長崎本線諫早・長崎方面乗り換え。線路名称上の起点駅。
佐賀県中部地域の鉄道交通の要衝の為、栄えている。
元は「肥前山口」と呼んでいたが、新幹線開業に合わせて地元の町名である「江北」に改称された。

大町…大町町唯一の駅。新幹線開業に合わせ、ここからしばらく複線区間となった。

北方…きたがた四季の丘公園の最寄りである…くらい。

高橋…複線区間はここまで。

武雄温泉…西九州新幹線乗り換え。
佐賀県西部の主要都市である武雄市の代表駅と同時に、駅名にもある様に武雄温泉の最寄駅でも知られる。
新幹線とリレー特急は同一ホーム上で対面乗り換え可能。

永尾…国道とファミマが隣接しており、アクセスや休憩に便利。

三間坂…中央に留置線のある2面3線構造。伊万里方面のバスが発着する。

上有田…有田陶磁美術館の最寄り駅。有田陶器市期間中は特急の臨時停車がある。

有田…松浦鉄道西九州線乗り換え。
全国的知名度を誇る有田焼の産地である有田市の代表駅。
2・3番線ホームには有田の三右衛門(柿右衛門、今右衛門、源右衛門)の3枚の有田焼の陶板が飾られていて、「ななつ星in九州」の停車時には何とライトアップされる…。
佐世保線唯一の貨物駅でもあるが、現在は貨物列車の発着はなくトラック輸送の拠点「オフレールステーション」となっている。

三河内…これより長崎県佐世保市の駅。周辺には三河内焼関連の施設が多い。

早岐…大村線乗り換え。
複数のJR路線が乗り入れる駅としては日本最西端の駅。
2014年10月に駅舎が改築された。
因みに藤井フミヤがこの駅で働いていた事は知る人ぞ知る有名な話。
なお、江北方面と佐世保方面を直通する列車はスイッチバックを行う。
これは開業当初の長崎本線が江北~早岐~大村線経由~諫早というルートで、佐世保線は早岐~佐世保間のみだったためである。
長崎本線が現在の有明海沿いを走るルートになったのは1934年で、それを機に江北~早岐間が佐世保線に編入され、現在に至る。

大塔…イオン大塔ショッピングセンターを始めとした商業施設の最寄り駅。佐世保市で一番賑わっているのは当駅周辺かもしれない。

日宇…駅の待合所の内部には竹で作った「JR日本最西端駅から二番目」という記念碑がある。
因みに2003年以前に作られた為、慌てて狭い上の部分に「JR」と加筆したのが一目でわかる。
テレビショッピングや通販でお馴染み「ジャパネットたかた」の本社が近くにある。

佐世保…松浦鉄道西九州線乗り換え。
終点駅で、長崎県北部の主要都市である佐世保市の中心駅。
JR駅として&複数の路線が乗り入れる駅としても日本最西端の駅である。
1898年の開業から9年間は九州鉄道の路線で、文字通りの日本最西端の駅、1907年の国有化後26年間は国有路線の日本最西端の駅だった。
ちなみに大正時代には軽便鉄道ではあるが沖縄県営鉄道があったため、「文字通りの日本最西端の駅」の時代は意外と長くない。
しかし、1935年に旧松浦線(現:松浦鉄道西九州線)の平戸口駅(現:たびら平戸口駅)誕生後は日本最西端の座を奪われた。
その後、国有化されていた松浦線がJR九州に引き継がれた後に松浦鉄道に転換された1988年以降、53年ぶりに「JR最西端の駅」の座は戻った。



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最終更新:2023年10月11日 18:10

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/type/kiha66a.JPG 日時:2016/01/04

*2 出典:Wikipedia URL: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fc/Sasebo_line_ja.png 日時:2016/01/04 出典者:ikaxer

*3 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/783huis.jpg 日時:2016/01/04