バトルネットワーク ロックマンエグゼ2

登録日:2010/06/04 Fri 09:04:05
更新日:2023/07/23 Sun 04:42:55
所要時間:約 10 分で読めます






バトルが変われば、ロックマンも変わる!


概要

バトルネットワーク ロックマンエグゼ2』(Mega Man Battle Network 2)とは、2001年12月14日にカプコンから発売されたゲームボーイアドバンス専用ソフト。

ストーリーはWWW(ワールドスリー)壊滅から3ヶ月後の夏休みで、ネットマフィア「ゴスペル」と戦っていく。


■前作からの変更点

新規作品のためシステム面での調整不足が目立った前作から、様々な変更が加えられた。
  • 戦闘終了後、HPが全回復しない
毎回回復するのもある意味電脳世界に合っている気もするが、この変更により、ぐっとRPGっぽさが増したと言える。
回復手段はプラグアウト、または後述のサブチップなどで行える。

  • どのチップコードとも組み合わせられる*(アスタリスク)コードの追加
これによりバトルチップの選択の幅が広がった。

【可能な組み合わせ例】

エリアスチールS+インビジブル1*+ワイドソードS
キャノンA+キャノンB+キャノン*
キャノンCの代わりになり、P.A(プログラムアドバンス)が発動する。

【選べない組み合わせ】

  • キャノンA+キャノンB+バリア*
あくまでチップコードなので、同名で別コードの組み合わせに差し込むことはできない。

アスタリスクが初めてだった関係か、後のシリーズと異なり実はデータ上にはフォルテやサンクチュアリなど含む全てのチップにアスタリスクコードが存在している*1
ただしチップトレーダーでしか入手できないものも多く、そのチプトレですら出ないものも存在するので殆ど使えないと思った方が良い。

本作の目玉システム。詳細は項目を参照。
このシステムの導入により前作のアーマーシステムは削除された。

余談だが、前作の移植版である『ロックマンエグゼ オペレートシューティングスター』(OSS)ではアーマーシステムがなかったことになっている。

  • レギュラーチップシステム
ロックマンのレギュラー容量(MB)以下のバトルチップをフォルダから1枚指定できる。
そうすれば戦闘開始直後にカスタム画面に必ず現れる。
強力なバトルチップほどレギュラー容量が高く、特に容量が51MB以上のものはレギュラー指定が不可能。
(ロックマンのレギュラー容量の最大値が50MBのため)

レギュラーにプリズムかフォレストボム*、フルカスタムやクイックゲージあたりを入れるのは定番。

  • 非戦闘時に使用できる消耗アイテム「サブチップ」の追加
電脳世界で拾ったり、サブチップ商人から購入できるアイテム。
HPを回復する○○エネルギーが2種類あるが、戦闘中にもリカバリー系チップなどで回復できるため、わざわざ買わなくても特に問題はない。

例として、
  • エンカウント率を下げるシノビダッシュ
  • 直前に戦った敵と再びエンカウントするエネミーサーチ(※重大なバグあり。後述)
  • セキュリティのかかったミステリーデータを解析できるオープンロック
  • ミステリーデータに潜んでいるウィルスを自動でデリートするアントラップ
がある。


※重大なバグ

1.エネミーサーチバグ
V2ナビなどの固定エンカウントする敵キャラと戦闘した後にエネミーサーチを使うと、データが消える可能性がある。

カプコンから公式に謝罪文が出されたほどのバグ。
コロコロコミックなどの関連雑誌に対処法と共に掲載された。

好奇心でついやっちゃいそうな範囲の行為なだけに、被害を受けた人はかなり多いのではないだろうか。
というか好奇心のみならず、終盤攻略中の思考だと「V2とエンカウントしたらさっさとV3とエンカウントしてチップを集めてしまいたい」という心理から、
エネミーサーチを使ってこの被害に遭うというパターンもあっただろう*2
ちなみにV3相手ならば問題はない。
他にも本作には異常に出現しにくいウイルスがおり、3以降のようにナビカスで出現率を上げることが出来ないのでそういったウイルスにも有効。
マンションの電脳3のマグマドラゴン、WWWエリア2のミノゴロモン3あたりが有名。

2.スタイル合体バグ
スタイル交換バグとも。エグゼ2は「スタイルを2つ保存できる」。
そのためたとえばエレキガッツスタイルとアクアシールドスタイルという風に2つのスタイルを所有できた。
このスタイルを別のROMと交換することができるのだが、このとき「すでにあるスタイルとレベルのみ違う同じスタイル」をひとつのROMで所有するとバグる。
エレキガッツスタイル(Lv2)とアクアシールドスタイル(Lv3)を所有するROMからアクアシールドスタイルを出し、別ROMのエレキガッツ(Lv1)と交換すると盛大にバグってしまう*3
「チャージショットの威力が即死級になる」「スタイルの表示がバグる」などの症状が知られているが、いかんせん起こすのが手間な上に露骨にぶっ壊れるので研究されておらず、詳細はほとんど知られていない。
当然だが対戦環境でこんなもんを解禁したら、バランスどころか対戦相手のROMまでぶっ壊れかねないので、どんな対戦環境でもこのバグの使用だけは厳重に禁じられた。


利益になるバグ

1.チップ増殖バグ
データの消失にほぼ絡まないため、バグというより仕様と扱われることが多い。
例えばオジゾウサンのチップがある。これは本来ラスボス直前の電脳世界でオープンロックを使用して手に入れることが可能な一品ものなのだが、
とある手段で簡単に何枚でも手に入れてしまうことが可能であるバグが存在する。
それは、ミステリーデータを入手した後、セーブせずにラスボスを倒すこと。
こうすると何が起こるかというと、クリア後再開するとこの紫ミステリーデータが復活しているのだ。
これはショップ・バグのかけら交換・チップ交換イベントなども同様(ただし交換に出したチップに限りきっちり減ってしまっている。バグのかけらや所持金は減らない)であり、
この現象を利用することで本来一枚しか入手できない(=本来の手段なら周回プレイを要する)激レアチップを何枚でも入手可能である。
具体的には「カワリミ S」「プリズム Q」「ビッグボム *」「エリアスチール *」など。

2.チップ増殖バグ(通信)
こっちはまごうことなきバグ。
チップを交換する際、チップを送るタイミングでケーブルを引っこ抜くと「通信エラー」が発生するのだが、
この時タイミング次第で送り手側のチップは消滅せず、受け取り手側はチップを入手できるということが起きる。
これを使えば貴重なチップも増やし放題だが、時折チップごと消滅するというリスクも伴う。
上記のラスボスを介する手段は確実・安全だが手間がかかる。こちらは危険だが10秒あれば増やせる上、その対象にならないチップも増やせる。
もし今更チートも使わずにGBA本体でプレイしてこのバグに挑戦したいという人がいるなら、慣れるまではキャノンやショックウェーブあたりで練習するといい。
ちなみに逆の手順を踏むとチップが消失する。


■その他

  • 敵の火力が全体的に低下している一方でこちらの火力が増した
  • エスケープがなくてもカスタム画面でLボタンを押せば逃げられる(ただしエスケープと違い失敗することも。もちろんボスからは逃げられません)
  • ADDボタンの仕様変更(捨てたチップの枚数分永続オープンに、最大オープン枚数は10枚)
  • パネルの種類が増加(マグマ、アイス、クサムラ、穴(時間で元に戻らない))
  • チップトレーダー使用時に自動セーブされるのでリセマラができなくなった
  • 各地の電脳世界に背景がついたことで場所が分かりやすくなった
  • 電脳世界に多くのショートカットが設けられ別エリアへの往き来が非常に楽になった(物語を進める毎に増えるので初めて行く際は遠回りする必要がある)
  • プログラムアドバンスを筆頭として、戦闘演出が派手になった


◆本作の対戦

一言で言うと「世紀末」である。
  • もはやバグに近い、約10000ダメージプリズムコンボ
  • バリアブルソードのコマンド「ソニックブーム」はプリズムに当てるとプリズムコンボのように大ダメージを周囲に飛ばす上、バルーン系に当てると威力が一瞬で900を超える(どうやらソニックブームはグラフィックが1ドット進むごとにその都度ダメージ判定が発生しているらしい)。
  • 一部ナビチップの性能が狂っている。シリーズで唯一連打できるフォルテ(無属性70ダメージをランダムに30発)の連打が可能だったり、トードマンV3(雷属性必中180)を連打するだけでアクアスタイルが詰んだり。
  • シナリオ前半から簡単に揃えられ、100×9でほぼ必中のゲートマジック
  • 600ダメージ(弱点なら1200)で即死も狙えてしまう配布ナビチップ、ゴスペル。
  • そのゴスペルを利用する3000ダメージ×2のP.Aダークメシア。
  • *入手し放題で最大5セット積める600ダメージでカゲブンシン無効のドリームソード3、必中800ダメージかつバグやチートを使わなくても5セット簡単に集められるヘビースタンプなどの強烈なP.Aの数々。
  • フルカスタムがたったの10MBの容量かつ、5枚投入できるのでこれを連発することで手札をガンガン回していける。
  • 攻撃手段側が狂いまくってるせいで忘れがちだが「耐久値200で永続のドリームオーラ3*4を5枚積める上、耐久値150のドリームオーラ2もある」「インビジブルやカゲブンシンが3種類ずつある上、テンジョウウラやユカシタもある」など防御面もアホみたいに充実。
  • フルカスタムやドリームオーラ3からも分かるが、3以降のメガ・ギガ制限ではなく「ナビチップ」かそれ以外という縛り。どのチップも5枚まで積めてしまうので、後のシリーズで言うメガ・ギガ相当のチップもガン積み可能。
  • さらに同名のナビチップを5枚(ブラザー・サイトの場合は8枚)積める。上述のトードマンやフォルテはV3だけを最大8枚積める

この頃はナビカスや改造カードが無くロックマンの最大がHP1000、サイトスタイルなら半減で500止まりのため、暗転チップやP.Aの連打でプリズムコンボなど鼻で笑う速さで決着が付く。
そのため最終的にカスタム画面のオープン枚数を増やしてやられる前にやる(か防御チップを使う)連打ゲーとなり、バランスを良くするためにHP9999にするチートを用いて戦うなんて遊び方すら考案されるほどだった。
暗転中のカットイン?エグゼ2の環境にそんなものはない*5

対戦に勝利することでのみ出現するレアチップ収集においてはダブることもあったので、世紀末システムの方がさくさく進んでよかったのではないだろうか。
10種類あるのでそれでも十分大変なのだが……

ただし流石に連打ゲーでは戦略性も何もないため、全国大会では
  • フォルダに使用可能なアスタリスクチップは5枚まで。
  • プリズムコンボの禁止。
  • 同一ナビチップの投入禁止。(例えばフォルテV3を投入した場合、フォルテ及びフォルテV2の投入が禁止される)
  • 同一PAの二回以上の使用禁止。
といった多くの制限が加えられた。

少々違うが、ナビチップの制限なんかは3以降のメガ・ギガのルールに似た面もある。もしかしたら原型なのかもしれない。



じつはオレ あの マントのナビに
ハイキャノンを うってみたんだ
そしたら ツイキシュウセイをおねがいしますと いわれて
ヤツにはキズひとつ つけることはできなかったよ
オレのフォルダの中で サイキョウのこうげきりょくをホコる
ハイキャノンが きかないなんて・・・
ショックだったよ

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ロックマン
  • ロックマンエグゼ
  • ロックマンシリーズ
  • カプコン
  • エグゼ2
  • ゲーム
  • GBA
  • データアクション
  • RPG
  • 世紀末対戦
  • ハードなつづきから
  • ゴスペル
  • 夏休み
  • スタイルチェンジ
  • じゃんけん
  • CAPCOM
  • ゲームボーイアドバンス
  • feel the wind
  • Nintendo Switch
  • Steam
  • PS4
  • 続編

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年07月23日 04:42

*1 改造に対する透かしの役割も期待されていたものと思われるが、そちらの方面ではあまり効果はなかった。

*2 エグゼ2のV3ナビはV2を倒した後に同じエリアでランダムエンカウントする。終盤になるとV3を2~3回倒してさっさとチップをコンプリートしたいのでこういう思考になってしまう。

*3 本来スタイルチェンジ時にブロックされるはずの「エレキガッツスタイル」がひとつのROMに2つ存在してしまうことでバグってしまうようだ

*4 まだバリアを強制解除する風の概念が無い

*5 実装されたのはエグゼ4からである。