サイバー・ドラゴン・ノヴァ/サイバー・ドラゴン・インフィニティ(遊戯王OCG)

登録日:2015/03/01(日) 22:40:00
更新日:2024/03/03 Sun 19:27:36
所要時間:約 19 分で読めます




【概要】

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》とは遊戯王OCGに登場するエクシーズモンスターである。
ストラクチャーデッキ 機光竜襲雷」の看板モンスターとして鳴り物入りで登場した。


【カード効果】

サイバー・ドラゴン・ノヴァ
ランク5/光属性/機械族/攻2100/守1600
機械族レベル5モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで2100アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードが相手の効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
EXデッキから機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する。


【評価】

カイザー亮役の前田剛氏のアツいナレーションと共に2013年度の遊戯王の締めかつ遊戯王ZEXAL期のストラクチャー最後として登場した機光竜襲雷。
このストラクの扱うテーマはかの【サイバー流】。
かつて【未来オーバー】などで一つの時代を築き上げ、アニメ人気の後押しもあり大昔からファンが多いでテーマあることから話題を呼んだ。

実際数々の優秀な新規サイバー流カード達が登場。
そしてまさかのエクシーズモンスターであることから注目を集めたのがこの《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》であった。
新たなる【サイバー流】の切り札としてその名を轟かせるべく登場した、まさに超新星(Nova)の如きカードと言えるだろう。

……が、たしかに注目を集めたものの《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》は評価に非常に困る一枚として話題を呼ぶことになってしまった。
その評価に困る理由の説明として、まずはその第一~第三の効果をそれぞれ解説しよう。


  • 第一の効果:X素材を1つ使って、墓地の《サイバー・ドラゴン》を蘇生
融合からの瞬発火力が非常に高い代わりに展開力に難のある【サイバー流】にとってこの効果は有り難い。
サイバー・ドラゴン》本体は勿論、墓地で《サイバー・ドラゴン》扱いになるツヴァイやドライ及びコアも蘇生可能。
実質的に【サイバー流】において発動状況を満たすのは簡単なので非常に優秀と言える。

またコストに使うX素材をそのまま蘇生できるため、実質的に《サイバー・ドラゴン》級の火力が2体並ぶのもザラ。
ただし《ゾンビ・マスター》や《ライトロード・サモナー ルミナス》と同じく、墓地に《サイバー・ドラゴン》が1体も居ないと発動できない点は注意。

ちなみにノヴァの効果にはどれも同名カード縛りが無いので、《地獄の暴走召喚》や《機械複製術》を併せるとノヴァを大量に並べる事もできる。

  • 第二の効果:《サイバー・ドラゴン》をコストに自身の攻撃力を2100上昇
こちらも優秀と言えば優秀な効果。
ダメステにも使えるため疑似《リミッター解除》と言え、奇襲性もそこそこである。
フィールドからだけでなく手札の《サイバー・ドラゴン》もコストに使えるので相手からしたら怖い事この上無い。
コストを用意できる第一の効果ともそれなりに噛み合ってている為に使い勝手は中々である。

除外と言うコストは重く感じるかも知れないが、機光竜襲雷のコンセプトは「除外サイバー」。
帰還手段が中々豊富な【サイバー流】では、再利用も出来なくない。
特にサーチ可能な帰還カードである《サイバー・ネットワーク》とは相性抜群である。

  • 第三の効果:自身が墓地に送られた場合の融合機械族の降臨
相手の効果で墓地に送られた場合、《サイバー・エンド・ドラゴン》や《サイバー・ツイン・ドラゴン》等をポンと出せる。
この効果のプレッシャーも中々強い。何せ《激流葬》など以外でも「フィールド上で」と言う指定がないので召喚無効系を食らっても発動可能なのだ。
上記の効果も合わせて考えると、実質的に4200打点持ちのモンスター相手に破壊以外の除去か戦闘破壊を強いる効果と言える。


……と、第一~第三の効果がわりと噛み合っており、一見すればとても優秀に見える。

しかし、このカードの評価は正直言ってあまり高くない。理由は2つ。
1つは「中途半端に小回りが利いているせいで突出したものがないため、実はそんなに使いやすくない」と言うとてつもなく贅沢な悩み。
そしてもう1つは「丁度登場したばかりで話題をさらった《No.101 S・H・Ark Knight》に滅法弱かった」と言う時期的な理由であった。

前者の理由は、
  • 【サイバー流】でエクシーズモンスターを出そうとすればするほど《セイクリッド・プレアデス》や《No.61 ヴォルカザウルス》の壁が立ちはだかる。
という競合するエクシーズモンスターにとてつもなく汎用性が高く優秀な2者がいたことから始まる。
一見まとまっている性能についても、蓋を開けてみれば、
  • 王道の融合軸で回そうとしたらそもそもあんまり場に出なかった。
  • 相手や墓地依存かつ、コンボ前提の効果。
  • 帰還手段が豊富とは言え、やっぱ第二の効果の除外コストは辛かった。
  • 破壊以外の除去が蔓延していて、融合体を出すためのカードとしては利用価値が薄かった。
などなど、【サイバー流】門下生から求められているカードとは言いにくかったのである。

後者は、単に天敵というレベルでは済まない程の最悪の相性が原因となっている。
墓地に送ってくれない超汎用除去枠がよりによってほぼ同じタイミングで現れるだなんて誰が予想しただろうか。
Ark Knightは出しやすいランク4という事もあり、サイバー流の門下生たちは不倶戴天の敵を親の顔を見るかの様に出くわす羽目になった。
出しやすいランク4と比較的出しにくいランク5、両者の間には到底埋めることのできない絶望的なまでの差があったのである。

その上、後にバウンスの鬼である《鳥銃士カステル》やノヴァを更に上から殴り抜ける《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン*1などが登場した。
【サイバー流】の門下生たちは尽きぬ悲しみに枕を濡らし続けるハメになったのは言うまでもない。
そもそも《奈落の落とし穴》や《強制脱出装置》などの「墓地に送る」以外の方法での除去採用率が異様に高いのもあった。
それらで除去されたら第三の効果を発動するまでもなく容赦なくぶっ飛ぶのでどうしようもない。
最近の遊戯王では除去の選択肢があまりにも多いため、「墓地に送る」のを牽制する程度では除去の抑制にはならないのである。

とはいえ、サイバー流ではランク5エクシーズを展開しようとすると、
《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚→《サイバー・ドラゴン・ドライ》を通常召喚
という展開が多いにもかかわらず、ドライの「機械族以外のモンスターを特殊召喚できない」縛りが辛いことがままあった。
その関係上【サイバー流】では常に選択肢として挙げられるモンスターではある。
というかけっして弱くない、弱くない効果の優秀なカードなのである。
ただ高すぎた期待と環境のインフレに付いていけないカードだっただけである。セル編辺りの天さんみたいな感じ。


余談ではあるが、イラストは《サイバー・ドラゴン》の進化系をごちゃ混ぜにした感じの見た目である。
【サイバー流】の有段者なら元ネタのモンスターを探すのも一興だろう。


追記・修正はノヴァを優先してからお願いします。




































こんな評価じゃ…満足できないぜ…!










インフィニティィィィ!プリィィズ!
ワールド・プレミアこそ、最後の希望だ!


そしてヤツはWP枠で弾けた。


【ネオNewサイバー・ドラゴン・ノヴァの下敷きレジェンド伝説】


サイバー・ドラゴン・インフィニティ
ランク6/光属性/機械族/攻2100/守1600
機械族・光属性レベル6モンスター×3
「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。
(2):1ターンに1度、フィールド上の表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》とは「クロスオーバー・ソウルズ」で登場したカード。
ワールド・プレミアと言う日本先行カードの1枚としての新規ウルトラ枠で登場した新たな《サイバー・ドラゴン》の進化形である。

光属性機械族レベル6を3枚と言うほぼ正規X召喚をさせる気がない素材指定のこのカード。
その実態はエクシーズ・チェンジで召喚されることを前提としており、その場合には素材に《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》が必要となる。

今まで《パワー・ボンド》や《リミッター解除》を引いて殺すか引けずに死ぬかの【サイバー流】に足りなかった「戦線を維持する」大型モンスター
このような意外な方向性での【サイバー流】の強化は全国の門下生に驚きと困惑を持って迎えられた。
っていうか、以下で説明するようにちょっと申し訳なくなるレベルのオーバースペックを誇るカードである。
何せその効果が、平たく言えば「強化ラギア+強化No.101」と言う嫌がらせこの上無い制圧力を誇るのだから仕方ない。

ではそれぞれの効果を説明しよう。


  • 第一の効果:X素材の数だけ攻撃力上昇
正直これはおまけのような効果。上昇倍率も微々たるものである。
とはいえ《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》からすぐさま展開した場合には素材は3つで攻撃力は2700。
その後第二の効果でモンスターを吸収して4つになると打点2900とゴヨウ・ダムドライン超える。
吸収できずに第三の効果を使っても攻撃力は2500と最低ラインを突破できるため、痒いところに手が届いている感はある。

  • 第二の効果:攻撃表示モンスターをX素材として吸収
近年稀に見る超凶悪効果その1。
その吸収範囲はNo.101を超え、攻撃表示のモンスターならなんでも吸収できるので対応できない事態の方が少ない。
通常召喚しようが何だろうが吸収してくるので切り返し性能が嫌らしい。
無論No.101同様に 《E・HERO アブソルートZero》等の厄介な効果持ちも安全に処理できる。
この効果に対抗出来るのは「効果の対象にならない」や「モンスター効果を受けない」等の、そもそも効果に耐性を持つモンスターぐらいしか居ない。

仮想敵も非常に多いので、いままで【サイバー流】が苦手にしていたモンスターも対処可能になった。
しかも、吸収されるのを恐れて守備表示で凌ぎ続けても、サイバー流には元祖必殺技である貫通効果持ちの《サイバー・エンド・ドラゴン》が存在する。
今まで総合火力の問題でツインの影に隠れがちだったが、インフィニティによって間接的にその個性を引き出されたと言えよう。

ちなみによく読めば分かる通り、自分のモンスターも吸収可能。
そのため素立ちのコアをX素材にして、コアの効果を使いつつ低攻撃力を晒さずに第三の効果のコストにする、というプレイングも可能。

  • 第三の効果:X素材を1つ使って、あらゆるカード効果の発動を無効にして破壊する
近年稀に見る超凶悪効果その2。
第二の効果はNo.101を過去の産物にし、こちらの効果はかのラギアが裸足で逃げ出すレベルで残酷無慈悲な無効化効果である。
一応ラギアと比較した場合には、ラギアにはチェーンに乗らない特殊召喚を無効にできるという利点がある。
まぁそれを差し引いてもラギアに勝ちの目は薄いだろう。

その理由は無効化範囲があまりにも広すぎな上に、しかも融通も利きすぎているという点である。
スターダスト・ドラゴン》などと同じく「発動を無効にして破壊する」書式のため、ダメージステップに発動可能な裁定かつ発動する場所を問わない。
手札からだろうがフィールド上からだろうが墓地からだろうがどこだろうとその効果の発動を無効化できるのだ。
更に即時誘発で「効果の発動」に対する効果なのも強み。
既に場にある永続魔法・永続罠の効果発動にもチェーンに乗るモンスターの特殊召喚効果にも対応可能。
何から何まで至れり尽くせりである。特に【サイバー流】が苦手としていた攻撃反応系の魔法・罠をも止める制圧性能は最早やり過ぎである。

更に酷い事に、第三の効果の発動に不可欠なX素材を第二の効果でセルフで補給可能。
そのせいで毎ターン相手の効果発動を無効にできるのだからたまったものではない。


今まで超必殺技だけしか無かったのがジャブを撃てるようになったと思ったらジャブ撃ってるだけで相手が死んだでござる。
ってか勝利をリスペクトし過ぎな性能である。ヘルカイザーかあんたは。

……という、鬼の様な制圧力の有るカードの下敷きとして《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》は再評価された。
まるで《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》が来た時の《No.19 フリーザードン》みたいである。
ノヴァ本体が最低限戦えるのでそっちよりはマシだけど。

また、ノヴァの効果を無視してインフィニティを出したいデッキでも(下敷きとして)人気者になり始めている。
元の種族が噛み合っている上にランク5を出しやすい【先史遺産】や《銀河戦士》を抱える【ギャラクシー】でも使いやすい。
意外なところだと【ギミック・パペット】からでも《マーシャリング・フィールド》を噛ませて簡単に沸いてくる。

……とまあ、非常に恵まれている種族が幸いしたと言うか災いしたと言うか、何か【サイバー流】と縁遠いデッキでもEXデッキの候補になった。
特に【ギャラクシー】では《神竜騎士フェルグラント》がインフィニティと並ぶので厄介極まりない。

或いはこんなデッキでも見かけるようになった。

CV平川「ウィングス!セプタ-!スローネ!プトレマイオス!ノヴァ!インフィニティ!」

【テラナイト】や【光天使】を筆頭としたランク4の素材3体を楽に出せるテーマである。

「テラナイト」所属の《星守の騎士 プトレマイオス》は素材を3つ使うことで「No.」以外のランク5モンスターにエクシーズ・チェンジができる。
情報がでた当初こそ「素材3つにEXデッキの枠潰して出るのが素材1個のプレアデスぐらいかよw」と、半ば馬鹿にされていた。
が、ノヴァを経由しインフィニティに繋げられるという情報が来てから評価が裏返る。

何せ制圧力があるインフィニティを採用できる重要なリソースになりうるからだ。EXデッキを3つ潰して使うだけの価値は十分ある。
特に【テラナイト】【光天使】は素材確保が簡単なテーマなので、普通に3体素材プトレマイオスからのエクシーズ・チェンジを使用可能。
相手ターン中にプトレマイオスの状態で構えておき、妨害しないといけなくなった場合はプレアデスを出す。
妨害しなくても良い場合はノヴァを出し、次の自分のターンにインフィニティに繋ぐという動きが可能になったのだ。

またプトレマイオスの素材は「レベル4モンスター×2体以上」なため2体でも出すことが出来る。
このままではランクアップ効果は使えないが、エンドフェイズにEXデッキからの素材補充効果があるため効果を使う事が出来るようになる。
エクストラの枠はかなり厳しくなるが、採用できる枠に余裕があるデッキなら狙ってみても良いだろう。
例えばレベル4を大量に並べる【ハーピィ】等でもプトレマイオスとインフィニティのセットは採用できる。

なお最早この辺のデッキでのノヴァの役割は機械族も《サイバー・ドラゴン》も影も形もない都合、ただの下敷きである。
……ここら辺まで来たらフリーザードンを笑えないのは秘密。

最もランク4環境において暴れ過ぎたため、プトレマイオスは2015年10月1日付けで禁止となってしまった。
こうしてノヴァが普通のランク4デッキで採用される事はほぼ無くなり、【サイバー流】でのフィニッシャーとしての順当な地位に戻ることとなった。
《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》を使えば【RR】で出すこともできるけど。


ちなみにインフィニティの元ネタは《真紅眼の闇竜》だろうか。
イラストの構図の他、召喚手段手段や火力計算式が非常に似ている。


【サイバー・ドラゴン・インフィニティへの対策】

さてこれほど強力なカードであったため、我々デュエリストはその対策に追われるハメになってしまった。
何せ凶悪な効果故に非常に対処しにくいのがこのインフィニティである。無限の名は伊達ではない。
特殊召喚を許してしまった時点で、吸収効果で1枚、1回効果を無効化されて1枚の最低2枚以上のアド損を覚悟しなければならない。
アド損覚悟で捌けなかった場合には、そのままズルズルジリ貧なゲーム展開に追い込まれてゲームセットとなってしまう。

さて、出された側のプレイヤーはこいつをどう処理すればいいだろうか?いくつか例を紹介する。

  • 効果を無効にする。
言うまでもなくフィールド上で維持することが不可欠となるこのカードに対しては、効果無効系のカードは真っ先に対処しないといけないカードとなる。
何せ効果を無効にされてしまえば攻撃力2100のバニラとほぼ同等に成り下がるのだ。
下手をするとちょっと打点の高いモンスター1体で簡単に突破できてしまう。
特に《ブレイクスルー・スキル》は1枚で2度も効果を無効にできるため、このカードに対する抑止力としては非常に有効である。
後述するように打点での突破が可能であるのならば、墓地の《ブレイクスルー・スキル》を発動してから殴って突破が安全な処理方法となるだろう。
その他、「特殊召喚か効果を無効にし破壊する」類のカウンター罠を使うのもアリ。
(スペルスピードの関係でカウンター罠に対して誘発即時効果である(3)の効果はチェーン発動できない。)

  • 更に高い打点でぶん殴る。
効果無効と合わせて安心安全確実な方法がこれ。
インフィニティはX素材を消費して無効化を行う都合上、攻撃力が2900を上回ることは滅多にない。
そのため《青眼の白龍》のような純粋な高打点が非常に苦手である。

特にインフィニティを超えるレベルのインチキカードである《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の登場は大きい。
というかライトニングが出せたらまず間違いなくインフィニティは突破できる。むしろライトニングの方がインチキじゃね?
そのため、ランク4エクシーズをしそうな動きを見たら【サイバー流】使いは警戒しよう。どっちの対策項目だよこれ

  • アド損を覚悟で確実に除去を通す。
数の暴力で押し切る、非常にわかりやすい方法。これもかなり安心安全確実な方法である。
最近の環境トップのデッキが得意とする方法でもある。

【影霊衣】はこれ見よがしにサーチを連発してインフィニティの効果無効を誘ってくる。
スルーされて儀式魔法を止められたとしても、次の儀式をサーチしてトリシューラやグングニールその他諸々で仕留められるのだ。
トリシューラやグングニールの効果発動にインフィニティの第三の効果を撃っても、手札のをもう1回出してなかったことにするなど散々好き勝手できる。

クリフォート】も《アポクリフォート・キラー》で潰したり、《アポクリフォート・カーネル》でパクって1ショットキルに繋げられることもある。

ただ、多くの場合これらの方法はアド損というリスクを伴っていることを忘れてはいけない。
……あれ?この項目何の項目だっけ……?

  • 出る前に潰す
ある意味一番安全な方法。下敷きを出した時点で消してしまおうという作戦である。
下敷きのノヴァを出してくるデッキに対しては、除去耐性のないノヴァ自身を除去してしまえば、当然インフィニティが出てくることも無い。
ただし、墓地へ送ってしまったら厄介な融合モンスターが出てきてしまうので注意。

ノヴァを直接出せないデッキはこの場合プトレマイオスに頼ることになる。
プトレマイオス自体にはかなり隙が大きく、耐性もないためこいつ自身に除去や効果を無効化する効果を当ててしまえばノヴァは出て来られない。

当然プトレマイオスやノヴァでなくても素材を揃えた段階で潰してしまってもいい。
……あれ?これインフィニティの項目だっけ……?


しかしこれらのようなまどろっこしい方法を使わずとも確実な方法が一つある
かつてどんなデッキにも投入可能と言われ、一世を風靡したある対策方法があることを皆様御存知だろうか?

~姑息な寸劇~

(´^ω^`)「おっおっお! オイラのフィールド上にはサイバー・ドラゴン・インフィニティが3体いるお! 最早めいでんちゃんに勝ち目は無いお!」

(冥ω殿)「マズい……どうにかこのターンは耐えたが、手札も0ではもう俺には勝つ方法は無い……どうしたらいいんだ……」

???「何言ってんのさ、マスターにはボクがいるでしょ!」

(冥ω殿)「そうだ……俺にはあのカードがいる……アニヲタの集いを立ち上げて以来ずっと一緒に戦い続けたこのカードが……!」

(´^ω^`)「な、なんだお……!?カードが光り輝いて……」

(冥ω殿)「ドロー! (サイバー・ドラゴン・)アイン!! 俺はサイバー・ドラゴンを守備表示で特殊召喚、そして……」

(´^ω^`)「ま、まさかぁ!?」

(冥ω殿)「フィールド上のサイバー・ドラゴン、3体のサイバー・ドラゴン・インフィニティをコストに特殊召喚!」


(冥ω殿)「エヴォリューション・リザルト・アーティレリー、4連打ァ!!!」


……そう、インフィニティの最大の天敵。それは他でもない《サイバー・ドラゴン》である。

インフィニティはチェーンに乗らない《サイバー・ドラゴン》の特殊召喚を止めることができない。
そして一度《サイバー・ドラゴン》の特殊召喚を許してしまえばインフィニティは終わりである。
いかなる機械族モンスターをも素材とする《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》のためのコストとして処理することができるのだ。
たった1枚のカードから召喚権を使うこともなくインフィニティを葬ることができるまさに最強のカード、それが《サイバー・ドラゴン》なのである。
ついでに「クリフォート」も餌にでき…何?機械族なら何でも融合素材に指定できるのではないのか!?

また多少マニアックな方法になるが《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の特殊召喚は《サイバー・ドラゴン》が裏守備表示でも可能。
そのため《サイバー・ドラゴン》をアドバンスセット、もしくは《サイバー・ドラゴン》扱いのモンスターをセットしてから素材化に繋げることも可能。
この場合たとえ相手が《神の警告》《神の宣告》《激流葬》や《奈落の落とし穴》を伏せていようともインフィニティを確実に除去することが可能となる。
(これはモンスターのセットに対しては召喚時に召喚を無効にする効果や召喚に反応する効果が対応しないためである。)

ちなみに上記のように《プロト・サイバー・ドラゴン》《サイバー・ドラゴン・コア》《サイバー・ドラゴン・ドライ》でも素材化は可能。
その場合は《サイバー・ドラゴン》と違って召喚権を行使してしまう。
またプロトは永続効果による《サイバー・ドラゴン》化であるため裏守備では融合不可能。
逆にコアは召喚してしまうと効果が誘発してインフィニティに止められてしまうため裏守備表示で出さないといけない。
残る《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》は《サイバー・ドラゴン》扱いに効果発動が必須なので、インフィニティを相手取るのは正直つらい。
魔法カードの公開も要るしね。

ノリ゚ー[゚]リ|「解せません……。」

このように、【サイバー流】の切り札は【サイバー流】の基本中の基本となるカードに最も弱いという何とも皮肉な関係となっている。
是非これを教訓にサイドデッキに《サイバー・ドラゴン》と《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を仕込んでいただきたいものであr……
え?そんなの入れるより《虚無空間》入れるって?


【更なる強化】

更に時は経ち2018年7月21日。ここまでの間にも様々な《サイバー・ドラゴン》モンスターが登場し【サイバー流】は着実に強化されていった。
そんな中発売されたVジャンプ9月特大号。その付録としてこのようなカードが登場した。

サイバー・ドラゴン・ネクステア
レベル1/光属性/機械族/攻200/守200
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
(2):手札からこのカード以外のモンスター1体を捨てて発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(3):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、攻撃力または守備力が2100の、自分の墓地の機械族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は機械族モンスターしか特殊召喚できない。
手札のモンスターを捨てることで特殊召喚ができる《サイバー・ドラゴン》。
さらに召喚・特殊召喚時に《サイバー・ドラゴン》の攻撃力と同じ数値である2100の攻撃力か守備力を持つモンスターを墓地から特殊召喚できる

一見、なんだ、ちょっと範囲の広い《サイバー・ドラゴン》サポートじゃん」と思うだろう。
しかし、このカードがサポートしているのは《サイバー・ドラゴン》ではなく「攻撃力か守備力が2100の機械族モンスター」である。

さてもう一度《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》のスペックを読み返してみよう。

サイバー・ドラゴン・インフィニティ
ランク6/光属性/機械族/攻2100/守1600
機械族・光属性レベル6モンスター×3
「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。
(2):1ターンに1度、フィールド上の表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。
(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にし破壊する。

そう、インフィニティの攻撃力は2100。
つまりこのカードは相手が必死にカードを使って除去したインフィニティを墓地から特殊召喚することが可能なのだ。

さらに前述したインフィニティ第二の効果により相手モンスターの除去とX素材の調達が可能。
その後はX素材があることで第三の効果も使用可能となる。

記事前半で「おまけ効果」呼ばわりされていた攻撃力上昇効果だが、逆にこの効果無しに元々の攻撃力がズレていたらこのようなことにはならなかった。
そういう意味では間接的にも大きな意味を持つことになったと言えるだろう。


そして《サイバー・ドラゴン・ネクステア》の登場によりインフィニティ以上に強化されたモンスターが存在する。
…そう、それこそ《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》なのである。

もう一度ノヴァのスペックを読み返してみよう。

サイバー・ドラゴン・ノヴァ
ランク5/光属性/機械族/攻2100/守1600
機械族レベル5モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を対象として発動できる。
自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで2100アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3):このカードが相手の効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
EXデッキから機械族の融合モンスター1体を特殊召喚する。

つまり墓地にネクステアが落ちていれば、ノヴァの蘇生効果によりネクステアを蘇生可能。
ネクステアの効果を経由することで《サイバー・ドラゴン》以外の攻撃力か守備力が2100の機械族モンスターも特殊召喚することができるのである。

前述の通りネクステアはインフィニティを蘇生することもできる。
これにより墓地のインフィニティを蘇生しつつノヴァに2体目のインフィニティを重ねることで、2体のインフィニティを並べて2妨害を展開可能。

また連続攻撃期待の新人《キメラテック・ランページ・ドラゴン》も蘇生できる。
こちらの場合蘇生後にノヴァとネクステアを素材に《サイバー・ドラゴン・ズィーガー》をリンク召喚することで4200打点のサンレンダァ!が可能となる。

他にも
  • 《パワー・ボンド》のサーチと墓地融合化を可能とする《サイバー・ダーク・キメラ》
  • 2800打点の2回攻撃ができる《サイバー・ツイン・ドラゴン》
なども有力な蘇生候補。

またネクステアだけでなく、他の新しく登場した《サイバー・ドラゴン》達とも好相性。
  • ランク5エクシーズの素材にもできて墓地に送られたら《サイバー・ドラゴン》をサーチ・サルベージできる《サイバー・ドラゴン・ヘルツ》
  • リンク先を確保しつつノヴァの打点を自身の効果を併用することで6300にまで上昇させられる《サイバー・ドラゴン・ズィーガー》
などもネクステア程ではないものの蘇生先として有用。
自身の攻撃力上昇効果の除外コストも、コアでサーチできる除外融合の《サイバーロード・フュージョン》が登場したことで多少軽減が可能になった。

流石にノヴァのままで相手にターンを渡すのは心許ないため最終的にインフィニティに重ねるという流れは変わらない。
しかし少なくとも「下敷き」や「インフィニティを乗せるためだけの存在」などと揶揄される時代はとうに終わったといえるだろう。
なお【サイバー流】を使用したことがない人からは未だに下敷き呼ばわりされている模様。


追記・修正はノヴァの効果で降臨したサイバー・エンドをリミ解して1ターンキルを決めてからお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王OCG
  • 機械族
  • 光属性
  • エクシーズ
  • ランク5
  • サイバー流
  • 下敷き
  • ストラクチャーデッキ
  • サイバー・ドラゴン
  • ランク6
  • 蘇生
  • サイバー・ドラゴン・インフィニティ
  • プトレノヴァインフィニティ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月03日 19:27

*1 《リミッター解除》や《オネスト等》の補助無しならダベリオン効果で1050+2100と2500+1050でダベリオンが勝つ。