やめろー!こんなのデュエルじゃない!(遊戯王ARC-V)

登録日:2015/02/27 Fri 15:40:50
更新日:2024/04/22 Mon 07:29:28
所要時間:約 4 分で読めます




遊戯王ARC-V第34話「結合魔獣vs進化する隼」にて、主人公榊遊矢が放った台詞。

概要

舞網チャンピオンシップ1回戦。

ただの試合とは到底思えないほどの因縁を感じさせる形相の紫雲院素良黒咲隼の熾烈を極める戦い。
黒咲の故郷である「ハートランド」を模したアクションフィールドにおいて、観客が声を挙げるほど煌びやかな近未来都市には似合わないほどの激しい攻防。

最初こそ遊矢を真似てエンタメデュエルをしようとする素良とノリが悪いっていうLvじゃない黒咲という構図だったが、
黒咲の徹底した戦術に後手に回り続け、素良にだんだんと余裕がなくなっていく。

次々と繰り出される融合モンスターとエクシーズモンスター。
ぶつかり合うそれらによって街は破壊されていく。

黒咲に危険なオーラを感じていた遊矢は再三素良に注意を促し、真剣な表情で見守り続ける。
だが、《デストーイ・チェーン・シープ》が破壊され、子供が泣き喚く中大人はむしろ盛り上がる。
相反したそれぞれの反応。
街としての形を失っていく「ハートランド」を見た榊遊矢は、黒咲が言っていた「戦場」という台詞から連想したのか呆然とし、

「これじゃ……まるで戦場じゃないか」

と呟く。


デュエルも佳境に入り、黒咲の発言からうかがえる二人の因縁。
素良でさえも今まで見た事がないような歪んだ表情と引きつった声を出す。
一方的に因縁を語られていた素良も、黒咲の事情を知っているかのような口ぶりでとんでもない発言をした。
どんどん遊矢の混迷は深くなっていき、黒咲が召喚した《RR-レヴォリューション・ファルコン》によって街ごと爆撃される光景を目の当たりにし、思わず身を乗り出し、


やめろー!こんなのデュエルじゃない!

俺が信じるデュエルは、みんなを幸せに……!


と叫んだ。


解説

まず言っておくと、彼ら二人がやっていたのは戦場を想起させるほど激しい戦いではあったものの、
れっきとした正々堂々のデュエルである。反則などの非道行為はない。
アクションデュエルの性質を利用した暴力行為などもない。

遊矢がこの発言をした理由には、彼が送った過去と信念が深く関わっている。
後に赴くことになるシンクロ次元のコモンズ等と比べ、彼を取り巻く環境は非常に恵まれているといえる。
しかし父親の失踪、それにまつわる謂れのない謗りを受け続ける暗い子供時代を送った彼にとって、
「心の充足」と同義である「笑顔」は何よりも代えがたいもの。そしてそれをもたらしてくれるデュエルは暴力的なものであってはならない。

彼にとってのデュエルは戦いの道具ではなく、自分も、対戦相手も、観客も皆が楽しくなり、笑顔を浮かべるような輝かしいもの。
そういった自らの理想からあまりにもかけ離れた凄惨な光景に耐えらず、身を乗り出して叫んだのであった。

また、ここまでユートや黒咲といった物語を動かす本筋にほぼ絡まず、「柚子の方が主人公してる」とまで言われる遊矢が、
初めて受け身の姿勢を解いて自ら渦中へ飛び込んでいく契機になった場面でもある。

ちなみに、遊戯王アニメにおいて「デュエルで人の生死が決定する」「デュエルで戦争を行う」「憎悪と敵意をぶつけ合うデュエル」「デュエルの余波で周囲に死傷者が出る」というのは非常によくあること(むしろ後半からはそんなデュエルがほとんどの場合が多い)。
そのため歴戦の視聴者からは「別に何もおかしくないな」「いつものデュエルじゃないか」とツッコまれてたりした。

また、遊矢は他世界の確執など特に知らなかったので仕方ないのだが、
これほどの戦いが繰り広げられるのはむしろ必然と言える過去を持つ二人の戦いだったので、少しKYな感じのツッコミという印象も与えることになってしまった。


Take2

なお、その回から2話先のユートとユーゴのデュエルでも同様の台詞を言っており、続けて


俺は認めない!

デュエルは人を笑顔にするもの……人を幸せにするもの……

デュエルは……デュエルは傷つけるものなんかじゃない!!


と叫んでおり、この言葉にユートは踏みとどまったが……。


余談

この台詞を叫んで怒りと憎しみに満ちたデュエルを否定した遊矢だったが、その後の勝鬨戦で悲劇は起きた
梁山泊塾のデュエルにおいて圧倒的な威圧感で相手を睨み淡々とデュエルに幕を引いてしまう
本人の意志を無視した現象が起きたとはいえ、このデュエルの結末は遊矢の心にしばらく影を落とす。

こういった、遊矢が次元間の抗争を止めようと戦っていく過程において、
彼の「皆をデュエルで笑顔にすること」と「デュエルを戦いの道具にする者を止めること」は、どちらも彼にとっては絶対に譲れないものであり、2つの目的の間での板挟みな矛盾と葛藤をよく表していると言える。


また「こんなのデュエルじゃない」という発言は、言葉のみなら遊戯王GX第65話の丸藤亮も地下デュエルで「こんなのデュエルじゃない!貴様、騙したな!」と言っている。
更に過去をさかのぼれば、遊戯王DM第14話の闇遊戯闇のプレイヤーキラーのデュエルに対して本田が言った「そうだ!やめろ、遊戯!こんなのデュエルじゃねえ!!」と古くからあり、
漫画版GXの第4巻「万丈目VSデイビット」戦での闇の決闘の異常性を感知した十代が同様の趣旨の発言をしている。
どの状況も「デュエル以外によるプレイヤーの死あるいはデュエル後による敗者の死」が関係している為、
所謂「デュエルで命を賭けるなんて間違っている!」という意味が込めている事がほとんどである。


~使用例~
現実でソリッドビジョンシステムが開発されない限り、本来の状況で使われることはまずないだろう。
では、どういう場面で使われるかと言うと「あんまりにもあんまりな状況」を第三者が見た時。

etc…




やめろー! こんなのアニヲタじゃない! 俺が信じる追記・修正は、アニヲタを幸せに……!

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最終更新:2024年04月22日 07:29