紅音也

登録日:2015/02/16 Mon 19:43:47
更新日:2024/03/06 Wed 23:36:17
所要時間:約 9 分で読めます




紅音也は、『仮面ライダーキバ』のわき役。

女ったらし。

おそれおおくも主人公・キングの妻を奪おうとしたが死んだ。













追記・修正はキングに忠誠を誓ってから











「俺にはこの世で嫌いな物は2つある。糸こんにゃくと、俺の項目を立て逃げする男だ」






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紅音也は、特撮ヒーロー番組『仮面ライダーキバ』のもう1人の主人公。
過去編(22年前)の主人公であり、現代編の主人公紅渡の父親、その息子紅正夫の祖父。
仮面ライダーイクサ仮面ライダーダークキバに変身。
演:武田航平(正夫と二役)


【概要】

天才ヴァイオリニストにして制作者。
かなりの女好きで、ファンガイアと戦う戦士・麻生ゆりに惚れたことがきっかけで人間とファンガイアとの戦いに飛び込んでいく…

前述の通り、紅渡の父親だが、母親が誰であるかは当初は明かされていなかった。


【性格】

端的に言えば、女好きの自由人。どこか掴みどころがなく、その行動は舞台役者のように一々大仰。
音楽と女性を心から愛し、女性を口説かない時は無い。ちなみにこの性格は園児時代からの据え置きである。
ヴァイオリニストではあるが、そのスキルを商いに使っている様子はあまり無い、と言うより働いている様子がほとんどない*1
一時はヴァイオリニストの女性の先生をしていたこともあったが明らかにナンパ目的であり、彼女が音楽を捕食に使うファンガイアであったことを知り決裂している。
ヴァイオリンの腕前は自分でも言う通り天才的。その点を含めて、自分と言うものに絶対の自信を持つ。

お~れ~の~演奏は~一曲10億ドォルゥだぁ~♪釣りは♪いらねぇっ♪
※代金踏み倒す目的です。

その時その時の感情に忠実に動き、そのためには時として世間や他人の迷惑を考えないため、軽薄でいい加減にも見える。
カジノの支払いを生演奏で済ませる=踏み倒したり、1人の女性を口説いた直後に違う女性を口説くこともしばしば。
唐突に奇行に走り、視聴者の腹筋を破壊しにかかることもしばしば。
名護さんがいなかったら、彼こそが『キバ』きってのネタキャラ枠と言われていたかもしれない。

良く言えば自分の心に正直な感情至上主義者、悪く言えばその場のノリと勢いで生きる無責任男。

一方で、音楽と女性を愛する心は本物。音楽を汚す者は誰であろうと許さず、本気で惚れた女性にはどんな無茶をも厭わない漢になる。
また、花のためにヴァイオリンを奏でたりする優しい一面や、「人の心は音楽を奏でている」「俺はそれを守りたい」と語る独自の信念(?)を持つ。
その自由闊達で強烈なキャラクターによって良くも悪くも人生を狂わされた影響を受けた者は少なくない。

そんな彼の好物はオムライス
嫌いな食べ物は項目冒頭に書かれている糸こんにゃく。
他にもブラックコーヒーも大の苦手で、一気飲みすると倒れ込んでしまうほど(砂糖を入れれば何とか飲めるようだが)。


【恋愛観】

「それに結婚なんてくだらない。女神は結婚なんてしない」(ある女性への口説き文句)

「待て待て待て待て。考え直せ」(ゆりから結婚の話題を出されて)

これらの台詞から象徴されるように、結婚願望や女性への独占欲は意外に少ないことがうかがえる。
そのため、恋愛に関しても自分に恋人がいようが、相手が子持ちの人妻だろうが躊躇しなかったりと、あまりモラルに縛られない行動を取る。
一応(フォローにならない)フォローをすると、本人に浮気・不倫と言った意識は無い(と思う)。
「よせ、俺のために争うな。2人まとめて愛してやる」と言うくらいだし。
しかし、だからと言って父親になることを厭うている訳では無いらしく、愛する女性の子供のために奔走したり、渡の前では(彼なりに)父親らしく振る舞ったりしたこともある。


【身体能力】

ヴァイオリニストと言う肩書とは裏腹に、その身体スペックは非常に高い。
具体的には、ゆりの武器ファンガイアスレイヤーを一度で使いこなすほど。さすがに生身でファンガイアや魔族(ガルル)を倒せるほどではないが。
なぜかモノをすり取るスキルも高く、上述の武器やイクサナックルを相手に気付かれずに奪ったこともある。
前述の通り手先が器用で手品、けん玉、皿回しを披露したり、おニャン子クラブの山本スーザン久美子の大ファンである木戸と次狼が騙されるレベルの彼女の偽サインを作成したこともある。
特筆すべきはそのバイタリティであり、負担の大きなプロトイクサを「いい着心地だ。快・感♪」とやすやすと使いこなし*2闇のキバの力を3度に渡って使いこなした*3
しかも3度目の変身はプロトイクサで先代キングと戦い、イクサが大破するレベルの大ダメージを受けた状態。それでダークキバに変身した上(正史では恐らく単独で)先代キングを撃破するという怪物である。
実際、敵対しているキングからすら「凄まじい生命力だな」と評されている辺り、彼のバイタリティの凄まじさは浮き彫りになる。


【関係人物】

  • 麻生ゆり
音也が一目惚れした女性。
素晴らしき青空の会に所属するファンガイアと戦う戦士であり、結果として音也がファンガイアとの戦いに絡んでいくきっかけになった。
当初はいい加減な彼を良く思っていなかったが、音也が時折見せる男気もあって彼に惹かれる。
後に、彼と真夜が惹かれあうようになったことに心を痛めたことも。
しかし、音也を愛したことを決して後悔しておらず、最終的には自ら別れを告げ、
後に別の男性と結婚して生まれた娘の恵に彼の受け売り言葉を教えるなど大切な思い出になっている。
余談だが、ヴァイオリンの腕がしずかちゃん並みだったり、普通の女性としての幸せを求めていたりと、根本的な部分で音也と正反対な面も多い。

  • 紅渡
音也の息子。渡が生まれる前に音也は亡くなっているため面識はない。
音也を尊敬しているが、彼の逃がしたファンガイアやら、彼がのこした面倒やらのアオリを受けることも多い。
終盤、時を超えて出会った音也に、自分の生き方を行動を通して伝えられた。

魔族・ウルフェン族最後の生き残り。
ゆりを巡って音也と争う。
互いに争う中で奇妙な友情で結ばれて行くようになり、死に際にいずれ生まれる息子を託し、次狼は今でもその約束を守り続けている。

  • 真夜/パールシェルファンガイア
ファンガイアの『クイーン』。
物語中盤から音也と惹かれあう女性。
音也の心と音楽の理解者。
音也は彼女と共に名器『ブラッディローズ』を作りあげた。
余談だが、彼女の音也評は「心清く、誠実で、曲がったことが大嫌い」(渡談)

  • キング/バットファンガイア
ファンガイアの『キング』。
真夜の夫で、ある意味音也最大の恋敵。
歪んだ愛情で真夜を縛るキングとの戦いが、音也の最後の戦いになった。


【テレビシリーズでの活躍】

ファンガイアの追っ手(人間)を撒くために抱きついたゆりに一目惚れ。
「人生は短い。だが、夜は長い」と井上節全開のセリフで彼女を口説きにかかるが、キッパリ振られる。
しかし、その後も(偶然もあって)ゆりと関わることが多くなり、音也はゆりと一緒にいるためにファンガイアとの戦いに自ら飛びこむことになる。
そんな折、気に食わない男・次狼が現れる。
その正体が怪物(ガルル)であり、次狼に惹かれるゆりを彼が一族復興のために利用しようとしたことを知った音也。
音也は、ゆりを守るためにと次狼と激しく争い合う。
激しいバトルの中で、2人のゆりに対する想いもより強くなっていったが、最後にゆりが選んだのは音也だった。
次狼から奪ったイクサで仮面ライダーイクサに変身して戦ったりする中、晴れてゆりと恋人同士となり、素晴らしき青空の会の一員となった音也。そんな彼の前に真夜が現れる。
自由な気質、そして音也の音楽を深く理解する真夜。
そんな彼女に、音也は強く惹かれるようになり、真夜もまた音也を深く愛するようになる。
(この間、ルークをゆりたちと倒したり、最高な人に遊び心を教えたりした。)
その姿に嫉妬(?)した真夜の夫キングが音也の前に立ちふさがる。
一度は惨敗を喫する物の、キングから離反したキバットバットⅡ世の協力で、自分の命を削るダークキバに変身。
未来からやってきた息子・渡と力を合わせ、キングを撃破。
真夜とその子供太牙を救ったものの、自身はその命を落としてしまう。(死亡直前に次狼らに会った段階で、すでに幽霊の様な演出がなされている。足が透けていたり、一瞬で消えるなど)。
しかし、その想いは確かに、渡たちに受け継がれた。


劇場版での活躍】

この作品では、素晴らしき青空の会の一員としてファンガイアと戦っている。
時を超えて現れた渡が息子であると言う話を信じず、フリーダムな行動で彼を振り回す。
渡が未来に帰った後、彼の話が本当だったらしいと気付き、キバットバットⅢ世の導きで現代(22年後の世界)に赴き、渡のピンチを救う。
過去の世界では雑に扱っていた渡に、「この身体に天才である俺の血が流れているのか。そうか!」とはしゃぐが、
何気ない会話(公開版ではカット)から現代の自分は死んでいるらしいことを悟る。
それからは渡に父として出来ること、自分の生き方を渡に見せようとする。
敵の王である仮面ライダーアークに暴走させられた渡を熱い説得で救い、親子力を合わせてアークを撃破。
その後、渡の高校の文化祭で親子2人でヴァイオリン演奏を披露。
現代から去って行った。

アークとの決戦時、音也がイクサをメットオフして走っているシーンがあるが、これは武田氏が実際にスーツを着用している。
なお、リハーサル時はスーツが重くて上手く走れず、本番では高岩成二氏にスピードを合わせて走ってもらうことになっていたが、
肝心の本番では背後の爆発にビビって火事場の馬鹿力的なものが働いてしまい、高岩氏より早く走って後で怒られたという裏話が……


小説 仮面ライダーキバでの活躍】

基本設定はTV版とほぼ同じだが、本編以上に余裕に溢れた青年として描かれており、
曰く「音楽を聴きながら」生きている為、人生において道を間違う事はないらしい。
ゆりや次狼、真夜との関係もあまり変わらない。
そのチャラチャラした印象のせいでゆりからは当初毛嫌いされており、ウルフェン族の復興の為にゆりの心を射止めようとしている次狼からも敵対心を抱かれていた。
しかしファンガイアから幾度となく助けてもらう内にゆりはその男気に、次狼はいい加減に見えて実際は周囲をよく見ている音也の類まれな感性に惹かれていく事となる。
ゆりの仇であるライオンファンガイアを倒して以降はゆりは完全に音也に惚れ、危うい所を助けてもらった次狼も音也と友情を育む事となった。
しかしとある演奏会で真夜の音楽と人柄に惹かれた音也は次第に二人と疎遠になっていき、禁断の恋を引き裂くために追撃してくるファンガイア勢から逃げる事となる。
二人との別れもギスギスした物ではなく、お互いに幸せな未来を掴める事を祈るある意味で清々しい物であった。
結局、音也と真夜の逃避行の結末は不明のままだが、次狼の反応を察するに渡の出産後に戦死した可能性が高い。

余談だが、小説版の過去編にイクサが無い代わりなのか小説版の音也の戦闘力は異常に高く、前述の「音楽」を聴くことで相手の急所すら見抜くチート技能を持つ。
  • 下級とはいえ、敵ファンガイアの動きを見切って鉄棒で急所を一刺しして倒す
  • 古傷を突いたとはいえ、古傷を抉られ発狂するライオンファンガイアをファンガイアスレイヤーで倒す
  • ビショップらしきファンガイアを眠ったふりをして油断した隙を突いて、ファンガイアスレイヤーの一刺しで倒す
等、まるで伝奇モノの主人公の如き活躍を見せる。


仮面ライダーディケイド

「紅音也、えら~い人だ」
第20・21話の『ネガの世界』編で彼とそっくりな”紅音也”(通称"ネガ音也")が登場する。
仮面ライダーダークキバに変身する、この世界における(悪の)仮面ライダーと怪人のボス的存在。
従って、第1話で登場した紅渡(キバ最終回以降の時間軸の渡)とは何の血縁も無い。

陽気で自信家、という表面的な性格は本編の音也と似ている。
しかし、卑怯卑劣は当たり前、逆らう部下は鉄拳制裁、手下が負ければコソコソ逃げる、と清々しいまでの暴君として君臨している。
ネガの世界の宝『ケータッチ』を取り戻し、門矢士(ディケイド)をその後継者(自分の後継者?)とするため姦計を巡らせる。
そのために士をセレブやアイドルに仕立て上げたりするが、そんな偽りの幸せを士は拒否。
音也の配下のライダーを撃破。
前述の通り音也を敗走させた。
なお、そもそもの出自が異なるためか、あるいは怪人の擬態なのか、ネガ音也はダークキバに変身しても平気な様子だった。


【余談】

演じた武田氏はかつてゲーム『ファイナルファンタジー12』にて主人公ヴァンの声を担当していたが、
当時とは比べ物にならないほど短期間で演技力が上がっていた事にファンは驚いていたとかいないとか。

そして『仮面ライダービルド』では主要人物の1人である猿渡一海/仮面ライダーグリス役で登場。
これを記念してか、ひらかたパークで行われたビルドショーでは急遽「キバ」とのコラボが開催された。
ネビュラガスにより暴走したキバに追い詰められる753だったが、キバットバットⅢ世の提案を受けフェイクフエッスルで次狼を召喚。
そしてガルルセイバーを依代に、イクサの身体を音也が一時的に拝借した。
つまり「753が変身したイクサに、次狼と音也が乗っかってる」という全部乗せフォームのような状態に。
暴れ狂うキバを音也イクサはそっと抱きしめ、「じゃあな渡、正夫を可愛がってやれよ…あいつは俺に似て、いい男になるからよ」と告げる。
ネビュラガスの呪縛から解き放たれた渡は、元に戻った753と共に世界征服を狙うネオファンガイアに再び立ち向かっていくこととなる。


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  • 自己犠牲
  • 賛否両論
  • 真の主人公
  • 数奇な運命を背負った男

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最終更新:2024年03月06日 23:36

*1 現代編どころか過去編でも彼のファンやコンサートといった話題についての話は全くなかった(描写されていないだけでコンサートは開いていたのかもしれないが)。

*2 たように振る舞っているだけで、実際は負担をモロに喰らっている。それでも正装着者として訓練を積んだであろう次狼が病院送りになったのに、彼は持ち前の気力でなんとか歩ける程度だったのでそのバイタリティの高さはやはり異常。ちなみにゆりは「バカだから使いこなせた」と思っている。

*3 キバの鎧は意図的にデチューンされて作成された黄金のキバですら人間であれば変身した時点で即死するような代物であり、元のこちらに至ってはファンガイアですら大多数は変身の負担に耐えられないにもかかわらず、である