佐々木琲世(東京喰種:re)

登録日:2015/02/09 Mon 23:28:00
更新日:2023/12/02 Sat 15:27:37
所要時間:約 11 分で読めます




グール
「喰種」

ヒトの姿を持ちながら
ヒトの肉を喰らうことでしか生き永らえない
人類の天敵

その「喰種」に対抗する「喰種捜査官」
そして天敵である「喰種」の力を使う人間たち
捕喰器官「赫子」を組み込まれた新設部隊
クインケ内蔵型実験体「クインクス」

彼らを率いるのが――
佐々木一等捜査官である




佐々木琲世 一等捜査官(75期)
22(4/2生)男 Blood type:AB
Quinque:[ユキムラ1/3](甲赫 -Rate/B)
Honors:金木犀章、白単翼章




人物像

石田スイ作『東京喰種』の続編『東京喰種:re』の主人公。
黒混じりの白髪が特徴的な、朗らかで冗談好きな青年。
Sレート相当の喰種を駆逐する力量を持つ者として「CCG」から「白単翼章」を受勲している。
前作の「とある人物」と容姿が似通っており、作中の人々や読者に既視感を与える。

前作最終巻のおまけ漫画で初登場した時は三等捜査官で、有馬の指示により真戸暁に指導を受けた。
現在は上等捜査官となったアキラの真戸班に所属し、本作開始以前(『:re』第一巻末おまけ)より「クインクス(Qs)」の指導者(メンター)を務める。
クインクスは真戸班所属という扱いだが、問題児だらけの彼らを相手に手を焼く日々を送っている。

優秀ながら独断専行しがちな瓜江久生・残念な頭脳で仲間想いの不知吟士・戦闘能力の低い六月透・オタニートな米林才子の四人で構成されるクインクス班の統制は(主に瓜江のせいで)全くと言って良いほど取れず、鳴り物入りで編成された彼らの能力を生かしきれていない。
「CCG」で目を覚ます二年前より以前の二十年間の記憶が無く、そんな自分に不安を抱いているが、有馬を「お父さん」、アキラを「お母さん」、クインクス班を「子どもたち」とする家族ごっこに救いを感じており、「記憶はなくてもコレはコレで幸せ」、「今の自分の生活に満足している」と顎を触りながら語っている。
瓜江以外には人柄から深く慕われており、班内の仲は基本的に良好。


下口上等らを含む一部の捜査官らには人間扱いされておらず、「まともな捜査官ではない」として見下されている。
またハイセ自身が喰種を生け捕りにしようとする考えの持ち主のため、「甘い」と断じられる。

その一方で有馬や和修局長には目を掛けられ、実力を高く評価されている。
特に有馬は頻繁に気に掛け、アキラに伝言を頼んだり直接対面できるよう取り計らったりと、「親心」を以て彼に接する。
平子班の伊東倉元一等とは会議後数十秒で打ち解け、内心「くらもっさん」と呼ぶほどの仲。


「喰種収監所(コクリア)」に収容されているドナートには非常に気に入られており、一人で会うことも。
月山の従者であるカナエは彼の名前を「名無し(heiße)」と捉えて「ふざけた名だ」と吐き捨て、ある理由から強い憎悪さえ向けている。
月山の友人であるホリチエには、あの変態を復活させる材料として目を付けられた。
ニコと一緒に彼(捜査のため女装中)を目撃したロマは、幸せそうな面だと言って嫌悪している。


読書の際や捜査資料をまとめる時は丸眼鏡を掛ける。
料理の腕は絶品らしく、クインクス班内でも評判。
しかし作った食事を自分で食べることはなく、ただ眺めるだけ。
アキラの真戸パンチを喰らって悶絶。
自身の本気を「佐々気(sasaki)」と称し、パンツのセンスは少し酷い。
有馬式机上戦闘訓練にはノリノリで応える。
上官であるアキラとは、「ところでおかあさん」「誰がお母さんだ」とコントをしたり、期待していると褒められた時は「ハグしても?」と聞いたりと特に親しい。


チェス盤のような白黒の精神空間と共に現れる存在を背負っており、悪夢の中や赫子使用時に背後から囁き掛けてくる「彼」をハイセは「記憶を失う前の自分」として認識している。
手足を錠に繋がれた「彼」は奇妙な隻眼の面を被り、ハイセに「身体を貸せ」――「返せ」と要求する。
また「彼」はハイセの無意識にも通じており、ドナートと同じく「CCG」内での自分の価値に縋り付かなければ生きていけないハイセ自身の脆さを見破っている。

アキラが不知と瓜江にクインケやQs能力の制御に関して、ハイセの全力を例に挙げて曰く……
「“ああ”はなるな――」








以下、ネタバレ注意
















 

 

 
 

 





アキラさん…
…有馬さん…
僕に…

勇気を








半喰種「ハイセ」

Based Ghoul:Gluttony「Rize Kamishiro」

Rate:SS

Rc type:鱗赫

Rc count:2753

Erased code:眼帯の喰種/半赫者「ムカデ」




正体

佐々木琲世一等捜査官は「半喰種」である。
要するに前作の主人公金木研の成れの果てであり、脳を損傷したため記憶を失ったカネキ本人。
他の捜査官や部下と一緒に食事をしないのはこのためで、むしろ人間の食事を摂ることができない。
クインケを人体に内蔵する「赫包インプラント法」は、彼を確保したことで地行が着想を得たものであった。

戦闘ではクインケと赫子を同時に扱い、卓越した技量はクインクスどころか並みの捜査官を凌駕する。
かつてのカネキと同様に親指で手の他の指を押し鳴らす仕草をすることもあり、暴走を厭わず戦う時には苛烈で凄惨な赫子の使い方も披露する。
S~レート喰種「オロチ」戦においては赫子を手のように変化させてクインケを引き寄せ、月山を髣髴とさせる「剣」を生み出し、地中に赫子を這わせるなど、その応用力は格段に高い。


「CCG」では彼の扱いに幾つかの決まり事があり、普段は「佐々木琲世」「ヒト」として扱うこと、有事の際には「喰種」として処理することが挙げられている。
赫子の暴走が認められた場合、彼は「喰種」と見なされ、「CCG」の駆逐対象となる。
極力「コクリア」収監者のようにRc抑制剤などで沈静化を図るが、やむを得ない時、捜査官達は彼を殺さなければならない。

オロチ戦でハイセは仲間に駆逐されかねないリスクを承知の上、クインクスを助けるために赫子を解放したが、相手の素顔を見たことでカネキの記憶が刺激され、暴走してしまった。
その結果オロチを撃退したもののトルソー・オロチ両名の確保に失敗し、不知・瓜江・六月の三人にはそれぞれ「畏敬」「嫉妬」「恐れ」を刻み付けた。
彼自身も自分が嘉納教授の手で「赫包」を移植された「半喰種」であるという事実には深く傷付いており、瓜生に「喰種」呼ばわりされた後、自室で一人涙していた。


カネキとの同一性は彼の正体が明かされる前から示唆されており、前作第二話と今作第二話における扉絵に至っては全く同じ構図で、前者は「黒い私服のカネキが」、後者は「白い病院着のハイセが」、本の散乱した部屋の中で椅子に座っている。
この扉絵のハイセは恐らく捜査官になる前の姿で、髪はほぼ真っ白、爪もカネキと同じく真っ黒。

外見が瓜二つなカネキを知る人々からは十人十色の反応を受けており、一部ではカネキ=ハイセと噂になっているらしい。
しかし、仮に接触されても本人には記憶がないので、当のハイセは無反応か錯乱に陥ってしまうだけに留まり、記憶を取り戻すには至っていない。
オロチには「どこまでいっても救われない」と言われ、ロマには「死んでカネキに戻って欲しい」とバッサリ言い切られ、喫茶店「:re」にて四方には静かに驚ろかれたり真正面からガン見されたりした。
そして、恐らくカネキの居場所を作ろうと彼を気にかけ続けていたであろう店主のトーカは、ハイセには直接反応を示すことはなかった。

ただ、彼女を見たハイセは「少し哀しそうに、困ったように微笑んでいた。僕は こんなに綺麗な人がいるんだ、と思った」という印象を抱いている。
更に「:re」芳村と同じ味のコーヒーを飲んだ際には涙を流す、本音と違う事を言う時は顎を触るなど、無意識ながらもカネキとしての癖や感情は残っているようだ。

ちなみに鈴屋准特等はカネキ時代にスッた三千円を返したものの、会っていきなりお金を渡された本人はチンプンカンプンであった。




オークション編

正体不明の喰種(オウル)に追い詰められた結果、再び精神世界でカネキの声を聴くことになる。
カネキに身体を渡して消えるか、このまま死ぬかの二択を迫られた琲世だったが、オウルとの激闘の最中で遂に小さな子供の姿のカネキを幻視、その悲痛な「消さないで」という声に奮起。
これまでのようにカネキを恐れて拒絶するのではなく「救う」と誓い、彼を受け入れた。

その後クインケ鋼護送作戦から合流した有馬らの介入によってオウルは逃走。
一度はオウルから琲世を守り、そして彼とオウルとの戦いを目撃したアオギリの樹幹部ヨツメに関し、琲世は自身が彼女を追い詰めたとし、その所有権を主張。
故真戸上等殺害を始めとする大義名分での即時処分を回避、カネキの手掛かりを得た。
ヨツメは全てを失っても「佐々木琲世(この人)は金木研(お兄ちゃん)なんだ」と確信に近い想いを馳せる。

以降、CCGに残された資料やヨツメの証言を元に、積極的にかつての「カネキケン」について独自に調査開始。
しかしながら「カネキくん」を受け入れた影響か、度々不意に現れる少年カネキにつられて無意識に妄言に近いことを口走り、「眼球をくりぬかれるような痛み」に襲われるなど、心身への異変が増えている。
また、(脳内の)カネキは琲世と自身の関係を指して「冬虫夏草みたいだ」と評しており、琲世に対して『今度こそ「消さないで(消えて)」ね』と発言するなど、相互理解するにも両者の間には未だ決定的に深い溝がある。

あと今回の功績で上等捜査官になりました。
アキラさんにもハグして貰えました。頭髪に黒の割合が増え始めているが、果たして……




ロゼ編

都内で大量の拉致捕喰事件が頻発するようになっていた折、Qs班は、宇井郡特等率いるS3班・「削ぎ師キジマ」の異名を持つキジマ式准特等らと連携し、赫子痕の特徴から通称「ロゼ」と呼ばれる喰種集団を追うこととなる。
ハイセは犯人グループを地位の高い喰種と推理し、半喰種である自分の身やクインクスらの特性を生かして喰種に紛れるべくマスク屋のウタと接触。
しかしこの方法による情報収集は宇井に難色を示され、一時はパワハラ気味に却下されてしまう。

ハイセはかつて有馬の0番隊に所属していた。
有馬には特別に目を掛けられていたことから元班員の宇井やハイル達からは嫉妬と対抗心を向けられている。
宇井に至っては赫子の過剰使用による暴走を目の当たりにしたことから「喰種」として警戒する始末で、ハイセが功績を残すことさえもあからさまに厭悪している。

ある日、ある男に声を掛けられ、彼とお互いの名を明かさず会話する。
程なくしてアオギリの樹の少数メンバーから奇襲を受けてしまうが、ハイセらはそれを難なく撃退。
クインクス班と共に過ごしたい、今のままでずっといたい――が、ハイセは「前」の自分の記憶がいずれ戻ることを運命的に感じ取り、自分に近づいたその男を喰種だと勘付いた上でなお記憶を求める。
しかし「金木研」を心から愛していた彼は、「佐々木琲世」の身を案じ、そこから去ってしまうのだった。

「ロゼ」を追う各班の多数決により採択されたマスクを被ったQs班による情報収集作戦が決行される。
この作戦を通じてハイセは喰種達から自分の顔が割れていることを知り、「眼帯の喰種」を手掛かりに更にカネキについて調査を続け、「亜門鋼太郎」という名の殉職した捜査官を知ることとなる。
そして間もなくキジマが捕えた喰種の口から「ロゼ」の正体を突き止め、遂に大規模掃討任務が開始される。

駆逐対象は月山財閥。当主の観母とその他従者らは無抵抗で捕縛されたが、跡継ぎは逃亡。
その討伐を命じられたハイセがビルの屋上で出会ったのは――自分が失った記憶を求めて縋りついた男。

カネキの剣である「美食家」月山習であった。

ハイセは咄嗟に宇井へ虚偽の報告をし、「投降すれば自分が所有権を主張し、幾許かは延命できる」と説得を試みるも、月山は鋭いキックと共にこれを一蹴。
当主の座・月山の血筋を背負った美食家はハイセの言葉には聞く耳を持たず、反アオギリを掲げて活動していた頃の「懐かしの手順」を以て猛攻を仕掛ける。
肉体か、一度は壊れた脳髄か、それともまた魂か、ハイセの中には月山の「手順」に対抗する作法が刻み込まれており、自分では理由も解らぬまま月山の動きを先読みし、辛くも勝利する。

だが、内なるカネキの強い拒絶反応に苦悩し、止めを刺せずに躊躇っていた時にカナエが乱入。
切断された右腕を弾き飛ばされ、一方的に追い詰められるが、有馬との訓練の記憶がフラッシュバックし、半暴走化。


僕のものだ 有馬ころす
僕のからだ…有馬ころす

ぜんぶぼくの も腕も も魂も


苛烈な逆襲に転じたハイセはカナエを瀕死の状態に追い込む。
身動ぎも出来ないカナエににじり寄るハイセを月山が必死に止めようとする中、「彼」『黒山羊の卵』の一説を思い出していた。

そんな三人の頭上へ隻眼の梟が飛来し、ハイセの身体を薙ぎ払った。
直撃を喰らったハイセは再生する間も与えられず、決死のカナエの猛攻を受け続ける。
朦朧とする意識は黒白の底へ深く深く堕ちてゆき、やがて内なるカネキの幻覚が姿を現した。
「ぼくを救うんじゃなかったの?」と問うカネキ。
ハイセはその首を絞め、カネキ――つまり自分自身への呪詛を吐き出す。

幸せになんてなりたくない。あの時死んでいれば良かった。
そう言って自身を呪うハイセへ、カネキは心の奥底に封じていた過去を告げた。
他愛ないおねだりをして大好きだった母親に叩かれた幼い記憶。
死んでしまいたかった。
地下の花畑、夥しい死の山で死神に出会った時、それは果たされるべきだった。
だが、死にぞこなったカネキは深い眠りに就き、ハイセという夢を見続けていた。


君の救いは 眠りと、幸せな夢だけ。


今度こそ ちゃんと なんか
みんなに愛してもらえるようなことして
いいことでもわるいことでもなんでもいいよ

そのあとは ぼくは
かっこよく死にたい!


僕は幸せな夢。
目が醒めてすこし泣いたらそれでおしまい。


束の間に見る邯鄲の如き夢の分際で、ハイセは幸せになることを夢見ていたと自覚する。
カネキの願い。自身の救い。ハイセはそれを受け入れた。




おやすみ ハイセ

  夢 は も う い い  




そして三年の月日を経て、カネキは眠りから目を覚ました。




佐々木の本気「佐々気 -sasaki-」で追記・修正をよろしくお願いします。

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最終更新:2023年12月02日 15:27