東京メトロ半蔵門線

登録日:2015/02/09 Mon 22:45:00
更新日:2024/03/07 Thu 07:05:12
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東京メトロ半蔵門線は、渋谷駅から押上駅までを結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線である。鉄道要覧では「11号線半蔵門線」。
ラインカラーはパープル、路線記号はZ
路線名の由来は江戸城の門のひとつ、「半蔵門」から来ている。

(出典:Wikipedia)


概要

千代田線有楽町線に続くバイパス路線として、銀座線の混雑緩和目的で建設された。そのため、渋谷から永田町(赤坂見附)まで銀座線と線路が並行している。
しかし、半蔵門~九段下間の地権者による反対運動やバブル崩壊後の収益減もあり、全通までは2003年までと大きく遅れることになった。
渋谷から東急田園都市線中央林間まで、押上からは東武スカイツリーラインを経由して伊勢崎線久喜・日光線南栗橋までそれぞれ直通運転を行っている。
田園都市線との直通運転は開業当初から実施しており、開始当初は東急から車両を借りて運行していた。
直通運転区間を含む総距離は東急田園都市線中央林間~東武日光線南栗橋間の総延長98.5kmと、東京メトロで最長となっている。

駅数は14駅と東京メトロの路線の中で最も少なく、全線通しの所要時間も最も短い。
また、東京の地下鉄全線との乗り換えが可能な唯一の路線である。

ちなみに路線記号が頭文字の「H」ではなく「Z」になっている理由は、
と、他路線と重なって「半」の文字部分が使えないため、「蔵」の部分から取っている。頭文字が使用されていないのは、東京メトロでは当路線が唯一である。

通常相互直通運転を実施する際、車両は「お互いの事業者の車両形式番号は重複させない」というルールが存在するが、東急は8500系・営団が8000系と長年車両形式が重複していた。

運行形態

急行準急各駅停車の3種別が運転されているが、半蔵門線内では全列車各駅に停車する。
これらはすべて直通先である東急田園都市線内、東武スカイツリーライン内でのみ停車駅が変わる。
日中の運転は上記種別全部合わせて5分間隔で運転している。ただし、押上方面と渋谷方面での種別がそれぞれ違っている。
  • 押上方面: 急行6本(久喜行4本、南栗橋行2本)、各停6本(押上行)
  • 渋谷方面: 急行4本、準急2本、各停6本(中央林間行4本、長津田行2本)

ちなみに種別は1つの列車で3社共通の種別になるとは限らず、東急からの列車は渋谷到着時、東武からの列車は押上到着時に種別変更が行われる場合がある。
  • 例: 東急線内急行(準急)押上行き→渋谷到着後に各停押上行きに変更。
  • 東武線内準急(急行)中央林間行き→押上到着後に各停(急行・準急)中央林間行きに変更。
各駅停車は東急線内と同じ表示だが、5000系・2020系・08系は律義に渋谷到着後各停から各駅停車に表示を変更する。

ラッシュ時には押上方面において上記の他、半蔵門行き(平日朝のみ)、清澄白河行き、東武線直通の準急北越谷行きが運転される。
対して渋谷方面の列車は時間帯に関係なく、ほぼ全ての列車が東急田園都市線に直通する。
東急田園都市線に直通しない列車は、初電の清澄白河発準急東武動物公園行きと半蔵門発押上行き、平日の押上発水天宮前行最終列車だけである。

このような東急と一体的な運転は、ダイヤ乱れの際にも見られる。
東急線内が原因での事故等で運転見合わせになった場合でも、東武との直通運転を中止してでも東急との復旧を優先させる傾向がある。
かつては押上の線路構造の関係で東武側への折り返しができず、東武側の列車は北千住止まりになっていた。
2013年に押上でも折り返しができる構造に改良されたため、以前よりは東武との直通運転を中止することが少なくなった。

なお、各社の車両で車いすスペースの位置が異なるため、駅ホームの電光掲示には「○○(事業者名)の車両です」という表示が実施される。


種別

  • 急行
ほぼ終日設定される種別で東武線直通の大半はこの種別。
日中は東急線内急行と東急線内準急の久喜行きが2本ずつ、東急線内各駅停車の南栗橋行きが2本の計6本が10分間隔で運転されている。朝と日中以降は東急線内急行の南栗橋行きも多数運行されている。
下りは日中は1時間に久喜始発2本、押上始発2本が運転されている。
それ以外の時間帯は南栗橋始発も運転される。
この他朝夜に東武線内準急の列車や平日夕方のみ住吉始発が存在する。

  • 準急
朝方から夕方頃に南栗橋始発中央林間行きが運転されている。
平日には長津田行きも存在する。
東武線直通は朝夜のみで久喜行き・南栗橋行き・東武動物公園行き北越谷行き(1本のみ)が計16本運転されている。


使用車両

自社車両

  • 18000系
2021年から8000系置き換えのために導入された車両。
先にデビューした有楽町線・副都心線用の17000系とは兄弟形式にあたる。
ライトケースが17000系と異なり鋭めの形状となっている。
2022年の鉄道友の会ローレル賞受賞。

  • 08系
押上開業に合わせて導入された車両。
営団地下鉄時代に製造された最後の形式でもあり、0X系を名乗る最後の形式でもある。

  • 8000系
初代車両で、開業からしばらく経った1981年から運用を開始。
基本設計は6000・7000系に準じているが、前面が額縁付きのモダンな顔つきになったが、
ほぼ同時期にデビューした京都市営地下鉄烏丸線の電車にそっくりだったりする。
車内は「モーツァルト風の内装」というすごいコンセプトでまとめられている。
1994年に登場した中間増備車は05系や9000系と同じ車体構造で、従来車とは見た目が大きく異なる。
1991年までは東急直通を含め全て各駅停車でしか使用されておらず、一部の編成は東西線で使用されていた時期があった。

他社車両

  • 東急5000系
のるるんのモチーフになった車両。全車が東武直通対応。6ドア車が存在していた時期があった。

  • 東急2020系
JR東日本のE235系ベースの車両で、窓上に緑のラインが引かれているのが特徴。
導入当初は東武直通非対応だったが、現在は他車種同様に3社直通運転で使用されている。

  • 東武50000系
30000系置き換え用として導入された10両固定編成の車両。製造時期により窓の形がちょっと違っている。椅子が固いのと押上始発がやたら多いのが特徴。
元は専用の50050型のみで後に東上線から50000型が転属し共通運用となっている。

過去の車両

  • 東急8500系
半蔵門線・田園都市線の顔として君臨した車両で、開業当初は東急からこれを借り入れて運用していた。

  • 東急2000系
1992年に登場した車両。東横線の9000系とは兄弟。東武ATSは非設置で、押上までの運用。

  • 東急8590系
東横線に導入された8090系の貫通扉付きバージョン。東武ATSは(ry

  • 東武30000系
東武直通開始時の直通車両。6両編成と4両編成で分割可能。50050系導入に伴い全車東上線に転出。


【駅一覧】

  • Z-01 渋谷
副都心線東急東横線、JR山手線埼京線湘南新宿ライン京王井の頭線乗り換え。
起点駅で直通する東急田園都市線との境界駅。
東京副都心のひとつで東急百貨店の本店や109、渋谷ヒカリエなどがある若者の街。
運転本数の割にホームが狭く、終日混雑が激しい。
絶賛工事中につきダンジョンと化し、東横線との乗り換えは楽になったがそれ以外が至難の業。
銀座線とも乗り換え可能だが、隣の表参道の方が乗り換えが便利なため案内もされない。
因みにガメラ3ではギャオス・ハイパーがガメラに撃墜され駅に墜落した上にトドメの一撃を放たれ駅は壊滅した…。当時唯一の地下ホームである半蔵門線/新玉川線ホームはワンチャン無事ないし隣駅への避難が間に合ったかもしれない。火炎が地下に延焼するまでに地上含めた大量の避難民を捌ききれるかは怪しいところだが……

  • Z-02 表参道
銀座線・千代田線乗り換え。銀座線とは対面乗り換え可能。
表参道ヒルズなどオシャレなお店が多い。

  • Z-03 青山一丁目
銀座線・都営大江戸線乗り換え。
神宮外苑やオフィスの他、世界各国の大使館も多い。
開業当初の終点駅。

  • Z-04 永田町
有楽町線南北線・銀座線・丸ノ内線乗り換え。銀座線と丸ノ内線は赤坂見附駅。
政治でよく出る地域のためか、各政党の本部が近くにある。国会議事堂からも遠くない。
国立国会図書館の本館の最寄り駅でもある。
半蔵門線ホームは地下6階とかなり深いところにあるため、実は核シェルター化されているのでは……という都市伝説があるとかないとか。
東急線からの最終列車はここまで来る。

  • Z-05 半蔵門
線内では数少ない単独駅。押上寄りに引上線が1本ある。
朝ラッシュ時には一部列車が折り返す他、かつては日中も東急田園都市線渋谷止まりの列車が回送でここまで走って来た。
皇居の内堀が近い他、国立劇場の最寄り駅にもなっている。そのためか発車メロディーは和風っぽい響きのもの。

  • Z-06 九段下
東西線都営新宿線乗り換え。
日本武道館や靖国神社の最寄り駅の他、学校も多い。
場所柄コンサート開催時には改札での待ち合わせを禁止する注意放送が流れる。
押上方面と都営新宿線新宿方面は対面乗り換えが可能となっている。
実は通勤ラッシュでは渋谷よりも乗り降りする人数は多い。

  • Z-07 神保町
都営三田線・新宿線乗り換え。
書店の街で本屋が多い。大学のキャンパスも多数集まるほか、喫茶店やカレー屋の数も中々。

  • Z-08 大手町
丸ノ内線・東西線・千代田線、都営三田線乗り換え。
日本経済の中心とも言える場所で、大手企業の本社が多数集まるビジネス街。
皇居の大手門も近い。

  • Z-09 三越前
銀座線、JR総武快速線(新日本橋駅)乗り換え。
銀座線との乗り換えは改札外となる。
名前の通り三越本店の最寄り駅で、三越が全額負担して開業させた駅である。

  • Z-10 水天宮前
日比谷線都営浅草線(人形町駅)乗り換え。
当駅開業から押上延伸までの13年間終点駅で、半蔵門と同じ単独駅だった。
すっかりエアの意味がなくなってしまった東京シティエアターミナル(T-CAT)最寄り駅。
駅の住所が日本橋蛎殻町であることから、当初は蛎殻町と仮称されていたが色々揉めてこの駅名に落ち着いた。駅名の水天宮は福岡県にある安産祈願で知られるお宮の東京分社。
人形町駅が近く、2018年3月17日より連絡駅となった。

  • Z-11 清澄白河
都営大江戸線乗り換え。押上寄りに引上線が1本ある。なお、この引上線は押上方面からも入出場可能。
一部列車は当駅で折り返す。渋谷方面からは当駅終着の最終列車がある。
清澄庭園の最寄り駅で、周辺には高層マンションが多数立ち並ぶ。東京都現代美術館最寄り駅でもある。
蛍光灯がバラバラに並んでいる通路があり、某出口を連想するという声も。

  • Z-12 住吉
都営新宿線乗り換え。
2階式のホームとなっていて、それぞれ1面2線の島式ホームとなっているが、片側は柵で覆われている。
実は柵で覆われた側は有楽町線豊洲駅に延ばす計画の一環で、線路は既に敷かれており留置線として使用している。

  • Z-13 錦糸町
JR総武快速線・各駅停車乗り換え。
またの名を外国人パブの聖地。
丸井やヨドバシカメラなど商業施設がある他、墨田区の公共施設も多く集まるなど同区随一の繁華街。

  • Z-14 押上(スカイツリー前)
都営浅草線、京成押上線乗り換え。
東武スカイツリーラインとの境界駅。
「スカイツリー前」という副駅名の通り、東京スカイツリー最寄り駅。
同線内では唯一の単独で2面4線のホームを持ち、東武線とは外側の1番線と4番線のみ繋がっている。
内側の線路も延伸可能な構造になっていて、計画では松戸方面へ延伸する予定だが果たして……。


最終電車の時刻

2023年11月現在では以下の通り。
  • 渋谷発押上方面(北越谷行は準急)
行先 平日最終時刻 土休日最終時刻
北越谷 23:40 23:40 ※1
押上 0:07
清澄白河 0:12 ※2 23:53
永田町 0:04
青山一丁目 0:15
※1は押上までの終電を兼ねる。
※2は清澄白河止まりで、これより手前の駅の終電を兼ねる。

  • 押上発渋谷方面
行先 平日最終時刻 土休日最終時刻
中央林間 23:32 ※1 23:28 ※1
長津田 23:38 23:36
鷺沼 23:53 23:53 ※2
渋谷 0:08
水天宮前 0:18
※1は準急長津田行きで、終点で各停中央林間行きに接続。
※2は各停鷺沼行きで、これより手前の駅の終電を兼ねる。

渋谷方面から住吉~押上間へ行ける最終列車の時刻の差が一番大きく、なんと27分も差がある。
他の行き先にしても10分以上差がある行き先が多い。
一体どういうことなんだろう…。


追記・修正はホームの案内表示でどこの車両か確認してからお願いします。


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最終更新:2024年03月07日 07:05