上越線

登録日:2015/02/04 (水曜日) 11:22:33
更新日:2023/12/02 Sat 14:41:44
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上越線(じょうえつせん)は、高崎駅から宮内駅を結ぶJR東日本の鉄道路線である。

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概要

川端康成の名作「雪国」にもあるように、戦前から上越新幹線開業前までは東京と北陸地方を結ぶ重要な路線であり、新幹線開業後も首都圏と新潟・北陸・庄内・秋田方面とを結ぶ貨物列車が通る幹線と東北本線不通時における代替機能を受け持つ為、現在も非常に重要な路線である。
本線のほか、越後湯沢~ガーラ湯沢間の支線を持つ。この支線は上越新幹線の保線基地への引き込み線を利用した物で、上越新幹線の車両しか使用しないが新幹線ではなく在来線の扱いであり、線路名称上も上越線の支線である。
因みに路線名の由来は、上州(群馬県)と越後(新潟県)を結ぶことに由来する為、新潟県の上越地方とは全く関係ない
上越線は新潟県内は全域が中越地方を通る為、上越地方は通らない。
この「上越」の意味は上越新幹線も同様である。

上越新幹線開業前は東北本線・高崎線を経由して東京・上野から新潟・北陸・庄内・秋田方面の特急も多数通っていたが、現在では群馬県内までの特急列車のみとなっている。
2015年3月13日までは越後湯沢~六日町間に特急「はくたか」も走っていたが、北陸新幹線金沢開業により、その名を新幹線に譲ることになった。


使用車両

現役車両

  • E257系 
2023年3月改正から、651系を置き換える形で投入された。
「草津・四万」「あかぎ」を担当。
主に5500番台が使用されるが、たまに「踊り子」用の2500番台が運用に入ることも。
波動用として運用されてきた5500番台を定期列車に転用した穴を埋めるために、廃車を待つのみと思われていた185系0番台が現役を続行する羽目になった。

  • 211系
高崎~水上間で運用。かつて高崎線や宇都宮線で走っていた車両で、107系・115系を置き換えた。導入に際してはボタン式ドアや滑走防止装置の設置など一部改造が実施されている。

  • E231系1000番台・E233系3000番台
高崎~新前橋間で運用。高崎線湘南新宿ラインから両毛線前橋駅までの直通列車に使用される。

  • E129系
2014年から水上~宮内間で運用。新潟地区の主力車両。

  • キハ110系
飯山線直通列車に使用される。越後川口~宮内間で1日2往復のみ運転される。

  • キハ40系
のってたのしい列車「越乃Shu*Kura」等の運用で使用される。

  • 北越急行HK100形
越後湯沢~六日町間で北越急行ほくほく線から直通する列車に使用される。イベント対応車「ゆめぞら」が臨時列車で水上まで乗り入れたこともある。

  • D51 498・C61 20・12系
臨時快速「SLぐんまみなかみ」で使用される。

  • EH200形
貨物列車で運用。

過去の車両

高崎~水上間で運用。吾妻線・両毛線直通の列車にも使用された。

  • 115系
全線で運用。但し通し運転はない。
*2
2018年3月をもって運用を終了した。

  • 185系200番台
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「草津」「水上」で使用。
651系導入に伴い2014年で運用終了。

  • 651系1000番台
「草津」・「あかぎ」・「スワローあかぎ」で使用。
常磐線で「スーパーひたち」として使用されていたが、直流専用に改造され定期運用は全てこの形式で運行されていた。2023年3月改正をもって運用から離脱している。

  • 681系0番台・2000番台
北越急行ほくほく線経由で乗り入れる特急「はくたか」で使用されていた車両。JR西日本所属の0番台と北越急行所属の2000番台があり、それぞれ車両の色もロゴも違っている(画像は0番台)。
なお、2000番台はJR西日本に買い取られて「しらさぎ」塗装に変更されて運用されている。
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  • 683系8000番台
681系同様、特急「はくたか」で使用されていた。北越急行所属の8000番台のみ乗り入れる。
こちらもJR西日本に(ry
*5

◎主な駅

上越新幹線北陸新幹線高崎線信越本線八高線吾妻線両毛線、上信電鉄上信線乗り換え。
群馬県第1の商業都市である高崎市の代表駅で北関東のターミナル駅。県庁所在地の前橋市はライバル。
信越本線とはここで一度分かれるが、終着の宮内駅で再び合流している。
0番線はあるのに1番線がない不思議な駅。

  • 高崎問屋町
名前の通り問屋が密集している地域。駅の開業は2004年と比較的新しい駅。
高崎郊外の居住人口の増加により設置された駅で、学生やサラリーマンの利用が盛ん。利用客数も県内3位と多め。
かつて首都圏で広く使用されていた発車メロディー「清流」「雲を友として」が最後まで残っていた駅でもあった。

  • 井野
高崎問屋町駅とは1.2kmしか離れていない。利用客数は何気に渋川駅に次ぐ群馬県内第5位。

  • 新前橋
両毛線乗り換え。高崎線方面との直通列車は当駅以北には乗り入れない。
高崎車両センターが併設されている関係で、始発・終着列車が設定されている。

  • 渋川 (伊香保温泉・榛名湖口)
吾妻線乗り換え。列車自体は全列車が高崎まで乗り入れる。2000年代初頭までは上野まで行く普通列車も存在した。
渋川市の市街地にあり、伊香保温泉など各温泉へのバスも発着する。

  • 沼田
北毛地域の中心都市である沼田市の代表駅。
沼田城、東洋のナイアガラと称される吹割の滝、老神温泉の最寄駅である他、尾瀬観光の群馬県側の拠点でもある。
また、日本三大天狗寺である迦葉山弥勒寺の最寄り駅であるため、一番線には天狗のお面が飾られている。
駅と中心市街地は70メートルほどの高低差があり、市街地に行くには急坂を登らなくてはならない。そのため、駅と市街地を結ぶ路線バスが多数設定されている。

  • 後閑
みなかみ町の中心駅。
上越新幹線の上毛高原駅は北西およそ2km離れた所にある。

  • 水上
水上温泉郷の最寄駅にして運転系統分断駅。Suica首都圏エリアもここまで。
この駅を境に運行形態が変化するが、支社境ではない。
全ての列車がここで折り返しとなり、ここから越後中里までは1日5往復しかない。
同時に上州武尊山など群馬県の主な山への玄関口駅として週末は登山客が多く訪れる。

  • 湯檜曽
下りホームは新清水トンネル内にあり、上りホームは地上にある。
上り列車は到着前にループ線を下って来る為、上りホームからはループ線を走る列車を見る事ができる。
逆に上り列車の車内からは当駅上りホームが見え、そこから山を一周して上りホームに入る事になる。
かつては湯檜曽温泉の玄関口として立派な駅舎を備えていたが、2009年に解体されてしまった。

  • 土合
牛山氏の全国秘境駅ランキング113位。群馬県最北端の駅。
高崎支社と新潟支社の支社境は水上駅ではなくこの駅となっている。
上り線の駅舎は何ともない普通の駅だがこの駅の特徴は下り線にある。
何と群馬・新潟県境に跨る新清水トンネル内にあり、地上へ出るには462段の階段を登る必要がある。このことから「日本一のモグラ駅」と称され、関東の駅百選に選定されている。
最近ではJRが観光拠点として駅にグランピング施設、サウナ、駅員室を利用したカフェなどを実証実験として設けている。
またGT sportというドライビングシミュレーターゲームでは愛車を当駅の階段下に置いて撮影することができる。
谷川岳の最寄駅でもあり、谷川岳ロープウェイ土合口駅が徒歩25分ほど坂を登った所にある為、シーズン中は大勢の登山客で賑わい、またモグラ駅としての認知度が高まっていることもあり、知名度と乗降客数は全国の秘境駅の中でも1~2位を争う。
因みに冬に山で遭難した登山客の霊がでるという話で有名な駅でもある。
事実建て主も夏に登山の為に駅寝した際無人の筈の駅で、冬にしか履かないアイゼン(滑落防止用の靴に着ける鉤爪)の音を聴いた事がある…。

  • 土樽
牛山市の全国秘境駅ランキング156位。土合駅とこの間にあるのが川端康成の名作「雪国」冒頭に出てくる「清水トンネル」であるが、現在川端康成が通ったトンネルは上り線専用となっている(当時は単線で上下共同使用だった)。
小説の様に「トンネルを抜けると、そこは雪国だった」を再現する事は出来ない。(下り線トンネルを使用すれば話は別だが…)。
因みに小説執筆当時は信号場扱いだった為、作中でも駅ではなく「信号場」として登場する。

  • 越後中里
湯沢中里スノーリゾートと直結。
ここから長岡方面の列車が少し増える。
因みに水上方面の終電は18〜19時台なので要注意。

  • 岩原スキー場前
その名の通り岩原スキー場の最寄駅だが少し距離がある。どちらかというと岩原スキー場に付随した旅館街の最寄駅と言える。

上越新幹線・ガーラ湯沢方面、北越急行ほくほく線乗り換え。
スキーリゾートと温泉地として有名な湯沢町の代表駅。
北陸新幹線開業前は特急「はくたか」の始発駅で、東京~北陸ユーザーにとってはかなり重要な駅であった。
そして駅構内にある「ぽんしゅ館」も酒飲みにとってはかなり重要。
普通列車はこの先ほくほく先直通含め1時間に1・2往復程度になる。

  • 石打
特急列車が数多く往来していた時代はスキーシーズンに特急等の臨時停車があったが、今ではほぼ普通列車のみでみどりの窓口も閉鎖されるなど栄枯盛衰を感じずにはいられない駅の一つである。

  • 大沢
上越国際スキー場の大沢エリアは当駅が最寄。

  • 上越国際スキー場前
その名の通り、日本有数の広さを誇る上越国際スキー場の最寄駅でありJRの駅で最も仮名表記の長い(17文字)駅。
開業当初はスキーシーズンのみの臨時駅だったが、2003年から通年営業となった。

  • 塩沢
周辺に塩沢宿の街並みを復元した通りがある。

  • 六日町
南魚沼市六日町地区の中心駅で、北越急行ほくほく線はこの駅で分岐。
ほくほく線との直通客がカウントされる為、実は越後湯沢、長岡に次いで乗降客が多かったりするが北陸新幹線開業以降は大幅に数を減らしている。
冬期に駅に行くと寒さで電車待ちに耐えられないので、隣接するショッピングモールに行く事を是非お勧めする。(体験済み)

  • 浦佐
上越新幹線乗り換え。南魚沼市大和地区の中心駅。
尾瀬の新潟方面から入る観光客や奥只見方面の観光客が多く訪れる。
因みに駅前には有名になった田中角栄の銅像がある。
新潟県有数の進学校である県立国際情報高校へのスクールバスも発着。

  • 八色
新潟名物「八色スイカ」の産地で一面スイカ畑の駅。
因みに「はっしょく」と呼ばずに「やいろ」と読む。

  • 小出
只見線乗り換え。魚沼市の代表駅。
因みに只見線は1日僅か4往復のみの発着である…。

  • 越後川口
飯山線乗り換え。
ドラマ「高校教師」と映画「熱海殺人事件」のロケ地に使用された事がある。

  • 小千谷
へぎそばや錦鯉の産地として有名な小千谷市の中心駅。
「おぢや」と読む。Suicaが利用可能。

  • 宮内
信越本線(柏崎方面)乗り換え。路線名称上の終着駅。
実際の所、全ての列車は長岡駅まで乗り入れている。

  • 長岡
上越新幹線・信越本線(新潟方面)乗り換え。
新潟第2の都市の長岡市の中心駅にして終着駅。
8月に行われる「長岡まつり」は日本三大花火大会としてもつとに有名。

  • ガーラ湯沢
越後湯沢駅から分岐する冬期のみ営業する臨時駅。
その名の通りガーラ湯沢スキー場の為だけに設置された。
名目上は上越線の支線だが、実際は新幹線のみ運行される博多南線形態。
元々車両整備場だった所をJR東日本の社員のアイディアで旅客駅化したという経緯がある。
冬のスキーシーズンに越後湯沢発着の「たにがわ」がここまで延長される。駅から降りればすぐにスキー場だ!

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最終更新:2023年12月02日 14:41
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*1 出典:Wikipedia URL: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7c/JNR_115_Shonan-color_Joetsu_line.jpg/1024px-JNR_115_Shonan-color_Joetsu_line.jpg 日時:2016/01/27 出典者:Sui-setz

*2 出典:Wikipedia URL: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7c/JNR_115_Shonan-color_Joetsu_line.jpg/1024px-JNR_115_Shonan-color_Joetsu_line.jpg 日時:2016/01/27 出典者:Sui-setz

*3 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/train/883/11.jpg 日時:2016/01/27

*4 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/681.jpg 日時:2016/01/27

*5 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/683e.jpg 日時:2016/01/27