ゴドラ星人

登録日:2015/02/03 (火) 12:50:15
更新日:2024/02/12 Mon 15:02:15
所要時間:約 8 分で読めます





フッハッハッハッハッハ!!


概要

ゴドラ星人とは、ウルトラシリーズに登場した宇宙人で、初登場は『ウルトラセブン』第4話「マックス号応答せよ」。

身長:2 - 52m
体重:120kg - 4万5000t
出身地:ゴドラ星

CV:小林恭治 / 人間体:水上竜子

通称は「反重力宇宙人」で、複数の個体が登場した。

甲殻類のはさみのような両腕に装着された光線銃「ゴドラガン」と、相手を閉じ込める「ゴドラカプセル」が武器で、
通り名にふさわしく重力を操作して自分の体を含むあらゆる物体を浮かび上がらせることも可能。


『ウルトラセブン』におけるゴドラ星人

かなりの頭脳派&過激派で、彼らが企てた地球侵略作戦は物語序盤ながらかなり完成度が高い。

↓以下、その完璧な作戦の全容。
  • タンカーや巡視船の消失事件を引き起こしてウルトラ警備隊の注意を引き付け、
    捜索に向かった地球防衛軍の新造原子力船「マックス号」を宇宙に連れ去り拿捕。
    乗船していたソガ、アマギ両隊員とタケナカ参謀以外の乗組員を全員宇宙空間に放り出して殺害。

  • その後、ウルトラホーク2号で捜査に向かったフルハシ隊員を拉致。
    強奪したウルトラホークでフルハシ隊員に成りすました個体が基地に潜入し、
    マックス号捜索に躍起になる地球防衛軍の隙をついて、基地のまんまボイラー室な原子炉に時限爆弾を仕掛ける。

  • ウルトラセブン対策も怠っておらず、とある個体は美女に弱いモロボシ・ダン車がエンストして立ち往生している女性に変身して近づき、
    隙をついてスパナでぶん殴って先週に引き続きウルトラアイを強奪。

  • そして爆弾を仕掛けた個体は行動を不審に思い、後をつけてきたダンをゴドラカプセルで拘束。
    原子炉と共に爆破させようと目論み、さらにダンに化けてそのままスパイ活動。

……と、作戦そのものは本当に完璧だった。
このまま進めれば失敗する要素などほとんど無いはずだったのだ。

だが、ゴドラ星人達のあんまりすぎる詰めの甘さによって、この作戦はとん挫する羽目になる。

↓以下、ゴドラ星人がやらかした失態の数々
  • 拉致したソガ隊員たちに
    「あと15分もすれば、地球防衛軍は原子の粒となって吹っ飛んでしまうだろう。地下18階の第2動力室に時限爆弾をセットしたところだ」
    と、聞かれてもいないのに自分たちの作戦をペラペラ喋りやがった。しかも場所や時間を詳細に。

  • 観測用ロケットで脱出を試みた4人に「おい、開けろ!開けてくれ!!
    と言われ、本当に開けやがった。
    その個体は勿論殺されちゃった。親切にしてあげたのにあんまりである

  • そしてロケット発射寸前に別個体がフルハシとアマギを襲撃するが、
    死亡確認を怠ったせいで、まだ意識のあったフルハシ隊員によってロケット発射を許してしまう。
    ここまで来ると本当に作戦を成功させる気があるのか怪しくなってくる。

  • そしてウルトラアイを奪った個体がどういう訳か原子炉をウロウロしており、
    (本人曰く、「基地と共に消え去るのが私の務め」らしいが、そうするメリットがどこにも見当たらない)
    機転を利かせカプセルから脱出したダンにウルトラアイを奪われ殺害される。

  • ダンに化けた個体は中途半端な変身のせいでアンヌにバレてしまい、
    さらに巨大化してセブンと戦うが死んだふり作戦に引っかかってボコボコにされた挙句、
    最後は微妙なフェイントをかけた隙に背中を向けて逃走を図るもそのままエメリウム光線で爆殺された。こいつらには警戒心と言うものが無いのか。

その後、当然と言うべきか無事に帰還したアマギによって全ての作戦が知られることとなり、爆弾は無事解除。
マックス号に残されたフルハシ達も、見張りのゴドラ星人をバッタバッタとなぎ倒したセブンによって救出された。
(なお、この脱出方法、宇宙服も着ないでただロープを引いて宇宙空間を飛ぶという傍から見ると危険極まりない絵面だが、ウルトラ警備隊の隊員服は簡易宇宙服にもなるからと言ってバイザーを下げただけなので明らかに口の部分が開いているがエアカーテンで防いでいるらしいのでご安心を。タケナカ参謀?あの制服にもきっと秘密があるんだよ)

そしてマックス号はセブンによって持ち込まれた爆弾によって爆破。残りのゴドラ星人も全滅した。


結論として、作戦そのものはウルトラシリーズの中でもトップクラスの完成度を誇ったゴドラ星人。
だが、その頭脳に慢心しアホなミスを繰り返した結果、彼らは敗北してしまった。

もしかしたら彼らは、自分の能力に自惚れず、最後まで気を抜かずに物事を完遂することの大切さを、
自らを反面教師にすることで我々に伝えようとしてくれたのかもしれない。そんなわけねーだろ。

メタ的な解説をすると、上記の失態や作戦ミスの数々は第四話の脚本そのものの粗や欠陥にある。
元々、「マックス号応答せよ」には準備稿が二つあったが、改稿を重ねる度に話のスケールばかり大きくなってアイデアもまとめられなくなっており、さらに番組プロデューサーからの「ウルトラアイが盗まれる」というアイデアまでも組み込んでしまったためにそれまでの準備稿の展開がごっちゃになってしまったのである。
要するに、第四話の完成脚本自体が再改稿が必要な状態なのにOKが出てしまったため、ツッコミどころ満載なエピソードになってしまったと言える。

なお、巨大戦でセブンに上から蹴りかかるシーンでは体を支えるスタッフの腕が見えてしまっているミスがある。(NHKで2021年に放送された4Kリマスター版では編集で消されている。)
戦闘BGMは主題歌のNGバージョン。後にゾフィーの登場BGMに使用された他、現在は「ウルトラセブンのうたパート2」などの名称でCDに収録されている。

『EVOLUTION5部作』におけるゴドラ星人


平成ウルトラセブン最終作『EVOLUTION5部作』EPISODE2「パーフェクト・ワールド」にて登場。


ペガッサ星人残党の過激派と組んで再び地球侵略を企てる。
そのためにまず地球防衛軍極東基地の無力化を目論見、イナガキ参謀の内通もあって
ウルトラ警備隊とサイジョウ参謀指揮下の部隊以外の全ての隊員をゴドラ星人とペガッサ星人にすり替えることに成功した。
しかしウルトラ警備隊の襲撃を受け、ウルトラホークを奪取された挙句基地に爆弾を仕掛けられる。
幻覚を見せて隊員を基地に留めることに成功するも、爆弾自体は解除しなかったうえに行動不能になったからと言って
今回も隊員は放置していったため、カザモリの介入もあってウルトラ警備隊の作戦成功を許してしまう。
オメガファイルを奪って逃走した1体はシラガネ隊長との一騎討ちで倒される。残りは逃走したのか爆破に巻き込まれたのかは不明。おそらく後者。
この計画の真の目的は黒幕が企んだ地球防衛軍の無力化にあったため、その点での目的はほぼ達成したといえる。当のゴドラ星人は自分らが利用されているなんて思いもしていなかっただろうが。

今回の作戦も狡猾で非常に練られた物だったが、前回同様ペラッペラ自分たちの計画を喋ったり、逃げる時間があったはずなのに現場に留まり続けるなど詰めの甘さも相変わらずであった


『ウルトラマンジード』におけるゴドラ星人

「我々はリトルスターを手にして種族の繁栄を誓うのだ!」

「負けるものかあぁぁぁ!!」

ウルトラマンジード』第16話「世界の終わりがはじまる日」第17話「キングの奇跡!変えるぜ!運命!!」に登場。
平成ウルトラセブンはOV作品であったため、TVシリーズ本編に登場するのは約50年ぶりであり、さらに放送日の翌日がちょうどゴドラ星人が登場した「マックス号応答せよ」の放送日だったことでちょっとした話題になった。

AIBの職員である「ゴドー=ウィン」という個体(演:尾関伸嗣)と本部に潜んでいた一体(CV:岸哲生)の計二体が登場。
リトルスター保持者が集められていた施設に立ち寄っていたシャドー星人ゼナを嘘の帰還命令で本部に戻し、
本部に潜んでいたもう一体がゼナを足止めしている隙に同僚であるピット星人トリィ=ティプを襲撃、
彼女を脅してリトルスター保持者をゴドラ星発展のために連れ去ろうと企んだ。

しかし、リトルスターが再発症し施設に居合わせていたライハに一瞬の隙を突かれトリィを解放してしまい、そのまま格闘戦で圧倒されてしまう。
ライハとずっと隠れていたモアに降伏を迫られるも諦めずに巨大化。
事態を把握し駆け付けたジードと交戦することになる。

しかし、ジードと互角の勝負を繰り広げていたところに突如として予想だにしなかった巨悪が襲来
突然の出来事に「バカな!? 生きていただと!!」と驚愕するが、「邪魔だ」と言わんばかりに放たれたベリアルデスサイズであっけなく爆死してしまった。

尚、ゼナを足止めしていた個体も一瞬の隙を突かれてゼナに敗北している。
その後、翌第17話において強制送還される姿が描かれた。

今回の作戦は前回と比べて派手さはないが用意周到で非常に堅実なものだった悪く言えば地味
人質を取ったままならばジードやリトルスター保持者の抵抗も抑えられるため、
ライハやゼナといった格闘術の達人がいなければ成功していた可能性が高いだろう。

今回の彼らの最終的な敗因は……もう相手が悪すぎたとしか言いようがない。
白兵戦の達人二人に加え、光の国が生んだ最強最悪のウルトラマンである……。


『ウルトラマンタイガ』におけるゴドラ星人


CV:東條達也

スラン星人ザラブ星人と共にウルトラマンタイガウルトラマントレギアを倒すための会議をしていたところ、遅れて会議に加わったチブル星人マブゼの提案で、ニセウルトラマンベリアルをけしかける作戦に参加する。
そして4人でニセベリアルとタイガ、トレギアの3つ巴対決を見物していたが、トレギアに誘導されたニセベリアルによって、4人まとめてビルごと潰された。
ボケ発言を繰り返すザラブを締め上げようとしてスランに止められる等、短気な面を見せていたものの、そのアットホームなやり取りを見る限り、宇宙人同士の仲は良かった様子である。

『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』におけるゴドラ星人

Chapter.2のEpisode.4冒頭にて登場。ナックル星人ババルウ星人とともにウルトラマンケンとアーリーベリアルと戦っていたがアーリーベリアルにあっけなくやられてしまう。
『ジード』以降ベリアルの力に負け続けているような…
一緒にいたナックルとババルウが囮として戦っていたことを語っていたため、彼も囮だった可能性がある。



派生作品

ウルトラファイト』では「ゴドラ」名義で登場。
身長:40m
体重:2万2千t
バルタンと熾烈な忍者合戦を繰り広げた。
対戦成績は9戦6勝3敗。

唐沢なをき氏の漫画『ウルトラファイト番外地』では一度主役回を貰いはしたものの、それ以外は最終話の最後のコマまで出番がなく、キャラクターファイルでも紹介されないと不遇気味。
まあ、ガッツよりはマシだが。
主役回の「忍者ゴドラ変わり身の術」ではバルタンとの忍術合戦でセブンに変身し、バルタンが変身したエレキングとの戦いで劣勢になると逃亡。
しかし、それは本物のセブンにバルタンを倒してもらうための罠であり、バルタンを倒したセブンには媚を売って誤魔化し、見事作戦成功となった。
最終話「激闘!三里の浜 の、その後」ではラストにガッツ、テレスドンとともに駆け付け、バルタン同様に手が5本指になって木刀を手にしている。

内山まもる氏の漫画『かがやけ ウルトラの星』では怪獣軍団の東北部隊司令官として登場。
残るバルタン星人メトロン星人ガッツ星人ナックル星人ヤプール、そして首領と合流し
ウルトラ兄弟の全滅と地球征服を狙ったが、ページ数の都合によりセブンのアイスラッガーソードマスターヤマト方式に倒された。

ウルトラ怪獣擬人化計画feat.POP Comic code』では怪獣墓場の住人として登場。カジノを経営している。
彼女はメフィラス星人レッドキングとは異なり元から女性という設定。
本編で美女に化けた個体が転生した姿であり、いわば「変身」なしで人間態になっているようなもの。
タカビーで派手好きな性格だが、ダン=セブンの異常なまでのファンであり、完全に恋愛感情を持っているアブナい人。
変身能力は原作で見せたものは氷山の一角に過ぎなかったようで、ババルウ星人やザラブ星人に匹敵するほど多彩な変身が使える。
ただしモルフォ蝶に変身した時はガッツ鳥に食われかけた。
空も飛べるが静止しているんじゃないかと言うくらい遅く、メトロン星人と一緒に飛んだ時は歩いたほうがまだマシというくらい二人揃ってトロかった。

ウルトラ怪獣擬人化計画』KADOKAWA版では2018年3月度のラインナップとして擬人化された。
キャラクターデザインは谷裕司氏。

『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』では2弾で行われた新ハンターを決める人気投票の候補の一人だった。
ピッコラ星雲人と熾烈な1位争いを繰り広げたものの、僅差で敗北し、結局最後まで参戦せず。

また『ウルトラマンマックス第25話に登場する「ゴドレイ星人」は明らかに彼(女?)がモチーフである。





フルハシ「あの項目はどうした!?」
ゴドラ星人「フフフ、抵抗したため、宇宙の大海原に追記、修正してやったわ!!」

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最終更新:2024年02月12日 15:02