ジェラルド博士/SCP-666-J

登録日:2015/02/02 Mon 20:12:41
更新日:2024/02/15 Thu 06:43:57
所要時間:約 8 分で読めます







どんなひどいことがあっても生き残るなんて、どれだけこの男は祝福されているのか……
それとも呪われているのか……
なんてことは知らないが、とにかくこの男に生まれなくてよかったよ。








『ジェラルド博士』は怪異創作サイト『SCP Foundation』に登場するSCP財団職員の1人であり、財団の悩みの種である。
フルネームは明らかにされてはいないが、Taleではファーストネームはロドニーとされており、ミドルネームはJから始まる模様。
だが人事ファイル上でのファーストネームの文字数(頭文字のRを含め9文字)とは合致しない為愛称か偽名である可能性が高い。
職務はヘッドリサーチアシスタントで、配属先はサイト17を中心とした必要とされる場所とされている。
財団にはつい最近入ったようで、彼自身は神経科学・分子力学・物理学のエキスパートだが経験不足と判断され、現在は先輩研究者の助手という立場で落ち着いているようである。そのせいか、与えられているセキュリティクリアランスレベルは2。
とある理由から同僚のギアーズ博士の判断により、あるSCPの試験からは外されている。理由は後述。




…ここまでなら、只の新米研究者で済むだろう。だがそれで済まないのがSCP財団である。


ジェラルド博士の特筆すべきこと、それは類稀な不幸ととんでもない運転スキルである。
まず彼の不幸ぶりであるが、クレフ博士をして「あいつに生まれなくてよかった」と言わしめるほどであり、ブライト博士にはその不幸をネタに賭けの対象にまでされている始末。
その賭けで一悶着あったのか現在では「ジェラルド博士が次にどこを負傷するか賭けた者は重い譴責処分となる」とO5の1人が発言しているが、ブライト博士は懲りずに「クレフとコンドラキのどっちがジェラルドを撃つのか賭けようぜ。あ、オッズはクレフ20:コンドラキ1な」と言っている模様。
少なくとも財団に入ってから複数回死亡してもおかしくなさそうなほど不幸に見舞われており、関わった実験や試験では何度も事故に遭っているのである。
最低でも63回負傷し、それらに加えてこれらの不幸に見舞われている。

  • 火がつく。
  • 踏みつけられる。
  • 数階建ての高さからコンクリートに叩きつけられる。
  • 撃たれる。
  • 数台の車両に轢かれる。
  • 切られる。
  • 記憶喪失になる。
  • [データ抹消]に数km引きずられる。
  • 食べられる。
  • 吹き飛ばされる。
  • 凍り付く。
  • 精神操作されて自身をアヒルだと思い込む。

上記以外にも、自分のオフィスでシュレッダーにネクタイを挟み窒息死しかけていたところを殺しに来たクレフ博士に発見され、彼が気まぐれで助けた事で九死に一生を得たこともある。
更にSCP-914「ぜんまい仕掛け」の試験に参加した時、滑って転んだだけでSCP-914の86箇所にダメージを与えるというブレイクダンスをぶちかました事をきっかけにSCP-914関連の試験から外されている。
何故どうやって滑って転んでそんな損害が出たのかは当事者のギアーズ博士も首を傾げており、未だに原因究明が終わっていない。
しかもSCP-914の内部機構にまでダメージを与えたのか、損害箇所を洗い出して修理するのに相当な時間と人的資源を要したとギアーズ博士も苦言を呈している。
ある意味死にかけてはなんだかんだで助かっているという強運を発揮しているが、どこかのツイてないエースパイロットも真っ青な職員ライフを満喫しているようである。
彼の参加する実験その他の活動の際にはレベル3の医療チームが待機することになっており、ジェラルド博士は



まあね、糞みたいなことが起きるよ。少なくとも、財団の保険制度はすばらしいね



と皮肉たっぷりに発言している。


不幸と幸運の板挟みになりながらも、彼が主に勤務しているサイト17で起こった『事件239-B クレフ-コンドラキ』に巻き込まれた形跡がないのが正に不幸中の幸いだろうか。
これはクレフ博士が、SCP-239「小さな魔女」の終了を実行しようとしたことで起こった収容違反事件である。
サイト17の保安職員の80%に死傷者(当時のブライト博士の肉体を含む)を出し、重軽傷者の内30%が長期入院が必要と判断され、サイト17保有施設の45%が大規模な改修が必要な程に損壊、機能修復までの間サイト17の警備を縮小せざるを得なくなった。
最終的にはクレフ博士とコンドラキ博士による殺し合いにまで発展し、後日のインタビュー中にクレフ博士がコンドラキ博士によって頭蓋骨・第二第三頸椎骨折の重傷を負い、首から下が麻痺する惨事となった(後にクレフ博士はオブジェクトの力により回復、とあるタイプ.グリーンの収容作戦を共同で行い盟友となっている)。
少なくともジェラルド博士が何らかの被害を被ったという記述は報告書にはない為、その時は運良く別のサイトにいたのかこの事件が財団加入前なのかも知れないが…





そして残る運転スキルであるが、「カオス」の一言に尽きておりどうやって運転免許を取得できたのか、下手なSCPよりも謎だらけである。
そこでこのSCPを併せて紹介しておく。




*1
いったいどうすりゃ電動のセグウェイでこんなことになるんだ?




SCP-666-J Dr.Gerald's Driving Skills(ジェラルド博士の運転スキル)
Object Class:Euclid


ジョーク区分とはいえ、ジェラルド博士という個人の運転スキルが悪魔の数字を冠するSCPとして財団指定を受けているのである。しかもSafeでなくKeterの一歩手前であるEuclidクラスである。
誰が呼んだか「ひとりダイハード」は伊達ではないということなのか、このSCPは「ジェラルド博士が運転するあらゆる乗り物に乗った生物は博士以外全員死ぬ」というひょっとしてそれはギャグで言っているのかと言わんばかりの効果を持つ。
その危険性故にが偶然運転している乗り物に乗れるのはジェラルド博士とDクラス職員に限られており、死体袋を博士の数を引いた乗客分準備する必要がある為、致死率は恐らく100%
しかもジェラルド博士が人工密集地やら任意の危険な場所に旅行する時は現地で医療チームを待機させるという徹底振りである。

実際問題、ジェラルド博士がDクラス職員を満載したスクールバスを近くのサイトまで運転した時はバスが大炎上。本人はカースタントの域で済んだが同乗のDクラス職員は全員死亡。
一人乗りの乗り物ならセーフかと言えば、寧ろ一人乗りのほうが被害が甚大になる傾向がある。
自転車に乗っただけでT3竜巻並みの荒廃を引き起こし、一人乗りの電動セグウェイに乗った時はセグウェイが爆発したのか爆炎の中で数階建ての建物から放り出されており
原付きに乗ってある町を走り抜けた際は町がまるで竜巻が直撃したかのような荒野になり、小型の一人乗りの車両を運転すると最低でもマッハ4を記録した4分後に横転。それまでに死者を二桁を出した。
ある時は財団指定の要注意団体の1つであるORIA(イスラム・アーティファクト開発事務局)のテヘラン本部へローラーブレードで突貫させた際は何が起きたのかテヘラン本部が大爆発を起こしている等、最早SCP-2000とは異なる財団の最終兵器とみなされているのかも知れない。
その突貫の名目は「ローラーブレードが技術的に乗り物であるという仮説を実証するため」というよく分からないもの(財団がジェラルド博士の運転を見る内に「乗り物とはなにか」というゲシュタルト崩壊を起こしたのだろうか、もしくはジェラルド博士がダイハードするなら乗り物だと確認出来るのだろうか)。
ただ単にジェラルド博士を体良く使って厄介な団体を片付けたかっただけかもしれないが…

更にその危険性はジェラルド博士の運転する乗り物に同乗していなくても襲い掛かる。
潜在的な危険性を含むオブジェクト、例えば石油タンカーは僅かな衝撃で爆発する爆弾と化し、建物は豆腐並みに脆くなり、歩行者はジェラルド博士が運転する乗り物の方へふらふらと飛び出してしまうミーム効果まで持ち合わせている。
更にジェラルド博士が運転する乗り物を避けようとすると、今度は全く別の乗り物に轢かれるという運命すら強要するのである。

…もうこれ潜在Keterで良くね?
収容方法としては「ジェラルド博士が乗り物を運転しなければいい」というものがあるのでSafeとも取れるが、
SCPのクラス分け条件として「特に自律性、自我、知性を示す異常存在は、それ自身が思考・活動することにより本質的に予測不可能であるため、通常は少なくともEuclidクラスに分類される」というものがあるので、Euclid分類されているのだろう。








■余談
財団は某クソトカゲを乗せられるほど大きな乗り物を用意し、ジェラルド博士に運転させるという計画があったりする。


またTale「終了を見るものども」「安穏」において、ブライト博士・クレフ博士・ギアーズ博士といった問題児13名が財団評議会O5に成り代わる中、自身のSCP-666-Jとしての力を意図的に行使してO5-7の暗殺を完遂し、O5-7の証である象牙の簪の強奪を成功させている。

すいません、運転手さん、どこかでお会いしましたかねえ。お名前はなんというんです?
七号は、象牙の簪の端をいじりながら、ぼんやりと尋ねた。


ええ、名前はロドニーと言います。でも、大概、人は僕のことを、ジェラルド博士と呼ぶんですよ。

平時は傍迷惑なSCPでしかない運転スキルだが、いとも簡単に誰かを交通事故に見せかけて暗殺出来るという恐ろしさを見せつけた。
そこ、本人の頑丈さとか能力的にエージェント向きとか言うな。


ふうん。これじゃあ、今、僕が監督官になったってことだよね? へえ。
今はただ、この木から降りることができたらいいのになあ。





追記・修正はジェラルド博士が転んだ後にお願いします。


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最終更新:2024年02月15日 06:43
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*1 引用元:CC BY-SA 3.0に基づく表示を参照