タッチ!カービィ スーパーレインボー

登録日:2015/01/29 Thu 18:48:27
更新日:2024/02/06 Tue 10:56:54
所要時間:約 8 分で読めます






今度のカービィは!


コロコロ!





タッチ!カービィ スーパーレインボー』とは、2015年1月22日に任天堂より発売されたWiiU用ソフトである。
開発はハル研究所
略称は「超虹」「タチカビSR」など。後者はなんかソシャゲ臭する


概要

かつてニンテンドーDSで発売された『タッチ!カービィ』の正統的な続編(ストーリーに直接的なつながりは無い)。
発表自体は2014年のE3でお披露目されたが、その後は音沙汰があまりなく年末頃に情報が一気に公開され、あれよあれよと翌年の1月に発売へ至るという最近どこかで見たような気のする流れが繰り広げられた。
公式サイトも発売まで一ヶ月足らずのタイミングでやっと立ち上がるし、もっと早くて良いんですよ?
任天堂製ゲームでさえ5800円前後と少々割高な価格設定が多いWiiU用ソフトでは珍しく、ニンテンドーDSの『あつめて!カービィ』のようにお値段3700円(税抜)と比較的手軽に買い求めやすい。


前作は様々な画風をゲーム内のモチーフに取り入れているのが特徴であったが、今回のモチーフはなんと粘土。
背景からオブジェクトに至るまでほぼ全てが粘土で表現されており、キャラクターもクレイアニメのように活き活きと動き回る。
加えて今作では、コピー能力がないためどちらかと言えば『毛糸のカービィ』に近いノリの方向性と言える。

そして機種がWiiUだけあって、本作までのシリーズ中でもグラフィックの質は歴代トップクラス。
如何なく発揮される粘土の質感は必見ものである。

ちなみに恒例の頭文字だが、今回は法則が無く単に虹の色とかけたものになっている。


あらすじ

ここはあきれかえるほど平和なプププランド。
カービィは食べようとしたリンゴを追いかけて坂道を転がり、魚釣り中のワドルディに激突する。

突然、プププランドの空に大きな穴が。
差し込んだ不気味な光はプププランドの色を瞬く間に奪っていき、命すらも止めてしまう。

色を盗んだのは「クレイシア」という者の仕業だった。
クレイシアはプププランドから奪った色でセブントピアという世界を作り出したのだ。
カービィとワドルディは彼女の元パートナーである妖精「エリーヌ」の力を借り、色を取り戻すためセブントピアの冒険に出発するのであった。



登場人物

おなじみピンクだま。
プププランドの危機だというのにリンゴの色が奪われたことの方にガッカリし、冒険に旅立つ時もリンゴを見て決意を固めるなど相変わらず食い意地が張っている。
『タッチ!』の時と違い、別に何らかの理由で四肢が封じられた訳じゃないのにわざわざ自分から転がって移動するという突っこみどころ満載の行動を取るため、理解に苦しむプレイヤーが続出。
挙句の果てに「横着してる」「世界の危機に舐めプ」などとネタにされまくることに。
ゲーム作品では珍しく「ぽよ」と喋る。
初期ライフは4。


最近出番が多いバンダナの方のワドルディ。
カービィともども謎の光によって色を奪われてしまったが、エリーヌの手で再生し共に冒険へ向かう。
ゲーム中では2Pキャラという扱いで、武器のヤリを使い上下左右へ積極的に攻撃が可能。カービィを持ち上げて投げたりも出来る。有限であるが空も飛べる。
また、3P、4P用に緑と黄色のワドルディもいる。
初期ライフは2。ただし、カービィが倒れない限り一定時間で何度も復活する。


  • エリーヌ
本作のヒロイン。虹色の絵筆のような髪型をした妖精の女の子。

れっきとした意味でのヒロインキャラは何と『星のカービィ64』のリボンから実に15年ぶりとなる。
元々クレイシアのパートナーであったが、彼女の様子がおかしくなってプププランドから色を奪い始めたことをきっかけに離反。
豹変した理由を知るために、そして仲直りするためにカービィと共にセブントピアへ向かう。

見た目相応に幼いようで、ひみつノート(後述)の内容からもそれがうかがえる。
プロフィールのちょっとしたカオスっぷりは必見…?

ちなみに今回の虹のラインはエリーヌが引いている、という設定。


  • クレイシア
今回の事件の発端。
水色の長い髪に紫色の服とマフラーとベレー帽が特徴、そして怪しいメガネをかけた女性。
見た目の第一印象からおばさんっぽいと評されてしまったのは内緒だ

プププランドから色を奪った張本人であり、その色で自身の世界セブントピアを作り出した。
世界そのものを作れる時点で非常にスケールが大きい能力を持っている事がうかがえる。
セブントピアに生息するツボのようなザコ敵「コッタ」は、元々彼女とエリーヌの作品である。
従来のワドルディに相当するポジションの敵でもあり、様々なバリエーションが存在する。

その他詳細はクレイシアの項目で。
勿論本作の核心に関わるネタバレを多く含むため注意。


名前的にドロシアペインシアとの関連性が疑われるが、現時点では不明。
ただ、スタッフによれば今後明かされることがあるかも知れないとのこと。
一部ではあの男の関与を疑われたが、今作での彼はクレジットにメインで名前が入っておらず(スペシャルサンクス枠)、直接は関わっていないと思われる。


  • グラバー
物語冒頭でエリーヌを捕まえに現れた、紫色の両手だけの怪物。
手のひらには目玉がついている。
普段はクレイシアのマフラーの先に装着されており、第二の腕の如く自由に動かせるようだが…

ゲーム中では2人以上のプレイ時に一定の場所に登場し、カービィを捕まえようとする。_つまり、登場地点までに抜けて1人になれば避けられる_
捕まってステージの外に運ばれると強制的にミス。
グラバー自身はカービィの攻撃のみ完全無効だが、ワドルディのヤリで撃退可能。
(オープニングでワドルディに突っつかれて以来苦手意識を持っているため)


残念ながら、今回は本編では出番は無く、収集要素のフィギュアでのみ登場。(一応ひみつノートにも出てるが、色々とひどいことになっている。)
開発者漫画によると、彼らはプププランドから色が奪われる際に、メタナイトの提案で「カッコイイポーズ」で最期を迎えようとしたらしい。
ちなみにこの漫画のデデデの語尾はアニメ同様「ぞい」である。





新要素など

アクション

基本的なアクションは概ね『タッチ!』と同じだが、ループ状にラインを描いてもダッシュしなくなり、敵やブロックを直接タッチすることは出来なくなった。


  • 虹のライン複数描き
前作と違い、2本目以降の虹のラインを描いても消滅しなくなり、共存するようになった。
これにより複数本をまたいで渡らせたり、ライン上を走らせながら頭上からの落下物を防いだり……と、前作では不可能だったテクニックが行えるように。
また、他のラインを消したい時はその上に重ね描きすることで前のラインを消せる。


  • スターダッシュ
今回のタッチダッシュ(つっつきダッシュ)は敵に当たっても貫通せず、反動で跳ね返る。
一見弱体化に思えるが、その代わりスターを100個集めると1回だけ「スターダッシュ」が使用でき、一定時間カービィが一回り大きくなって強力なダッシュ攻撃が繰り出せる。
ダッシュ中は移動スピードが速く、壁に跳ね返ると反射するため虹のラインによる誘導はコツがいる。
これを使わないと取れない宝箱もある
スターダッシュの回数はある程度ストック可能。
ちなみに、ワドルディもスターを100個集めると槍による強攻撃が行える。



変身

特定のステージではエリーヌの力で3種類の姿に変身することになる。
要は『毛糸のカービィ』のメタモル能力のようなものと思えばいい。
スターを100個集めると、変身中の姿に応じた「特殊攻撃」を発動できる。
特殊攻撃は共通して硬いブロックを破壊可能。

変身中はワドルディ達も大砲を持ったり同じく変身したりとバリエーション豊か。


  • カービィタンク
カービィが可愛らしい戦車になる。
オートでのろのろとキャタピラ移動し、移動方向を転換するときは虹のラインを縦に引くか逆向きのラインに乗せる。
意外と重いせいか、宙返りするようにラインを引いて方向転換してもひっくり返って向きを変えられない。
タッチした地点めがけて弾を撃つのが基本だが、特殊攻撃では狙った場所にタッチし続ける時間が長いほど弾の数が増え、カービィタンクも強力な姿に変形する。

ちなみにこの特殊攻撃はカービィの身体にも一時的な負担がかかって危険らしく、他のサブマリンとロケットでは変形が禁止されてしまった。
(ゲーム中では特に影響はないので気にせず使ってOK)


  • カービィサブマリン
潜水艦になる。『毛糸』の水中時の姿とよく似ている。
タッチした地点にオートで泳いでいき、口からは勝手に魚雷が3発ずつどんどん発射される。
魚雷の軌道は虹のラインで誘導可能。仕様上カービィの移動には影響しないので構わず描いていける。
このときのカービィは後ろを向くことが出来ないので、後ろの敵は魚雷を虹のラインで誘導したりワドルディに頼ることになる。
ワドルディも水中用に変身。バンダナがスクリューとなっている。
特殊攻撃は大きな魚雷。魚雷の性質はカービィのスターダッシュと似ているが、あちらよりやや速度が低い代わりに長時間飛び続けるので扱いやすい。


  • カービィロケット
ロケットになる。ここだけはカービィのみの操作となる。
前作におけるミサイル能力とほぼ同じ。
自動で進んでいき、常次前側に衝撃波が発生しているので敵に体当たりするだけで倒せる。
軌道を変えるときは虹のラインで。
特殊攻撃はスターダッシュと似ているが、あちらよりも速い。
ワドルディは姿こそ見えないが、ボタン連打でブーストをかけることが可能。ただし連打しすぎるとメーターが爆発してリセットされる。


コレクション

いずれも宝箱やゴールで手に入る。
各ステージにつき1点モノなのでランダム要素は無く、『64』『トリプルデラックス』のように何度も同じステージを周回する必要はない。


  • フィギュア
キャラクター達の造形をじっくりと観賞できる。
宝箱からは基本的にそのステージの敵キャラが手に入ることが多い。
ただしボスキャラはボスステージのクリア後に自動で手に入る。
説明文は色々とユーモアに溢れており、読むだけでも楽しめる。キャピィの説明は誰もが「だよなぁ」と思うことだろう


  • ひみつノート
これだけ宝箱ではなく、ゴール地点の泡に包まれたサークルの中に1つだけ混じっている。
中身は全てエリーヌが描いており、ステージに関するただの感想からクレイシアについてのちょっと核心に触れるようなものまで様々だが、中には笑いを禁じえないページが…
ある意味ネタ要素の塊。


  • サウンドテスト
本作最大のファンサービス。

今回はストーリー進行で解禁される本編BGMとは別に、宝箱から手に入れるBGMもある。
こちらは歴代カービィシリーズからチョイスしたアレンジバージョンであり、豪華にも合計30曲以上用意されている。
おまけに本編では一切流れず、完全にサウンドテストでのみ聴ける純粋なアレンジ曲という超贅沢な扱い。
つまる所、(宝箱を集める前提で)ゲームにアレンジサントラがタダで一緒に付属しているようなものである。
明らかにゲーム本体の価格と(良い意味で)釣り合っていないので不安になるほど。

ちなみに本作の作曲者は酒井省吾氏と大原萌の2人体制。
どの曲をどちらが担当したのか不明であるが、発売前のニンドリのインタビュー記事でスタッフが「アレンジの勉強を兼ねて手がけさせていただいた」と語っており宝箱入りのアレンジBGMは恐らく、当時新人の大原氏が手かげた可能性が高い。
その後、星のカービィシリーズが25周年を迎え、その記念オーケストラコンサートで大原氏が初めて公の場に出演。4-1「天かける虹」ステージのBGMは自身がハル研に入社してから初めて作ったというエピソードを明かした。


チャレンジモード

本作のやりこみ要素。
ストーリーモードにもある「15秒以内に宝箱を手に入れる小部屋」を4連続で挑戦するという内容。
宝箱を集めた数に応じて獲得メダルが銅→銀→金とランクアップする。
基本的に本編ステージやチャレンジモードで金メダルを集めた数に応じてアンロックされていき、ステージ総数はゆうに40以上を越える。
15秒勝負なので解法が分かってしまえば楽なものが多いが、後のステージになるほどかなり難しい内容が多く占めるようになる。

また、「サバイバルチャレンジ」という特別なステージも存在する。
こちらは宝箱を取り逃さず12連続で小部屋をクリアし続けるという高難度のステージであり、一瞬の判断力とそれなりの集中力も求められる。

本編とは関係のないおまけモードなのでスルー可能…と思いきや、ファイルの達成率に関わっているので100%を目指すなら避けて通れない。
幸いにも本編と同じく2人以上で挑戦可能なため、Wiiリモコン等が複数あるなら他の人に手伝ってもらうのもあり。
ぼっち涙目


amiiboとの連動要素

今作はカービィ、デデデ大王、メタナイトの3つのamiiboに対応しており、変身系を除くステージでゲームパッドにかざすと1日1回限定で以下の効果が発動する。


  • カービィ
ワープスターのような星に乗っかる。
常にスターダッシュのストックがたまった状態になり、いつでも使い放題に。
これでスター切れの心配も無用。

  • デデデ大王
デデデの帽子を被る。
最大体力が4→6になり、多少やられにくくなる。

  • メタナイト
メタナイトのお面を被る。
タッチダッシュで敵を倒しながら突っ切れるようになる。
『タッチ!』の仕様に戻ったといえば分かりやすいか。


余談

発売前に任天堂公式情報サイトの「Nintendo News」にて、本作とハル研新規IPのハコボーイの宣伝を兼ねたジャックが行われた。
その際に開発者が思うがままに書いたという4コマ漫画も紹介されたのが、色々ネタまみれな内容で一部界隈が騒然となったとかならなかったとか。
機会があれば一度見てみるといい…かも?





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最終更新:2024年02月06日 10:56