LVモンスター(遊戯王OCG)

登録日:2015/01/19 (月) 14:43:03
更新日:2023/12/28 Thu 13:25:42
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遊戯王OCGに登場するカードカテゴリーの1種。
名前の最後に~LV○と付く何体かのモンスターで構成されるのが特徴であり、同名のカードが特定の条件下でレベルアップし強化されるという形になっている。
原作の王の記憶編で表遊戯が用いた「ターン経過で成長するモンスター」をモチーフに作られたカードで、遊戯王GX時代にも亜種が数種類登場している。

同名のLVモンスターは大抵の場合はすべて同じパックに収録されており、なんとなく共通性を感じられる固有の効果と、成長したのだと分かるイラストを持っている。
レベルアップと同時にステータスの上昇と共にその効果が強力な物になっていくというパターンが多い。
そして一部(後発で追加されたカード)を除いて条件を満たした時に手札だけでなくデッキからでも特殊召喚可能となっている。
また高レベルになると「召喚条件が限定されてくる」「そもそも通常召喚をする意味がない」カードも多くなるため、手札では腐りやすいことも多い。

その為安易に高レベルへの進化を狙うだけでなく、「あえて低レベルや中間形態を主軸にデッキを構成する」「高レベルのモンスターを単なるバニラとして運用する」という選択肢もある。
この柔軟性もまた面白いところ……だったのだが、当時は「コストとして使うのは愛がない。テキストは書かれている通りに使ってこそだ」という意見が主流だったこともあり、そういう使い方をすると不快感を示す*1人も結構いた。最近はそういうのがなくて何よりである。


当時はまだ特殊召喚が本当に「特殊な召喚方法」だった頃であり、テーマにちなんだカードというのもあまり強いとはいえないものばかりだった。
現在の「テーマカードを集めればとりあえずデッキになる」「派手な切り札はさっさと特殊召喚する」というプレイヤーの観点からは面倒なモンスターといった趣だろう。
しかしこの時期は高レベルモンスターをデッキに入れるということ自体が手札事故の確率を高める行為であり、そんな中で「条件を満たせばデッキからデカブツを出せる」「専用サポートが存在している」というのは非常に大きなアイデンティティとなった。
専用サポートが多かったことや、手札事故を起こしやすいため《カードトレーダー》《打ち出の小槌》などを入れたりしているうちに非常に独特な動きをするようになるという、当時の緩いテーマデッキの趣のある、【アトランティス】ともども昔ながらのデッキである。
特に使い勝手のいい「ホルスの黒炎竜」と「アルティメット・インセクト」は非常に人気が高く、前者はTier1デッキ【お触れホルス】、後者は昆虫族や風属性、忍者など様々なデッキに用いられた。

レベルアップ時にレベルアップ前のモンスターを墓地に送るのはコスト扱いとなっているのでほとんどのカードがスキドレをすり抜けて進化が可能であり、
さらにモンスター効果による「チェーンブロックを作る」特殊召喚なので「ライオウ」にも強い。
逆に「次元の裂け目」「マクロコスモス」「ダーク・ロウ」で止められてしまうので注意しよう。

シンクロエクシーズペンデュラムと次々に新しいシステムが登場していき、
事故率の高さや召喚条件を満たすのにひと手間かかるということもあり、一線級とは言い難いものの、
下位のモンスターを強力な上位体に進化させてその力を振るうという一種独特のシステムには言いようのないロマンがある……かもしれない。




◆LVモンスター一覧
進化条件:自分スタンバイフェイズ時に生存→相手プレイヤーへの直接攻撃
効果:魔法無効化

原作で登場した記念すべき最初のLVモンスター。使用者は表遊戯
原作ではLV0と表記されており、自分のターン毎にレベルアップし攻撃力500アップするという効果を持っていた。
表遊戯はターンを経過させる《時の跳躍》という魔法カードとのコンボによってによって高速でレベルを上げるコンボをよく使用する。
原作、アニメでシチュエーションが異なるものの、闇獏良とのデュエルでフィニッシャーとなっている他、
原作、戦いの儀においても三幻神の一柱であるオベリスクと相討ちという活躍を見せている。

OCG版ではLV3、5、7の3種が存在。最終的なステータスこそ「サイレント・マジシャン」に劣るが、それでもLV7時の攻撃力は2800と十分な数値。
固有の魔法無効化については、自身への対象を取る相手の魔法カード→自身への相手の魔法カード全部→種類問わず魔法カード全てを無効化、とスケールアップしていく。
特にLV7が場に出ている時はさながらモンスター版「王宮の勅命」であり、その拘束力は非常に高い。
LV3は「シャインエンジェル」でリクルートできるためLV5への進化は簡単。
LV7への進化は直接攻撃が絡むため「レベルアップ!」を使った方が簡単かもしれない。

ただ、自分の魔法カードも無効化されてしまう他、より使いやすい魔法の無効化効果を持つホルスの黒炎竜がいるせいであまり活躍の場に恵まれないという悲しい立場。

光属性、戦士族とサポートは豊富な属性、種族なのでそこで差別化していきたい。
2016年には「沈黙の剣士-サイレント・ソードマン」「沈黙の剣」が登場し、戦略の幅が広がった。
前者は戦闘または相手の効果で破壊されるとLV7を一気に呼べるのでなかなか強力。
後者は攻・守を1500も上昇させる速攻魔法。ご丁寧なことに発動と効果が無効にされないので、LV7がいても問題なく使える。
また、墓地から除外してサーチする効果も付いているので、後続の確保にも繋がる。


進化条件:魔力カウンターの蓄積
効果:魔力カウンター蓄積→魔法耐性

原作で「サイレント・ソードマン」に続き登場したLVモンスター。
原作では相手がドローした時、その枚数分レベルアップし、攻撃力が500上がる。
原作の使用者も「サイレント・ソードマン」同様表遊戯。
そして初代遊戯王の闘いの儀のフィニッシャーにもなるという重要な立ち位置も担っている。
アニメとOCGでカラーリングなど様々な部分で差異がある。

OCG版のこのカードはLV4は攻守共に1000という低ステータスだが、相手のカードドローに合わせて魔力カウンターを貯めていき、
それ1つごとに攻撃力が500ずつ高まっていく他、5つ貯まると一気に攻撃力3500という破格のステータスのレベル8へと進化できる。
LV8は相手の魔法カードに対する耐性を持っており、召喚に成功すれば相手の「レベルダウン!?」や各種魔法カードで除去・弱体化されないという強みを持つ。
また、LV4の低ステータスというのはサーチ、リクルートがしやすいという利点でもあり、しかも後述の「レベルアップ!」で一気にLV8まで強化可能。

LV4に関しては、当時はファンデッキは《メタモルポット》を使うのが嗜みだったこともあり進化自体は結構簡単。
なんならドローするだけで魔力カウンターが貯まるため、これを利用するデッキもあったほど。
LV8に関しても《レベルアップ!》に対応していながら攻撃力3500という当時としては非常に高い打点を持つ。
こんなカードに《拡散する波動》を使って勝った日にはそりゃもう気持ちいいなんてもんじゃない。

このように出すこと自体は結構簡単なのだが、悠長に素のドローに頼るわけにもいかないためやはり他のサポートカードは必須。
除去の豊富な遊戯王で耐性なしのこのカードがカウンターを5つ乗せるのは難しく、自身での効果でLV8を呼びだすのはかなり厳しい。
基本的には「レベルアップ!」か、デュエリストパックで登場した「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン」を使いたい。
専用サポートには「サイレント・バーニング」があり、発動条件こそあるが、各プレイヤーは手札が6枚になるようにドローできるので、攻撃力を一気に上げられる。
また、例によって墓地除外によるサーチ効果が付いているので、次の「サイレント・マジシャン」を呼べる。

《ブラック・マジシャン・ガール》や真崎杏子、孔雀舞や彼女の使うモンスターなど「勝気なギャル系の女性」が多かった原作に加えて
カードの方でも《水の踊り子》《プリンセス人魚》のような露出度の高い雰囲気の多かった時期にあって非常に珍しい清楚な女モンスターということで人気が高かった。
ただ当時はゲームのオマケカードだったので結構値が張り、出すこと自体は簡単でも「魔法使い族の当時のサポートカードと噛み合わない」「そのサポートカードも高い」「ホル8など他のLVモンスターよりも盤面の支配力に欠ける」などの弱点があったのでデッキとして使いこなすのは難しかった。
そのため活躍の場はもっぱらゲーム作品や当時の非公式CGIなどだった。入手性の悪さがそのまま活躍の場を狭めてしまうのは、当時の遊戯王には結構よくあった話……【シモッチバーン】とかはその代表格だ。

ちなみに「沈黙の魔術師」の方は大変ふつくしいイラストから人気が高い。
衣装にスリットを追加したイラスト担当者にはGJという他ないだろう。


進化条件:スタンバイフェイズ時の生存→戦闘での相手モンスター破壊→リリース
効果:相手の表側表示モンスター破壊

第4期最初のパックであるSOUL OF THE DUELISTで登場したモンスター。
後述の「ホルスの黒炎竜」らと共にサイレントコンビよりも先にカードとして登場した初のLVモンスター。
LV3の進化条件のタイミング上、スタンバイフェイズに存在していればいいので、リクルーターで引っ張ってくれば容易にLV5に進化できる。
相手モンスターを戦闘破壊してLV7になると攻撃力2800となり、除去の範囲が相手の表側表示モンスター全てに広がる。
ただ、守備力が減少するのがややネック。普段は気にならないが、かつて「月詠命」が活躍していた頃は裏守備にされて簡単に戦闘破壊されるという弱点になったりもした。

なお、LV10は後から追加された強化形態であり、LV7にはLV10を特殊召喚する効果が付いていない。
そのため、LV10はLV7をリリースすることで手札からのみ特殊召喚するようになっている。
効果はライボルと同等になり、捨てたカードの種類に関係なく表側表示モンスターを全滅させられるようになった。
しかし攻撃力は3000と、200ほど上昇するだけであり、LV7で十分なこともしばしば。入手性が悪かったことや手札事故を起こすこともあって採用されないことも多かった。
ロマンを求めるなら採用してみよう。ちなみに当時多かった意見は「ぶっちゃけライボルでいい」「LV10を買うお金で別のデッキ組みたい」という結構辛辣なものだった。

固有効果は相手モンスターの除去。コストとして手札から捨てたモンスターの攻撃力以下の表側表示相手モンスターを破壊する。
その性能はLV5から順に単体(LV5)→全体(LV7)→攻撃力関係なく全て破壊(LV10)とスケールアップしていく。
上位レベルが手札で腐っていても捨てれば効果のコストにできるため案外無駄になりにくい。
LV7は第9期に幻竜族となって再登場した。ダーク化した時も幻竜族になった時も元ネタはLV7。
永らく派生系はLV7が多かった物の第11期には白のヴェールを装備して真っ白の姿になったLV10がアームド・ドラゴンLV10-ホワイトとして登場した。

アニメGXでライバルの1人、万丈目サンダーが使用している。
実はデュエルアカデミア・ノース校に置ける伝説のカードという凄い肩書を持っていたりする。


  • アームド・ドラゴン・サンダー(3→5→7→10)
進化条件:手札からモンスターを墓地へ送る
効果::(ドロー→サーチ→)破壊

第11期にて突如現れたアームド・ドラゴンのリメイクモンスター。LV3〜7の間は場・墓地にいる時にはリメイク前と同名カードとして扱う効果も付いている。
進化の条件が誘発効果から起動効果に変更されて連続進化が可能になっており、進化先も「進化先のレベル以下のアームド・ドラゴン」となっているので、
サンダーLV3からリメイク前LV5を出したり、手札のモンスターのレベルを下げるカードと併用してLV3からLV7・10へのワープ進化と言う芸当も可能。

また、LV10以外の固有効果は「ドラゴン族モンスターの効果のコストとして墓地に送られた時」に発動すると言う物になっている。
その性能はLV3から順にドロー(LV3)→レベル5以上の風属性ドラゴン族モンスターのサーチ(LV5)→アームド・ドラゴンカードのサーチ(LV7)と狙ったカードを引き込みやすくなっていく。

LV10になると「一!十!百!千!万丈目サンダー!」の台詞の通りに自身の攻撃力に応じて効果が付与されていき、
リメイク前と同じ名前になる(攻撃力1以上)→コントロールを奪われない(攻撃力10以上)→戦闘破壊耐性(攻撃力100以上)→手札1枚をコストに場のカードを破壊して攻撃力1000アップ(攻撃力1000以上)→自身以外全て破壊(攻撃力10000以上)
と攻撃力を参照としたレベルアップの様な効果を持つ。
自身の元々の攻撃力が3000あるので手札1枚をコストに破壊する効果まではデフォルトで備えており、これでも充分な性能な上に、攻撃力を爆発的に増やせるサポートカードがあるとは言え攻撃力10000以上の全体破壊は困難な為ロマンの領域。


進化条件:相手モンスターの戦闘破壊
効果:コントロール奪取無効→魔法無効化

「アームド・ドラゴン」などと同じくOCGにおける初のLVモンスターの1体。
恐らく環境で最も活躍したLVモンスターかもしれない。

一番下のLV4はギリギリリクルーターに対応していない中途半端なステータスのせいで使われないことも多く、入ったとしても1枚程度というレシピが多かった。
主軸となるのはLV6とLV8で、前者は表側表示存在する限り魔法の効果を受けず、後者は魔法のカウンターが可能。
LV6は相手のモンスターを戦闘破壊すれば自動的に進化できるので、条件は達成しやすい。当時よく入っていた《収縮》がまったく効かない。
攻撃力は2300とやや中途半端だが、魔法による除去は大半を受け付けないので、場持ちもそこそこいい。
なお、自分で発動した「レベル制限B地区」や「つまづき」も効かないので、LV6のみを使って相手を拘束しながら殴るテクニカルなデッキも存在した……のだが、
攻撃力2400で除去を得意とする帝モンスターの登場以降は衰退した。

そしてLV8になると魔法カードの発動を任意で無効化するという極めて強力な効果となる。
コストも回数制限も全く無いため、このカードが1枚場にいるだけで魔法に対する強力な制限を設けることができる。
なぜか《レベルアップ!》にも対応しており、攻撃力も3000と高く、盤面に出た瞬間に大勢が決するという強烈なカード。

効果モンスターが今のように強くなかった時期は、罠カードを無効化する「王宮のお触れ」とのコンボデッキ【お触れホルス】が猛威を振るった。
とにかく「召喚条件がものすごく緩い」のが利点で、揃えるのがとても簡単なのに打点も高い。
さらにお触れには亜種として《人造人間 サイコ・ショッカー》(当時制限カード)まであり、
この2種類がそろってしまうと《人食い虫》《伝説の柔術家》《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》のような特定のデッキにしか入らないカードでしか対処ができないのだが、
大半は《抹殺の使徒》やら《シールドクラッシュ》やらがぶっ刺さるので隙もないと至れり尽くせり。
相手の小手先の技を強引に殴り壊すパワフルなデッキとして人気が高かった他、【ドラゴン族】のサブプランとして用いたり、亜種の【フロフレホルス】のようなデッキもかなり研究されたものである。

ただし《風帝ライザー》登場以降はむしろLV8をデッキトップにバウンスされるという弱点を突かれるようになる。
これが【黄泉帝】が相手の場合は相手は罠をほぼ使ってこないため、お触れを諦めて《キックバック》などのかなりピンポイントなメタカードを積むことでどうにでもなった*2のだが、
《ダーク・アームド・ドラゴン》《邪帝ガイウス》などが登場したことで一気に雲行きが怪しくなり、《オネスト》が登場してからは高い攻撃力がまったく意味をなさなくなったことで急激に衰退した。
一応《レインボー・ヴェール》《天罰》などで対処はできたのだが、お触れホルスの利点は「少ないカードで素早くロックをそろえ、相手が反撃できないうちに勝つ」なのでその利点が死んでしまうのである。

現在は「モンスター効果での除去が主流」「罠カードは遅いのであまり使いたくない」という環境なのでまったく安心はできない。
また、アームド・ドラゴンと同様にダーク化(LV8)したり幻竜族のシンクロモンスター(LV6)になったりもしている。
基本的に攻撃力で勝るLV8を切り札として運用するが、無効化の性質が違うので、弱点も変わってくる。
例えば、LV6は永続効果のため「超融合」に耐性があるが、逆にLV8はチェーンを組んで無効にするため「超融合」には無力。

アニメGXにも登場しており、後攻1ターン目から上述の【お触れホルス】で融合を主体とする十代の戦略を封じ込めていた。
当時はアニメでも漫画でも「ガチデッキや特定の戦略を主人公サイドが否定する」ということが行われており、割と物議をかもしたものである*3
ゴーズのオマケ本遊戯王R3巻の北森玲子に説教をする城之内君や、デッキ破壊をボロカスに批判するエドなどは分かりやすい例。
あんまりいいものじゃなかったため、5D's以降はこのような描写はなくなった。


進化条件:相手モンスターの戦闘破壊
効果:裏側守備表示モンスターの効果破壊

初期のLVモンスターの1種で地属性の戦士族モンスター。
全てのレベル時に通常召喚が可能であるが、LV4とLV6は裏側守備表示で出さなくてはいけないというデメリットがある

固有効果は裏側守備表示のモンスターをステータスや効果に関わらず問答無用で破壊するというもの。守勢に回っている相手へのダメ押しに役立つ。
LV6にはそれに加え、破壊するカードを任意で相手のデッキトップに置くことができるというドローロック効果もある。

ただ、これらは飽くまでも「効果による破壊」なので進化条件である「戦闘による破壊」と噛み合ってないのがネックとなる。
ステータスもLV4は攻撃力1900とそこそこだが、LV6は2300とやや物足りない。
「レベルアップ!」を使うにも通常召喚では裏側守備表示で対象に出来ないため、どうにかして特殊召喚を上手く駆使していきたい。
当時よく用いられた手段が、《切り込み隊長》で出すことを前提にLV4を用いるというものだった……のだが、運用方法や進化条件などがちぐはぐでかなり使いづらい上に進化させてもあまり強くないため手札事故を起こしやすく、
表遊戯のファンデッキを作る場合は諦めて「サイレント・ソードマン」「サイレント・マジシャン」に絞る人の方が多かった。

「太陽の書」や「ADチェンジャー」で無理やりリバースすることも一応は可能だが、それをするんだったらリバースモンスターを軸にしたデッキを使った方がいいだろう。


アニメGXやARC-Vにもカードイラストや看板などで登場している。


進化条件:自分スタンバイフェイズ時の生存
効果:相手モンスターの弱体化

初期のLVモンスターの1種で風属性の昆虫族モンスター。
全ての形態で通常召喚可能で召喚制限も存在しないが、固有効果は進化前のカードの効果での特殊召喚を行わないと適用されないという縛りがある。
もっとも進化条件は「生存のみ」なのでリクルーターを使えば条件を満たすのはそこまで難しくも無い。
リクルーターの他、かつては「代打バッター」を使う光景もよく見られた。

固有効果でレベル×100ポイントの弱体化を相手モンスター全てにばらまくことができる。
特にLV7は弱体化効果も合わせて、最大で攻撃力3300までの相手モンスターを処理可能となる。
地味にLV1に魔法カード耐性があったりするが、リクルーターはLV3にも対応しているのでLV1が使われることはまず無い。

当時の基準では「召喚条件のないそこそこ高い打点のモンスター」というだけでも相当なやり手であり、選択肢に乏しかった風属性や昆虫族のメインカードとしてたびたび名前が挙がった。
さらに《アルティメット・インセクトLV7》は当時としては召喚条件のないモンスターだったため、単なる打点要員として《忍法 変化の術》の変身先としても用いられた。それしかなかっただけだけど……

当時は「強い風属性モンスター=鳥獣族」という認識もあった*4。当時のプレイヤーなら、むしろ《ゴッドバードアタック》に対応していないことに歯がゆい思いをしたのではないだろうか。
一方「鳥獣に甘えてるうちは風属性のよさを分かってない」という剛の者は「アームド・ドラゴン」シリーズと併用するデッキを使うこともあったなど、ビルダーの腕の見せ所としても活躍した。
また、1400以下の攻撃力のモンスターを召喚時に破壊する王虎ワンフーと合わせた【アルティメット王虎】なるデッキもある。
当時は通常召喚を軸にしたゲーム性ということもあり、ハマってしまうと抜け出すのが結構難しい。
デュエルターミナルのEXステージではインセクター羽蛾がこのカード群を主軸としたデッキを使う。

当時のモンスターとしては結構珍しく、このように様々な用途に転用できる柔軟性の高さを持ったいぶし銀のナイスなカード。
テーマ化が著しくなる前の遊戯王ならではのエピソードは枚挙にいとまがない。
ホル8がガチ環境なら、こちらはファンデッカー寄りの環境で高い人気を博した。


  • 暗黒のミミック(1→3)
進化条件:自分スタンバイフェイズ時の生存
効果:カードドロー

初期のLVモンスターの1種であるが、攻撃的な能力を持つ他のLVモンスターとは一風変わった効果を持つ。
LV1はスケルエンジェルやデコイチと同じリバース時にドローができるという効果。
LV3は戦闘破壊時に同じくドローであり、LV1の効果で召喚されていれば2枚のドローになる。

LV1、LV3共々低ステータス故に場に出すこと自体は簡単なのでドロー効果の発動自体は容易。
ただ、リバース時と戦闘破壊時という具合に現在の高速環境ではドローのタイミングが受動的で遅いのが難点。
せっかく効果で進化させたLV3をバウンスだとか除外だとか効果破壊だとかされたら泣くしかない。
闇属性で悪魔族と、コスト要員として割り切ることもできることが多いのは救いであり、
当時は「デッキに入れるカードに困った時にとりあえず手元にあったこいつを入れる」なんてことも結構あった。
《死のデッキ破壊ウィルス》(エラッタ前)の媒体にもできるため、案外悪くないのである。


進化条件:相手モンスター装備状態でスタンバイフェイズ時に生存
効果:相手モンスターの装備カード扱いでの奪取と戦闘破壊の身代わり

CYBERDARK IMPACTに収録されたLVモンスター。
上記カード群からやや遅れて登場した新たなLVモンスター。
正直な話使いにくいの一言に尽きる。詳しくは個別記事を参照してほしい。


アルティメットインセクトと同様に全てのレベルで通常召喚可能、召喚制限無しだが、
自身の効果で進化しなければ固有効果が適用されない
つまり、レベル3から地道に進化していかないと単なるバニラモンスターでしかなくなってしまう。

しかも、その効果も手間に見合っているとは言い難い。
相手モンスターを装備カードにするというサクリファイスと同じでなかなかに嫌らしい効果に思えるが
ステータスの上昇などは無く、付属されるのは戦闘破壊耐性だけ、おまけにLV3とLV5は自分のレベル以下の表側表示モンスター限定である。
ステータスもLV7でようやく攻守1500と貧弱極まりなく、戦闘破壊から守るだけでも一苦労である。

おまけに戦闘以外の除去手段が氾濫している現環境で、悠々とモンスターを奪いながら進化のタイミングを待っている暇など無いに等しい。
これだけ苦労しても最後のLV7自体が劣化サクリファイスなため、似たような効果を求めるなら最初からサクリファイスを使った方が手っ取り早い。
ぶっちゃけこれなら固有効果は「レベルアップ!」や通常召喚に対応しても良かった気がする。どうしてこうなった。
そして最悪なのが、ステータスが低いので「さっさと《レベルアップ!》して打点役にする」という使い道さえ封じられているという点。ここまでくると八方塞がりである。

LV7は効果を捨てるなら低ステータスのためリクルート対応のレベル7魔法使い族としての見どころはある。
たとえば当時は《黒の魔法神官》を使うデッキでLV7が1,2枚出張採用されることがあった。単に《キラー・トマト》から引っ張れる素材としての仕事なのだが、採用しているだけで《黒の魔法神官》の特殊召喚が安定する。
ただ、今では「ガガガマジシャン」がいるので、素材として使うのも厳しいか。

あまりの使いづらさから、これと「漆黒の魔王」はDUELIST EDITION Volume 1での再録からカテゴリごとハブられてしまった
まぁ「デフレの谷底のような環境でさえ運用することが一苦労」というモンスターなのでしょうがないとは思う。
《マハー・ヴァイロ》でさえリメイクされているんだから、多分そのうちリメイクされるだろう。備えよう。


……しかし時は流れアニメ遊戯王VRAINSにてSOLテクノロジー最高幹部・クイーンがなんと「魅惑の女王」を使用。ただし、「魅惑の女王」ではなく「アリュール・クイーン」指定のカテゴリとなっている。
相手が相手だった為に惜しくも負けてしまったが、
  • 「アリュール・クイーン」の攻守を500アップし、メインフェイズにレベルアップ可能に
  • 「アリュール・クイーン」が場に出たら同名モンスター(=同レベルの「アリュール・クイーン」)を”相手フィールドに”特殊召喚
するフィールド魔法《魅惑の宮殿(アリュール・パレス)》と
  • 「アリュール・クイーン」の攻撃力を自身の効果で装備したモンスターの攻撃力分強化
  • 「アリュール・クイーン」が場にいる限り相手に攻撃強制&攻撃対象をこちらが指定
  • 1ターンに1度、「アリュール・クイーン」が装備したモンスターを墓地に送る事で墓地の「アリュール・クイーン」を可能な限り蘇生
する永続魔法《魅惑の舞(アリュール・ダンス)
と言うまるでOCG化を見越してるかの如く絶妙な調整をされた弱点を悉く叩き潰す専用サポートで、
魅惑の女王を4体も並べた上に、リンクモンスターである《金色の魅惑の女王(ゴールデン・アリュール・クイーン)》まで出すと言うファンサービスを披露してくれた。
サポートカードの効果的に「魅惑の女王が魅惑の女王を誘惑する」と言う大変百合百合しい絵面になっていたと思われるが、肝心の展開は省略されてしまったのが悔やまれる*5


  • 漆黒の魔王(ダーク・ルシアス)(4→6→8)
進化条件:モンスターの戦闘破壊→自身の効果で相手モンスターの効果無効
効果:戦闘破壊したモンスターの効果無効化

こちらもCYBERDARK IMPACTに収録されたLVモンスター。
魅惑の女王と同じく遅れて登場したLVモンスター。かの有名な変態戦士のなれの果ての一つとされている*6

召喚制限はないものの、固有効果の適用は自身の効果で進化した時のみとなっている。
つまり通常召喚や特殊召喚自体は自由にできるが、自身の効果でレベルを上げなければバニラ同然
固有効果そのものはハ・デス……というより《破邪の大剣―バオウ》のそれと同じで、
LV8では更に無効化して破壊した相手モンスターをそのまま除外するという効果も追加される。

LV8まで進化しきれればそこそこ強力かもしれないが、進化条件に戦闘が必須なくせにLV4は攻撃力1000、LV6では1700とステータスが貧弱であり、
これが「効果モンスターを戦闘破壊」しなければ使えないというのでお膳立ては必須。進化させた手間や手札事故のリスクに見合った効果なのかと問われると、
よほど「ゴミカードなんてないんだ!」という意見を押し通したがる剛の者でもない限りは肯定しかねるだろう。

しかもLV6の進化条件の「この効果で相手モンスターの効果を無効化した」の表記がクセモノ。
「クリッター」などなら分かりやすいが、これが「切り込み隊長」や「華麗なる潜入工作員」のような戦闘で破壊されることと全く無関係な効果を持つモンスターを破壊した場合どうなるのか?という疑問があった。
普通に運用するなら絶対にぶつかる壁なのに、何とそのような場合に進化できるかという裁定が長らく調整中であり、まともな運用ができなかった。
よって、確実にレベルを上げるためには裁定が出ているモンスターを自分で送りつける必要があるというとんでもなく面倒な状態になっていたのである*7
もはやここまでくると使う魅力に乏しいというより「変に喧嘩したくないのでデッキを組みたくない」という意見までまかり通るようになってしまったのだった。

2016年8月、発売から10年を経てようやく裁定がまとまり、
「効果モンスター」「デュアルモンスター」「効果外テキストのみを持つ効果モンスター」については、いずれも戦闘破壊できればレベルアップできるようになった。
よかったなルシアス!!それでも使いづらいことには変わりないが……

ちなみにコイツのLV8の効果は「戦闘破壊したモンスターの効果を無効にし、除外する」というものだが、実はこの手の「倒したモンスターの効果を無効化する」効果について「除外したモンスターには無効化が適用されない」という裁定がある。倒したモンスターが墓地以外に送られた場合、無効化が継続しないのである。
つまりハ・デスなどと異なり、「破壊された」ことだけがトリガーとなる効果(見習い魔術師など)は防げず、自分の強みを自分で潰すという控えめに言って意味不明なモンスターと化している。
……矛盾を抱えているというより「テストプレイしたのか?」と疑わしくなるカードが多かったが、当時の遊戯王は本当にそういうカード多かったので……。

当時は《高等儀式術》ブームだったこともあり、特定の条件を満たすレベル8の通常モンスターには強い需要が存在した。
また、当時はまだサポートカードが貧弱だったり、逆にサポートが強すぎたせいで貧弱にならざるを得ない種族なんてのも存在したような時期である。
このカードは「もしルール的にバニラだったら《高等儀式術》で使えたのに」「もし○○族だったら実質バニラの高打点として運用してやれたのに」と、様々な点が惜しまれたモンスターだった。

CYBERDARK IMPACTに収録されたLVモンスターは軒並み性能が残念であり、しかも最終形態がウルレアであることから評価を下げる要因になっている。
「レベルアップ!」を使うと効果が適用されず、自身の効果で最初のレベルから進化し続けないといけない厳しい条件の割に、進化過程が貧弱で最終形態が手間の割に合わない。


進化条件:進化する翼の効果
効果:リリースで相手の表側攻撃表示モンスター全破壊と総攻撃力分の効果ダメージ

LVモンスターの中では非常に特殊な立ち位置のモンスター。

他のモンスターとは違い、速攻魔法カード『進化する翼』の効果のみでハネクリボーを進化させることができる。
ステータスは全く変わらないものの、リリースでミラフォ&バーンダメージとなかなかに派手な効果を持っている。
ただ、『進化する翼』のコストがフィールド上のハネクリボーに手札2枚と非常に重く、LV10の効果発動タイミングもバトルフェイズ限定。
相手バトルフェイズ時以外に進化させたところで何の役にもたたないという非常にピーキーなカードで、特にこの「手札2枚」のコストを捻出するのがかなり厳しい。

後に更なる形態としてハネクリボーLV9というカードも登場しているが、LVモンスターとしての関連性は皆無。
一応、後述の《レベルアップ!》の効果で文字通りLV10を戻してLV9を特殊召喚するという芸当も可能ではあるが、単に「そういう面白いこともできます!」以外に意味がない。
ただし裁定としてはかなり重要な例であり、後に「既存よりも低いLVを持つモンスター」「効果にまったく関連性のないLVモンスター」などが登場した際の裁定の前例として重要視されることとなった。
珍裁定に歴史あり。ところでLVモンスターはその後出ましたか……?

アニメGXでは主人公の十代が使用。万丈目との2回目のデュエルで登場して以降、度々デュエルで登場している。
LV9の方は漫画版が初出であり、LV10もやはり万丈目とのデュエルで使用されている。


  • マスクド・ナイト(3→5→7)
進化条件:スタンバイフェイズ時の生存
効果:自分メインフェイズ時のバーン効果。

アニメオリジナルのLVモンスターで未OCG。5D'sに登場。
LV3で400ポイント、LV5で1000ポイント、LV7で1500ポイントのダメージを与える効果を持つ戦士族モンスター。
なおLV7以外は効果使用後は攻撃できないデメリットがある。
LV7で攻撃力2900と、当時の環境を考えるにゴヨウラインを突破できる攻撃力は魅力的であった。

未OCG化のLVモンスターシリーズの中では、現在もっともOCG化が望まれているカードだろう。……ところでほかにLVモンスターいたっけ?



◆関連カード
  • レベルアップ!
レベルモンスターを使用するデッキにおいてはかなり重要となるカード。
文字通りLVモンスターをそれぞれの固有進化条件を無視してレベルアップさせることができる。
最近ではすっかり当たり前になった「召喚条件を無視して」の先駆けともいえるカードだった。
正確にはLVモンスター1体を墓地へ送り、テキストに記載されている別のLVモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚するという効果。
発動の際に墓地に送るのはコスト扱いなので、ホルスの黒炎竜LV6にも問題なく使用できる。

面倒な条件をすっ飛ばしていきなり強力なモンスターを出せるのは非常に強力で、特に「ホルスの黒炎竜」はこのカードの適性が極めて高かったことでTier1に躍り出たと言って過言ではない。
特殊召喚手段が貧弱だった当時は、レベルモンスターを使っていて一番楽しいのは「このカードを使って高打点のモンスターを叩きつける瞬間」とまで言える。それくらい派手なカードだった。
ただし特殊召喚しかできないモンスターの場合は蘇生制限を満たせない点に注意。やはり当時は《ホルスの黒炎竜 LV8》で問題になった。
このホルスブームが不本意なものだったせいか、ホルス以降のLVモンスターは「低LVモンスターの効果で特殊召喚した場合」のみに効果が使えるようになっており、使い勝手は劇的に悪くなってしまった。
特にCYBERDARK IMPACTで登場した2種類のLVモンスターは、当wikiでも大変評価が低い。

一見「進化以外では効果が発動できないモンスターに使うのは意味がないのでは?」と思いがちだが、当時としては「デッキから攻撃力2500を超える高レベルモンスターを出す」という行為自体が破格だった。
当時の風属性のアプローチのひとつに「アームド・ドラゴン」と「アルティメット・インセクト」を併用した風LVというものがあったが、そういうデッキでは「基本はアームドに使うが、盤面的にインセクトを進化させれば勝てる場合ならインセクトの効果を諦めて使う」というような柔軟性を持たせたりすることもできる。

何気にテキストの関係上、上位モンスターにこれを発動させて下位のモンスターを特殊召喚するという真逆のこともできてしまったりする。
といっても、それをやるなら後述の速攻魔法である「レベルダウン!?」を使えばいいだけのことなのだが。


  • レベル調整
LVモンスター用の蘇生カード。上位LVモンスターであろうと召喚条件を無視して墓地から蘇らせることが可能と一見すれば使えそうに見える。
が、代償として相手に2枚ものカードをドローさせてしまう他、蘇生ターンは対象モンスターが攻撃不可&効果も適用されないという非常に重たいデメリットがある。
そもそもファンデッカーが猫も杓子も《メタモルポット》に頼ってたような時代に相手にカードを2枚も引かせること自体が自殺行為であり、
蘇生ターンは何もできないも同然なので「返しのターンにすぐに処理されてしまう」ことの方が圧倒的に多い。
挙げ句、召喚条件は無視できるのに蘇生制限には容赦なく引っかかるという裁定になっている。
未プレイの人からはよく《ホルスの黒炎竜 LV8》あたりなら相性はいいという意見が出るのだが、【お触れホルス】ロックの弱点である「効果モンスター」を手札に引き込みやすいのでむしろ相性は最悪。なんで2ドローなんて余計な効果を……。

遊戯王GX時代の「迷走したカード」「存在意義が分からない」として当時はよく槍玉にあげられたカードであり、オリパに《アタック・リフレクター・ユニット》や《迷宮変化》などとともによく入っていた。
ストレージで見かける常連であり、サイコロが散らばっているという独特なイラストもあってかなり目につき、同じく実用性のない《レベルダウン!?》に対してまで「利敵行為」「自殺行為」という風評被害を与えてしまうことになった。
LVモンスターごとの固有効果で特殊召喚された後以外で墓地にいる、例えばデッキや手札から直接墓地送りとなったものや
レベルアップ!の効果で進化させたモンスターを蘇生することはできない。
まるで意味がわからんぞ!? と、思ったそこの貴方、これが俗に言う遊戯王ではよくあることというやつです。……本当にこれテストプレイしたのか?


  • レベルダウン!?
レベルアップとは逆にLVモンスター1体をデッキに戻して下位のLVモンスターを召喚条件を無視して墓地から呼び出す速攻魔法。
速攻魔法ということを活かし、相手の除去カードにチェーンしての発動や、バトルフェイズ時の追撃などで使用される。

ただ、レベル調整と同じくやっぱり蘇生制限には引っかかってしまう。
《レベルアップ!》では効果を使えないLVモンスターの場合、効果自体がやり直しになるのでわざわざ使う意味がない。
さらに《ホルスの黒炎竜LV6》や《サイレント・ソードマンLV7》などこの効果では戻せないカードも多く、やはり使い道には乏しいと言わざるを得ない。
そもそも上述の使い道なら《神の宣告》(当事無制限カード)や《リビングデッドの呼び声》などの方が圧倒的に使いやすく、事故要素になりやすいこともあって採用されることは非常に稀だった。

総じて「悪くはないが使うほどでもない」程度のカード。当時としては「?」がカード名に含まれているという結構珍しいカードだった。
また《レベル調整》の風評被害を受けたせいでよくボロカスに言われたカードでもある。


  • 四次元の墓
墓地に存在するLVモンスター2体をデッキに戻してシャッフルするという効果。
おそらく蘇生できない最終形態を再利用するためのカードだろう。
戻すだけでドローとかは出来ないので、これ単体を使うだけではディスアドでしかない。

「貪欲な壺」や「貪欲な瓶」、そうでなくともほぼ同じ効果で範囲も広い「無欲な壺」でおk。
もう少しいうと、こういうカードに頼らないように高LVを出したらさっさと勝つというプレイングが最も重要になる。
一応【お触れホルス】には1枚くらい採用している型があったが、主流ではなかった。


  • ホルスのしもべ
コイツが場にいるとホルスの黒炎竜に対象を取る魔法・罠・モンスター効果の耐性をつけることができる。
ただ、コイツ自身のステータスは正義の味方以下な上に何の耐性も持ってないので、維持してまで必要かと言われれば微妙。
そもそもLV6以上ならホルス自身に強力な魔法耐性があるので、【お触れホルス】などでは殆ど死に技能である。


  • 女王親衛隊
魅惑の女王を攻撃対象にすることを封じる怪しいマスクの集団。
ただ、やっぱりステータスが一般的な下級アタッカー以下で耐性も無いのであっさり処理されることが多い。
女王本体ですら非常に使いにくいのにそのサポートですらこの体たらくである。

ぶっちゃけ当時から《我が身を盾に》でも入れてプレイヤー自身が親衛隊になった方がいいと評判だったカード。
魅惑の女王を運用する場合は相手にモンスターを送りつけなければならないのだが、こいつはレベル4なのでレベル3の女王では誘惑されてくれない。好みのうるさい親衛隊だ。
ただでさえ事故りやすいデッキがもっと事故りやすくなってしまう。
一番活躍するのは、店のオリパデュエルなどで攻撃力1700のバニラとして活用するときだろう。
当時は1800で十分な高攻撃力だった=オリパに入ることが途端に少なくなったので、これが結構侮れないのだ。


召喚時にサイレント・ソードマンLv3かサイレント・マジシャンLv4をサーチするソードマン&マジシャンのサポートカード。
……のつもりだったのだろうが、
そもそも場に直接出してさっさとレベルを上げたい下位種を召喚権を使ってまで手札に呼ぶと言う致命的なズレっぷり。
さらに少し前に登場した強力な「沈黙」シリーズをサーチ出来ず、天使族の為「沈黙」シリーズの召喚コストにも使えないと言う有様。
自分モンスター1体のみを対象とした魔法の無効化と戦闘もしくは相手の効果で破壊された時に墓地の光属性Lvモンスターサルベージ効果もあるが対応範囲が狭すぎて微妙。
と言ったポンコツ具合と美麗なイラストから残念美人呼ばわりされる始末。

これ程メリット効果を詰め込んだにも関わらずここまで弱く出来るのはある意味凄いとも言われている。



  • 余談
原作では「カード1枚が成長していく」という趣であり、OCGの《サイレント・マジシャンLV4》や《エメス・ザ・インフィニティ》のイメージが近い。
しかし漫画の自由な発想で生まれたモンスターはカード1枚で再現することが難しいので、「複数枚のカードを用いて成長を示す」というまったく別の動きをするカードとなった。
高橋和希の漫画家ならではの自由な発想を、カードゲームとしてのノウハウがまだ足りない頃のコナミがどう再現したかという点から見ても非常に面白いカードであり、
その中では原作再現度が比較的高く、その挙動は現在のテーマデッキの走りともいえる。
《漆黒の魔王LV6》以外は特に「調整中」などの問題もなく、ルール自体はかなり成功した方と言えるのではないだろうか。



相手はカードを2枚ドローする。
自分のwiki内に存在する編集可能な記事1体を、他にやりたいことを無視して追記・修正する。


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最終更新:2023年12月28日 13:25

*1 極端な話、《ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン》を《トレード・イン》のコストにして「使いこなしてるんだぜ!」なんて胸を張られたら首をかしげるような話の延長線上。特に後発組のLVモンスターは「進化」した時でないと効果を使えないことが多かったため、この辺の価値観の差異がぶつかることも多かった。当時はこういったマナー的なぶつかり合いが多く、これをシステムレベルのインフレとアニメキャラのデッキの超強化で解決したのが「遊戯王5D's」、特にクロウ・ホーガン登場以降である。

*2 当時は通常召喚がメタの中心だったので、帝以外にも刺さる相手は多かった。

*3 特にこのお触れホルス回はお触れホルスを使うゲストキャラのプレイングがぬるかったので、反ガチ勢からも評価が高くなかった。

*4 cf:バードマン、音速ダック、風の精霊 ガルーダ、ハーピィ・レディ1、N・エア・ハミングバード、風帝ライザー、烈風の結界像など

*5 なお「魅惑の女王が魅惑の女王を誘惑する」に関しては、LV3の運用の際にはかなり重要なテクだった。

*6 当時はまだその辺の設定が未確定であり、海外先行登場の《ダーク・グレファー》の姿もあって「グレファーは結局どうなったのだ?」という不毛な議論が行われていた。

*7 この時期の遊戯王は《ポールポジション》などが有名だが、普通に遊ぶだけであっさりつまずくカードが結構あった。つまりこのカードに限った話ではないことは、KONAMIとグレファーの名誉にかけて言っておかなければならないだろう。