ハクオロ(うたわれるもの)

登録日:2015/01/19 (月) 14:03:02
更新日:2024/01/03 Wed 21:59:37
所要時間:約 4 分で読めます




ハクオロ(うたわれるもの)とは、アクアプラス(Leaf)製作のSLG「うたわれるもの」の主人公である。CVは小山力也
キャラによって呼ばれ方は千差万別で、さん付けや様付け、聖上やハクオロ皇、兄者や兄者様、お父さんやおじ様、総大将やあるじ様といった具合にかなりの呼称がある。


【概要】

物語最序盤にて大怪我を負って森で倒れていたところをエルルゥに助けられ、以後彼女が住むヤマユラ村で世話になる、何故か外すことが出来ない仮面を被っている記憶喪失の男性。

年齢・出身地はおろか自分の名前すら覚えておらず、「ハクオロ」という名前はエルルゥたちの亡き父の名をトゥスクルが授けた。

外見年齢は二十代後半(制作スタッフいわく27~8歳とのこと)で、アルルゥに父親の面影を重ねられたり、カミュから「おじ様」と呼ばれることには、自分の実年齢が分からないことも有り内心複雑に思っている(別に嫌というわけではない)。

性格は温厚、かつ紳士的(変態的な意味はない)。カリスマ性を持ち、初対面でもどこか惹きつけられる不思議な人柄。
基本的に仲間内に優しく、時に父親のような厳しさを見せる。
敵であっても不要な殺生は好まず、たとえ自分の命を狙っていた相手でも誤解が解ければ許す寛容さも併せ持つ一方、自らの悩みは人に話さず自分で解決しようとする悪癖がある。
(仲間達からしたら頼って欲しいのだが、彼自身がハイスペックなため大抵は自分で解決してしまう)

記憶喪失だが知識は豊富で、ヤマユラ村時代では荒れた農地を見事復活、彼が考案した新しい農業技術をもって生産効率を大幅に向上させ、製造法を完全に秘匿するの製造を村で行うなど、単なる物知りレベルではない。

身内を守るために非情な決断をする時もあり、恩人であるトゥスクルが藩主ササンテの横暴により命を落とした後に、村人の後押しもあり国盗りを決意。
大切な人が傷つけられたり、外道と相対した時は激情に囚われることもあり、ヤマユラ村と村人を滅ぼした「クッチャ・ケッチャ」や、欲望のために多くの命を犠牲にした「シケリペチム」の皇には怒りを露わにする。

さらに敵に焼かれた村を見て「これで日和見を決め込んでいた他の村が、明日は我が身と自分たちに合流するようになる」と考えるなど、極めて冷静かつ冷酷に考えることもある。

その後、藩主を打ち倒し、更に他の村々とも結託して反乱軍を組織し暴君であったインカラ皇を撃破。
国盗りを実行した者の責任として皇となり、新皇国「トゥスクル」を建国。為政者として治めるが、最終的に多くの国を巻き込む大乱と、自分自身の正体を知る戦いに巻き込まれていく。


作戦立案・采配が主であるものの、自ら戦場に立って戦うこともしばしば。戦闘ではトゥスクルから譲り受けた仕込み鉄扇を使い、なかなかの戦闘能力を見せる。
キママゥ(猿に似た生物)退治が見事であることから、キママゥ退治の第一人者として「キママゥ皇」とも呼ばれ、ベナウィ曰くその名は三國に知れ渡っているらしい。

広い知識を持っている割には、多くの人間が信仰しているウィツァルネミテアや、その総本山である「オンカミヤムカイ」や調停者の存在を知らないなど、一般常識が欠けている。(もっともハクオロ自身の物覚えがいいので、序盤はともかく中盤からはそんなに問題ではなくなってくるが。)

また「歓楽街なんていうものは禁止しきれるものではない。ならば自分達で管理してしまおう」と、大規模な繁華街を主導して運用、犯罪や汚職の温床となることを防ぎ、人と金の流れを活性化させ国の利益にする、という効率的かつ前例がない政策をとっている。

この政策自体は成功を収めたが、「トゥスクルの皇は幾人もの室を持っている」という誤解(?)が広がり、「好色皇」「3クリックさん*1」「早漏皇」などという不名誉な称号を与えられている。どの異名も本人は不服そうだが。


【SLGパートでの性能】

攻撃できるのは前後左右1マスの歩兵ユニット。
能力値に穴がないのが特徴で、コンシューマ版では得意属性を持たない(連続技の〆が、必ず相手の弱点属性になる)。
強制出撃マップが非常に多く、またハクオロの撃破が敗北条件というステージがほとんどであるためか、やや敵に狙われやすい傾向がある。
なお気力MAXで体力0になるとリザレクションが発動する。







【以下最重要ネタバレ注意】



















我ハ・・・・ウィツァルネミテアト呼バレシ者

汝等ニ崇メラレ、ウタワレルモノ





その正体は神代の時代から存在する神の如き存在であり、そして本作のラスボスである。

人々から大神「ウィツァルネミテア」と呼ばれて信仰を集めている存在であり、より正確に言えばその半身が顕現した姿「空蝉」である。
現代より遥か昔の「古代」*2、謎の化石に遭遇した考古学者の男性(本名不明)がその事実を隠蔽しようとした者に銃で撃たれて瀕死の重傷を負った際に、彼の血に触れることで目覚めた「大神」と契約をなし、一体となる。
「大神」は「今は眠りたい」という考古学者の願いに応え、長きにわたる眠りについた。

時代が経って「創世期」、氷の中で眠り続けていたところを旧人類に発掘され、考古学者は「アイスマン」と呼ばれる。
彼を元にして旧人類の研究者たちは「マルタ」という亜人間を作り出すことに成功。
この「マルタ」が現代の人々の祖にあたり、その元となった「アイスマン」=ハクオロは全人類の父とも言える存在なのである。
※因みにこの研究者たちが大いなる父「オンヴィタイカヤン」であり、研究者たちのお気に入りであった「マルタ」の子孫がシャクコポル族である。

この時、研究によってハクオロの被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており、その繊維が脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持っていることが明かされる。
研究者たちはこの仮面の原理を「マルタ」を作り出しながら研究し、再び自分たちが生身で地上を歩けるようにするため計画を進めていた*3

計画半ばのある日、ミズシマという研究者が良心の呵責からハクオロとミコトという亜人間の少女を他の実験体たちと一緒に外へ逃した。夫婦となった2人は子どもを授かり幸せに暮らしていた。
しかし研究者たちはハクオロを執念の末見つけ出し、強制的に研究所へ連れ戻す。
更には妻であるミコトを、「アイスマンと子どもを作った実験体として解剖した」と聞かされついに激怒。「大神」としての力が目覚める。

「強靭な体」を求めた研究者を死ぬことの出来ないゼリー状の生物に変え、また他施設が異常事態を察知し、攻撃しようとしている事を恐れている研究者の願いを聞き、他施設を全て壊滅させたりと怒りに身を任せ暴虐の限りを尽くした。

だがこの時、同時に今の自分を止めて欲しいと願う感情も表れる。
実験体ムツミがその願いを聞き届けようと衛星兵器「アマテラス」を起動、攻撃を加えるがその程度では「大神」を滅ぼすに至らず、結局封印するに留まった。
相反する二つの感情を抱いたまま封印されたため、何度も目覚めと眠りを繰り返し、いつしか「分身」と「空蝉」という二つの意識にはっきりと分かれてしまう。

「分身」と「空蝉」は同一の存在だが、いや同一の存在だからこそ目の前に居る自分と同じ次元の存在に歓喜し、憎悪を抱いてしまうので争わずにはいられない。
本編より数十年前の前大戦のときも「白い神(空蝉)」と「黒い神(分身)」として激闘を繰り広げている。
この時「白い神」側についたのがトゥスクルやワーベやオボロの祖父で、「黒い神」側についたのがゲンジマルやカルラの父である。

そのためトゥスクルはハクオロとの初対面時から彼の正体が「白い神」であることを見抜いている。
ハクオロという名前を付けたのも、かつて「白い神」が自分のことを「白き皇(ハクオロ)」と名乗っていたからであり、息子の名前を「貸し与えた」のではなく神名を「返還した」という表現が正しい。

ウィツァルネミテアには、大神同士の直接対決を避けて人々を手駒に代理戦争をさせて人々の進化を促そうとする性向がある。
しかし黒い神が肉体を得て白い神が目覚めたとき、互いに目の前の大神を滅ぼしたいという衝動を抑えきれず争った。これにより地震が発生。目覚めたばかりの白い神は力を発揮しきれず*4、ボロボロになって逃げ延びた。
そのとき妹の助けを求めるエルルゥの魂の叫びを聞き付け引け寄せられたのだった。

因みにハクオロがエルルゥに助けられたのは、地震で重傷を負ったアルルゥを助けるために代償としてエルルゥが「その身を明け渡す」契約を白い神(ハクオロ)と結んだため。
エルルゥがハクオロに好意を抱いているのもこの契約が理由である部分もあり、本人にもその自覚はある。
ただしその契約を抜きにしても、ハクオロに好意を抱いているのもまた事実である。

更に言うと、エルルゥとアルルゥ(つまりはトゥスクルとその姉、エルルゥたちの父も)は彼とミコトとの間に出来た子どもの子孫である。
研究所のマスターキー(輪っか)をハクオロは自分の子どもに贈っており、その輪っかは直系の子孫の長女に引き継がれて、エルルゥの手に渡った。
またミコトは「動物の声を聞く」不思議な能力を持っており、その能力はトゥスクルの姉やアルルゥに引き継がれている。


最終決戦の後、精神が統合され唯一無二の「大神」となるが自分がこの世に災いをもたらす存在だとし、自ら封印されることを選び、愛する人や仲間たちが見守る中、ゆっくりと眠りについた…。



エピローグでは、彼に似た人物がエルルゥの背後に立ち、その気配に気づいたエルルゥが振り向くところで終わっている。
その人物が本当にハクオロなのかは定かではないが、宿命から逃げずに戦い続けた彼の為にも、奇跡が起きたのだと信じたい。



偽りの仮面
本人は登場無し。

しかし、メインヒロインのクオンはハクオロとユズハの娘であることが確実視されている。
(トゥスクル組に 「我が魂を捧げた御方の愛しき忘れ形見」 などと言及されている)


【二人の白皇】

オンカミヤムカイにおいて引き続き封印されている。しかし最終盤ウィツァルネミテアの分身にハクを失った絶望から魅入られてしまった実娘のクオンを救うために、ハクに大神の力を譲り渡す。その際全ての力を失ったことで普通の人間へ戻り、愛するエルルゥと共に地上へ帰還した。



【余談】
シナリオライターが「うたわれるもの」より前に他社で製作した『BE-YOND(ビヨンド)~黒大将に見られてる~』と世界観が繋がっているのではないかという説がある。
同作には白王・金王・白金王・黒王という超常的な存在が語られており、ビヨンドの主人公は黒王のレプリカという設定なので、もしかしたら謎の化石の正体は白王に関連する存在の可能性があるのかもしれない・・・
なお、ライターは「ハクオロの肉体は物語にも出てくる考古学者の肉体なんですが、「力のある何か」と融合することで神になりました。この「力のある何か」については……私の中に設定があることはあるのですが、ユーザーの皆さんが考えた存在が、それぞれ正解だと思います。」とコメントしている。





我ヲ追記・修正セヨ・・・

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最終更新:2024年01月03日 21:59

*1 僅か3クリック(5クリック?)でHシーンが終了したことから

*2 だいたい20世紀末から21世紀をモデルとした時代と推定される。要するに「現実世界の現代」。

*3 環境汚染の影響を免れるために地下シェルターに潜った旧人類は、環境の浄化に成功したものの適応力のほとんどを失っていた。

*4 肉体を持つ白い神は肉体のコンディションに左右される。逆に精神体である黒い神は誰かに憑依しないと人類に干渉できない。