宮崎空港線

登録日:2015/01/09 (木曜日) 15:30:00
更新日:2024/03/20 Wed 20:22:08
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宮崎空港線(みやざきくうこうせん)は、田吉駅と宮崎空港駅を結ぶJR九州の鉄道路線である。

*1

概要

文字通り宮崎空港へのアクセスを目的に建設された、2023年現在、営業キロ1.4キロとJR線の中で日本一短い路線である。
運行系統では全列車が日南線に直通し、南宮崎駅および日豊本線宮崎・延岡方面まで乗り入れを行う。

利用者数は空港線とはいえ田舎なので開業から減少傾向…と思いきや、ソラシドエアやピーチ・ジェットスターのLCC就航で空港の年間利用者数は増加を続けている影響で微増ながらも増えている。
この需要を取り込むために2020年10月に観光特急と水戸岡氏大好きなJR九州は新たな観光特急「36ぷらす3」では土曜日ルートの始発は宮崎空港駅に設定。
秘境駅などに停車しながら別府まで乗り入れることになったことで、一応観光特急が走る路線になった。吉都線涙目である

宮崎~宮崎空港間でのみ特急を利用する場合、自由席に限り乗車券のみで乗れるという特例がある。
指定席やグリーン車利用には該当の券が必要。また、自由席であっても上記区間以外に跨いでの乗車は特例区間外で特急料金がかかる。


歴史

この路線の開業には、宮崎県延岡市が創業地の化学系メーカーであり、今なお宮崎の経済を支える旭化成が大きく関わっている。
旭化成は今も延岡を生産拠点としているが、昭和後期になると、企業活動の拠点である大阪や東京への出張が多くなっていった。
その頃は航空機が大衆化していった時代でもあり、延岡の社員たちにとって宮崎空港へのアクセスは非常に重要だった。
しかし90年代まで、宮崎県内区間の日豊本線は利便性に乏しく*2、空港アクセス鉄道という概念も日本にはなかった。

ゆえに旭化成は社員を送迎すべく、1989年より自社で独自のヘリコプター運航を行っていたが、1990年に台風による天候不良で、乗客乗員全員が死亡する墜落事故が起きてしまった。
これを重く見た旭化成はJR九州等と協力し、延岡から乗り換えなしで空港まで到達できる鉄道整備に出資。
そして日豊本線の高速化と併せて、本路線は1996年に開業したのである。
この経緯から、現在でも宮崎空港発着の特急は延岡始発・終点になっていることも多い。

運行形態

前述の建設経緯から特急列車の発着が多く、
  • にちりん…(下り6本・上り5本)
  • にちりんシーガイア…(下り1本・上り1本)
  • ひゅうが…(下り6本・上り7本)
  • 36ぷらす3(土曜日発着の1本)
が乗り入れる。

このうち「にちりんシーガイア」は博多まで乗り入れる。
これは2023年現在、JR在来線の昼行優等列車における最長営業距離を誇る。

普通列車は
延岡駅発着:下り9本、上り11本
高鍋駅発着:1往復
宮崎駅発着:下り8本、上り7本
南宮崎駅発着:1往復

となっている。

使用車両

  • 787系
特急「にちりん」・「にちりんシーガイア」・「ひゅうが」・「36ぷらす3」で使用。

  • 713系
普通列車で使用。
空港アクセス用に長崎地区から転属したもので、リクライニング化や塗装変更などの改装工事が行われている。

*3

  • 817系
普通列車で使用。
713系置き換えのために導入されている。
*4


駅一覧

本項では運行上の始発駅である宮崎駅から記述する。

  • 宮崎
日豊本線延岡・大分方面乗り換え。
宮崎県の県庁所在地兼第1の都市である宮崎市の代表駅。
にも拘わらず自動改札の導入は九州で最後、田舎特有の駅前の閑散ぶりが酷かったが、JR九州も重い腰を上げ再開発を実施。
2020年10月に完成し、高架化以降ホーム別だった改札が一つに統一された。
1997年までは東京~宮崎間を結ぶ寝台列車「富士」の始発・終点駅だった。

  • 南宮崎
日豊本線都城・鹿児島方面、乗り換え。
宮崎市内の南端にある為、乗降客も多く宮崎県で2番目の乗降客を誇る駅。
ここから日南線へ一度入る形になる。
かつて存在した京都~南宮崎間を結ぶ寝台列車「彗星」の出発・終点駅でもあった。

  • 田吉
日南線志布志方面乗り換え。
線路名称上の起点駅で、宮崎空港線の創設と共に復活を遂げた。
同駅の設置は3度目で、初代と2代目は「乗降客が少ない」という理由で廃駅にされてしまった…。
現在でも周辺は西側に住宅街があるものの東側は畑になっているので利用者数はお察し
そのため、もっぱら日南線や空港線列車の待避駅として活用されることの方が多い。
駅近辺に赤江ふれあい公園という航空機撮影スポットはあったりする。

  • 宮崎空港
終点駅。
宮崎市街・都城方面に向かう客はバスに獲られているものの、日向市・延岡方面に向かう客で賑わう駅。
ただし、空港に隣接しているだけであり直接つながっているわけではない。
地味に沖縄を走るゆいレールの那覇空港駅ができるまで日本最南端の空港駅でもあった。





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最終更新:2024年03月20日 20:22

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/713sun.jpg 日時:2016/01/04

*2 高速化は満足に行われず、最高速度90km/h程度。特急も国鉄時代はパターンダイヤですらなかった。

*3 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/713sun.jpg 日時:2016/01/04

*4 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/817.jpg 日時:2016/01/04