オカルト(艦これ)

登録日:2014/12/29 (月) 20:27:43
更新日:2021/03/21 Sun 20:51:22
所要時間:約 8 分で読めます




艦隊これくしょん』、通称艦これ。
知ってのとおり、擬人化した軍艦を育成し勝利を掴む大人気ブラウザゲームである。
プレイヤーができるのは艦隊の編成と装備の開発/選択、あらゆる行動に必要な資源の管理のみ。
肝心の戦闘は艦娘任せという斬新なシステムが手軽と同時に奥深い。

そんなこのゲームにおいて、まことしやかに囁かれている噂がある。
まあ大体都市伝説のようなもので、万人が認める確固たる根拠はない。
しかし一笑に付すのは少し引っかかる……そんなオカルトの一部をご紹介しよう。




◇描けば出る◇
人気コンテンツ、それも二次創作の規制がそこまで厳しくないとなれば、pixivやTwitterにファンアートを嗜むユーザー達による多様なジャンルのイラストが投稿されるものである。

……そんな絵描き達の間でひそかに語られる現象が、謂わゆる「描けば出る」法則。

艦これは、提督であるプレイヤーが限りなく有利な状況を用意しても、「確実」や「絶対」が存在しない乱数がシステムを支配する。
俗に言う運ゲーというヤツだ。
海域攻略では、システムの仕様や艦娘の性能、装備の兼ね合い、敵編成に対応した臨機応変な対策。
これらを揃えることができれば決して不可能はない。……ない、えー……ない。と、いいねうん。

だが、こと建造やドロップ(双方とも艦娘を新規入手する手段)は提督が介入できる余地はない。
せいぜいwiki等で先人の情報を頼りにガン回しするしか手立てはない。

だが、この不文律を捻じ曲げられる。かもしれないとして語られるのが先程の法則。
要は「欲しい艦娘のイラストを描いて」「SNS等に投稿すれば」目当ての艦娘の入手率が上がる! ……かもしれないというもの。
早い話が願掛けみたいなものである。
なお、入手率の上昇量は露出度に比例するとの話も。かけば出ます


もちろんゲーム外で行われる行為にシステムへの影響力はない。
しかしながら願掛けとしてイラストを投稿するユーザーの母数の大きさから、それなりの“成功報告”も上がっており、二次創作に触れる提督の間ではもはや共通認識といっても過言ではないほどの知名度がある。


直接関係はないが手違い等で轟沈させてしまった艦娘のイラストを奉納する供養もある。



物欲センサー
この用語自体は他で聞いたことがある人もいるのではなかろうか。

ざっくり言うと「欲しい欲しいと思っている物ほど手に入らず」「何とも思っていないものはポンポン入手できる」という現象を指した用語。
某狩りゲーなどで紅い玉が欲しい時は何十回やろうが出ず、逆に非レアなものが必要になった時はレア品があっさり出てきた苦い思い出がないだろうか。アレである。
詳しくは物欲センサーの項を参照のこと。

「システムにプレイヤーの物欲を嗅ぎ取るセンサーでもついてるんじゃないか?」というプレイヤー達の妄想疑念の目は、前述の通り運ゲーの要素の強い艦これにも当然向けられることとなった。
……え? 何? それじゃあ欲望丸出しの「描けば出る」は思いっきり矛盾してるじゃねーかって? 知らん、そんなことは俺の管轄外だ。


まあやはりと言うべきか、オカルトの域を出ない話ではある。
しかしながらやっぱり笑うに笑えず、何気なく大型建造して大和型大鳳ビス子を当てた人もいれば、実装当初から回しまくっても出てこない人もいる。
だからドロップ画面の暗転時に目をつむってみたり、「え? 俺そんなのキョーミねーし」とか呟いてみたり、
目的に関係ない行動をしてから回してみたりと(経験がある提督にとっては)微笑ましくも笑えない努力を提督は繰り返すのだ。





任務受注に関しても似たような噂がある。
例えば、補給艦を三体倒すことが達成条件の【敵補給艦を3隻撃沈せよ!】の任務を受けたとしよう。

任務消化のため意気揚々と該当海域に赴く。するとどうだろう、普段ならそう何度も到達しないボスマス等へ羅針盤の針が向く。さっさと終わらせるはずがスムーズにいかない……

と、こんな体験はないだろうか。まあ乱数なので何回も同じことを繰り返せばそんなことも起こる。だがバカにはで(ry
これを回避するために、打開策として別口の任務を受注することが挙げられる。
どういうことかというと、上記の補給艦任務と同じ海域で達成できるもの、例えば【敵空母を三隻撃沈せよ!】を同時に受けるのだ。
こうすれば(分岐の先にどちらかの該当艦が存在するマップなら)どちらに転んでもロスはない。
これが、上記のランダム性を排除できる第一期でのオリョール海の人気の一つ。ルート固定編成が存在し、かつ、空母、補給艦が必ず出現する5-4が第一期では人気なのも同上。


これがデイリーならまだいい。やらなくとも大した損ではない。しかしこれが特定のアイテムが報酬だったりする高難易度一発モノになると途端に毛根へのダメージが増える。
そんな時は一旦落ち着いて、別なことをしてリラックスするといい。不思議なほどリトライで上手くいく。……こともある。

尤も、第二期に入って通常海域は多くがルート固定可能になったため、第一期に比べるとルート固定で苦しむことは非常に少なくなっているが、利点を全て奪われたオリョール海と難易度が激増した5-4の人気は地に落ちた




◇中大破艦は狙われる◇
道中で中破艦が出たけれどもボスまであと2戦、何とかもう一戦突破してボスにさえ到達してしまえば……
そんな希望を打ち砕くかのように、次の戦闘マスで敵艦という敵艦が悉く中破艦を集中砲撃して来て敢えなく大破撤退。
理不尽だ、敵艦は中破艦を集中攻撃するアルゴリズムを持っているに違いない!

……実はこれ、半分だけ当たっている。

とは言っても、実際にそのようなアルゴリズムが実装されているわけではない。
対潜攻撃や警戒陣のような条件が明言されたパターンを除けば、全ての攻撃の目標選択は完全なランダム変数によって確率判定されている。
これは有志が膨大な試行回数の検証を積み上げて、ほぼ証明されている。

ではなにゆえこのオカルトが当たっているのか。
答えは、完全ランダムという確率判定そのものにある。

普通直感的に「ランダム」という言葉から連想される判定結果は、全ての出目が試行回数全体にわたって均一に散らばっている姿であろう。
だが、確率論的にはこのような分布はランダムでも何でもない、「一様分布」というランダムの対極に位置する姿なのだ。
実は確率の世界には、結果がどの程度バラける(偏る)かを表す「分散」というパラメータが存在する。
完全にランダムな変数は、この分散の値もランダムなのだ。
すなわち、局所的にはむしろ偏った判定結果が集中するのである。

……もうお判りであろう。
別に中破艦を集中砲撃するアルゴリズムが存在しているのではなく、
偏在する判定結果のうち一つに中破時の目標選択が引っかかっており、
それと同じ出目が偏りに従って集中的に出現しているだけなのだ。*1

もっとも、それが判ったからといって何か対策が出来るということもないのだが……




  • 余談
ここまで語っておいてなんだが、艦これの特徴の一つとして「マスクデータが大半」というものがある。
どういうことかと言うと、プレイヤーに明示されているシステムの詳細の大半が不明であるということ。
(「プレイヤー間で協力して欲しい」という意図的な措置)

戦略ゲー等で「何をしたら」「何が起こるか」、「このステータスは何を表しているのか」などが分からないようなもの、と言えば早いだろうか。

あのポケットなモンスターゲーだって個体値努力値、種族値といった要素が不明瞭だった時期はあるし、
大きな乱闘ゲーも不人気の打開策として開発者が仕様を解説し明かしていって魅力を示したから今がある。


現状では数多くの有志の方々が議論や検証を重ね、その多くが判明してきているが黎明期はそうもいかなかった。
最重要システムといって過言ではない轟沈の詳細もあやふやで、
ふと轟沈に関しての話題を出すとそれぞれの持論をぶつけ合って議論にもなっていない論争が始まってしまうこともしばしばあったのだ。

運営から明言されている情報はいまだ少ない。なのでそれら以外は全てオカルトである、という暴言も100%否定することはできない。
そういった不安定さが災いして、過去にもプレイを戸惑うような噂が流れた。こと轟沈関連は取り返しがつかない。全体に支障をきたしたこともあった。
プレイヤー達が手を取り合って攻略を進めてきたゲームが艦これだ。今を崩したくなければ、悪質な噂に惑わされることはあっても惑わすようなことは決してしないように心がけよう。


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最終更新:2021年03月21日 20:51

*1 ちなみに、潜水同盟拳や石破ラブラブハイパー拳といった雷撃の一点集中も同じ原理で発生する