ペガッサ星人

登録日:2014/12/24 Wed 18:45:49
更新日:2024/03/06 Wed 23:27:17
所要時間:約 8 分で読めます





私は愛するペガッサを守るために、地球を破壊しなければならない。

悲しいことだ。私は地球を爆破する!



ウルトラセブン』の第6話「ダーク・ゾーン」に登場した宇宙人。

身長:2メートル
体重:120キログラム
声:日笠潤一

宇宙空間に浮かぶ巨大都市・ペガッサ市からやってきた宇宙人
非常に臆病な性格で、普段は「ダーク・ゾーン」と呼ばれる黒い影の中に隠れて出てこない。

武器として拳銃を携帯している。
また作中では未使用だが、大伴昌司氏の怪獣図鑑によれば目から「ペガッサ光線」を発する能力を持ち、
これによって対象を溶かしたり、どこでも夜に変えることができるという。
つまるところ「ダーク・ゾーン」もペガッサ星人の固有能力で発生させている、という事なのだろう。

正体は地球に衝突しそうになったペガッサ市から送られた工作員で、
地球の軌道が変更できなかった場合、地球を破壊する任務を受けている。

故郷のペガッサ星は高度な科学力を持っていたが荒廃してしまったため、
ペガッサ星人達はペガッサ星を見限ってペガッサ市を建設し、宇宙を移動している。
(当時の怪獣図鑑の記述によれば、更に巨大隕石の衝突で風化しきったペガッサ星は完全に止めを刺されてしまったらしい)
ペガッサ市は大きさこそ地球より小さいが、質量は8万倍もある物質で建設されている。
また、巨大な工場がありそこで水や空気も作り出している。

デザインは成田亨。ゴドラ星人をより動物的にしたバリエーションとのこと。


■『ウルトラセブン』本編での行動

影の中に隠れて、防衛軍基地内のアンヌの私室に現れる。
事故で重症を負ったと語り、ダンとアンヌの心遣いでしばらく部屋に留まる。
ダン達と打ち解け、自分のやってきた都市の話をするが、
同じ時にペガッサ市から動力系統の故障により地球に衝突するとの連絡が入る。

ペガッサ市との連絡がつかず、地球防衛軍はやむを得ずペガッサ市の破壊を決断。
ウルトラ警備隊はペガッサ市に向かい、市民に脱出して地球へ移住するよう呼びかけたが、ペガッサ市からの返答は無く、広大な都市には人の姿も気配さえ無かった。
それでも警備隊はギリギリまで踏み止まり呼びかけたが、タイムリミットが来てしまい脱出。ペガッサ市は破壊されてしまった。

一方、アンヌの部屋では影が自らの正体と任務をアンヌに明かし、地球を破壊するため行動に移る。
しかし、駆けつけたダンにすでにペガッサ市が破壊されたことを聞かされると逆上してしまう。
登場したセブンに銃で攻撃するがかわされ、アイスラッガーを顔面に受けると夜の闇の中へ走り去っていった。

なお、ペガッサ市がウルトラ警備隊からの避難勧告に応じなかった理由は不明。既に全市民が脱出していたのか、だとしたら地球に来たペガッサ星人は故郷の人々に見捨てられたという事に…。

ペガッサ星人と言うと、「髪を梳かすアンヌの背後に立つペガッサ星人」のスチール写真が知られているが、本編にはこのようなシーンは存在しない。
これは、特写用に後から撮影された写真で本編とは別に撮影された物である。

後付ではあるが、
  • 自然現象によって母星の環境が破壊された
  • 科学力で命を繋ぐ住人
  • 居住地は装置によって軌道が制御され、異常が発生すると他の天体と衝突の危険がある
というペガッサ星人の境遇は、セブン達M78星雲人とよく似ている。
ダンがペガッサ星人救出作戦立案時に大喜びしていたのは、彼らが他人に思えなかったからなのかもしれない。

伊東章夫氏のコミカライズ版『ウルトラセブン』では比較的映像作品に忠実な展開でストーリーが進んでおり、
ラストシーンでは読者に対してもし庭に涙目のペガッサ星人が佇んでいたら優しくしてあげて下さいという旨のモノローグで締められている。

また双葉社のムック本『ザ・怪獣魂』では、「もしペガッサ市に避難勧告が繋がっていたら」というIFで
地球の牛丼屋で店員として働く&客として訪れるペガッサ星人という、本編を知ってると何とも切ないイラストが掲載された事も。

ペガッサ星人がダンとアンヌにペガッサ市の事を話すシーンで説明されるのは「水や空気も工場で作っている」という科学技術の内容だが、準備稿ではベストセラーや音楽についての文化的な話だった。
ちなみに、その時に語られるペガッサ市のベストセラーは「馬鹿になる法」なる本であった。


ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作

地球人に化けた複数の生き残りが登場。どうやら『セブン』本編に登場した者以外も地球に潜入していたらしい。
故郷を滅ぼし同胞を虐殺した地球人に復讐しようとする強硬派と、地球に溶け込んで平穏に暮らす穏健派に分かれていた。

強硬派はゴドラ星人と手を組んで地球防衛軍の隊員になり代わって無力化を進めると同時に、
兵器として改造したダークゾーンに地球人を全て追放しようとしたが、穏健派リーダーの犠牲によってダークゾーンが消滅して失敗。
防衛軍隊員になり代わっていた者達も、ウルトラ警備隊によって極東基地が爆破された時に全滅したと思われる。


ウルトラマンジード

ウルトラマンジードに変身する主人公・朝倉リクの友人キャラとしてペガッサ星人の少年ペガ(声:潘めぐみ)が登場。
詳しくはこちらを参照。


ウルトラ怪獣擬人化計画

KADOKAWA版では爆天童氏がデザインを担当。
同氏による漫画作品『ギャラクシー☆デイズ』では第2話から登場。怪獣図鑑制作部の部長を務める(あみだくじで決まった)。
幼児体型なのを気にしており、その内成長するという希望を捨てきれていない。
ガッツ星人に執拗に構われているが、嫌がりつつも満更ではないようで、彼女が防寒の為にベムスターにモフモフしていた時はふてくされていた。

アニメ版では『怪獣娘(黒)』のメインビジュアルにブラック指令共々描かれている。担当声優は八木侑紀氏。
本名は平賀サツキといい、大人しく真面目な性格で融通が利かない一面も。ある日怪獣娘に覚醒しブラック指令にスカウトされる。
またアニメ版と世界観を共有した小説『始まりの物語』にも先んじて登場しているが、こちらは沢中イズミという名前のGIRLS隊員であり、サツキとは別人。


■その他、派生作品

小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では、ペガッサ星人は直接登場する事はないものの
星人の残した爆弾に搭載されていた岩盤を破砕して地中に潜行する機構が、事実上の「メテオール第一号」としてマグマライザーの採掘システムに組み込まれていたとされている。
同作によれば、ペガッサ市の悲劇は防衛軍の教本でも相当のページを割いて記述されているとされ、
40年近い時を経た『メビウス』の時代でも、地球を守るためとはいえペガッサ星人を犠牲にした一件が
極めて重く受け止められている事がうかがえる証左と言える。

ビデオ作品『ウルトラスーパーファイト』にも登場。声は島田敏氏。
鎖で縛ったメトロン星人相手にSMプレイを興じたり、タロウを怨敵ウルトラセブンと間違えて襲ったりする活躍を見せた。

ウルトラマンオーブ』22話「地図にないカフェ」でもカフェ★ブラックスターの常連客として、写真のみ登場。
また、第6話「入らずの森」の『サブタイを探せ!』の答えはペガッサ星人の初登場回「ダーク・ゾーン」だった。

『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』ではペガッサ星人ベガ宛の書類がペガッサ星人ペガの元に届き、一騒動が巻き起こる。
ベガ本人は登場することなく番組は最終回を迎えた……が、半年後に放送開始された『ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED』でまさかの登場を果たした
世界観の繋がりを持ったウルトラシリーズ枠とは言え、番組を一つ跨いで伏線が回収されるという斜め上の展開で、この流れを予想できた視聴者は流石に少なかった模様。

ゲームスーパーヒーロー作戦』においてもほぼ同様の設定で登場。
本作ではコントロール装置を破壊したのがETF(メフィラス星人他宇宙刑務所の脱獄囚が結成した互助組織)の差し向けたキングジョーであることが明らかにされている。
最終的に主人公たちの健闘むなしくTDF=地球防衛軍がライトンR30爆弾を撃ち込んで破壊してしまったため、
スペースノイド達(ヒイロたちの先祖)はTDFがコロニーを破壊しかねないと恐怖心を煽られた上、
銀河連邦警察からも「地球人は野蛮すぎる」と管轄外にされてしまう*1など、完全にETFの目論見が成功してしまった。
つまりペガッサ星人は、何の罪もないのにETFの策略の人柱にされてしまったのである…。
地球でダン達と交流した個体は、シナリオの進め方次第では原作とは少し違った展開になり*2謎の人物が爆弾を解除してくれる。

小説 仮面ライダークウガ』にほんの一瞬だがペガッサ星人のことが書かれたページがある。
どうやら(小説版ではあるが)平成仮面ライダーの世界にもウルトラマンは存在するらしい。



追記・修正は、涙目で庭に佇むペガッサ星人に優しくできる人がお願いします。

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最終更新:2024年03月06日 23:27

*1 実は銀河連邦警察としては、これを口実に地球を見捨ててETFや不思議界フーマなどの宇宙犯罪組織を地球に隔離しようとする思惑もあった。つまり、ペガッサ星人の危機を把握していながら見殺しにしたことも示唆されている。

*2 ゲーム的には戦闘やその後の展開に影響はない