和久隆

登録日:2014/12/22 Mon 23:58:03
更新日:2023/05/05 Fri 21:00:15
所要時間:約 7 分で読めます




おしっ!!やってやんぜっ!!




わく たかし
和久隆は、鬼頭莫宏の漫画『ぼくらの』の登場人物の一人。


通称:ワク
学年:中学一年生
身長:155センチ
血液型:B型
CV:阪口大助



自然学校に参加した中学生の一人で、性格は熱血・単純でお調子者な、いわゆる戦隊もので言う「レッド」の立ち位置にいる少年。
その立ち位置の通り、積極的な性格で15人の中でもリーダーシップをとっている。
その反面、仲間達の色恋沙汰といった敏感なものには鈍感な方。


…すなわち、一般的なロボット作品では「主人公」とされる人物である。



自然学校中の洞窟の探検で出会った謎の男「ココペリ」に誘われる形で「ゲーム」の参加者として契約し、巨大ロボット「ジアース」のパイロットになる。
コクピットの椅子は自室のパイプ椅子。




地元では、小学校時代サッカークラブのフォワードを務めており、クラブのエースとして注目を集めていた。
女子からもちやほやされプロのサッカー選手としての道を歩んでいくのが当然だと思われていたが、中学に入ると突然クラブを辞めてしまう。

その理由は、彼の父親が小学校時代、サッカーで全国選抜大会に出場していたことを偶然知ってしまったから。
なのに今の父親は平凡なサラリーマンで、根っからの野球派。おまけにそんな話を一度も聞いたことはない。

自分もサッカーに明け暮れた末にいずれ挫折し、中学時代を無為に過ごすだけなのではないか?
サッカーをやっていたのは目立ちたかっただけなのではないか?
そう将来を考える時間が欲しくてサッカーから離れた。自然学校に参加したのもそのためである。


そんな中ジアースに出会い、「未知の巨大な敵から地球を守る」役割を与えられ、その刺激に興奮し、人一倍やる気を示すようになる。
そして、ロボットの操縦者という「隠されたヒーロー」となるべく、戦うことを誓う。





そうこうしているうちに自然学校中、第一の戦闘が開始され、最初のパイロットとしてワクが選出。
敵怪獣『バヨネット』と交戦することに。

しかし、ナイフ形をとり機動性にすぐれた敵相手に近づくこともできず、右腕を落とされ苦戦を強いられてしまう。

そこで、モジのアドバイスから足の間に急所があることを見出し、落とされた右腕の位置を探知。そして…



どいつもこいつも、オレは、


サッカー、やっ!! てんだっ!!




海に落ちた右腕を大きく蹴り飛ばし、見事急所ごと敵を貫通することに成功。



初の勝利に歓喜する一同。興奮も冷めやらぬワクは、コエムシにジアースの外の襟首付近に連れて行くよう頼む。





大海原に向け、決意と喜びの雄叫びを上げるワク。

父親やサッカーのことで今悩んでいても仕方がない。

その時にそれを楽しめばいい。


そんな心地よさに浸りながら、
「じゃ、見られねーうちに戻るかー」
と軽口を叩く。


そこで、普段は協調性のないウシロが、珍しくノッてきた。
「恥ずかしいんだよ」と、軽く背中をタッチ。








すると、ワクの身体は力なく、500mの断崖となったジアースの淵から落下。
真下の海へと真っ逆さまに落ちて行った。



「え?」






その場にいた全員が硬直した。もちろん、当のウシロ自身も…。





そして二日後、ワクの死体は相当の損傷を受けた状態で海から発見された。
口裏を合わせるために、モジの嘘の証言で「ワクは自分と怪獣を見物しに行った時に波に巻かれた」ということにされた。
いくら不可抗力であったとはいえ、彼の死により、残された14人には大きな影を残すことになった。

遺体を確認しに来たワクの両親は、泣き疲れて憔悴しきった様子であった…。


しかし、検死の結果、ワクの死体は「海に落ちる前」に死んでいたと判明する。


そしてその通りに、次のコダマの戦いで、「操縦者は一戦闘ロボットを動かすごとに命を奪われる」というルールが開示され、その運命が決定的なものとなる…。




物語に深く介入できずに退場してしまった彼であったが、彼の死後に無情なゲームのルールが明かされたり、
ジアースが街中でまともに戦闘すると大多数の死者が出て、多くの人間に恨まれることになったり、敵の正体が平行世界の地球であるという事実が明らかになり、
最早彼の行いが「ヒーロー」ではないことが明かされる前に死んだのだから、ある意味一番幸福なうちに死んだ人物であると言えるだろう。


なお、その後パイロットの残り二人となったマチとウシロの遺族訪問で、最初に訪れたのが彼の両親の元であった。
二人はすべての真実を話し、彼の両親もまた、息子の思い出話を語り、二人の気概に感嘆を抱くのだった。




≪アニメ版≫
原作と同様、最初のパイロットとして選出。
原作とは異なり対戦相手「ビースト」がカマキリ型をとっており、腕をつかまれた際に原作と同様の決め台詞を言いながら足蹴で撃退した。
…サッカーが関係あるのかどうかは疑問だが。
また、彼の葬儀にパイロット14人全員が出席した。


≪小説版≫
原作とは立ち位置が大きく異なっている。
オリジナルキャラの車椅子の少女・コズエと親しくなり、自然学校中はいつも彼女の面倒を見ていた。
無自覚ではあったものの、ツバサから指摘されるほど、彼女にほのかな恋心を抱いていた様子。

初戦のコズエ戦において、立つこともままならない彼女のサポートを行いながら、大切にしていたお守りを託して彼女を励まし、見事勝利へと導く。
しかし、原作と同様のシチュエーションで、コズエはワクの手を離れて海へと落下。
彼に大きなトラウマを植え付けてしまう。
次のカコ戦では、調子に乗った挙句町を破壊するカコに憤りを示すようになり、「これはゲームじゃない」と原作とは真逆の自覚を得る。
さらに錯乱するカコを抑えるために彼の首を絞め、結果その状態でカコは死亡。
続くツバサ戦でも、彼女の幼馴染のモジが、彼女が見ている時にナギを裏切り見殺しにした結果、ツバサが絶望の中で死んでいく様を目の当たりにし、
戦闘を重ねるごとに追い詰められていく。

やがて四人目のパイロットとして選出された直後、国防軍に身柄を拘束され、公には怪獣被害に巻き込まれ死んだことにされてしまう。
自分の葬儀に見に行った時も、彼が目の当たりにしたのは葬儀の場で軽口を叩く同級生達。
「ヒーロー」とは程遠い自らの立場に、守るべき世界も失いつつある彼は、戦う意義を失っていく。
この時、戦うことを焦るチズに、身体で誘惑され戦いに身を投じさせるよう強いられるが、それも拒絶している。

そして始まる戦い。
敵性トミコローツ≪洋梨≫と対峙し、田中達軍人から≪人形≫を動かさないよう指示されるが、
戦闘意志を放棄した≪洋梨≫のパイロットが機体外に身を乗り出し、敵の正体が平行世界の地球人だと知ってしまう。
同じ地球人が相手だと知り、パイロットの少女にコズエを重ねてしまった彼は混乱し、国防軍の攻撃を妨害してしまい、さらに味方の戦闘機まで撃ち落としてしまう。
「オレは嫌なんだよ!誰も殺したくないんだ!誰も死んでほしくないんだ!」
そう悲痛な叫びをあげる彼に、チズは冷徹に呟く。

「じゃあ、あなたが死ねばいい」
そう言い放ち、彼女は混乱するワクを拳銃で脅していた庄治一等陸尉の手に指をかけ、引き金を引く。

胸を撃たれ、倒れたワクは、ヒーローになることも、殺人者になることもできずに、失意の中意識を失っていった…。


カンジの夢の理想の世界では、サッカーの道に戻って回復したナギのリハビリに付き合っていた。








オレは追記・修正やってんだ!荒らしじゃねえ。

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最終更新:2023年05月05日 21:00