結城友奈は勇者である

登録日:2014/12/13 Sat 23:42:23
更新日:2023/09/07 Thu 19:24:00
所要時間:約 21 分で読めます





神世紀300年、少女たちの物語―――。


※この項目には多数のネタバレが含まれます。反転は自己責任でどうぞ。

『結城友奈は勇者である』とは、MBSのアニメイズム枠で放映されていたTVアニメ。
1期「結城友奈の章*1」が2014年10月~12月、
2期「鷲尾須美の章*2/勇者の章*3」が2017年10月~2018年1月、
完結編である3期「大満開の章*4」が2021年10月から12月まで放送された。
その他、2021年4月~6月までショートアニメ「結城友奈は勇者である ちゅるっと!」が放送されていた。


概要

みなとそふとの代表兼看板ライターのタカヒロが2014年に送り出した「タカヒロIVプロジェクト」*5のうちの一作。
主人公の結城友奈は、プロジェクト発表時のキービジュアルになるなどこの中では中核をなす存在といえる。

あらすじ

いつからか西暦から別れた神世紀300年、人類はバーテックスなる存在により滅亡の危機に瀕していた。神樹の加護によりなんとか四国を防衛しているという状態である。
それでも、その限定的な生存圏で人類はそれなりに穏やかに暮らしていた。

結城友奈は、讃州中学の二年生。三年の犬吠埼風、同級生の東郷美森、一年生の犬吠埼樹と共に勇者部という部活をしながら楽しく中学生としての日常を送っていた。
勇者部とはいっても、ボランティア活動などを中心にしたお助けクラブ的なものである。
しかし、そんな日常はある日スマートフォンから響くアラームと、見たこともない樹海なる世界に迷い込んだことで一変する。
神樹を管理する大赦という組織により、讃州中学勇者部の四人は「勇者」として選定されてしまったのである。
かくして、大赦より送られた助っ人である三好夏凜を含めた勇者部5人は、神樹の防衛のため、四国に迫るバーテックス12体の討伐に乗り出す。
その果てに待つ運命の重さを、知らぬまま…

登場人物

結城友奈(CV:照井春佳)
讃州中学二年の本作の主人公。
主人公にしては異常な鋼メンタルのクウガ系女子であったが…
…まさか、本当に雄介流星まどっち並に苦しい宿命を背負う事になるとは誰も思わなかった。
該当項目参照。

東郷美森(CV:三森すずこ)
讃州中学二年生。友奈とは家が隣同士で、引っ越してきた時に友奈に声をかけられて現在では親友同士である。
事故のため脚が不自由で、時折友奈のサポートを受けつつ車椅子生活を送っている。引っ越してくる前の記憶が曖昧だったり某かの秘密がありそうであるが…?
ちなみに本作屈指のネタキャラでもある。
該当項目参照。

犬吠埼風(CV:内山夕実)
讃州中学三年生で、勇者部創設者にして部長を務める少女。
行動力が優れており、料理や家事全般が上手いなど女子力は高い。
が、大食いで大雑把だったり、中二病的発言をしたり、自ら女子力が云々とか言ってしまうため割と台無しになっている。
豪放磊落であるが、勇者部のことで先輩が故のジレンマを抱えセンチになることも。
該当項目参照。

犬吠埼樹(CV:黒沢ともよ
讃州中学一年生。風の妹。
控えめな性格で、姉を尊敬しその庇護下にいつもいるが、その現状に疑問を持っている。
ただ、姉に対するツッコミは割と辛辣。
実は友奈に匹敵するほどの鋼メンタルの持ち主
該当項目参照。

三好夏凜(CV:長妻樹里)
三話で大赦から讃州中学にやってきた勇者。二年生。通称にぼっしー
他者とのふれあいで丸くなるツンデレのテンプレ
該当項目参照。

乃木園子(CV:花澤香菜
かつて勇者として神樹を守り抜いた英雄。前日譚である『鷲尾須美は勇者である』でも登場した勇者。
『鷲尾須美』編最終話での激戦の末に多くの体機能を喪っており、現在は寝たきりで生かされている状態である。
自分の全てを賭けて神樹防衛を完遂した彼女を無碍にするわけもなく、大赦はに等しい存在として祀り上げ大事に保護している。
該当項目参照。


用語

神樹

四国を人類の生存圏として守っているもの。
具体的には障壁を発生させ、四国以外を襲った殺人ウイルスから人類文明を守護している。
また、他の地方や外国との交流が一切不可能なのに物資が不足したり困窮している様子がなく、人類が概ね現代レベルの生活を維持しているのも、神樹の恵みによるもの。
そのため、神世紀においては広く信仰を集めているらしく、中学でも神樹の方角に一礼するのが通例となっている。
なお、四国以外を襲ったウイルスは四国以外の日本列島のみならず、五大州すべてを滅ぼしているらしい。なんてこった…
その正体は天の神の意志に反して人類に味方した神々が一つとなったもの。
なんという聖人…いや神か。

大赦

神樹を管理し、勇者システムを開発した組織。
西暦時代は「大社」名義だったが、年号が神世紀に改められたことを契機に現在の名前になった。
実質人類文明を生かす存在であるため、彼らの権威はあらゆる組織に優越する、らしい。
いくつかの名家と呼ばれる血族が中枢を成している。園子はそのうちの一家の出身。
にぼっしーの兄は勇者になった妹のおかげで取り立てられたり、満開をしてでも12体を撃破した勇者部に慰安旅行を用意したり勇者やその周りへの手当はわりかし手厚い。

色々と黒さが目立つため、視聴者のヘイトを集めている。
少女に力を与える存在ということでQBや繭を連想する視聴者も少なくない。
が、彼らの尽力と神樹の力がなければ人類文明はとっくに無に帰していたため、一概に悪と断じることは出来ない。

バーテックス

頂点を意味する名を持つ謎の存在。今のところ人類と神樹以外に危害を加える気配がなく、通常兵器は一切通用せず勇者のみが対処出来るということはわかっている。
黄道十二宮を意味する名を持つ12体が存在するとされる。
複数体での合体能力を備え、出現周期を見切られるとリズムを崩すかのように猛攻を仕掛けるなど、常に人類の上を行こうとするようなフシがある。
項目参照。

勇者部

風が作った部活。「人が喜ぶことを勇んでやる」をモットーに探しや幼稚園で人形劇を演じるなどボランティア活動を行う。
SKET DANCE」のスケット団的な掴み方で概ね大丈夫。
しかしその正体は、大赦の命を受けた風がこれぞと見込んだ少女を勇者候補生として発掘・キープするための部活である。
もっとも、この手の大赦の命を受けたグループは各地にあるらしく、友奈たちが選ばれたのはたまたまである…

偶然選ばれたはずの讃州中学勇者部に鷲尾須美…いや、東郷美森がおり、
その近所に勇者適性値全国トップクラスの友奈がいたのは大赦の差し金だったらしいので、やはり意図はしていたようだ。

勇者部五箇条→勇者部六箇条

一、挨拶はきちんと
一、なるべく諦めない
一、よく寝て、よく食べる
一、悩んだら相談
一、なせば大抵なんとかなる
一、無理せず自分も幸せであること

以上からなる、勇者部のスローガンである。
ピンチの時に友奈が口走るとほぼ確実な勝利フラグとなる。
友奈の強靭なメンタルの根幹をなす言葉と言えるかもしれない。
満開の件で「悩んだら相談」を適用した結果風先輩のメンタルがボドボドになったとか言ってはいけない。
にぼっしーにとっては、勝利フラグと再起不能フラグが同時に立った言葉となってしまった…
まあ後者は折れたんだけど。

ぼた餅

ぼた餅(迫真)
東郷の特技の一つ、和菓子作りスキルが活かされた一品である。
その味は友奈も太鼓判を押す。
食えよ、にぼっしー(迫真)
SNSでは東郷が何度も発言する。

アルファ波

東郷が時々謎の掌の動作で発生させるもの。
曰く「大抵の事はアルファ波で説明がつく」らしい。
特典ゲームではこれを自分自身にかけて風邪を治したという話も…。

勇者システム

大赦が開発した対バーテックス用システム。システムと適応する少女のみ使える。
説明すると長いので該当項目参照。

樹海

バーテックスとの戦いのために神樹が用意する異世界。バーテックスの出現とともに現れる。
長い時間バーテックスが存在すると現実世界には事故などに置き換えられて影響が顕現するので、勇者には速戦即決が望まれる。

コミック版

電撃G'sコミックで連載。
著者:かんの糖子
全5巻
電撃G'sマガジンで勇者部の日常を描いた4コマコミック「結城友奈は勇者部所属」続編の「結城友奈は勇者部所属ぷにっと」を連載。
著者:娘太丸
全3巻、ぷにっと全2巻

ゲーム版

2015年2月にフリューから「結城友奈は勇者である 樹海の記憶」が発売。
機種はPSVITA。
時系列は第3話と第4話の間。

アプリ版

2017年6月から「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」が配信。
開発はオルトプラス。
時系列は結城友奈の章終了時点から勇者の章に入るまでの間。
他の「勇者である」シリーズから時代を超えてキャラが一堂に集うクロスオーバーRPG
2022年10月28日にサービス終了。

小ネタ

  • BD1巻には、みなとそふと謹製のPC用ノベルゲームが付属する。猥褻は一切ないので未成年にもごあんしんだ。
  • BD/DVD1巻のCMナレには勇者の大先輩が起用された。早くバーテックスを光にしてくださいよォ!
  • アニメイズム枠での放映だったが、2015年1月からは『蒼穹のファフナー EXODUS』がこの枠で開始された。
    奇しくもうら若き少年少女が命を削りながら圧倒的脅威と戦うアニメである。何の因果であろうか…
  • BD6巻には、みなとそふと謹製のPC用ノベルゲーム第2弾が付属される(初回版限定)。本編の後日談的作品となる。

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  • 大満開の章
  • 鬱展開
  • 神vs人類
  • 感動のラスト
  • 涙腺崩壊

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最終更新:2023年09月07日 19:24

*1 1期の最後にそういう記述がなされている。そこから、この物語はバーテックスとの戦いの一編にすぎず、勇者の戦いは新たな代へと移り、永遠に続くと思われる。しかも「結城友奈の章」は完結したと見せかけて、友奈はなおも戦い続けていることが示唆されている。作品タイトルの本当の意味は「結城友奈(だけ)は(一生)勇者である(ことを強いられている)」といったところか。

*2 前半6話。前日譚「鷲尾須美は勇者である」のアニメ化。

*3 後半6話。こっちが1期の続き。また、前半と後半との間に、1期の内容を1話にまとめた総集編が放送されている。

*4 「勇者の章」の補完を描いており、過去編「乃木若葉は勇者である」と外伝「楠芽吹は勇者である」のエピソードも取り入れられている。

*5 第一弾:少女たちは荒野を目指す、第二弾:アカメが斬る!のアニメ、第三弾:この作品の前日譚である鷲尾須美は勇者である、第四弾:本作。