ラファエロ・ヴァンデラス(牙狼-GARO-)

登録日:2014/12/13 Sat 16:26:56
更新日:2023/01/04 Wed 07:01:08
所要時間:約 13 分で読めます






我が名はラファエロ・ヴァンデラス。かつて、黄金騎士の友であった者だ。


ラファエロ・ヴァンデラスとは、牙狼シリーズ第5弾・『牙狼-GARO- 炎の刻印』の登場人物。
堅陣騎士ガイアの称号を持つ壮年の魔戒騎士である。
は天神英貴氏。主にガンプラやマクロスなどのプラモのボックスアートを生業としているが、洋画吹き替えでも渋めの演技を得意とする。アニヲタ的にはHUNTER×HUNTERゴレイヌさんでお馴染み。

なお、本編のアバンタイトルの後流れる「陰我あるところホラー現れ…」のナレーションも天神氏が担当している。


概要

第3話『契約 -ZARUBA-』のラスト、メンドーサ配下の者に憑依したホラーに襲われるアルフォンソ・サン・ヴァリアンテ王子を救うため鎧姿で登場。
本格的な登場は第5話『堅陣 -GAIA-』から。
厳格な顔つきと顎鬚、袖の破れた黒い魔法衣からは壮年のものと思えないほど逞しく磨かれた筋肉が目を引き、
片手のみで魔戒剣を振るい、黙々と倒すその様は『強い!絶対に強い!』という存在感を見せつけた。


戦闘力

振るう魔戒剣は青い柄から伸びる長剣状であり、これを生成しているソウルメタルの特性で持ち主の精神次第で重くも軽くもなる。
そこから放たれる剣戟は細長い刀身とは思えないほど重々しく、武術を指南されたアルフォンソでも受け止められるのがやっと。
熟練の騎士なのか、鎧も使える時に使う主義で、ホラーの気配の察知にも優れているが、目と鼻の先でもそれを嗅ぎ付けると容赦なく刃を振るう。
そのため、アルフォンソにホラーの返り血がつかないかハラハラした視聴者も少なくないだろう。*1

とはいえ、短期間でアルフォンソを鍛え上げるほどの力量を持ってはいるため、どこぞの絶倫騎士に比べれば師としての志と指導力は優れてはいるようだ。
アルフォンソ本人も、ラファエロを『殿』づけではなく『師匠』と呼べる仲に進展している様子がそれを物語っている。

魔導馬の召還は不明だが、熟練の騎士のためかソウルメタルが精神に左右される特性を応用し、第9話『師弟 -NEW HOPE-』では地獄の門のごとき巨大なホラー・アンフェルの放つ光弾を空中で高速移動し難なく回避。
その勢いを保ったまま突撃しガロの鎧の後継者たるレオンの窮地を救った。


性格

性格は不言実行、という言葉が似合うほど寡黙で実直。

第5話では己の血筋と宿命を悟り国を救わんと先走るアルフォンソの腕を確かめた後、魔戒剣を手渡しそれを振るえぬ力量と知ると
「血筋だけでは何もできぬ。今のお前では、鎧を纏うことも叶わぬ」と辛辣に評価する。

それでも後に続き、バルドナ宮殿で領主ロメロが醜く変貌したホラー・ジェミトレに立ち向かったその姿を見定め、ガイアの鎧を召還し切り払った後、

「ヴァリアンテの民を救うため、私にホラーを討つ術を教えてください。そのためならば……どんな苦難でも乗り越えてみせます!!」
「……承知した。このラファエロ、持てるすべての技を貴様に授けよう」

と、真の勇気と覚悟を見たのか、アルフォンソを弟子として迎え入れ短期間でソウルメタル製のバスタードソードを振るえるまでの腕に成長させている。
また、第9話ではアルフォンソが師に料理を振る舞う場面があるように、一人旅の中でも生き抜けるほどの術も伝えているようだ。

かつて一人息子がいたが、ガイアの鎧を継承する前に戦で命を散らしており、それが未練として残っているのか、密かに後継者を探し求めていた。
弟子たるアルフォンソにも、息子の面影を重ね合わせることがあるものの、
その未練と蝕まれた病魔を悟らせまいと振る舞うあたり、「守りし者」として弱さを見せない己が使命を貫く強さを持っているようだ。

また、先代のガロであるアルフォンソ(&レオン)の祖父が、武芸に秀でたまさに鬼神のごとき人物でありながら政治にいささか疎いとのことで、政治の面では彼が先代ガロに代わって務めていた。
生まれたばかりの先代ガロの次女たるエスメラルダの素性を隠し、貴族の養子縁組を行ったのも彼の計らいによるものであるが、彼女が王妃にまでなるのは予想だにもしなかったようだ。
また、関所で偽造の法王長の赦免状を門番に手渡したり、バルドナ地方に向かうための馬を得るための馬市での交渉にも長けているあたり、暗黒の時代を生き抜く術も持っているようである。



堅陣騎士ガイア……参る!

堅陣騎士ガイア

ラファエロが魔戒剣を上空に掲げ、緩やかに円を描くことでガイアの鎧を召還。
『堅陣騎士』の二つ名が示す通り、召還時には地表に地割れが起きるほどの重装甲を誇る。
全体的に濃紫色だが、所々にのライン、手甲部と腰に三つの青水晶(∴)、背部に通常時の魔戒剣の柄の色と同じ青のマントが施されている。

魔戒剣も通常時と異なり、鍔部に青水晶が施されたガイアの紋章のある両手持ちの大剣に変化。
威力も相応のものとなり、剣先から放つ衝撃波も攻撃の手段となる。
地に刃を走らせる事で緑の炎が迸るのが最大の特徴であり、
その威力は、自身の2倍ほどの身長を持つジェミトレを一気に焼き尽くすほどに強力。

鎧を纏う際に流れる専用BGM「ラファエロ・ガイア召喚」は壮厳なスキャットと重厚なギターサウンドが特徴。二つ名に恥じぬ静かで壮大なテーマを奏でていく。

なお、瞳の色はオレンジだったが、ラファエロからアルフォンソに鎧を継承した瞬間に瞳と炎の色もとなり、鎧の形状もアルフォンソの体型にフィットしたスリムなものに変化している。


継承

ラファエロを蝕む病魔は進行し続けていた。
一刻も早くアルフォンソに鎧を継承させるため、彼は火中の栗を拾うかのごとく性悪ロリババア神官ガルムに修行の相手となれる強力なホラーの討伐を志願する。
その相手は、『オルビエンのキマイラ』と呼ばれるはぐれホラー・アンフェル。
人がオルビエンと呼ぶ古い街道に時折現れ、行く先々の村や町で手あたり次第人々を丸呑みし、何人もの騎士や法師までも喰われ、その骸を飾りのようにぶら下げてるといわれている。
死ぬやもしれぬぞ、ガルムに脅しのように呟かれても彼はこう切り返す。

「……時間がない。そこで死ぬのなら、それまでの器だ」

アルフォンソをひとり『オルビエンのキマイラ』討伐に向かわせた後、吐血し気を失うラファエロ。
深い眠りの中で、壮年の騎士は一人息子の死の記憶を思い出す。目を覚ました後、先代ガロが彼の目の前に立っていた。

「なんだ……俺のケツを叩きに来たのか……?心配するな……俺にはまだ、やることがある……」

夢か現か幻か……朦朧とする意識の中、彼はかつての友に向かい呟く。
すべては、残された者のために。


『オルビエンのキマイラ』と対峙したレオンとアルフォンソは、互いに連携をとり門番の死神のオブジェと本体の石碑を破壊する。
しかし、地獄の門から歪な口が現れ眩い閃光が放たれる。山をも抉る圧倒的なその力と無数に放たれる閃光に苦戦を強いられる二人。
「無理なのか……私では……?父上……母上……」
ガロの鎧を纏ったレオンをも圧倒、崖にその巨体を押し付け彼を潰さんとするアンフェル。鎧もなく、救える力もないまま、『光の騎士』かもしれぬ黄金の騎士が蹂躙される様をただ見届けるしかないのか……歯噛みし瞼を閉じるアルフォンソ。

呆けている場合か!!
一度剣を握ったなら、死ぬまで歩みを止めるな!!
己の鼓動が止まる最期の瞬間まで!!
魔戒騎士の務めを果たせ!!

その窮地を救わんと、この叫びと共にガイアの鎧を召還しアンフェルに立ち向かうラファエロ。
無数の光弾をかわし続け、突撃しレオンを救い出し、大剣を門に叩き付け牙を消し去る。
しかし、病魔はすでに鎧を纏うラファエロの力を確実に奪っていき……背後から無数の爪が堅陣の騎士を串刺しにした。

もはやここまでか、と己の死に場所を悟った壮年の騎士は、若き騎士に大剣とガイアの鎧を託す。

アルフォンソ、剣を取れ!!
我がガイアの鎧、貴様に託す!!
こいつが再生する前に、早く討て!!

しかし、私にはまだ……!

今のお前にならできる!!
私は、このために来たのだ!!
我が鎧をもって、魔戒騎士とな……

遺言が伝わる前に、血肉を欲するホラーの食欲が早かったのか、地獄の門から現れた蛭のごとき無数の口がラファエロの肉体を飲み込んでいった。
しかし、アルフォンソには彼の遺志が理解できた。『魔戒騎士となれ』……と。
主を失い、水晶の輝きを失った紋章の大剣を手にし、アルフォンソはガイアの鎧を身に纏う。
決意と怒りと哀しみが若き王子の瞳に蒼き炎を宿し、アンフェルの無数の口を難なくかわし、雄叫びと共に『オルビエンのキマイラ』を討ち貫いた。

アルフォンソ……

師匠……!

『時たゆたう場所』で、堅陣の師弟は最後の会話を交わす。
肉体を失いながらも、ラファエロは厳しくも、どこか穏やかで満ち足りた顔をしていた。

我が死と共に主を失い、彷徨う運命であったガイアの鎧……
お前と言う継ぎ手を得て、私は幸せだ……

師匠……ありがとう…ございました……!私は……!!

往け、新たなるガイアよ!!
私を越えて、すべてを救う騎士となれ……!!

蒼い閃光と共に、アンフェルは消滅し、新たなる騎士が生まれた。

闇夜の中、涙ながらに水晶の輝きを失ったガイアの剣を手にしながらアルフォンソはむせび泣く。

私は……あなたの剣にかけて誓う……
必ず、この国のホラーを討ち果たし、人々を守ってみせると……!!


第9話をもって退場したかと思われたラファエロ。
しかし、最終話『光芒 -CHIASTOLITE-』にて満身創痍となりながら半壊寸前の青鞘の魔戒剣を手にしたアルフォンソの耳に懐かしき声が響く。

立て!アルフォンソ!!
一度剣を握ったなら、死ぬまで歩みを止めるな!!
鼓動の止まる最期の瞬間まで!!

師匠……!!

立て!!我らの戦いは、まだ終わってはいない!!
ガイアの鎧を継ぐ者として、魔戒騎士の務めを果たせ!!

『時たゆたう場所』で師の言葉を聞いたアルフォンソはヘルマンの魔戒剣をレオンに投げ渡し、エマと共に魔界のゲートを保持するのを手伝う。ラファエロの叱咤激励がなければ、アルフォンソはここまで来れなかったし、レオンが人間界に帰還する事もできなかっただろう。

戦いは終わり、ヴァリアンテ国は復興の道を歩むが陰我ある限りホラーが消えることはない。
アルフォンソはこれからもヴァリアンテの民を守り続け、ラファエロもまたガイアの英霊として彼を見守ってくれるだろう……。


余談


  • ラファエロ役の天神氏はボックスアートが本業なのだが、テレビ東京およびCS放送(スターチャンネル&ファミリー劇場)で放送されたラファエロ退場回である第9話の終了後、天神氏描き下ろしのガイアの鎧がEDカードを飾っている。
    しかも瞳の色もオレンジ。所々に刻まれた模様と全体的な塗り方のおかげでラファエロが纏ったガイアの鎧の重厚さが伝わって来る。

  • ファミ劇では本編終了後の「ゆるがろ」でララがボケまくってアルフォンソとレオンの出会いやら鎧の継承やらが台無しになるという事態に…。
    おまけにララからは「『ラファエロ』のエロは汗でできてるの♪」というしょうもないボケを出してしまうのだった。
    アルフォンソ「誰かこいつを止めてくれ~!!」

  • ガイアの鎧を纏うラファエロは歴戦の勇士のためヘルマンベルナルドと同様魔導馬の召還も可能だと思われるが、
    馬を披露する前にラファエロが退場してしまったため、その雄姿を見るにはアルフォンソがホラーを100体以上送還する必要があった。
    当のアルフォンソ本人が第12話『暁月 -BLOOD MOON-』では心滅獣身に陥り民までも巻き込んだレオンからガロの鎧を強制解除させ、自身の黄金騎士の血にすべてをかけてガロの鎧を身に纏ったため、ガイアの鎧の継ぎ手が再び空位になるという事態に陥っている。
    第18話にてレオンが真の覚醒を果たし、アルフォンソが再びガイアの鎧を纏うまでその去就が気が気でならなかった視聴者も多かったであろう。

  • そんなガイアの魔導馬は劇場版『DIVINE FLAME』にてお披露目。
    その名もテンジン。狙ったのか不明だが、ラファエロ役の天神氏から由来している。
    そのためか、映画のイベントでも天神氏がアルフォンソ役の野村勝人氏に「お前俺に乗られるの?」と爆弾発言したとか…。


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最終更新:2023年01月04日 07:01

*1 ホラーの返り血を浴びた者は100日経つと気絶するのも許されない激痛と悪臭の中で肉体が腐りゆき、ホラーにとって最高の食物と化す。とあるシリーズでは『血のドルチェ』とも呼称される