ウリス/五十嵐留未

登録日:2014/12/13 (土) 05:45:03
更新日:2022/09/13 Tue 13:29:27
所要時間:約 10 分で読めます





あなたと戦えて、楽しかったわ?あなたみたいな、くそったれとね。 ~ウリス~


トレーディングカードゲームWIXOSS及びアニメselector infected WIXOSS/selector spread WIXOSSに登場するルリグ
CV釘宮理恵

スターター「ブラックデザイア」と第2弾「ステアードセレクター」より参戦した黒のルリグで、限定のシグニは悪魔を有する。
銀髪のショートヘアで頭に包帯のような布が付いている。服装は白いピッチリスーツで肩辺りは露出している。…がこの姿はウリス本来の姿ではない。

ユヅキ・エルドラ達と同様に1期組としては一足遅れての参戦だが、タマのライバルポジションにいる為か強化される頻度は多い。
命名ルールとして、レベル1以上は《○○の閻魔 ウリス》で固定され、○○には不吉な単語(阿鼻・叫喚・罪門など)が入る。

山札破壊・レベルダウン・自身のシグニへのチャーム・自身のシグニを犠牲にしてライフクロス回復…と、他の黒のルリグと比較してできる事が多いのが特徴である。
一方で、自分の山札が無くなリフレッシュが発生すると途端に弱体化してしまうので、山札を消費し切るタイミングを調整する必要がある。


アニメ第1期infectedでは浦添伊緒奈のルリグとして登場。初登場は第3話。

無口無表情な伊緒奈とは対照的に饒舌で好戦的。相手の精神に突き刺す暴言や核心を突く言葉を次々と言い放つ煽りプレイ・心理フェイズの達人。
植村一衣との対戦を振り返って「いじめがいがあった」・蒼井晶を見て「どのように泣くかが楽しみ」と言うなど、高い嗜虐性も持っている。
無口でポーカーフェイスな伊緒奈の代わりに相手を煽り挑発することが多い。また、タマと同じく戦いを楽しんでいるような表情・言動が多い。

口癖は「くそったれ」
伊緒奈に対しても「くそったれ」呼ばわりで絆のようなものは存在しない。
それでも互いの強さを利用しあうことで勝ち残り、夢限少女の権利を得る(伊緒奈の願いを叶えるための条件が揃わず、長い間権利をペンディングしていた)

1期最終話にて伊緒奈と夢限少女の宣誓を行い、彼女の身体を得て「浦添伊緒奈」として活動を開始する。

第2期spreadでは、自分のセレクターだった伊緒奈の「自分より強いセレクターのルリグになって永遠にバトルし続けたい」と言う願いを叶えるため、
不本意な形でタマを失いイオナのセレクターとなった小湊るう子に他のセレクターをけしかけるべく暗躍している。

なお、ウリス自身の願いは「全て剥き出して戦えるセレクターバトルで対戦相手の心を壊して、絶望する姿を見続けたい」であるため、ルリグになることへの葛藤の類は全く無い。

その一環として、一度は3敗してセレクターの資格を失った蒼井晶と接触し、演技達者な一面も披露し籠絡。その後、ミルルンを斡旋してセレクターに復帰させた。

続く4話にてタマのセレクターになり、ちより・エルドラコンビに接触しセレクターバトルを行い一方的に打ち負かす。
さらに7話では、一衣を人質に取ってるう子を誘い出した晶を褒めるのかと思いきや飛び膝蹴りを食らわせ、そこでるう子達に自身の人間だった頃のおぞましい過去、このセレクターバトルに参加した動機を明かす。
そしてるう子と対戦し、るう子がイオナをレベル5のアルテマ/メイデンにグロウするのを見越して“奥の手”を繰り出し、タマをレベル5の黒点の巫女へグロウしてるう子に初めての黒星を付けたのだが、その後病んだ晶にボールペンで刺される。

しかし、9話では刺された事を微塵も意に介さず、それどころか繭やタマの話題に興味を向け話題を切り替えているなど、先の描写等まるで何事も無かったかのような展開で、その後もあっさり退院し、病んだ末に恐ろしい願いを持った晶とセレクターバトルをし、彼女を黒点の力で一蹴。
再び夢限少女となった彼女は(諸事情あったが)繭のルリグとなり、繭と共に11話でるう子・ユキと対決する。


【人物・強さ】
大勢のセレクターを(精神的に)壊して楽しむだけを理由にセレクターバトルの参加している、というテンプレ悪役的で単純明快な目的。
また、るう子のような底の知れない人物や繭の分身体である伊緒奈(クロ)やタマのような人外キャラでは無くあくまで一般人という、ある意味それだけで雑魚、かませフラグが立ちそうな設定を多く持っているが、実際はルリグとしてもセレクターとしても他の一般人設定キャラを寄せ付けない力を持ち、彼女達のような人外キャラと同等の扱いを受けている。

具体的には、
  • クロの姿で伊緒奈の元に送られる。
  • 繭に特別ルリグのタマを渡される。
  • バトルフィールドを崩壊させる1期最終戦に参加する。
  • 黒幕の繭のルリグとなりLV5形態を披露する。
  • 繭のルリグとなった事で実質、繭との2ラスボスポジションに。

またセレクターとしての実力は桁違いで、
  • 伊緒奈のルリグになる前のセレクター時代から、大勢のセレクターを相手に無双し絶望へ叩き落とす。
  • 伊緒奈と入れ替わって再度セレクターになり、タマを使い、ちよりや晶を一蹴。
  • アニメではるう子しか成しえなかったルリグのLV5化を難なく成功させる。(後に繭もウリスのLV5化を成功させている)
  • 1期、2期を通して今まで無敗だったるう子さえも打ち負かす。
  • るう子を負かした後、晶を一蹴しそのまま夢限少女になってしまったため、作中ではセレクターとしては最後まで一度も敗北せずにセレクターを辞めるという勝ち逃げをしてしまっている。
と言った実績がある。

セレクターとしてのラスボスポジションである繭でさえ、ルリグのLV5化が出来る事を除けば粗の多いプレイングで、ゲーム開始直後からるう子に押され続けてしまっている事もあり、
ファンの間ではウリスが作中最強のセレクターという声も大きい。

WIXOSSだとやはりばあちゃん最強は揺るがないかもしれないが。

また、作中の人物の中ではメンタルが強く、中盤まで余裕の表情を保ち続けた黒幕の繭でさえ後半は常時取り乱しっぱなしにも関わらず、
ウリスだけはキャラとしてはほとんどブレが無く、晶に刺された後も(流石に痛かったのか直後にうずくまってはいたが)特に刺された事について意にかえさなかった。
また浦添伊緒奈を演じるため、表向きは物静かに振る舞ったり、演技で晶を懐柔する等対人関係での立ち回りも上手い。


…と言った具合にあくまで設定上では前述のようになるが、
劇場版の描写も含めるとストーリーのポジションとしてはウリスは繭に並ぶもう一人のラスボスであり、前述の高スペックもメタ的にはポジション故である。
この二人は自身の能力を利用し大勢の少女を絶望させてきたセレクターシリーズの二大悪であり、繭はセレクターとしての実力は高くない代わりに、話術と運営権限を利用し少女達を絶望させている。
一方のウリスは運営権限を持たない代わりに、自分の望んだ勝敗を好きに決められるに等しいレベルの圧倒的なセレクターとしての実力を持っており、
繭以上の話術で大勢の少女達を絶望させている。

また、ほぼデメリットしかない誰得仕様故に大半の少女が翻弄されるセレクターシステムさえ、ウリスはデメリットしかない仕組みを少女を絶望させる為に逆に利用し、
普通は苦になるであろうルリグ化もウリスにとっては苦にならない所か、むしろご褒美になっており、この誰得システムを、実質的に自分の欲求を満たす為の玩具にしてしまっている。

それぞれが絶望させる対象はルリグを絶望させるのが繭で、セレクターを絶望させるのがウリスと言ったところだろうか。

さらに劇場版では前半のナレーションが繭、後半のナレーションがウリスという形式をとっている。

そして、シリーズの最終戦は異なる場所で大勢の少女達を相手に猛威を振るい続けたこの二大悪がついに同じ場所で邂逅して手を組むという、
まさにシリーズに最後に相応しい形式なのだが…


二人は手の組み方を間違えた。


最終戦は繭がセレクター、ウリスがルリグというポジションだが、セレクターとしてはるう子さえも負かす実力のウリスもルリグではセレクターの腕前に委ねるしか無く、
今まで自分のルールで少女を翻弄し続けた繭もWIXOSSという他者の作ったルール下で戦うとなれば、これまでの様に自分の思い通りの展開を描けるはずもない。
つまり、互いの長所を潰してしまうというポジションを選択してしまったのだ。

そのため、るう子側が終始優勢な展開での決着となり、1期の伊緒奈戦の方がラスボスらしかったという意見も少なくは無い。


+ 劇場版「destructed」において

知ってる?…幸って漢字は、一つ棒を抜くと、辛いになるんだよ。

えっ?

一人になると辛くなるよ。

辛くなっちゃえ


再編集版である劇場版では、TVでは自身が語るところしか明らかにならなかった過去について描写されている。

本名は「五十嵐留未(るみ)
幼い頃に母親を亡くして叔父母である戸賀崎家に引き取られたが全く心を開かず、生きた蝶の羽を千切ってヤバい笑みを浮かべる、上記のセリフの後に赤信号の横断歩道にヤバい笑みを浮かべながら飛び出すなど精神を病んでしまっていた。(ちなみに、この時の留未は7~8歳の設定)
記念すべき劇場版の開始数分でバラされた蝶とサイコ幼女が出てくるselectorって……

引き取られた先の叔母からも疎まれているが、戸賀崎家の一人娘「戸賀崎(さち)」からは懐かれていた。(当時の幸は5~6歳の設定なので、留未の方が年上となる)
…もっとも留未としては付きまとってくるのをウザがっており、ある日彼女を外出先で放置して一人で帰ってくる騒動を起こし、ついに堪忍袋が切れた叔母によって施設送りにされてしまう。

その後もひたすら嗜虐性を磨き続けながら学生となり、セレクターバトルと出会ったことで自身の欲求のままに戦い続ける場を手に入れるのだった。


何故このような人格になってしまったのかの詳細は不明なままだが、2期序盤にあたる時期の追加シーンで彼女の「本心」が垣間見れるシーンがある。
伊緒奈の身体を得たウリスは、幼い頃のように衝動的に車道に飛び出すが、近くにいた中年男性に助けられる。
叱責する彼に「何故助けた」「助けるならずっと助けて欲しい。出来無いなら放っておけ」と鬼気迫る顔で吐露するウリスに、男性は思わず「気持ち悪い!!」と叫び逃げ出してしまった。おっさんの割に悲鳴が若い。

母親を亡くし、叔母からも疎まれた『留未』は、自身の支えになれるはずだった幸をも突き放し、孤独を求めた。
しかしその本心は、そのような自分すらも愛してくれる存在を求めていた。

劇場版主題歌『Love your enemies』の一節「leave me alone, but feed me love.(私を放っておいてくれ。だけど私に愛を与えてほしい)」は、劇場版の留未の心情を理解する一助となるだろう。
(一応この曲自体は、るう子をイメージしているとのことだが……)

ただひたすら自身を愛そうとしてくれる幸を「もっとも美しいもの」と呼ぶ留未。
しかし、晶に刺されて入院した病院で、ウリスは自殺を図り昏睡状態となった幸を目にする。
理由は分からないが、彼女ですら自殺を図る事態が起きたと知ったウリスは「最も美しいものが壊れた」「幸が壊れる世界なら、どんなものでも壊せる」とつぶやく。
そして彼女は晶とのセレクターバトルに勝ち、夢限少女となり、るう子とユキ、そしてタマを、繭とともに迎え撃つ。

TVと同じくマユとなったユキ・タマと死闘を繰り広げるも、繭がるう子に心を開いたことで白窓の部屋が崩壊。
「この期に及んで友達ごっこか!?」と叫びながら、TVと同じように暗闇に引きずり込まれていった。

周りに何もない闇。闇はウリスを飲み込み、彼女の身体を黒く染め上げていく。
ひたすら孤独を望み続けていたウリスは呟く。
「誰も私に干渉しない。こんなの……最高じゃない?」
そして、心が壊れた残虐な少女は、闇の中に一人消えていった。





しかしそこへ、ルリグ「ハナレ」となっていた幸が現れた。
かつて離れ離れになって以来、ただひたすら留未を探し続けていた幸は、夢限少女となってでも留未に出会うことを望んだ。
全ては「留未に謝り、ずっと一緒にいるため」
留未を一人にしてしまい、留未を助けられなかったことを悔やむ幸。まるで半身を求めるかのように。
だがその願いを引き受けたルリグはその願いを叶えることができず、セレクターバトルを苦にして自殺を図ってしまう。
(前述の病室の幸は、実際は幸と入れ替わったルリグであった。)
元の体に戻れなくなった幸は、自分に残された最後の居場所である留未のもとへやってきたのだった。

ただひたすら自分を救うために戦い続け、すべてを失っても自分に寄り添ってくれる幸。
「もっとも美しいもの」に再会し、子供のように泣きじゃくる彼女は最早、少女達の破滅を望んだ邪悪なルリグ「ウリス」ではなかった。

始まりの少女が全てのルリグを解き放ち、繭の作った世界は崩れ去った。
しかし、孤独と愛を望んだ留未と、彼女に寄り添うことを選んだ幸だけは、世界の果てで二人きりで眠り続けている。

ちなみに、上記におけるウリスの心情等については一つの解釈として留意されたし。元々純粋な悪役として人気が会った為か、中年男性に吐露した場面や、植物状態の幸に対する台詞や、終盤の暗闇の空間でウリスが黒く染まる場面での台詞等に対するウリスの心情は、実際は複数の見方が出来るようぼかされている。(それ故か、まとめサイトによって上記とは真逆の解釈で書かれている所もある)




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最終更新:2022年09月13日 13:29