LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標

登録日:2014/11/30 (日) 12:33:50
更新日:2024/01/13 Sat 05:55:32
所要時間:約 7 分で読めます





お前に殺れるのか?




聞き捨てならねえな、まさか俺が負けるとでも?

俺とお前はあくまでビジネス用のパートナーだ、仲間じゃない




…あぁそう、まァ勝手にしな











あばよ、次元













LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標」は、2014年6月21日から一週間限定で新宿バルト9で公開され、その後主要都市映画館で限定公開された劇場版ルパン作品。
配給はトムス・エンタテインメント。上映時間は51分。
PG(ParentalGuidnce)12指定を受けており、12歳未満は保護者同伴が無ければ見れない。
脚本を手がけたのは2015年で放映されたテレビアニメ『ルパン三世』のシリーズ構成を担当した高橋悠也。これ以降でも「血煙の石川五ェ門」「峰不二子の嘘」を手がけることとなる。


Lupin the Third 峰不二子という女』と同じ「Lupin the Third」シリーズの流れを組むスピンオフ第2作であり、
企画段階では「単眼の狙撃手」という題だったが、次元をタイトルに据える為に変更された経緯を持つ。
そのため物語は次元を中心に動いており、作画・作風共に原作寄りに仕上がっているのでTVシリーズ或いはTVSPシリーズを見慣れていると違和感があるかもしれないが、
ハードボイルドさやシリアス感はマシマシになっている。
比較の言葉として「ファミリー向けのTVSP」「アングラな『峰不二子という女』」「ハードボイルドを追求した『墓標』」がある。
また派手な銃撃戦はなく、一つ一つの戦闘シーンが精錬され凝縮されている。特に中盤のカーチェイスシーンは必見。


物語の時代設定は1960年後半~70年前半とされており、TV第1シリーズの前半と合致している(そのため時系列的には『峰不二子という女』と同時期)。
劇中の墓石に1973若しくは1976か1978と書かれており(但し細かい数字はかすれていて読めず、"7"は辛うじて判別可能)、仮説の域を出ないが70年代説が有力。
ルパンと次元の衣装は変更されており、ルパンは青ジャケット(色合いは第1シリーズの緑ジャケットに近い)に黒シャツ赤ネクタイ、
次元は暗緑色のスーツに赤シャツと黄色ネクタイとなっており、トレードマークのボルサリーノもデザインが異なる。
このデザイン変更は意図的なもので、「いま見てもおしゃれな感じに仕上げたかった」との事。

ラストシーンは意味ありげに締めくくられており、ルパンと次元が最終盤に放つ一言はファンの間では、
「ルパン一味のヒーロー面を強調する傾向のある歴代TVSPシリーズ等へのアンチテーゼ」という解釈もある。

タイトル及び情報公開時はそのタイトルの不吉さ、次元の死を暗示するような内容のCMに次元ファンの不安が高まったが、
濃厚な内容や世界観から歴代TVSP及びスピンオフタイトル内で高評価を得ている。



【ストーリー】
ある日の東ドロワ共和国。
東ドロワが世界に誇る歌姫クイーン・マルタが7日前に西ドロワ共和国で凶弾に倒れて以来、両国は一触即発の緊張状態に陥っていた。
ルパンと次元は大使館から秘宝「リトルコメット」を盗むものの、何故か彼らの行き先等が早い段階で警察に先読みされてしまう。
その事を疑問に感じるルパンだったが、逃走中に次元が狙撃されてしまう。自身を襲った弾丸に既視感を覚えた次元は、ルパンと共に東ドロワ某所の共同墓地を訪れる。

そこには次元の墓と、墓前に添えられたパセリの花があった。




【登場人物】


次元大介
守れるはずの命だった…―それだけだ
CV:小林清志
言わずと知れた早撃ちの名手。ルパンの事は「ビジネスパートナー」として認識しており「仲間」とは思っていない。
緊張状態下にある東ドロワ共和国でルパンと共に「リトルコメット」を盗み出すが、幾度と無く凶弾に襲われる。
自分を襲った赤い弾に強烈な既視感を覚えるが…
その7日前にクイーン・マルタのボディガードを請け負っていたが、守れずに何者かによって射殺された事を悔やんでいる。


ルパン三世
チャンスは一度きり。あいつが俺を仕留めるか、俺があいつを仕留めるか…―勝負だ
CV:栗田貫一
我らが大怪盗。次元と共に秘宝「リトルコメット」を盗むがそれを切っ掛けに貧乏くじを引きまくる。
次元の事は彼とは対極的に「仲間」と思っているものの、同時に早撃ちの腕は次元に劣っているということを自覚している。
今作は序盤に足を負傷した事もあって大立ち回りを演じることはなく、持ち前の頭脳で誰もを欺く「策士」として「傍観」する立場が多い。
コミカルさは鳴りを潜めており、栗田貫一氏の好演と共に「ワルサーP38」のルパンを彷彿とさせる。
ただし揉む時は揉む。


+ヤエル奥崎
理由などない、只ターゲットを始末するのみ
CV:広瀬彰勇
白いプラダのスーツを身に纏った凄腕の殺し屋。銃からロボットまでなんでもハンドメイドするルパン顔負けの器用さと次元に迫る銃の腕を持つ。
その腕は利き腕を負傷したため左手で挑んだ次元を相手に早撃ち勝負で競り勝つほどで、彼が敗北した瞬間ルパンも動揺を隠せなかった。そのためか、ルパンと次元両名から「世界最高峰のガンマン」と評される。
22口径で軽量の単発銃とシングルショットスナイパーライフルを愛用しており、これも自作。
事前にターゲットの墓を用意してから仕事に臨んでおり、個人の感情を仕事に持ち込まず依頼者の依頼のままに仕事をこなす冷徹な男で、ルパン曰く「銃そのもののような男」。
だが6面ダイスを振って出た目の弾数でターゲットを仕留め、大きい数字が出るとじわじわと追い詰める殺し方を取るなど殺しを楽しんでいる節があると同時にプロフェッショナルでもあり、決闘前にスーツが汚れた場合は常に持ち歩いている予備にわざわざ着替える。
外見のモデルはカール・ラガーフェルドであると明言されており、写真を見るとそっくり。
PG12指定の原因を作った。


+クイーン・マルタ
わたしは信じたいの。東西で争う人々を、歌でなら救えるって
CV:水瀬まりか(歌:Beverly Staunton)
東ドロワの歌姫。西ドロワでのコンサート中に何者かに暗殺され死亡しており、それが発端となって東西ドロワが一触即発の危機に陥っている。
コンサートに際して個人的に次元をボディガードとして雇い、彼に上記の一言と東西ドロワの根底に関わる言葉を遺した。


峰不二子
簡単なハナシじゃない、みんなお金が大好きってこと
CV:沢城みゆき
設定資料集から乳首全開の魔性の女。本人曰く「泥棒稼業から足を洗う為」にショーガールとして、ある秘密クラブで働こうとした矢先…
PG12指定の主原因。


銭形警部
行くぞ、忙しくなりそうだ
CV:山寺宏一
ラストシーンのみ登場。東ドロワの共同墓地であるものを発見して何かを予感する。


石川五ェ門
登場予定だったが豪快に出番をカットされた。一応出ているには出ているが…


+???
禁断の果実を口にしたな
CV:尾花かんじ
ラストシーンに登場する小男。思わせ振りな台詞を残している。




追記・修正は股間からドリルを生やしてからお願いします










「…―別に俺達は『正義の味方』じゃねえ」

「ちげえねぇ、一介の泥棒と」

「一介のガンマン」

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最終更新:2024年01月13日 05:55