極限状態(モンスターハンター)

登録日:2014/11/30 Sun 12:23:13
更新日:2024/02/23 Fri 23:31:05
所要時間:約 18 分で読めます




※この項目にはモンスターハンター4Gのネタバレが含まれます!!









極限状態(Apex State)とは、『モンスターハンター4G』(MH4G)に登場した新システムの事である。




概要

MH4Gで導入された狂竜ウイルスの更なる上位版。
モンスターがこれに変化するとアイコンにも「極限状態」の文字が表示される(狂竜ウイルスも同様)。
しかも専用BGMが存在する。
とある例外を除き、極限状態のモンスターはG級でしかお目にかかれない。


通常、狂竜ウイルスに感染したモンスターは著しく寿命を縮めており、長く生きる事はできないとされている。
これは本作の旅団上位クエストのストーリーで判明した事実である。
しかし、何らかのきっかけでモンスターが克服すれば「極限状態」となり、逆にウイルスを己の力にして新たな感染源と化してしまう。
(一部行動にマガラ族と同じ黒いサークルが発生する)
そしてその力はただの生物の範疇を超越し、極限状態というだけでイビルジョーやラージャン、それも狂竜ウイルスに感染した古龍級生物以上の脅威とみなされるようになる。
古龍種のエネルギーという原因が原因だけに何故他のモンスターでも克服できるのか、そして克服するとどのような原理であれだけカチカチのコチコチな防御力を獲得するのかなど、一応後述の対抗策が存在する他には殆ど解明されていないのが現状である。

人間、モンスター両方にとってはた迷惑もいいところではあるが、ばら撒いたシャガルマガラ本人にとっても、感染した他のモンスターがパワーアップするという事態は本人に聞くまでもなく想定外。
繁殖用として感染させても死んでくれないどころか、産まれたゴア・マガラや育つための環境も全て踏み荒らし、挙げ句の果てに自分自身まで脅かしにくるイレギュラーの出現など間違いなく願い下げであろう。
というか天空山が度々不毛の地になったという伝説の黒幕は、実はシャガルでもアマデュラでもなく極限化に成功した名もなきモンスターだったりしないんだろうか。

狂竜化モンスターは体が黒ずみ、息や涎も黒くなる特徴があったが、極限状態はそれに加えて黒紫色のオーラをほとばしらせた大変おぞましい風貌に化ける。
その見た目に違わず、実力も只のグレードアップ版で収まるほど生易しいものではなく、数多のハンターが文字通り極限の理不尽な強さに悲鳴を上げることとなった。



因みに発見時のSEは狂竜化の時から通常種と違っていたが、例えるなら『超ヤバい奴に見つかった』と言える程緊迫感が出るSEに変わっている。
依頼書にある「生態未確定」も不気味な程赤黒くなっていて爪痕が刻まれている。
形態変化への移行時には、対象のモンスターが狂竜化と同様に倒れこみ口から黒いオーラを出しながら、同時におどろおどろしいイントロが流れてきてこちらを不安にさせてくるのもポイント。


変化する内容

攻撃面

言わずもがな、狂竜化以上に攻撃倍率がアップする。
モンスターと技にもよるが防御力700ぐらいあっても平気で体力の3~4割かそれ以上を持っていかれる。
また、行動速度の不安定さ、あらぬ方向へ攻撃するランダム要素、健常な個体と比較して短気…といった狂竜化モンスターの特徴は一通り受け継いでいる。
あれ?それって克服してなくね?*1



しかし、これは序の口に過ぎなかった。



多くの極限モンスター達は亜種や近縁種の技をも取り入れるようになり、行動パターンが激増することがある。
グラビモスを例に挙げると、亜種は通常種にない溜め熱線や振り向き熱線(G級)を会得しているが、極限状態と化した通常種はこの2つの技を当然のように繰り出すのである。勝手に伝承の儀を受けるな
他には技の性質そのものが変化しているモンスターも。
それ故に見た目は通常種でも、実際はそのモンスター種自体の集大成+αであることが多い。



防御面

最も強化が著しい部分。


恐ろしいことに古龍種よろしく罠が完全無効であり、落とし穴もシビレ罠もかけた片っ端から破壊していく。
頼みの綱の閃光玉も無効ときている。
それだけならまだ何とかならない事もないのだが、そうは問屋が卸さなかった。


狂竜化モンスターにあった肉質変化のみならず、特定の部位が異常なまでに硬化する。
本来の肉質は厳密には変わっていないのだが、硬化した部位はやり過ぎレベルの極悪な仕様を有しており、
  • スキル「心眼」と一部武器の技に備わった弾かれ無効を逆に無効化。*2
  • 弾かれた時の斬れ味消耗が激しく、スキル「業物」の軽減効果もガン無視される。
  • アイテムもペイントボール、拘束中のこやし玉以外は全て無効化。
  • ガンナーの弾は何から何まで全部跳ね返される。
  • あの猟虫ですらエキスを回収する事が出来ない。MH4Gになっても操虫棍の優遇が続いてると思ったら、よりにもよってここで落とすとか
  • タル爆弾やガンランスの砲撃などといった固定ダメージは大幅軽減される。
など至れり尽くせり。
これに関しては最強の迎撃兵器であるはずの撃龍槍すらも無力という、ドンドルマの先人の努力を水泡に帰すかのような無慈悲極まりない有り様である。
そんな中、巨龍砲のみ100%固定ダメージを与える事が出来る。そんな兵器考案した師匠凄ぇ。……問題はこれを狙って当てる方が大変という事だが。
モンスターの同士討ちダメージも計算上は固定ダメージに近いため、2頭クエストや乱入時にこれを頼ることはできないと思われる。
性質の悪いことに、予備知識なしではどの部位が硬化しているかを見た目で判断することができず、ジンオウガのように弱点部位が硬化するケースも。


じゃあ硬化してない部位を狙えばいいだろう、って?甘い!
なんと頭から尾まで属性ダメージと状態異常値の蓄積が完全に遮断されてしまうのである。
勿論打撃武器によるスタンも望むべくもない。全国のハンマー使いが涙した
ただし、ジャンプ攻撃による乗りの蓄積は(その部位が硬化していない限り)なんとか通るしケースは限定されるもののツタやられも効く。


ここまで硬いならガチで超大型モンスターや古龍種も単騎で倒せるんじゃなかろうか。
属性無効なぞアルバトリオンにとってはさぞ頭痛の種に違いない。


無論ハンターは何も手が打てないわけではなく、硬化部位に対してはドンドルマの新発明品の一つ「抗竜石・心撃」、属性遮断に対しては「抗竜石・属撃」を使うことで対処可能。
何度も攻撃し続ければ極限状態を一時的に解除できるのでお得。
ただし、入手には旅団上位クエストをある程度進めた上でG級の特定クエスト群をクリアしなければならず、少し面倒である。
そもそも硬化部位には本来の20%しか物理ダメージ(&属性ダメージ)が通らない仕様になっているため、発動させても硬化部位ばかり狙っては意味がない。
元々硬い部位は心撃を付けても当然弾かれてしまい、スタンと状態異常は属撃を付ければ効くようにはなるが、こちらも硬化した部位にはいつもの20%しか蓄積できない。
心撃の真価は「弾かれモーション中に敵の追撃を受けるリスクを低減」すること、属撃は「属性特化武器でも極限状態を解除」できる点にあるのだ。

ちなみに属撃使用の場合、極限化中に麻痺や睡眠にかかるとその間は極限状態を解除できない模様。
また、解除後の再極限化する瞬間に毒等の動ける状態異常は全て治ってしまう。
逆に解除中に拘束を無理矢理解いて再極限化はできないようで、罠や状態異常漬けにすれば解除状態を理屈上は維持できるようだ。

見返り

極限個体を狩猟すると、特別な報酬として極竜玉・大極竜玉を入手できる(後者は確率)。
これは素材で生産する武器の最終強化、かつレア度8以上のものに更なる強化「極限強化」を施すのに必須のアイテム。
極限強化は武器自体に新たな効果を付与するのが特徴で、攻撃倍率を上げる【攻撃】、防御力を+60する【防御】、攻撃するたびに一定確率で回復する【生命力】の3種類が存在する。
前者2つは基本的に取ってもハズレにはならないが、【生命力】は武器種とプレイングによるのでよく考える必要がある。

【攻撃】を選んだ場合、元が強力な生産武器だと下手な発掘武器を余裕で上回ることが可能。
これに限らず極限強化自体が、前作で問題化した「強力な発掘武器さえあれば生産武器はいらない」という風潮を打破するために用意されたものだと思われる。

ソロで集めようとすると鬼畜の極みであるため、極限強化に手を出すならマルチプレイで有志を募った方が早い。


主な極限状態モンスター

ゲーム中で確認できるものは以下の8種。
ただし設定上、世界観的には彼ら以外の極限個体も確認されているものと思われる。


本作のパッケージモンスター。
この状態になった一個体が同族の群れを排除したことで、世界各地にセルレギオスが大量移動する異常事態を引き起こした。
そしてこの個体はシャガルマガラに次ぐ新たな感染源と化しており、ストーリー中に大量の狂竜化モンスターが出てくる事態になった。
ドンドルマとしては古龍級生物をも越えた個体を一刻も早く狩らねばならないのに、そこへ錆びたクシャルダオラが接近するという過去最悪の緊急事態に直面。
そこで主人公の我らの団ハンターが極限セルレギオスの狩猟に赴き、彼が帰還するまで筆頭ハンター達が錆びクシャを引きつける2方面作戦が行われることになった。
なお、錆びクシャ戦は実質イベント戦のような扱いなので、こちらが旅団上位クエストにおける事実上のラスボスと言える。

旅団クエスト中心に進めた場合、真っ先に遭遇することになる極限個体。
他の極限個体と違い、亜種がいないためか特有の新技がなく、攻撃がまともに通る両脚も比較的柔らかい。
更にカプコンにしては珍しく動きが遅めに調整されているため、
極限個体の中では割と良心的ではある。
ただし通常個体よりも裂傷状態になりやすくなっているので回復アイテムは忘れないようにしたい。

なお、旅団クエストで出てくる個体もそうだが、極限セルレギオスはイベクエでもないのに金冠確定の特大個体となっている。

ちなみに、初遭遇持のムービーでは別個体のセルレギオスを仕留めたところから開始するが、この仕留められたセルレギオスからも剥ぎ取りは可能。しばらく戦っていると死体は消えてしまうので、隙を見て剥ぎ取っておきたいところ。罠も閃光も効かない極限モンスター相手に出来ればの話だがな!


G級へ上がってウキウキ気分のハンター達にこの上ないトラウマを植えつけた存在。
何しろG★1のクエスト…つまりG級の序盤も序盤という時期から早々に各クエストで乱入してくるにもかかわらず、その殆どは狂竜化個体か極限個体だからである。
特に新モンスター、アルセルタス亜種の単体クエストでは確定乱入・確定極限という狙ったとしか思えない仕込みであり、
手始めに中型モンスターでも狩ろうかと考えた甘いハンター達に恐怖を撒き散らす事となった。
特に4Gを開始早々、旅団クエストを進めずにG級へ飛び込んでいった人ほど、乱入してきたラージャンが倒れて狂竜化かと思ったら怖いイントロが突然流れ出し、極限状態のアイコンが表示されてあまりに急な出来事に慌てふためいたハンターもいたことだろう。
…まぁ、G級で亜種と言っても所詮はアルセルタスなので、マルチプレイで一斉にフルボッコしてラージャンに会う事なくトラウマを抱かずに先に進んだというハンターもいるが。

硬化する部位は狙いやすく柔らかい後脚。
それにもかかわらず、怒り状態で闘気硬化をすると前腕すらも硬くなるという狂気の沙汰。
新技として拘束攻撃を外した場合、目を疑う超巨大な岩を引っ張り出してぶん投げてくる。

とはいえ、もともとラージャンがそこまで体力が高くないという点と、闘気硬化さえしていなければ後脚以外ならどこを狙っても弱点である点から、割とこちらからも攻撃を与えやすく、
極限個体の中では戦いやすいと評判。後述の大極竜玉を得られる確率も高い。
というかぶっちゃけ極限個体の中で最も多く狩られてる存在と言っても過言ではない。
超攻撃的生物の面目丸潰れである


最も強化具合が激しいであろうモンスター。
よりによって弱点部位である、狙いやすい後脚が硬化部位。
一応、前脚と胴体、尻尾は硬化部位ではないものの、狂竜化補正で白ゲージですら弾かれかねないレベルまで肉質が硬化しているため、剣士は割と誇張抜きで攻撃できるところがない。

さらに帯電状態になると、本作のジンオウガ亜種のようなコンボ攻撃を繰り出すようになる。
だけでなく、ばら撒く雷球が赤く発光して低速ホーミングを行い、確定麻痺の自爆を行ってくる。
攻撃力がバカみたいに高くなっている極限ジンオウガの目の前で麻痺なんてかかった場合はもう潔く死を受け入れるしかない。

総じて、まともに攻撃が通らない、動きも非常に素早くそもそも追いつけない、攻撃力もかなり痛い、と「ずっと俺のターン」を体現したような理不尽性能。
極限個体では随一の実力者である。
多人数でなんとしてでも帯電状態にもって行かせないように集中攻撃し、極限状態を解除した段階で罠やらなんやらで動きを止め、再極限化しないようハメ殺しにするのが基本戦法とされる。
というぐらいお話にならない面倒さをもつ。ソロでの討伐は本当に至難を極める。



こいつも遂に極限化。
硬化部位は後脚と尻尾先端を除いた全て。リーチの短い武器は後脚しか狙う場所がない。
イビルジョーの脚はほっそい上にやたらフラフラと動くため、思うように狙えないことも。

やはりというか怒り喰らうイビルジョーの行動を身につけており、
ブレスのリーチが超絶強化、歩き噛み付きの際の尻尾に触れると拘束されるなど、難敵ぶりに拍車がかかっている。
更に四股踏みで遠距離のハンターにも届く岩盤めくり衝撃波が発生するようになる。

しかし何が一番厄介かと言えば常軌を逸したタフさである。
通常のイビルジョー自体がもともとタフなのに加え、属性を通さず、弱点部位が軒並み硬化している仕様も相まって、猛烈な攻撃を掻い潜りながら手応えのない攻撃をチマチマとし続けるしかない状況を強いられ、戦いが長期化しがち。
マルチならともかくソロは火力に特化するなど、冗談抜きで時間切れを視野に入れた対策をおすすめする。


この頃何かと噛ませ犬の扱いを受けていたが、ここにきて奴も極限化。
硬化部位は首、前脚、後脚の後ろ側、腰、尻尾の根元から半分あたりまで。

例によって亜種の大咆哮を行う。
しかし、追加モーションはこの大咆哮の単発バージョンのみであり、他の亜種のモーションであった咆哮歩きや二連続大咆哮は使ってこない。
ジンオウガやラージャンは極限個体専用の技まで追加されているのにこの格差は一体…

PTとソロとで難易度が劇的に違うモンスターでもあり、弱点の頭部が一貫して柔らかいままなので数人が畳み掛ければすぐに終わる。
ソロだと苛烈な攻撃を掻い潜りながら的確に頭部を狙わないとまず勝てる気がしない。
が、逆に言えばティガレックスに慣れており頭も狙える腕があれば、割とまだ戦えるレベル。
極限個体の中では戦いやすい部類である。



砂原の暴君も極限化。
硬化部位は頭、翼、腹、尻尾(表側)。

亜種の行動だけでなく、モノブロス種の新技である二連ヘッドバッドやUターン突進、
挙句に果てにはMH3GのG級亜種が猛威を振るった振動→動けないハンターに地中急襲をぶちかますコンボまで身につけるなど、
名実ともにブロス系の集大成である。
極限状態に限ればその強さは無印モンハンにおけるディアブロス以上の悪夢といっても過言ではない。

こいつの恐ろしいところは、ディアブロス、というよりブロス系の弱点を一切受け付けないということ。
まず予想できる通り、音爆弾が効かないので地中潜行の際、平常時からして地中から引きずり出すことができない。
閃光玉も効かないので突進を封印することもできない。
結果、どんな戦いが展開されるかというと、
地中に潜って飛び出しては突進を繰り出し、突進を繰り出しては地中に潜り…
といった具合に、こちらが一切手を出せない無駄な時間が延々と続いていく。
抗竜石のお粗末な仕様ではいつまで経っても極限解除が叶わず、せっかく解除できてもあっち行ったりこっち行ったりするせいでまともにダメージを稼げず再極限化
なんてやってられない事態になることなどザラにある。
イビルジョーとは別の意味で、ソロは時間切れを警戒しよう。



ただでさえ硬いものをなんで更に硬くする。
硬化部位は頭、翼、尻尾の根元。

亜種の行動を得ているので、熱線の度にボンボン出されるガスが最も厄介。G級行動の歩きながら熱線にも当然ガスを出される。

幸いにも脚は硬化していないので弱点の水属性武器を担いで属撃を発動させるとよい。
腹も硬化していないため、部位破壊に成功すれば極限個体にあるまじき脆さを露呈することになる。
ジャンプ攻撃は翼に弾かれないよう注意。

一番厄介なのがガス攻撃なので、ガード強化の恩恵を受けられる武器種であれば、拍子抜けするほど呆気なく倒せたりすることも。
総じて、極限個体の中では一番の良心と評判である。
…が、それを見越してなのか、大極竜玉が得られる確率は極限個体の中では後述のガララアジャラ亜種に次いで最も低い。
流石カプコン、こちらが困ることには余念がない
グラビモスの危険度はジンオウガやティガレックスと同等という設定にもかかわらず。露骨である。



まさかの通常種をすっ飛ばして亜種が極限化という異例のモンスター。
行動面でこれといった変更点は無く、硬化する部位も通常個体の時点で硬い所だが、
元が事あるごとにハンターを転ばせてから攻撃しようとする狡猾な習性を持つので頻繁に感染しやすく、結果的にもっと隙が少なくなり攻めづらいという悲惨なことに。


評価

このようにモンハン作品全体で見ても狂気じみた強さの極限状態であるが、ここまで色々正直に不満を書いていることから想像が付く通り、あまり良く評価されているとは言えない。


その理由は言うまでも無く、徹底的にハンターを不利にさせるためだけの理不尽要素がこれでもかと詰め込まれているため。

抗竜石無しではことごとく弾かれる硬化部位、属性も通らない、しかも極限状態を解除しない限り殆どのアイテムが無効…
いくらMH4Gがインターネットに気軽に接続しやすいしやすい環境とはいえ、完全にマルチプレイ前提のような無茶苦茶すぎるバランス調整が目につく。
廃人上級者からは慣れると(PTなら)さほどでもないという声も聞かれるが、普通に相対する(特にソロ)と隙潰しの塊すぎるために場数を踏んで練習しなければ心が折られかねない
まあ全く見知らぬ行動をしてくるわけではないのが幸いといえば幸いだが。

鳴り物入りで登場した抗竜石も持続時間が短く、狂竜化個体はいいとして極限個体と対等に渡り合える満足な性能かと言われたら微妙な所。
前述した旅団極限セルレギオス限定で使える試作品の方がずっと性能がいいという有り様。
頭が硬化するモンスターも半数近くおり、スタン狙いに集中したいハンマーと狩猟笛からすれば天敵中の天敵。
本来の心眼効果が効かない、属撃付けても滅多にスタンしない、そもそも動きの激しいG級で抗竜石を重ねがけしながら頭を叩き続けるだけで非常に難しい。
ましてやマルチプレイとなれば仲間をふっ飛ばさないように配慮も必要で、元々肩身の狭かった所に新要素との相性まで悪くなるあんまりな扱いであった。

別に腕試し用のモンスターとして割り切ればいいのでは?とフォローしたい所だが、
目新しいモンスターを狩ったりやりたい事をやったらそれまでの一般プレイヤーはともかく、コンプリートを目指すやりこみプレイヤーにとっては通常のG級クエストやG級闘技大会の制覇で避けて通ることができないのが頭の痛い所。
MH4GのG級闘技大会は全体的にハンター側がスキル面で不利な武器種ばかり揃っており、2人までしか挑戦できないということもあって、極限状態そのものが苦手な人には敷居が高すぎるのだ。
またコンプリート面を除いても、目玉要素のギルドクエストでは該当個体はレベル136以上から極限化する。
もちろんこのレベル帯にもなると報酬は良くなり、特にラージャンのギルクエでは強力な発掘武具を入手できる確率がとても高く、必然的に狩れる・狩れないプレイヤーの間で格差が生じてしまう。
PTプレイならある程度のローリスクが見込めるので楽な方だが、ソロプレイヤーには苦行である。


肝心の極限強化も確かに強力といえば強力だが、正直ハイなんてもんじゃないハイリスクと正当に釣り合っているかと言われたら…
本当に発掘武器への対抗馬として実装されたシステムだとすれば、特殊効果が備わったセルレギオス武器などのように発掘武器では実現できない、もっと魅力的な個性を付与できるようにするべきであったかもしれない。


ここまで極限状態の問題点について色々と述べたものの、よく一般的に聞かれる批判としてざっくばらんに言ってしまえば
「極端な隙潰しの塊」「硬すぎてストレスばかりが溜まる」「戦っていて爽快感がない、楽しくない、つまらない」「水中戦も狂竜化もまあ許す。ただし極限化、テメーはダメだ」…といった感じ。
つまり、プレイヤーの実力による印象の差異やモンスターの行動内容が問題なのではなく、「ただただ硬くて強くしたモンスターを狩る事が本当に楽しいのか?」という、ゲームとしての面白さの観点から批判が集中しているのである。


※参考までに、派生作品のMHFだと同じく常軌を逸した強化度合いのモンスターが登場する「至天征伐戦」というコンテンツが存在する。
実装時期もMH4Gの発売日と近い。
こちらは固有報酬が武具作成に直接関係のない素材であり、武器にささやか補助効果を付け足すというもの。
(つまりPT募集で指定に含まれることが殆どない)
モンスター素材も通常の個体から剥ぎ取れるものとほぼ同じ=新規素材が無い。
「やる必要は全くないけど腕試しをしたいならどうぞ」という事である。
これはG級昇格の際に、避けて通れないぶっ壊れ攻撃力の覇種モンスター実装がもたらした「強い防具を作らなければいけないのにモンスターが強すぎて作れない」ゲームバランス的な問題点を解決した形となる。




元々の狂竜ウイルスの時点でも賛否両論はあったが、この極限状態に関しては下手したら作品自体の評価を揺るがしかねない勢いで否が多いのが現状である。
というか賛の声が皆無に等しいといっても過言ではないぐらい。
なにぶん、メインシリーズでは過去にも
  • モンスターのステータスがやたら高いのを自然の厳しさのせいにする(MH2)
  • 完全に嫌がらせ目的で作られた極悪ホーミング攻撃搭載のジンオウガ亜種(MH3G)
  • あらゆる攻撃技に毒のトゲをばら撒かせて隙を潰し上げたナルガクルガ希少種(MH3G)
などといった悪例が存在しており、しかもこれらは共通して「難しければ面白いからなんでもよくね?(意訳)」という開発陣の発想から来ている。
要するに面倒臭さと難しさを混同しているので始末が悪い。
いつぞやのオンゲで開発者が発言した「簡単にクリアされたら悔しいじゃないですか」と瓜二つである。

仮に狂竜ウイルス共々次回作で続投されるとしても、極限状態の理不尽な防御性能に必ず何らかの劇的な改善を求めるハンターは多かった。
なお、さすがに察したのか、MHXには狂竜化モンスター共々登場しない。
MHXのプロデューサーである一瀬泰範氏によると「MH4であった狂竜化はゴア・マガラを主軸としたストーリーで進んでいくものではないためカットした」と公表した。要はMH4のストーリーは既に完結していると窺われるコメントを残している。
とはいえ、狂竜ウイルス自体はマガラ種の生態と密接故に、登場させるとなれば完全に切り離せるものではないため、あくまで極限状態に対しての批判意見が届いていた事は事実だろうとは思うが…
それに代わる強化要素として「獰猛化」が登場したが、そちらでは体力の高さなどを不満に思う意見が無いわけではないものの、極限状態で不評だった要素は軒並み撤廃されている。
獰猛化は極限状態と違ってスタンこそ取れるが、「絶対疲労しない」仕様のため、結局ハンマー不遇は続いているのだが*3

また、MHRiseの超大型拡張コンテンツ『サンブレイク』には極限化をリファインしたものとされる「傀異化」の要素が存在するのだが、反省が活かされたのか、傀異化モンスターはちゃんとスタンや罠が効いたり、傀異核を破壊すれば大ダメージやまたダウンを狙えたりとプレイヤーの有利要素を増やした。
タフネスに関しても、肉質には手を加えず体力を大幅に上げる方向で調整している。
また傀異克服古龍に関しても、怒り状態中一定ダメージを与えるとダウンを取れる仕様になっている。



追記・修正は旅団上位最終クエストを制した方にお願いします。

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最終更新:2024年02月23日 23:31

*1 マジレスすると極限状態とは狂竜ウイルスによる命の危機を克服したのであって、狂竜ウイルス自体を克服したのではない。

*2 ジャンプ攻撃などの弾かれた時に出るモーションが無い攻撃は影響無し

*3 減気ひるみは発生する