吉良イヅル

登録日:2014/11/26 (水) 23:49:53
更新日:2024/03/18 Mon 16:40:59
所要時間:約 14 分で読めます





戦いは英雄的であってはならない
戦いは爽快なものであってはならない
戦いとは
絶望に満ち 暗く 怖ろしく
陰惨なものでなくてはならない
それでこそ人は戦いを恐れ
戦いを避ける道を選択する





吉良 イヅル   
きら いづる

[職業]死神
[肩書]護廷十三隊三番隊副隊長

 [身長/体重]173cm/56kg
 [誕生日]3月27日
 [斬魄刀]侘助(わびすけ)
  〔解号〕面を上げろ「侘助」
 [卍解]???
 [好きなもの]ところてん
 [嫌いなもの]干し柿
 [趣味]俳句
 [CV]櫻井孝宏




『吉良イヅル』とは、漫画『BLEACH』の登場人物。


 人物



瀞霊廷の下級貴族出身。
真面目でおとなしいが暗い性格で、普段からやや伏目がちで相手を見る時もやや上目遣いになることから余計に暗い印象を与える。

上官の言う事は絶対と捉え、着実に任務をこなすことを信条としており、隊長だった市丸ギンには絶対的な信頼を寄せていた。
その後、ギンは藍染らと共に護廷一三隊を裏切る形で離反したが、酒を呑んだ勢い等で彼のことは吹っ切れたらしく、
離反後も藍染のことを吹っ切れていない雛森とは対照的に、ギンと再会した時には既に「敵」と割り切っていた。
そのギンの後任となった鳳橋桜十郎からは、「音楽の趣味が合いそう」と気に入られていたようで、
滅却師たちが攻めてきた際には、「イヅルが死ぬとボクもボクのフライングV(ギター)も哀しむよ」と言っていたが、
劇中では彼らが普段どのような接し方をしているかは不明のままだった。

真央霊術院には首席で合格しており、恋次、雛森とは同期で檜佐木は先輩。
現在でも檜佐木とは作家仲間で仲が良い他、雛森には当時から想いを寄せており、尸魂界篇では市丸にその感情を利用されたこともある。
彼の恋路の進展については、彼の性格から推し測っていただきたい。

信頼できる上官の下で戦えることに己の信念を見いだせるタイプの人物であり、故に自らが先頭に立って率いることは苦手。
アニオリではその様子がよく描かれており、彼が隊長になっても不安しかないと隊士たちから文句を言われていた。
これは吉良自身も十分自覚していることではあるが、それでも隊長が不在だった時期の三番隊をなんだかんだでうまく切り盛りしていた。

酒に弱く、悪酔いするタイプ。
市丸の離反後には乱菊と泡を吹いて伸びる程まで飲んだ。
また嫌いなものに干し柿を挙げている原因は、市丸のイタズラによるトラウマから。
他にも市丸からは散々イタズラをされていた様子。



ぼくは ただ きみに
さよならを言う練習をする

(Bleach 15 Beginning of the Death of Tomorrow)



 戦闘能力




副隊長であるため、ある意味当然だが隊長ほどの能力は無い。
日番谷の氷輪丸の余波だけでやられたり、乱菊と純粋な斬術は恐らく互角程度だったりする辺りからもそれがうかがえる。
尤も、これは死人になる前の話であり、死人後は恐らくかなり戦闘力が向上していると思われる。

ただし、彼の真価は純粋な戦闘能力でも斬魄刀の能力でもない。
副隊長には多いことだが万能型であり、そしてBLEACHでは珍しい頭脳派プレイヤーであることが最大の武器である。

まず単純に治癒や結界などの補助が可能である。
隊長が出向くような事態は基本的に強敵相手で手一杯のため、一緒に行動する場合、副隊長は補助に回る役割が多く、これらが出来る・出来ないは大きい。
鬼道による遠距離攻撃や防御なども十分使いこなしており、
彼の斬魄刀の弱点である『斬れないと意味がない』『飛び道具には真価を発揮し辛い』をカバーしたり、能力を隠しておくことに一役買っている。

氷輪丸の余波を受けた時などの様に頭脳面ではやや後手に回る気質が見受けられるものの、『BLEACH』では珍しいことに地形をかなり有効活用している。
相手の状態も細かく観察していて弱点を的確に突こうとしている様子もうかがえる。

また能力を無闇に喋ることはなく、副隊長間でも始解の能力は同期くらいしか知らなかったし、教える気もなかった。
乱菊にも空の戦士にも能力が決まってから喋っている。
決まったからといって喋る必要あるのか?と言えば読者への説明とファンサービス……と思いきやそれだけではなく、
「戦いは英雄的であってはならない、(中略)陰惨なものでなくてはならない」
「それでこそ人は戦いを恐れ、戦いを避ける道を選択する」
という三番隊の矜持をあえて語って理解させ、恐怖を味わせることでより戦いを陰惨なものにしている。

あと、『BLEACH』にはまだ敵を無力化していないにもかかわらず、敵に能力をペラペラと説明し、
その結果、敵に突破口を見つけられてしまううっかりさんがたくさん居る。
現在ではオサレ値の都合だと考えられているが、悪い行動であることには変わりないのでこの常識的な対応で相対的にポイントが上がっている。


◇─ 斬魄刀「侘助(わびすけ)


一度切れば倍、二度切ればそのまた倍
やがて重みに耐えかねた相手は地に這い蹲り
侘びるように(こうべ)を差し出す


故に


『 侘 助 』



解号は(おもて)を上げろ~」
解放と同時に、先端がコの字に折れ曲がった独特な鉤状の刀へと変化する。
解放後は刃が先端から半分弱ほど鉤状の形に変化するため、単純な切断力は低下し、打撃武器に近い斬魂刀になる。
敵にトドメを刺す際には、敵の顎を鉤状の刃の内側に引っ掛けるようにして捕らえ、首を落とす。

能力は「斬り付けたものの重さを倍にする」
一度斬れば2倍、二度斬れば4倍、三度斬れば8倍と斬ったものの重さが増していき、相手はその重さに耐え兼ね身動きすら出来なくなる。
動けなくなった相手は侘びるように差し出したその頸を、剣の内側の刀で刎ねられることになる。
「斬られなければいいんじゃ?」と思うかも知れないが、この斬魄刀のタチの悪い所は「斬り付けた」とは侘助の刃に触れたもの全てを意味するということ。
つまり、斬撃を刀で受けて鍔迫り合いをすればするほど刀の重さが倍になってしまうのだ。
当然、斬りつけられれば防具や肉体にも適用されるため、馬鹿正直に侘助での斬撃を防御し続けるとドツボに嵌る。
なので侘助の能力を回避しようと思ったら、冗談抜きでイヅルの攻撃を全て避けきらなければならない。*1

このようにシンプルかつ強力な能力だが、弱点が無い訳でもない。

第一に、1回斬っただけで勝負が決する能力ではないこと。
相手の身体をダイレクトに斬って体重を60kgから120kgにしたりすれば大きな影響があるだろうが、
刀が1kgから2kgになった程度なら対応可能な者は多いだろう。
何かの装飾品に当たって装飾品が100gから200gに増えただけと言う事もあるかも知れない。
刀が奇抜な形状に変化してしまう事も合わせ、始解を使う=複数回斬り合って長期戦に持ち込む必要がある。

第二に、斬魄刀同士の戦いだと相性の悪い相手もいる。
作中では侘助の能力を披露した松本乱菊がまさにそれで、彼女の斬魄刀「灰猫」は刀身が消失し灰に変化する能力を持つ。
いくら斬り合って斬魄刀を重くしても灰に変化されると無意味になってしまうのだ。
灰猫と似たような効果を持つ朽木白哉の「千本桜」に対しても、(地力の差が無かったとしても)不利だろう。
他にも、流刃若火や氷輪丸など鬼道系の斬魄刀相手には近づく間もなく攻撃されると思われるため、相性が悪い。

吉良自身の身体能力も副隊長では並みであるため、自身を上回る身体能力を持つ相手にはこちらが斬る前にやられる…なんてこともあるかもしれない。

原作ではあまり活躍の機会に恵まれなかったものの、アニオリエピソードであるバウント篇や新隊長天貝繍助篇では、
その能力の恐ろしさを存分に見せつけている。
最終章である「千年血戦篇」でも活躍するかどうか注目されたが…。

ちなみに、『空想科学読本』で考察されていたが、これで地球をうっかり叩いて能力を発揮させてしまえば、ほぼ間違いなく一瞬で地球が滅亡するため、
字面以上に危険な能力だったりする(どこまでが一体の物質として認識されるかということにも左右されるだろうが)。


 活躍



尸魂界篇

物語の後半、雛森を思う気持ちを藍染に利用され、市丸と共に裏で暗躍する。
藍染の異変に気付いた日番谷らの前に立ち塞がり、乱菊と交戦。「侘助」の能力を見せつけるが、「灰猫」で無力化された。
後に勇音の「天挺空羅」で雛森が藍染に刺されたことを知り、憔悴して戦意を喪失する。


破面篇

現世に現れた藍染一味を迎え撃つため、他の隊長格と共に参戦する。
転界結柱を守護するため、バラガン・ルイゼンバーンの配下であるアビラマ・レッダーと交戦。
高速で移動するアビラマに一時押されたものの、「侘助」で翼を斬りつけて墜落させ、地に這いつくばったアビラマの首を刎ねて勝利する。
その後はアヨンに重傷を負わされた乱菊の治療にあたるが、藍染の「鏡花水月」の能力に囚われ斬り伏せられる。
治療に専念していたためにアヨンとは戦っていないが、他の副隊長の描写を見る限りでは戦っても勝ち目は薄かったと思われる。


千年血戦篇

「見えざる帝国」の第一次侵攻において、瀞霊廷の第一陣として迎え撃つものの、バズビーの不意討ちを食らい、右半身のほとんどを吹き飛ばされる。
「まぁ今まで上半身吹き飛ばされても復活したキャラもいたし、今回も生きてるだろ」と思いきや、まさかの公式で死亡が確定
どうやらあのまま放置プレイされたようだ。






以下、ネタバレ












…と思いきや、キャラブック『13BLADEs.』に収録された成田良悟による書き下ろし小説「Begining of the revive of Tomorrow」にて再登場。

その名前の男は、死んだよ。……死んだんだ
僕はただの……死神だ

技術開発局で目覚めた彼は自身が致命傷を負っていたことを思い出し、
井上卯ノ花隊長を連想するが、聞こえてきた声は全く別のものだった。

自分の価値を拒絶し続け、それでも世と繋がろうとする性格を見込まれ涅マユリによって、ゾンビ化の被験体とされていたのだった。
戦力とするために霊圧を増量されており、その為に虐殺された席官達の魂魄を材料にしたと残酷な真実も目覚めた直後に伝えられている。
同キャラブック収録(後に単行本70巻にも修正版を再録)の描き下ろし漫画の520.5話でも改造過程が1コマだけ描かれている。

命を失い、そして様々なものを背負った彼はたった一つ残った矜持を護る為、死神として戦うことを選んだ。

マユリに試運転として四十六室を襲うシャズ・ドミノに差し向けられ、顔見知りの四十六室の少女・阿万門ナユラの窮地を救いドミノと戦闘する。

不死身の体を持ち、ダガーの落下音から侘助の能力を把握し対処する知能を持つドミノに対し、
死体となった自身の体を巻き込みながらも鬼道で巻き上げた瓦礫を斬り付け落下させ地面に縫い付け、そのままドミノを地下に沈めた。

戦いを終え「生きて戻らなければ、許さない」と口にするナユラに対し、決して許すなというように答えるイヅルだが、
その性格を少しだけ理解したナユラにより、無事に戻らねば命を賭して四十六室を救った死神として黒崎一護以上の英雄に仕立て上げると断言され、
溜息を吐きつつも善処することを約束し、見えざる帝国との戦いに戻ったのだった。




ギイギイとよく鳴く鳥だね…
酷く耳障りだ、孔に響くよ

「何だ…」「何者だオマエ!?」

死人(しびと)

京楽たちに退けられるも異形となって復活・分裂したリジェ・バロらによって、尸魂界が蹂躙されようとした際、リジェの内の一体の首をはねると同時に再登場。
吉良の存在に気が付き、キレたリジェたちを返り討ちにしたものの、依然として数の減らない敵を相手に不安を口にする。








その妙な形の刃で 一体何を追記・修正するのかと訊いたね?


ガシャッ


冥殿「まっ…待ってくれ…!」


アニヲタが 命乞いをするものじゃあないよ


 ゴ ト ン 

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最終更新:2024年03月18日 16:40

*1 作中では描写が無かったが、イヅルが攻撃を受け止めて刀が触れた時にも「侘助が斬った」扱いになるのだとしたら、さらにとんでもないことになる