精神の願望/Mind's Desire(MtG)

登録日:2014/11/23 Sun 15:07:26
更新日:2024/04/22 Mon 17:25:37
所要時間:約 16 分で読めます





《精神の願望/Mind's Desire》とは、Magic the Gatheringに存在する青の呪文である。スカージに収録。


概要

精神の願望/Mind's Desireㅤ(4)(青)(青)
ソーサリー
あなたのライブラリーを切り直す。あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。
ターン終了時まで、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。(それがそのマナ・コストの中にXを含む場合、Xは0である。)
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。)

効果は上記の通り、ライブラリー(山札)にある呪文の中からランダムで1枚めくり、それをタダで唱えてもよいというもの。
重い呪文をめくれば得であるが、逆に軽い呪文がめくれてしまうと損をしてしまう。
デッキのこれ以外の呪文を全て7マナ以上にすれば当たりばかり引けるだろうが、流石にそれでは重過ぎてデッキが回らない。

これを普通にプレイするなら、6マナ出せるようになるのに6ターンかかる。
が、6ターン目と言えばウィニー軍団が勝利を掴みかけていたり、コントロールデッキが戦場を掌握していたり、大型フィニッシャーが降臨している頃である。
そんなときにバクチを打っている暇があるのか?
しかもめくったカードは引いているわけではなく、このターン内に唱えなければ追放されて終わりである。
青お得意のカウンターなんかめくれてもほぼ死に札。
その上ストームとかいう小難しそうな効果を発動させるには、追加の呪文を唱えるだけのマナが更に必要ということである。


















デザイア

「精神の願望」登場と同時に、これを用いたデッキ「デザイア」が生み出された。
1ターン内に大量に呪文を唱えて「精神の願望」に繋げるのが目的のデッキで、そのために以下のような手段が用いられる。

  • 1.軽量マナアーティファクトを使う
水蓮の花びら/Lotus Petal (0)
アーティファクト
(T),水蓮の花びらを生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色のマナ1点を加える。

厳かなモノリス/Grim Monolithㅤ(2)
アーティファクト
厳かなモノリスは、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
(T):あなたのマナ・プールに(3)を加える。
(4):厳かなモノリスをアンタップする。

かつてのMoMaでも用いられたマナアーティファクトを大量展開する戦術。ストームカウントも増えて一石二鳥。
何?水蓮の花びらは当時禁止?気にするな!


  • 2.呪文のコストを軽減する
サファイアの大メダル/Sapphire Medallion (2)
アーティファクト
あなたが唱える青の呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。

夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar (1)(黒)
クリーチャー  ゾンビ
あなたが唱える青の呪文と赤の呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。
(1)(黒):夜景学院の使い魔を再生する。
1/1

1ターン内で何度も呪文を唱えるので、コスト軽減は単純なマナ加速以上の恩恵を受ける。


  • 3.フリースペルを使う
フェアリーの大群/Cloud of Faeries (1)(青)
クリーチャー — フェアリー
飛行
フェアリーの大群が戦場に出たとき、土地を最大2つまでアンタップする。
サイクリング(2)((2),このカードを捨てる:カードを1枚引く。)
1/1

断絶/Snap (1)(青)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。土地を最大2つまでアンタップする。

大あわての捜索/Frantic Search (2)(青)
インスタント
カードを2枚引き、その後カードを2枚捨てる。土地を最大3つまでアンタップする。

裏切り者の都/City of Traitors
土地
あなたが別の土地をプレイしたとき、裏切り者の都を生け贄に捧げる。
(T):あなたのマナ・プールに(◇)(◇)を加える。

MTGのインチキぶっ壊れ問題児カード群、通称フリースペルと呼ばれるカードたちを使う。
MTGにおいては呪文を唱えるのにマナというものが必要で、これを生み出すものは基本的に1ターンに1度しか使えない。
だがフリースペルは唱えるのに成功した場合、指定した数の土地をアンタップして再利用可能にする。
アンタップする土地に制限はないので、複数マナを生み出せる土地をアンタップするだけでマナが増える。
上のコスト軽減カードと組み合わせたときのシナジーは言うに及ばず。


  • 4.土地が生み出すマナを増やす
春の鼓動/Heartbeat of Spring (2)(緑)
エンチャント
プレイヤーがマナを引き出す目的で土地をタップするたび、そのプレイヤーは自分のマナ・プールにその土地が生み出した好きなタイプのマナ1点を加える。

早摘み/Early Harvest  (1)(緑)(緑)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分がコントロールするすべての基本土地をアンタップする。

初動は決して早くないが、爆発力は随一。
これらをバランスよく組み込んだら、次はフィニッシャーを採用する。

苦悶の触手/Tendrils of Agony (2)(黒)(黒)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)

思考停止/Brain Freeze (1)(青)
インスタント
プレイヤー1人を対象とし、そのプレイヤーは自分のライブラリーのカードを上から3枚、自分の墓地に置く。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)

フィニッシュ用の呪文は1、2枚ほどデッキに入れる。
大抵ストーム数が少なく済む「苦悶の触手」が好まれるが、同じ青の「思考停止」を採用して事故を減らしたり、
相手が無限ライフだったりバベルだったりという場合のために片方をサイドボードに置いていたりする人もいる。


残りは土地を切り詰めつつ、優秀な軽量ドローを詰め込む。

渦まく知識/Brainstorm (青)
インスタント
カードを3枚引き、その後あなたの手札からカードを2枚、あなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。

蓄積した知識/Accumulated Knowledge (1)(青)
インスタント
カードを1枚引き、その後すべての墓地にある名前が《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》であるカードの数に等しい枚数のカードを引く。

直観/Intuition (2)(青)
インスタント
あなたのライブラリーからカードを3枚探し、それらを公開する。対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはその中から1枚選ぶ。
そのカードをあなたの手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。その後あなたのライブラリーを切り直す。

デッキの動きはコスト軽減カードなどを起きつつ手札を溜め、
蓄えたカードで一気にドローしつつコンボでマナを増やし「精神の願望」を唱える。
大量にめくったカードは大抵コンボパーツやドローカードなので、更にそれらを唱えつつ「苦悶の触手」を引き当てる。
あとはわらわら と触手でライフをドレインして勝ちである。
コンボ開始にも6ターンもかからず、3、4ターン目には勝負にいくことが出来るくらいに速い。

中には「ぐるぐる」と「金粉の水蓮」を用いた「ぐるぐるデザイア」というアーキタイプなんかも存在する。
こちらは低確率ではあるが1ターンキルも可能だったりする。


デザイアの強み

  • 1.運が良ければどうとでもなる。
確定の必殺コンボというものは存在しないが、たとえどんなに薄い勝ち目であろうと運次第でそれを引き寄せられる。
コンボ自体の成功率が気になる人もいるかと思われるが、ストーム6辺りで「精神の願望」を唱えられればはほぼ王手である。

  • 2.カウンターに強い
「苦悶の触手」は1発の大ダメージ呪文を唱えているのではなく、2点のドレイン呪文をコピーしている。
コピーは唱えた時点で誘発されているため、コピーと本体が10発生まれた場合全て打ち消すには10枚のカウンターが必要となる。
例え仕留めきれなくとも、飛行を持った「フェアリーの大群」で数点のライフを削り取ることも容易い。
これに対処するには「時間停止」に代表される特殊なカウンターや、
「もみ消し」等で誘発能力であるストーム自体を打ち消さなければならない。

  • 3.戦場の不利を無視する。
相手の場にずらりとクリーチャーが並んでいようと、ライフが風前の灯火だろうと、それらを一切無視しての逆転が可能。

  • 4.必須カードが存在しない
デザイアと名が付いているデッキではあるが、何も「精神の願望」がなければ勝てないというデッキではない。
ドローを連発しつつマナをやり繰りしたらそのまま「苦悶の触手」に繋がって勝った、ということも。

5.デッキ名が「ブラックデザイア」とか厨二臭くてかっこいい


デザイアの弱み

  • 1.運が悪いとどうしようもない
カードの引きに左右されるデッキであり、特定の条件を満たしたら勝てるという保証が全くない。
上の強みはこのデッキの弱みでもある。
「精神の願望」で6枚めくったけどドロー呪文がなくてそこで詰んでしまった、ということも起こり得る。

  • 2.プレイングが難しい
基本構造は『カードを唱えまくって苦悶の触手を撃つ』だけだが、「もう1ターン耐えるべきか、今コンボを始めるべきか」「ここでこの呪文を唱えてマナは大丈夫か?」と色々な判断が求められる。
特にコンボの初動などはマナ計算や相手の妨害について慎重に考えなければならない。
「触手は願望でめくるから黒マナなんていらないよハハハ」などど適当にプレイしてしまうと、普通に触手が手札に来てしまい面倒なことになったりもする。

コンボデッキに時たま現れる、自分のターンを続けるソリティアデッキであること。
コンボも「この2枚で無限マナ出せます。ループを7万回繰り返して7万ダメージ与えます!」
という単純なものではなくしっかりとした計算が求められる。
そしてその間、対戦相手はほぼ抵抗手段がないためじっと待つしかない。
そして訪れるのはめくられるデッキトップを祈りながら眺めるという、狂戦士の魂を使われた羽蛾のような状況。
あなたは体験したいだろうか?私は遠慮しておきます。

  • 4.戦場に干渉しにくい
コンボに全力を注いで相手と殴りあうことを放棄しているため、相手次第では速攻でビートダウンされてしまう。
中途半端な速度ならカモだが、相手が山からゴブリンを出してきたらデザイア側はドキドキである。

  • 5.メタカードが存在する
出されてしまうと非常にデザイア側が困るカードが存在する。以下一例

法の定め/Rule of Law (2)(白)
エンチャント
各プレイヤーは、各ターンに1つしか呪文を唱えられない。

オアリムの詠唱/Orim's Chant (白)
インスタント
キッカー(白)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(白)を支払ってもよい。)
プレイヤー1人を対象とする。このターン、そのプレイヤーは呪文を唱えられない。
オアリムの詠唱がキッカーされていた場合、このターン、クリーチャーは攻撃できない。

青お得意のカウンターで…といきたい所だが、それはあまり得策ではない。
なにしろデザイアは上記の通り、デッキにこれでもかとコンボパーツをつぎ込み、それを最大限活用しているからこそ強いのである。
投入したカウンターが「精神の願望」でめくれてしまいコンボ失敗、では本末転倒なのだ。
自分のコンボに全力を注ぐタイプのデッキであるデザイアは、相手の的確な妨害に大きな影響を受ける。


…こいつさえいなければ。


狡猾な願い/Cunning Wish (2)(青)
インスタント
あなたは、ゲームの外部にあるあなたがオーナーであるインスタント・カード1枚を選び、そのカードを公開し、あなたの手札に加えてもよい。狡猾な願いを追放する。

「狡猾な願い」はジャッジメントで登場した、ゲーム外部からカードを持ってこれる願いサイクルの一枚。
ここでいう「ゲームの外部」とは、つまるところサイドボードである。
これによってサイドボードにカウンターやバウンスを仕込んでおき、
相手の行動に合わせて最適なインスタントを持ってくる戦術が可能となる。
青いデッキに恐ろしいまでの柔軟性をもたらしたこのカードは、デッキ内に無駄なものを置きたくないデザイアでも活躍した。
デッキにはコンボパーツだけを入れ、カウンターやバウンスが必要ならサイドから持って来ればよい。
カウンターもバウンスも必要ないというのなら、ドローカードを引っ張ってくればよい。実に無駄がない。

奇しくもこれにもという文字が含まれている。青はもう少し自重した願いを持つべきではないだろうか。

また、かつては追放領域というものが存在せず、解決した狡猾な願いは「ゲームから取り除く」となっていた。
この「ゲームから取り除かれた」カードがサイドボードと同じで「ゲームの外部」とされていたため

手札の「狡猾な願い」Aでサイドボードの「狡猾な願い」Bを持ってくる

唱えた「狡猾な願い」Aがゲームから取り除かれる

持ってきた「狡猾な願い」Bで「狡猾な願い」Aを持ってくる

唱えた「狡猾な願い」Bがゲームから取り除かれる

持ってきた「狡猾な願い」Aで(ry

とマナが許す限り繰り返し、そこから「精神の願望」に繋げたり「思考停止」を持ってきて終了ということが可能であった。


ワールドゴージャー「ルールまでフル活用していたとは汚いなさすが青きたない


かなり長い間エクステンデット環境に存在し、時には古いと言われながらもデザイアは残り続けた。
一時期は使用可能カードのローテーションによりデッキのパーツを悉く失い消滅しかけたが、
「春の鼓動」を用いたハートビートデザイアが頭角を現し、再び活躍し続けた。


と、以上がエクステンデットと呼ばれるカードプールの広い環境において活躍した「精神の願望」及びデザイアの大まかな説明である。
他の環境、例えばスタンダードというカードプールの狭い環境では相性のよいカードが少なく、強力なデッキには成らなかった。だいぶ後にヒストリックで精神の願望4枚積みデッキが構築可能になったが、こちらでも軽量マナ加速やフリースペルがほとんどない*1ため、前評判に反しさほど活躍できていない。

…ではカードプールが広大だったらどうなるのか?
ほぼ全てのカードが使える魔窟「ヴィンテージ」、「レガシー」でデザイアはどんな願望を実現させるのか――。


と思いきや「精神の願望」は一方で即座に禁止、もう一方でも一枚制限となった。お前はどこの神判だ。
まあ、例え修羅の国であろうとこんな危険物を無制限で放り込むのは危険とウィザーズ社も判断したのであろう。英断である。
いやーおぞましいデッキが完成しなくてよかっ―――――







ジャーンジャーン


げえっロング・デック!!




…「本来のコストを踏み倒す」という呪文は、MTGにおいて度々登場する強力な呪文である。
「精神の願望」もそれに属するが、それ単体ではランダム性が強いためそこまで強力な効果を発揮はしない。
しかしストームにより試行回数を増やすことで、その欠点を見事に解消してしまった。
このカードをここまで「完成」させた、ストームという能力はそれほどまでに危険な能力だった。


だが時は2023年8月7日。禁止改訂の日。
指輪物語が環境を賑わせ、多くのユーザーはそこからの禁止が出るだろうと予測していた。
そんな中での発表…そう、レガシーにて精神の願望が解禁となったのである。
こうしてついに、精神の願望がレガシーデビューを果たしたのであった。
登場から実に20年越しのことであった。

ちなみにルールに厳密に従うと「シャッフルして1枚めくる」をストーム分繰り返すと非常にめんどくさい処理をしなければならないのだが、
簡略化のために最初にシャッフルして、その後ストーム分めくって一気に処理を行ってしまう事が多かった。
一応ルール的にも他のシャッフルが挟まらなければ両者の合意によるシャッフル省略は認められていて、あくまでも省略なので、
シャッフルすることによって誘発する能力はストームの回数分誘発するので誘発漏れに注意。


その後のストーム

スカージ発売から3年後、時のらせんブロックが発売された。
このブロックには再び進化を遂げたスリヴァー、裏技のようなメカニズムを搭載して復活したファイレクシアの抹殺者
長らく姿を見せなかった珍しいタイプを持つクリーチャー、懐かしいキーワード能力、
「イシュトヴァーンおじ」というネタキャラなどが詰まっており、一種のお祭りのような側面も持っている。
―――そこに、ストーム呪文も混ざっていた。


登場したのは以下の三枚。

ドラゴンの嵐/Dragonstorm (8)(赤)
ソーサリー
あなたのライブラリーからドラゴン・パーマネント・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)

「精神の願望」と同期のカード。
初登場時は特に注目されることもなかったが、3年という時間を経てタイムシフトカードとして再録。
たかが3年、されど3年。その間に赤い暗黒の儀式こと《煮えたぎる歌》と、
場に出た瞬間初期ライフの1/4をも吹き飛ばす脅威のドラゴンブレスを備えた《ボガーダンのヘルカイト》の姿がそこにあった。
こうして誕生したドラゴンストームにより、多くのプレイヤーが黒焦げになり、炭化し、分解されて火葬された。
その活躍っぷりについてはドラゴンストームの項目でお読み頂きたい。

ぶどう弾/Grapeshot (1)(赤)
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ぶどう弾はそれに1点のダメージを与える。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)

「苦悶の触手」を赤にした感じのストーム呪文。ただし、致死ダメージを稼ぐのに必要なストーム数は「苦悶の触手」よりずっと多い。
しかし後に「紅蓮術師の刈り痕」という呪文のダメージを増やすエンチャントが登場し、
これを組み合わせた刈り痕ストームというデッキが誕生。
一発が稲妻級という大型子弾になり、多くのプレイヤーがなった。
誰か月霊髄液持って来い。もしくは901ATT隊員呼んでくれ。
イラストは戦車でもなんでもなく指向性クレイモアをぶっぱしている感じだが。
一部環境(Pauper)ではこれに対抗する手段が少なすぎて禁止カードにもなっている。

巣穴からの総出/Empty the Warrens (3)(赤)
ソーサリー
赤の1/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを2体戦場に出す。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)

上記の2枚に比べると大分大人しく見えるストーム呪文。
なにせ呼び出されるトークンは貧弱で、トークンへのバウンスは除去になり、速攻もないので全体除去で一掃されてしまう。
トークンにはどっかのゴブリンのようなイカしたフレーバーテキストもない。
……が、ゴブリンという部族デッキにおいては充分強力。
ゴブリンが全体的に軽いのでストームを稼ぎやすく、「ゴブリンの船長」などで速攻を与えればトークンはいきなり殴りだす。
結果ゴブリンストームというデッキまで誕生。
というか別にゴブリンデッキでなくとも、相性が良いデッキなら充分採用の余地があるくらいには強力な呪文。
「ぶどう弾」よりはマシなのだが、こいつもPauperでは「ぶどう弾」と一緒に禁止された。



……「ストームされると人は死ぬ」とでもいうべき恐るべきキーワード能力、ストーム。
キーワード能力の再録自体が珍しいことであるが、新たなストーム呪文が生まれる日は来るのだろうか?
将来墓地ストームというキーワード能力が生み出される可能性は未来予知というエキスパンションで明かされているが……果たして。











ストームが登場して14年後、統率者2017でそいつは現れた。

Magus of the Mind / 精神の大魔術師 (4)(青)(青)
クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(青),(T),精神の大魔術師を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーを切り直し、その後その一番上からカードをX枚追放する。Xは、このターンに唱えられた呪文の数に1を足した数に等しい。ターン終了時まで、あなたはこれにより追放されているカードを、それらのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。
4/5

なんと、まさかのクリーチャー化によるリメイクである。
本家と比べるとそのまま使う場合起動コスト分1マナ重いこと、クリーチャー故の脆さ、召喚酔いの影響を受けるという点で弱体化を受けている。

が、速攻を与えてリアニメイトしたりして、召喚コストを踏み倒せば、本家より軽いコストで使える可能性もある。

ちなみに、本家と違いストームを用いていない。
挙動もほとんど変わらないが一部の処理が変わる、ストーム対策カウンターを用いずとも1発で打ち消せるという点で本家と異なる。
まあ、こちらは起動型能力なのでその点では「普通のカウンターでは打ち消されない」という点は変わらないのだが。


アニオタの願望/Aniota's Desire
ソーサリー
アニオタ一人を対象とする。そのアニオタは、項目を一つ追記・修正する。
アニオタストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、今日これより前に追記・修正された項目1つにつきそれを1回コピーする。)

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最終更新:2024年04月22日 17:25

*1 色の合わない《炎樹族の使者》《薔薇棘の見習い》、打ち消しであるため根本的に別物の《巻き直し》《巻き戻し》くらい