繭(WIXOSS)

登録日:2014/11/22 Sat 14:48:20
更新日:2024/02/21 Wed 10:49:54
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私は、それさえも奪われてたんだから!



繭はアニメselector infected WIXOSS/selector spread WIXOSS/selector destructed WIXOSSの登場人物。
外伝漫画selector stirred WIXOSS/selector infected WIXOSS-peeping analyze-/selector infected WIXOSS~まゆのおへや~にも登場。


▽目次

概要

白いうねったロングヘアーの少女。
真っ白な建物のような場所にいて、そこからセレクターやルリグを見つめている。

その役目はWIXOSS(これ自体はアニメ世界でも某タカラトミーが販売している普通のTCG)を利用した、少女達の血で血を洗う「セレクターバトル」の中心人物。
ファンからの通称は「種田(ネキ)(CVから)」や「糞運営(えげつないセレクターバトルの管理者であることから)」や「、
擬人化QB(見た目も役回りもインキュベーターを意識させるため)」、さらにシンプルに「タカラトミー」など。

彼女がinfectedで登場した際には、紅林遊月(のちのユヅキ)にセレクターバトルの真実を伝えている、
なお繭は別に秘密にしておきたいと思っているわけではない模様。
実際セレクターバトルの真実を言うことでペナルティが生じるのは自分ではなくそのルリグであるからだろうか。

アニメ及び漫画を通して、ユヅキ、ピルルク、タマ、イオナ、ふたせ、ウリスとは邂逅している。
セレクターからルリグとなった少女にルールと真実を伝える役目を持つため、設定上すべてのルリグと面識があることにはなる。

ただこの手のトリックスターらしく、彼女の言っていることはどこまで本当でどこから嘘かがわかりにくい。
というか、割と嘘が混じっている。

  • セレクターは3度敗北すると一生続くペナルティを背負う
    →あきらっきーは確かに一生消えない傷を負っているが、それでも願っていたことの反射というだけのペナルティとは言いがたい(仕事に復帰しているため)。
    またひっとえーは友人になり得る人に(物質的・精神的両面で)触れるだけで痛みが走る体になっていたが、昔の友人と連絡をとり合ったりるうやユヅキのことを思い出したりできるようになっている。
  • 敗北したルリグは消える
    →わけでもない
  • ルリグは1戦すると疲れて寝てしまう
    →序盤こそそんな描写はあったしメディアミックスでも語られたが、なんどか勝負を繰り返す内にそんな設定があったことが忘れられているフシがある。
    もっともスタミナついたのかもしれないけど。
  • 勝利条件を満たすことで「願いを叶えることができる自分」夢限少女になれる
    →後述。多分いちばんの詐欺。
なおこれらは殆どがルリグである花代さんの説明であるため、実質的に繭が嘘をついていたというよりは花代さんの嘘と勘違いが大半な模様。

作中での活躍とセレクターバトルの真実

遊月が花代さんと夢限少女になる契約を交わした際に初登場。セレクターバトルの真実を伝える。

繭曰く、夢限少女とはすなわちルリグのこと。
セレクターが勝利条件を満たすことでルリグになり、そのときのルリグはセレクターの中に入る。

つまり願いは叶うが叶えるのはセレクターではなくルリグである。

ということで、実際のところ負ければペナルティを食らうにもかかわらず勝ったらルリグデビューという、かなり誰得なシステムであることが明かされたのであった
(…というものの実際のところこの制度をむしろ受け入れているセレクターも数多い)。

このため多くの視聴者は「QBは願いを前払いしてくれるだけ良心的だった」とすら語っている。
ルリグはこのルールをセレクターには語らないが当然である
人間に戻りたいのだから。いったら破られたり燃やされたりして、カードに閉じ込められたルリグのまま一生を過ごすことになってしまうではないか。

また、セレクターが願う願いは「物理的に願いがかなわないものではなく、倫理的にかなわないものである」という持論を展開している。
へえ、るうの願いも「倫理的にかなわない」ものなんですかね…?

実際花代さんは遊月と入れ替わった後積極的に香月にアタックして香月と相思相愛になっているし、
リメンバはその条件が「友人を苦しみから開放する」であったことをいいことに、治すのではなく呼吸装置を外す(=殺す)ことで実行している。
ルリグになると倫理観や常識が狂ってしまう例も少なくは無いようでふたせはセレクターバトルの中毒者になってしまっている。
これをさして、「WIXOSSとはすなわち薬物の暗喩である」という意見もある。
ウリスに至ってはこのゲームを楽しんですらいるが、ウリスは元々狂っている為、ある意味このシステムは今まで行ってきたことの延長としてやっているようなものである。

ちなみに元ルリグで解放された後にセレクターに再び返り咲いた場合はこのシステムを知っているはずだがふたせやウリスは受け入れているし(むしろウリスにとってはご褒美)、
ルールをしってもあきらっきーやるう子、ひっとえーはセレクターを続けている。




非常に気が短く、予測外の事態に弱いという弱点が存在する。

最後は白窓の部屋にて繭自身がウリスのセレクターとしてるう子と対決する。

デッキは全色混合デッキ構成で、ルリグのLV5化が可能(作中で他にLV5化が可能なのはるう子とウリスのみ)、切り札が無色ルリグであるウリスLV5
というラスボスらしい仕様。

…なのだが、今まで他者とのWIXOSSバトルの経験が無いため、セレクターとしての技量はあまり高く無く(それでも一応るう子には一定の評価はされているが)、
相手に想定外の戦法を取られると大きく動揺してしまう。
これらから視聴者からは「中ボスのセレクターウリスやおばあちゃんの方が明らかに強かった」「技量だけならイオナ(クロ/ユキ)方が上」という声も度々あがる。
更に言うなら後に判明したデッキも事故率の高いひどいものであった。

また、作中でもこれまで何があっても余裕の表情しか見せなかったウリスさえも、顔色を変えて何度も繭を叱咤し、あげくに繭にビンタを加える程。

その素顔




彼女はタマとイオナの母親でもある。タマは忘れていたが。

繭はたびたび「白の少女」と「黒の少女」についての話を持ちだしている(これをもとにふたせは小説を2冊刊行している)が、このうち「黒の少女」はイオナであることが判明している。
そして、「黒の少女=闇の少女」であり、「人がにくくて傷つけ続ける」のが黒の少女であり、
白に憧れても薄汚れた灰色になっちゃうよとまで切り捨てているなどかなりの虐待とも言える母親である。
もしかしたらかつてのイオナは実際闇の少女らしく人が憎かったのかもしれないが、
よりにもよってるう子によって心が多少揺れ動いた自分の娘を煽っていく理由はないと思うんですがそれは…
おまけにそれを明かしたときに繭がひきこもりであったことまで暴露され胸糞悪くなった繭はイオナを思い切り痛めつけている。

もう片方のタマに対しては今度は逆に過保護とも言える行動を取っており、るう子をはじめとした人間から遠ざけようとしている。
もっとも、その割には一度はタマはるうのルリグになっているため、なんらかの理由で一度は送り出したのだろうと思われるが。
最後にタマが契約を途中で打ち切ったのも繭がタマに余計なことを吹き込んだからである。

ちなみにこの時「外は怖い」「嘘つきばかりだ」とタマに言い聞かせているが、
当然視聴者から「お前のが怖いわ」「嘘つき? 自己紹介乙です」と言われる羽目になっている。
しかもそれでもるうに会いたいと願うけなげなタマに対して、ウリスというもっとも育ての親としてふさわしくない性根の持ち主に預け、いわばるう子の敵として送り出している。
なんだこの親やっぱりこっちも虐待じゃないか。

繭は屋敷に閉じ込められて死んだ少女の怨霊であり、差し入れられた絵本を読み、外の世界やそこにいる自分以外の少女を知って憎しみを募らせていく。
繭の悪の部分を象徴する「黒の少女(イオナ)」と繭の善の部分を象徴する「白の少女(タマ)」は、
屋敷に閉じ込められていた彼女が造りだしたイマジナリーフレンズで、屋敷にあったウィクロスでタマ・イオナと三人でバトル(という名のソリティア)をしていた。
外の世界で願いを叶えられる少女達を恨んだ繭は、少女達を弄び破滅させるためウィクロスバトルのシステムを利用していく。
イオナからは「お人形遊び」と表現されており、実際お人形遊びというか一人ままごとというか、そんな感じのゲームではある。


この事からルリグ→girlの逆読みと同様に、セレクター→選択を許されている者達という繭の皮肉的なネーミングであるようである。


なお、最終話にて一衣と香月が繭の屋敷にダイレクトアタックをしかけた直接乗り込んだ際には、
既に彼女の生活の痕跡は片づけられていたが、管理人の反応やそもそもWIXOSSの存在からして、亡くなったのはそこまで昔でも無い模様。


結末

前述のように最終決戦において、ウリスのセレクターとしてるう子とユキ(イオナ)の前に最後の敵として立ちふさがるも、
実戦経験の薄さからWIXOSSではるう子には太刀打ちできず、ウリスを幻滅させていた。

「そんな……ここでるう子がアタックしてエナが溜まって……」
「あんた最強のセレクターなんじゃなかったの!?」

なんとかユキを追い詰めるも、復活したタマがユキと融合、レベル5ルリグ「マユ」へと進化する。
自分と同じ名を持つマユに驚愕しながらもウリスをレベル5へと進化させ対抗するが、最終的に敗北。

最後はるう子に抱きしめられ、泣きじゃくりながら無数の蝶となって昇天していった。

なお、続編である『Lostorage incited WIXOSS/Lostorage conflated WIXOSS』ではある人物から直に消滅したと語られたため、回想場面でしか登場していない。
だが、結果的に繭が始めたWIXOSSバトルが新たな火種を生む事となる…。



「繭は……また誰かに抱きしめてもらえる?」

劇場版「destructed」において

+ ...
「繭……そろそろ遊びはお仕舞にしましょう?」
「ええ。ウリス、グロウ…レベル5!」

強い……!」
「けれど彼女は本当のバトルをしたことがない……誰かと心を通わせるバトルは!」

劇場版「destructed」でもラスボスとして、ウリスのセレクターを務める。
ウリスラスボス化だの途中退場だのと予想されていたが、意外にも扱いは据え置き……

どころか、TV版にあった情けないシーンが悉くカットされ、TV版と異なり、LV5ウリスがLV5マユ相手に優勢になるなど、圧倒的な強さのラスボスとして君臨した。
ただしこちらについては、描写上は文字通りウリスがマユをリアルファイトで圧倒しているという場面であり、
実際にこの場面では繭はるう子に説得されておりプレイ自体をしている描写は無く、ウリス自身も早く指示を出せと促している為、WIXOSSバトルとして優勢だったのかは不明。

余談

ウリス自体は「オリジナルのルリグ」ではないにもかかわらず特殊な能力を持たされてタマに入り込んだりしているので、
ウリスにはなにか目をかけているのだろうと思われるが、その割にるう子vsウリスではウリスのことをスルーしていた。
後に手を組んだ後も互いが会話してる場面はほとんどない。劇場版で少し追加されたが…。
ただし、これはウリスと繭がダブルラスボスとして最後に立ちはだかる為、メタ的な部分でお互いについてあまり触れさせないシナリオにしてるだけの可能性がある。
(互いに対等な立ち位置でのダブルラスボス形式はラスボスらしさを保つ為か他作品でも必要以上にラスボス同士で会話をさせない事が多い。例としては原作NEEDLESSの左天&ギドコンビ等)

またタマにいらんことを吹き込んだり、イオナがおかしくなったと発言したりするもののその元凶であるるう子のことも割と気に入っているようである。相変わらずぼっちにはモテるるう子であった。

ちなみに、
作中ではルールを説明し、このゲームに引きずり込むガイドのような振る舞いをしており、白窓の部屋でふんぞりかえっている事から、

視聴者からは「運営」と呼ばれ、
ルールやシステム、白窓の部屋に至るまで全てを生み出した張本人として断定されて扱われる事が多いが、

実際は彼女が一からこれらを生み出したとは作中では一度も明言されてはおらず

彼女の過去に触れた話においても「新しい遊びを始めた」としか表現されていない。
自身のイマジナリーフレンドにセレクターバトルのルールを説明する場面も、
なんらかの方法で第三者から知ったルールを説明してるだけという可能性も否定は出来ない。

本編やコミカライズにおいてもルールについては嘘を混ぜて他者に話す事はあっても、既存のルールを変えた事は一度も無く、

それは彼女にとって激怒したり取り乱したりする程の不利益な状態になっても同様であり、
彼女自身もセレクターバトルのルールには抗えない描写が多々見られる。

他には白窓の部屋に常時居座ったり異能の力を見せるといった描写もあるが、
白窓の部屋にとどまる事は劇場版のハナレもやっている為本人の意思さえあれば可能であり、超常現象についても繭のいなくなった空間でウリスとハナレが起こしている為、繭にしかできないというものでもない。

現時点で彼女のみが行使できると判断できるのはセレクターバトル関係者の監視と夢限少女を任意のセレクターの元に送る事のみである。
その為、他の一般のセレクターバトル参戦者よりは優遇こそされてはいるのは事実ではあるが、

彼女は主催者ではなく、白窓で情報戦というスタイルのみをとっているだけのセレクターバトルの一般参戦者の一人にすぎないのでは?という見方をされる事も増えている。

そして、シリーズ最終章であるLostorage conflated WIXOSSで明らかになった事実から、
元凶は実際のところこの「白窓の部屋」そのものであることが判明。
本当に「ちょっと優遇されてる一般参加者」の一人でしかないことが明らかになった。

2015年3月に、WIXOSSにも禁止・制限カードが導入されることになったが、そのレギュレーションが公式で「繭の部屋」と名づけられた。
ゲームマスターの意に沿わないカードを彼女の権限で闇に葬るイメージなのかは不明。
いよいよ名実ともにクソ運営に成り果てる彼女であった。

なお繭の部屋行き第1号として彼女自身が候補になっていたが、さすがにそれは自重されている。


追記・修正は部屋送りになってからお願いします。

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ここは白窓の部屋
さあ 私と遊びましょう?


ああ!待って!!帰らないで!!!


ピーアナ完結後のウルトラジャンプにおいて、実質繭が主人公となる外伝漫画「selector infected WIXOSS ~まゆのおへや~」が連載開始した。
作者は同誌にて「黒田さんと片桐さん」を連載中のnini氏。W連載とか鬼かUJ編集部。

そんなわけでページ数もたいして割けず、毎号数ページの小規模連載として、白窓の部屋でセレクター達を弄ぶ繭の日常が描かれている。
――のだが、その内容といったら
  • ボロボロの掘っ立て小屋にしか見えない白窓の部屋
  • ルリグやセレクター達にボロクソに扱われる繭
  • 夢限おじさんなどの毎回ゲストにボコボコにされる繭
  • しまいにはちよりが連れてきた幼稚園児にボコボコにされる繭
という、仮にもラスボスの繭を徹底的にいじり回すというギャグ系スピンオフであった。
紆余曲折を経てるう子とは仲良くなっており、本編よりは幸せそうなのが救い。

他にも公開された繭のデッキを「子供が作った強そうなカードの寄せ集めデッキ」と公式で称されたり、劇場版のラスボス予想記事にて(最強と名高いるう子のおばあちゃんどころか繭にWIXOSSをあげたメイドのようなモブキャラすらいるのに)繭は影も形もなかったりと、本編中盤までの邪悪さとは打って変わってすっかり残念な黒幕と化してしまっている。

しまいには死神ピルルクたんをいつもどおりにセレクターのもとに送り込むはずが、間違えて別の世界に送ってしまった挙句、迷い込んできた他所の子をルリグに仕立て上げてごまかしていた。
他所様に迷惑かけるんじゃありません!


順調にネタキャラになりつつある繭だったが、WIXOSSのselectorシリーズ最終弾となる第14弾「サクシードセレクター」にて、ついにカードとして登場。
同時に繭が描かれたアーツやスペルも多数登場している。
しかし、肝心のルリグカードは、ルリグタイプは「繭」ではなく「」で、カード名も「紡ぐ者」という特異なもの。
タマとユキが融合したマユとの差別化のために避けたのかもしれないが、それにしても完全な無名となっているあたりは謎が多い。


――ひょっとしたら「繭」は、彼女の本当の名前ではないのかもしれない。




追記・修正は部屋で繭と遊んであげてからお願いします。

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最終更新:2024年02月21日 10:49