フォビドゥンブルー(MS)

登録日:2014/11/21 Fri 21:38:39
更新日:2024/04/06 Sat 09:52:39
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それじゃ、ひと呑みにしてあげるわッ!




フォビドゥンブルーとは『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場するモビルスーツ(MS)。
初出は『機動戦士ガンダムSEED MSV』であり、主に『DESTINY ASTRAY』などの外伝系作品に登場する。
ここでは派生機のディープフォビドゥン及びフォビドゥンヴォーテクスについても記載する。


目次




フォビドゥンブルー
FORBIDDEN BLUE


基礎データ


型式番号:GAT-X255
所属:地球連合軍
全高:17.47m
動力:内蔵バッテリー
装甲材質:トランスフェイズ(TP)装甲

武装:
75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2
115mm機関砲「アルムフォイヤー」×2
トライデント
フォノンメーザー砲
スーパーキャビテーティング魚雷キャニスターポッド×2
2連魚雷ポッド/3連魚雷ポッド×2
テイルエクステンション
装甲内蔵式重刎首鎌「ニーズヘグ」×4

特殊装備:エネルギー偏向装甲「ゲシュマイディッヒ・パンツァー(G・パンツァー)」

搭乗者:ジェーン・ヒューストン
地球連合軍一般兵


機体解説


地球連合軍が開発した試作機にして初の水陸両用MS。
名前から分かる通り後期GAT-Xシリーズの1機・フォビドゥンガンダムをベースとした機体。
そのため見た目はフォビドゥンのそれと酷似しており、装甲が水色で塗装され関節部が防水加工されている以外外見上本体に大きな変化は無い。
バックパックは水中用の装備に変更されているが基本構造に変化は無く、全体のシルエットもフォビドゥンに近い。

バックパックで頭部を覆った「強襲形態」の機構も継承されている。
ただし水中向けということで大型スラスターが無くなり大気圏内での単独飛行は出来なくなっている。


本機はゲシュマイディッヒ・パンツァーの力場によって周囲の水分子に干渉し、機体への水圧を激減させるという独自の潜航方法を取っており、
力場を展開する限り理論上は無限に潜航し続けることが可能(これに関してはフォビドゥンも可能な模様)。
水の抵抗を減らすことで巡航速度も向上させており、巡航速度は100ノット(時速185.2km)以上。

反面、潜航能力をG・パンツァーに依存したため機体本体はフォビドゥンから大きな変更をされておらず、水中で本格行動するには耐圧性能が不足している。
このため、
  • 潜航中はG・パンツァーを使用し続けなければならずエネルギーを消耗しやすい
  • 万が一水中でエネルギーが切れた場合TP装甲も起動できず、水深によっては水圧で瞬時にグッシャっと圧壊する恐れがある
  • バイタルエリア以外は通常装甲なので魚雷などにはあまり強くなく、他の水中用機体に比べ被弾時の危険が大きい
……などの問題を抱えている。

このこともあり、テストパイロットからは「フォビドゥン・コフィン(禁断の棺桶)」というあだ名をつけられている。


とはいえ、本機の水中における戦闘能力の高さはグーンゾノを凌駕しており、
陸上でも並のMSを圧倒する高い格闘能力を発揮できるなど、一概に失敗作とは言えない性能を秘めていた。

開発にはジェーン・ヒューストンらが関わっており、4機が製造され、内1機はジェーンの乗機としてザフトの海洋部隊相手に戦果を挙げている。
また、ジェーン機は後にディープフォビドゥンからフィードバックされた技術で改修が施され、上記の問題点をある程度克服している。



武装


  • 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
頭部に内蔵された機関砲。他のGATシリーズと同型。

  • 115mm機関砲「アルムフォイヤー」
両前腕部に内蔵された機関砲。対MS用としては充分な威力を持つ。

  • トライデント
唯一の手持ち武器である三つ又の…ていうか銛。先端に返しがついている。

  • フォノンメーザー砲
フレスベルグの代わりにバックパック正面に内蔵された音波ビーム兵器。
一部作品では大出力ビーム砲になっていることも。

  • スーパーキャビテーティング魚雷キャニスターポッド
エクツァーンの代わりにバックパックの両サイドに内蔵。弾頭を気泡で覆うことで速度を強化する。
一応地上でも使えるがやはり本領は水中。

  • 2連魚雷ポッド/3連魚雷ポッド
バックパック左右の下部にオプションで装備可能。二種類を選択出来る。

  • テイルエクステンション
バックパック後部に装備された長細い尻尾状ユニット。超長波アンテナと曳航ソナーアレイを内蔵する。
先端には4枚のブレードが取り付けられており、機体の固定や攻撃に使うことも可能。
マーメイドガンダムよろしくブレード部分を回転させ推進器とする案もあったが、採用されていない。

  • 装甲内蔵式重刎首鎌「ニーズヘグ」
G・パンツァーユニットに収納されている近接格闘用のブレード。
一応、フォビドゥンが装備している大鎌に付いてる刃と同じものだが、柄部分は無く可動装甲の内部に2本1組で収納している。
使用時には可動装甲内をスライドしてハサミ状に展開し、敵機を捕獲してそのまま両断するのを主用途としている。
左右のアームから展開した姿はジェノブレイカーを彷彿とさせる。

  • エネルギー偏向装甲「ゲシュマイディッヒ・パンツァー」
バックパックのアームに装備。可動装甲部分の表面が曲線的なフォルムに変更されており見た目はまんまジェノブレイカーのシールド。
前述の通り本機の潜航機能の要であるが、フォビドゥン同様磁場干渉により、敵機から受けたビームを捻じ曲げ防御に使うことも出来る。
ソードカラミティのレーザー対艦刀を正面から受け止めたこともあるなどその防御力はかなり高い。

上記の通り可動装甲部にはニーズヘグも内蔵しているため、攻防一体のサブアームとして機能する。



劇中の活躍


C.E.71年に完成し、ソードカラミティやレイダー制式仕様などの連合製MSと共に実戦配備される。
それまで地球軍はザフトのMS部隊に圧され制海権を奪われ続けていたが、フォビドゥンブルーやディープフォビドゥンの登場によってその状況は覆されることになった。
特にジェーンの乗った機体は目覚ましい活躍を見せ、彼女は「白鯨」の異名を持つことになる。
ちなみに、ジェーンにフルボッコにされたザフト海洋部隊の中には後にアビスガンダムのテストパイロットを務めるマーレ・ストロードがいたという。

南アメリカ独立戦争ではエドワード・ハレルソンへの刺客としてジェーンと共に登場。
ソードカラミティと互角に渡り合うが、陸上での不利は否めず撃破されかける。
しかしジェス・リブルアウトフレームの介入によってジェーンとエドが和解。そのままフォビドゥンブルーも南アメリカの戦力となる。
最終決戦では単機でディープフォビドゥン部隊を迎え撃つが、数に圧され苦戦。
魚雷の直撃を受ける寸前まで追い込まれるがザフトの援護を受け、事なきを得た。

また、ジェーン機とは別の機体がアメノミハシラに配備されている。
しかしアメノミハシラ自体が宇宙にあるため出番はほとんどない(代わりにM1Aアストレイが使われる)。



派生機


◆ディープフォビドゥン

■基礎データ

型式番号:GAT-706S
所属:地球連合軍
全高:17.20m
重量:80.40t
動力:内蔵バッテリー
装甲材質:チタニウム耐圧殻

武装:
トライデント
フォノンメーザー砲
スーパーキャビテーティング魚雷キャニスターポッド×2
装甲内蔵式重刎首鎌「ニーズヘグ」×4
テイルエクステンション
腕部オプションラッチ×2

特殊装備:エネルギー偏向装甲「ゲシュマイディッヒ・パンツァー」

搭乗者:ジェーン・ヒューストン
地球連合軍一般兵


■機体解説

フォビドゥンブルーをベースに開発された量産機。
本体の設計を見直され基本構造はそのままに各部を簡略化。
量産性を考慮してパーツの共有化を図ったのか、頭部にバイザーを取り付けるなど全体的にダガー系に近い外観となっている。
一方バックパックに大きな変更は見られず、武装の大半もそのまま。

フォビドゥンブルー同様G・パンツァーによる潜航能力を有しているが、チタニウム製耐圧殻を搭載したことで本体の耐圧性が向上。
これによりG・パンツァーに頼らずともある程度の深度までなら潜航出来るようになり、エネルギー消費を抑えつつパイロットの安全性確保に成功している。
一方で、TP装甲は廃されているため、全体的な耐弾性は若干低下している(TP装甲を採用しているとの資料もある)。

戦闘能力自体もフォビドゥンブルー譲りに高いため、水中戦用MSとしては非常に優秀。
制式機となったことで型番はXが外れ、水陸両用機を示す新たな分類として700番台の数字が割り振られている。


■武装

※フォビドゥンブルーと同じ物は割愛

  • テイルエクステンション
バックパック後部に内蔵。センサー類はそのままだが形状は尻尾からスタビライザー状に変更されている。

  • 腕部オプションラッチ
両前腕部に搭載。任務に合わせた装備を追加できる。


■劇中の活躍

少数ながら量産され、第二次カサブランカ沖海戦に参加。
ジェーンのフォビドゥンブルーなどと共にジブラルタル基地を壊滅状態に追いやる戦果を挙げた。

南アメリカ独立戦争では数によってジェーンのフォビドゥンブルーを撃破寸前まで追い詰めたが、介入してきたグーン部隊によって蹴散らされた。



◆フォビドゥンヴォーテクス

■基礎データ

型式番号:GAT-707E
所属:地球連合軍
全高:17.47m
動力:内蔵バッテリー
装甲材質:TP装甲
チタニウム耐圧殻

武装:
75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2
115mm機関砲「アルムフォイヤー」×2
トライデント
フォノンメーザー砲
スーパーキャビテーティング魚雷キャニスターポッド×2
装甲内蔵式重刎首鎌「ニーズヘグ」×4
テイルエクステンション

特殊装備:エネルギー偏向装甲「ゲシュマイディッヒ・パンツァー」

搭乗者:地球連合軍一般兵


■機体解説

SEED DSTINY』に登場したフォビドゥンブルーの量産機。
ヴォーテクスは「渦巻き」の意。

見た目や武装に至るまでフォビドゥンブルーと全く同じであり、並べられると区別はつかない(一応テイルエクステンションに推進器機能が付与されている)。
しかし、ディープフォビドゥンからフィードバックされた耐圧殻を搭載したことで水中行動能力は大きく向上している。
そこ、「核動力を積めよ」というツッコミは無しだ。積むにしても安くはないしね。

ヘブンズベース攻防戦で多数登場するが、侵攻してきたザフト水中部隊の数と勢いに圧され撃破されていた。

なお、フォビドゥンブルーに似ているのは設定画を転用しているため。
そのせいで両者の区別はかなり曖昧になっており『DESTINY』の公式サイトでは放送当時から「フォビドゥンブルー」と表記され、
2022年のサイトの全面リニューアルでも表記がそのままで、翌23年になってようやく「フォビドゥンヴォーテクス」に改められた。



関連機体


フォビドゥンガンダム

後期GAT-Xシリーズの1機。
ブルーのベース機であり、基本構造の他、一部装備も共通している。
また、G・パンツァーによる潜航能力はこの機体の時点で備わっていた模様。



ゲーム作品


Gジェネシリーズ

GジェネレーションPORTABLEに登場。2021年現在、ブルー・ディープ・ヴォーテクスが揃い踏みした唯一のゲーム。
原作通りにヘブンズベース戦でフォビドゥンヴォーテクスが登場するが、数が非常に多い上あのビルゴ並に固く、敵としてはかなり面倒な相手。捕獲も可能。
地形適性がブルーとヴォーテクスは陸B水Bなのに対しディープは陸C水Aという点を除けば、3機ともほぼ同一性能(本作ではディープもTP装甲持ち)。
TP装甲とGパンツァーのおかげで破格の防御性能を持つが、宇宙に出られずSFSにも乗れないというデメリットに見合うかと言われると…
性能が微妙なくせに開発ルートは限られているので、とにかく早く欲しいという訳でもなければ捕獲したヴォーテクスからブルーとディープを開発しよう。

◇GENERATION OF C.E

オーブ戦終盤に敵として4機のフォビドゥンブルーが登場(内1機はジェーン機)。
水中ではこちらのビームが減衰し水上でもG・パンツァーとTP装甲による高い防御力を発揮するなど倒しにくい相手。
但し攻撃性能自体は大したことはないので、陸上に出たところを複数機で取り囲めばあまり脅威ではない。



立体化


ガンプラ

2023年現在まで正式な商品化の機会は無い。
ガンプラではないが、 ガシャポンEXのガンダムメカセレクション8で立体化されているだけ恵まれている方か。


追記・修正はブルーとヴォーテクスを見分けてからお願いします

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最終更新:2024年04月06日 09:52