我愛羅

登録日:2014/11/03 Mon 00:22:03
更新日:2024/04/01 Mon 22:41:30
所要時間:約 22 分で読めます




この里に繋がり、生きるために


我愛羅(ガアラ)は、漫画『NARUTO‐ナルト‐』及び続編の『BORUTO‐ボルト‐』の登場人物。

●目次

【プロフィール】

所属:砂隠れ
役職:下忍→風影
忍者登録番号:56-001
誕生日:1月19日
星座:やぎ座
血液型:AB型
身長:148.1cm(13歳)→166.1cm(16歳)
体重:40.2kg(13歳)→50.9kg(16歳)
好きな食べ物:砂肝、タン塩
嫌いな食べ物:羊羹、マロングラッセ
戦ってみたい相手:里を守るためなら誰とでも戦う(第二部)
好きな言葉:自愛(13歳)→慈愛、未来(16歳)
趣味:戦闘(13歳)→サボテン栽培(16歳)
CV:石田彰

【概要】

風の国の砂隠れの里忍者
尾獣の一体・一尾の守鶴を宿す人柱力であり、その点において九尾を宿す本作品の主人公・うずまきナルトと良く似た立場にある。
ただし、その境遇はイルカを始めとした理解者を少なからず得ることができたナルトよりもさらに過酷である。

額の「愛」の文字と、巨大な砂の瓢箪を背負っているのが特徴。額の「愛」の文字は、人間を恨んでいた当時「自分だけ愛する」と言う意味の証として自ら砂で刻んだもの。
一尾に取り憑かれたことから情緒不安による不眠症を抱えているため、目の周りには大きな隈が出来ている。
後に暁によって一尾は抜かれたが、隈は消えていない*1

中忍試験受験のために兄のカンクロウと姉のテマリともに木ノ葉隠れの里を来訪した。

通り名は「砂瀑の我愛羅」*2

登場当初は下忍だったが、のちに砂隠れの里長・風影に就任した。

【人物】

当初の彼は残虐非道、「目があった奴は皆殺し」が信条の殺人鬼であった*3
目つきも悪く、眼の周りの濃すぎる隈*4も含めて、その表情は完全にイッちゃってる。
だが、後述するナルトとの交戦・交流で性格や言動に変化が起こり、険悪なきょうだい関係を築いていたテマリ・カンクロウ*5に歩み寄る姿勢を見せた他、
第一部終盤でロック・リーの助太刀に現れた時には、敵との戦いだけでなく彼の安全も考えて行動するなど、他人を思いやるようになっていた。というより、幼少期はケガをさせてしまった子供に傷薬を渡すなど思いやりのある性格だったため、恐らくこれが彼の素の性格と思われる。

第二部以降は好青年に成長しており、関係が改善された兄と姉を始め、様々な人物の協力を得て風影として日々政務に勤しんでいる。
また、好青年になった我愛羅は女にもモテモテで彼が動く後には「我愛羅様ァー(はぁと)」と黄色い声援が飛び交う。
「女ってのはエリート志向でクールなのに弱いって相場は決まってる」んだとか。
最終回では五影会談ついでに姉と結婚したシカマルの家を訪れ、甥のシカダイに「大きくなったな」と優しく声をかけるなど、大人の風格も見せていた。

総じて我愛羅は、『NARUTO』という物語全体を通しても最も大きく変化したキャラクターの一人だといってよい。
特に初期の狂人だった頃と後期の好青年になった姿とで、基本的な造型自体は変わっていないにもかかわらず、
その内面変化が見た目から理解できるのは作者の作画センスの表れだろうか。

【能力】

性質変化は、土と風と雷。大きなヒョウタンを背負い、その中に入れた砂を操る。それだけでなく、周囲の砂を操ったり、石を砕いて砂を作ることもできる。
ヒョウタンに入れて持ち運んでいる砂は、常日頃からチャクラを練りこんでいる。
そのため周囲の砂を操る時よりも反応が早く、我愛羅も頼りにしているが、それを見切った敵に逆手に取られてしまったこともあった。

固めた砂の圧により敵を押し潰す、「砂瀑葬送」が主力技。上記の殺人衝動も相まって、砂には強い血の臭いがこびりついている。
また上記のヒョウタンの砂は自分に迫る攻撃を我愛羅自身が気付いていなくとも全自動で防御する「砂の盾」という特殊技能を有しており、
スピードが速すぎるなど、「砂の盾」が追い付かない敵への対策として自身が砂を纏う「砂の鎧」も持っている。
その鉄壁の防御力を指して『絶対防御』の異名を持つ。

一方、弱点は砂を操るが故の攻撃スピードの遅さ。ロック・リーなど攻撃スピードが素早い相手の攻撃は攻守とも対応が間に合わない事も多々ある。また、者の書のパラメータを見る限り体術や力といったパラメータは高くなく、肉弾戦は不得手な模様。

あまり取り沙汰されないがスピードも相当で、登場当初はスピード勝負でと善戦できるサスケが全く反応できず「いつの間に俺の隣に?」と驚嘆し、カカシ並みの抜き足と推測していた。重りを外したリーのスピードに全く反応できなかったため、なかったことにされた可能性が高い

まぁ要するに、大した奴だということである。兄であるカンクロウも、「なんせ我愛羅は天才だ」と評している。
…『NARUTO』って大体そんなのばっかりだけどな!

なお、実は父譲りの血継限界・磁遁を使うことが出来るが、隠し玉とするため普段の戦闘では使わない。

【使用術】

風遁・雷遁・土遁の性質変化を持つが、砂の術が一番の得意。

  • 砂の盾
絶対防御その1。帯同させている砂がオートガードで防御する。これには母・加瑠羅の想いが彼女のチャクラとともに宿っており、規模が大きくなると彼女の姿を象る。
当初この砂には守鶴の特徴である呪印模様が先端に現れていたが、人柱力でなくなって以降はこの模様も消えている。

  • 砂の鎧
絶対防御その2。体の表面を砂でコーティングする。
ただし、砂の盾よりも防御力は劣りチャクラの消耗も重いという劣化型で、基本的には砂の盾だけでは防ぎきれない攻撃を受け止める非常手段。

  • 狸寝入りの術
睡眠状態に入ることで守鶴を覚醒させる。
ただし、後のナルトと異なりコンビネーションが最悪な上、本来尾獣化の本体であるべき我愛羅自身が外に出ているため、尾獣本来のポテンシャルは出せていない*6

  • 砂縛柩(さばくきゅう)
砂を操り敵を捕獲する。単純にそのまま潰してしまうことも可能。

  • 砂瀑送葬(さばくそうそう)
初期の我愛羅の必殺技。劇中初めて登場した文字通り「必殺」の術であり、砂縛柩で相手の全身を捕らえ、骨も残さず圧殺する。当初はこれで敵対者を殺しまくっていた。

  • 最硬絶対防御・守鶴の盾
土中の鉱物を混ぜ込み硬度を増した砂で笠を被った守鶴の姿を象り、敵の攻撃を防御する。攻撃に転用した「守鶴の矛/砂瀑槍葬」も存在。

  • 流砂瀑流(りゅうさばくりゅう)
砂の津波で広範囲の敵を飲み込む。素早い君麻呂を捉えるために使用。

  • 砂瀑大葬(さばくたいそう)
流砂瀑流で飲み込んだ相手を一斉に圧殺する。

  • 獄砂埋葬(ごくさまいそう)
相手の足元に流砂を発生させ、地中深くうずめつつ圧力をかけて潰し殺す。君麻呂戦で使用したが、早蕨の舞で抜け出された。

  • 砂瀑浮遊(さばくふゆう)
砂の盾に乗っただけ。移動手段としても重宝している模様。大戦期には結構なスピードで飛行できるようになっている。

  • 砂縛牢(さばくろう)
砂で敵を追尾し、球体状の砂に敵を閉じ込める。脱出しようとしても砂縛柩で潰される。

  • 砂瀑(さばく)叛奴(ハンド)
砂で巨大な手を作り上げ、対象を捕獲する。

  • 砂時雨(すなしぐれ)連弾砂時雨(れんだんすなしぐれ)
砂の弾丸を乱れ撃つ。

  • 第三の眼
砂で眼球を象り、片目の視神経を遠隔で繋げることで遠くを見る。

  • 潜砂絵描(せんさかいびょう)
砂に触れた対象を感知する物理感知の術。
第四次忍界大戦時には透明化した二代目土影・(ムウ)や、二代目水影・鬼灯幻月が口寄せした大蜃を見つけ出した。

  • 砂城狼角(さじょうろうかく)
周辺に撒き散らした砂を全て第三の眼に変え、全方位から敵を捕捉する。

  • 風遁(ふうとん)八重疾風(やえはやて)
ミルフィーユ状に空気の層を展開し攻撃を防ぐ。

  • 風遁(ふうとん)無限砂塵大突破(むげんさじんだいとっぱ)
大蛇丸の使用する「風遁・大突破」の我愛羅バージョン。中途半端に尾獣化した状態で、全身の口から吸い込んだ空気に砂塵を混ぜて吹き出す。

  • 風遁(ふうとん)砂散弾(ささんだん)
守鶴との連携術その1。自前の砂に守鶴の磁遁を仕込み、風遁で飛ばして相手に打ち込み、我愛羅自身の磁遁チャクラで縛り動きを止める。

  • 砂漠送大層封印(さばくそうたいそうふういん)
守鶴との連携術その2。守鶴の砂体と呪印模様を使用して敵を完全に封印する。我愛羅単独でも放つことが出来るが、守鶴の力を加えることでより強固になる。

  • 磁遁の術
父・羅砂譲りの血継限界。隠し玉として扱っており、これを利用した忍術そのものは持っていないが、その気になれば砂鉄や砂金も操れると思われる。

  • 灼熱・砂縛柩
ナルストシリーズでのテマリ、カンクロウとの連携奥義。
砂に二人を乗せて送り出しつつ砂縛柩で敵を捕らえ、カンクロウがサソリの傀儡で炎を吹き込みつつテマリが風遁で後押し、真っ赤に灼熱した砂を我愛羅が握りつぶしてトドメ。


【来歴】

過去

産まれてすぐに一尾の尾獣・守鶴を封印され、人柱力となる。
当時の砂隠れの里は、大戦の終結後に風の国の大名が軍縮政策を取り軍事費を削減した影響で国力が低下しており、それを補うために尾獣の力に頼ったのである。
なお、母の加瑠羅(カルラ)は我愛羅を生むと同時に命を落とし、その後は母の弟の夜叉丸が世話役となっていた。

だが、情緒面が不安定で暴走しがち、はずみで人を殺害してしまうことすらあった我愛羅に手を焼いた羅砂は我愛羅が6歳の時に暗殺を計画。
暗殺者として夜叉丸を送り込む。

我愛羅は夜叉丸を撃退したが、信頼していた夜叉丸の「心の底では恨んでいた」という発言、さらに「アナタは(母に)愛されてなどいなかった」という言葉を聞かされる。
常日頃から強い孤独感に苛まれていた幼い我愛羅は、その精神的なショックがトドメとなって本格的に暴走を開始した。

ただ、これは風影の思惑によるもの。母のことを話して精神的に追い詰め、それでも暴走を押さえられるかどうかを見極めるためのものだった。
結果的には、期待通りにならなかったという意味でも、そもそも余計なことをしたという意味でも大失敗と言わざるを得ない。
のちに穢土転生された風影は夜叉丸の最期の言葉は自分の謀事であり、「お前は母に愛されていた」と教えている。
…フォローが遅すぎやしないかい、父ちゃんや…?

「我愛羅」の名は母の加瑠羅がつけた。
「我を愛する修羅」を意味し、「自分だけを愛しなさい…そして自分だけのために戦いなさい…そうすればアナタは存在し続ける」という願いをこめたものである。

しかしこれは夜叉丸が前述の経緯があった今際の際に語ったものであり、加瑠羅は我愛羅を真っ当に愛していた為、この由来にはやや疑問が残る。*7


第一部


初登場は中忍試験編で、試験受験のために木ノ葉隠れを訪問。先走ったカンクロウを諌める形で登場した。
うちはサスケには「嫌な目をしてやがる」と警戒されている。
また、我愛羅もサスケに興味を持ったようで、その名を問い質した。ナルトについては、"興味ナシ"。

中忍選抜第一の試験は、"第三の眼"を利用したカンニングで突破。騒ぎを無視して冷静に事を運び、試験官にも評価されている。

第二の試験・死の森のサバイバルも、僅か97分という今までの最短記録を四時間近く更新する成績で突破している。
しかも、絶対防御を誇る我愛羅は無傷(これは木ノ葉の現役の中忍でも不可能)。試験中、我愛羅は敵対した雨隠れの忍たちを皆殺しにしている。

第三の試験の予選では、ロック・リーと対戦。
禁術・裏蓮華をも解禁したリーに追い込まれるも、最後は試合に勝利。
また、「砂瀑葬送」によりリーの左手足を粉砕し、一時的にリーを再起不能に追い込んだ。
身を挺してリーを庇ったマイト・ガイの台詞・「こいつは…オレの愛すべき大切な部下だ」は、この時の我愛羅には理解できなかった様子。

試合後、我愛羅はサスケとの対戦を急いだ音忍の一人、ドス・キヌタを返り討ちに*8
また入院していたリーを殺そうとするが、ナルトとシカマルに阻まれる。
その際、我愛羅はナルトたちにその悲惨な過去と他者を殺すことで自分の存在理由とする生き方を開陳。ナルトに心底からの恐怖を与えた。

第三の試験の本戦ではうちはサスケとの試合に。試合前、賭け試合の不正工作に現れた敵を我愛羅は躊躇なく惨殺する。

試合開始後、サスケは特訓で得た高速体術を繰り出す。我愛羅は絶対防御の「守鶴の盾」を出して応戦。
サスケはカカシとの修行で開発した新術・千鳥で我愛羅の絶対防御を貫いた。

砂の盾を破られ傷を負ったことで我愛羅の精神は不安定化。それとほぼ時を同じくして、大蛇丸は"木ノ葉崩し"を開始した。
作戦に加わる予定だった我愛羅たちは、一旦中止して里の外に。その後をサスケが、さらにナルトたちが追うことになる。

森の奥で、サスケは我愛羅と再戦。尾獣へと変化を遂げつつある我愛羅を相手に、サスケは千鳥でカウンターを決める。
だが、三度目の千鳥を発動しようとしたサスケは、呪印に身体を蝕まれてしまった。

そこにナルトとサクラが登場。サクラは我愛羅の攻撃からサスケを身を挺して庇う。
一方ナルトは、先に聞いた我愛羅の話がトラウマになり、動きにキレがない。
同じ人柱力として孤独の苦しみを知るナルトだからこそ、他者を殺すことのみを自己の存在理由とする我愛羅の恐怖が理解できたのだ。
だが、「…なんでか…こいつにだけは…死んでもまけたくねぇ!!」

特にナルトは、サスケの「大切な仲間が死ぬのは見たくない…」という言葉に触発される。
の「人は…大切な何かを守りたいと思った時に、本当に強くなれるものなんです」も思い出しながら、ナルトは九尾のチャクラを発動させる。

その後、多重影分身からの「うずまきナルト二千連弾」で我愛羅を猛攻。我愛羅は完全憑依体となることで応戦する。
そこでナルトは、最大級の蝦蟇・ガマ親分を口寄せした。

ここから物語は尾獣・一尾の守鶴とガマ親分との驚天動地の大バトルへと突入していくことになるのだが…、
のちに登場した尾獣たちのバカげた戦闘能力と比較して、守鶴は口寄せされたガマと互角の戦いを繰り広げた(多少優勢ではあったが)ことで尾獣最弱の評価を受けるハメに…。

それでもナルトは、全力の頭突きで我愛羅を「狸寝入り」(守鶴は主人格が睡眠状態に入ると目覚める)から叩き起こす。
最後の力を振り絞った拳を交え、両者ダブル・ノックアウト。

だが、疲労困憊で手足を動かすのもままならぬ状態でナルトは我愛羅に近づこうとする。
その姿を見て、自身も疲労困憊して動けない我愛羅は攻撃されると考えてか恐怖を抱くが、ナルトは攻撃することなく、話しかけてきた。

「…一人ぼっちの…あの苦しみはハンパじゃねーよなぁ…」
「お前の気持ちは…なんでかなぁ…痛いほど分かるんだってばよ…」
「けど…オレにはもう大切な人たちが出来たんだ…オレの大切な人たち…傷つけさせねェ…」

歩くことすらままならない状態で、それでも『大切な人たち』のために力を振り絞ろうとするナルトに、我愛羅は問う。

「…何で…何でお前は他人の為にここまで…」

それにナルトは応える。

「一人ぼっちのあの地獄から救ってくれた…オレの存在を認めてくれた…大切な皆だから…」

その言葉にナルトの強さと戦う理由を見出した我愛羅は、ナルトを救出するべく現れたサスケと鉢合わせする形になってしまった、
自分の救出に現れたテマリとカンクロウに「もういい」とナルト・サスケ両名への敵対行動を制止した後、
自分たちも疲れているのに自分を助けてくれるきょうだい二人に「済まない」と感謝を伝え、テマリとカンクロウ、そして読者に意識の変化を感じさせた。

その後、うちはサスケが大蛇丸の誘いを受けて里抜けする事件が勃発。
ナルトたちが後を追うことになり、我愛羅たち砂の忍も綱手の要請を受けて増援に加わった。

我愛羅は酒の切れたロック・リーの救援に現れ、音の五人衆の一人・君麻呂と交戦する。
骨を利用した血継限界を持ち、五人衆最強とも謳われる君麻呂と激戦を繰り広げる。その際我愛羅は、前回登場したとき以上の砂の忍術を披露した。

大蛇丸を狂信的に崇拝する君麻呂に対し、我愛羅は「大蛇丸の洗脳」と切り捨て、砂を介して地中に沈めとどめを刺す。
が、「早蕨の舞」による反撃が襲い掛かり、咄嗟に砂に乗って空中へ退避。
今度こそ終わった、と安堵しかけた瞬間、

「洗脳ではない。あの方は僕の理解者だ。お前等に何が分かる!!」

骨と同化して脱出した君麻呂が我愛羅たちに最期の一撃を放つ。絶体絶命のまさにその瞬間、君麻呂の命が病で尽きて攻撃が停止。
我愛羅とリーにとっては、生き延びただけの実質的な敗北だった。

戦闘後、我愛羅は君麻呂を(大切な者の為に闘うという点で)「うずまきナルトと同じだった」と評価。また、「己にとって大切な者が必ずしも"善"であるとは限らない」とも。
「悪い人を大切な人と思うなんてありえない」と疑問を抱くリーに対し、我愛羅は「たとえそれが"悪"だと分かっていても人は孤独には勝てない」と返した。

第二部

第一部と第二部の間に決意を固め、三姉弟でのスリーマンセルを抜けて正規部隊に転属。
その中でわずかずつ信頼を勝ち取り、第二部では、何と砂隠れの里長・風影にまで大出世! まあもともと先代風影の息子なんだけども。
ついでに兄弟のテマリ・カンクロウも上忍に昇格している。
火影を目標とするナルトは「先を越された」と悔しがったが、その一方でそれを心から喜び、祝福もしている。

だが、同時期に我愛羅の中の尾獣を狙うが本格的な侵攻を開始。砂隠れの里にも暁の一員・デイダラが攻撃を仕掛けてきた。
我愛羅は風影としてこれを迎え撃つ。

暁を相手に、我愛羅は地の利を活かして互角以上に応戦。しかし、相手の里そのものを狙った攻撃を砂を盾に受け止め、その時に敵の爆薬を砂に混入される。
我愛羅はそのまま敵に生け捕りにされてしまった。

暁は外道魔鏡像に守鶴の封印を開始。ナルトたちが救援に駆けつけるも、時すでに遅く、尾獣を抜き取られた我愛羅は命を落としてしまう。

その後、ナルトたちは暁を辛くも撃退。
ナルトの言葉などに触発された砂の相談役チヨ婆は傀儡に命を吹き込む禁術・転生忍術により、自らの命と引き換えに我愛羅の命を救った。

最後は友人らしく、ナルトと握手してお別れ。

その後、暁への対抗策として五影会談が開催された際に我愛羅も風影として出席。
かつての自分の経験も踏まえ、忍五大国の協力の必要性を訴えかける。
また、過去のしがらみに縛られる他里の影たちに、「アンタ達はいつ己を捨てた?」という言葉を斬り返した*9

だが、五影会談を狙ってサスケが襲撃。
闇の世界を生きてきた者同士として説得を試みるが、サスケは聞き入れなかった。我愛羅は砂でサスケの"天照"を封じるが、サスケは"須佐能乎"で応戦した。

第四次忍界大戦

第四次忍界大戦では戦闘大連隊の連隊長に就任。
だが、今までいがみ合っていた忍たちの足並みは揃わない。そこで我愛羅は、一世一代の大演説をブチかます。
この場面の我愛羅は非常にカッコイイ。必見!!

「今ここに敵はいない!!」
「なぜなら皆"暁"に傷付けられた痛みを持っている」
「砂も岩も木ノ葉も霧も雲もない!!」
「あるのはただ"忍"だ!!」

戦場で我愛羅は穢土転生された父・四代目風影と対峙し、その封印に成功。
さらに続いて二代目水影とも交戦。
父の扱う砂金を利用して水影の無限爆破忍術・"蒸危暴威"を封じ込め、「金のたまごだ!!」と褒められている。さらにナルトとのコンビを「いいコンビだ…」とも。

その後、ついに戦場に姿を現したうちはマダラと、五影全員で力を合わせて挑むことになる。
…だが、デタラメじみた強さを持つマダラには歯が立たず、他の影とともに纏めて蹴散らされてしまった。

瀕死状態のところを死にかけの綱手が口寄せしたカツユの力でどうにか生かされていたところ、
香燐水月を連れた大蛇丸が現れ、綱手を回復させたことでカツユの治癒能力が戻り、他の影達ともども生還。
五影達とともに戦場へ急行し、砂隠れの忍たちの指揮をとった。

マダラが六道化した後は、尾獣を抜かれ瀕死のナルトを救うべく、九尾の半身を持つ四代目火影のもとへサクラとともに駆けつける。
紆余曲折を経てナルトは己に立ち返ったうちはオビトによって救われたがマダラの脅威は去らず、単身立ち向かうガイをカカシ達とともにサポート。

ナルトが戦線に復帰した後はガイとリーを連れてその場を離れていたが、医療班の下へ向かう途中で無限月読が発動、幻術に落ちてしまう。
見ていた夢は「両親やきょうだいとともに過ごし、ナルトと友達になった子供時代」。

終戦後も引き続き現役で風影を務めており、最終話では五影会談に参加するため木ノ葉の里を訪問。途中で奈良家によってシカダイに挨拶に来ていた。

我愛羅秘伝

「我愛羅秘伝」では何とお見合いをすることになり、珍しくガチガチに緊張している姿が描かれている。
またこの時期には以前のようにテマリとカンクロウを呼び捨てにすることはなくなった模様。
ちなみにお見合いについては里の主権を乗っ取るクーデターの一環だったことが判明し、カンクロウによって阻止。
相手だったくノ一のハクトも本来の想い人ともども抜け忍と化したため、砂爆送葬で引導を渡した……と見せかけて木ノ葉に移らせた。

BORUTO‐ボルト‐

この時代でも引き続き現風影。
五里共同で行われる事となった中忍選抜試験を観戦するため、受験生である息子のシンキとシンキのチームメイトのヨド、アラヤ、護衛役のカンクロウと共に木ノ葉隠れの里を訪れる。
だが、試験を観戦中に会場が大筒木モモシキと大筒木キンシキの襲撃を受け、ナルトが誘拐されてしまう。
誘拐されたナルトを救出するため新五影とサスケ、そしてナルトの息子うずまきボルトと共に異界へと突入。モモシキ、キンシキと交戦した。

アニメ版では若干経緯が異なっており、シンキ達をお目付け役のカンクロウと共に一足先に木の葉隠れの里に送り出すも、その際に守鶴から八尾との連絡が途絶えたと警告を受ける。
シンキ達から少し遅れて、自らも雷車で木の葉隠れの里へ向かうも、途中で大筒木ウラシキの襲撃を受け、チャクラの一部を奪われた。
試験会場では、六代目水影に就任した長十郎と共にウラシキと交戦するも、逃亡を許す。
その後は映画と同様に異界へと突入。モモシキ、キンシキと交戦した。


【おもな人間関係】


  • 羅砂(ラサ)
父。四代目風影であり、我愛羅を人柱力にした人物。
軍縮の進む砂隠れにおいて個の力を高めることを考えており、そのために音隠れと密約を結んでいたが大蛇丸の裏切りを受け、穢土転生された千手兄弟に殺害された。
第四次忍界大戦では穢土転生された彼と激突、圧勝を収めた。
我愛羅の悲惨な境遇は端的に言って全部こいつのせいだが、今の我愛羅のことを知って驚愕し、「オレのやったこと全てが失敗だった」と父として悔やむまともな情も持ち合わせていた。
当然我愛羅は父のことを恨んでいたが、自身が風影となって立場に伴う責任を理解したこともあり、対面した際には既に恨みをなくしていた。
三代目風影から学んだ磁遁の血継限界を持ち、我愛羅は三姉弟の中で唯一これを受け継いでいる。

  • 加瑠羅(カルラ)
母。我愛羅を産んで間もなく死亡したが、「どんなことがあっても守り続ける」と誓ったその意志は「絶対防御」の要である砂の盾に宿っている。

  • 夜叉丸
育ての親。加瑠羅の弟であり、三姉弟から見ると叔父に当たる。加瑠羅同様に我愛羅を守ることを誓っていたが、いち忍として里に殉じ、我愛羅に刃を向けることになった。

  • 守鶴
一尾の尾獣で、呪印模様を持った砂の大狸。好戦的で人間を嫌っており、人柱力だった頃は常に精神のせめぎあいをしていた。
しかし、人柱力でなくなってから互いに重石が取れたのか、対等な関係で目線を並べるようになり、第四次忍界大戦ではマダラを相手に見事な連携を見せた。

姉。砂隠れでも屈指の風遁使いで巨大な扇子がトレードマーク。
カンクロウ共々当初は肉親の感情は欠片もなかったが、ナルトとの邂逅がきっかけで心境に変化が生じ、第二部以降はすっかり仲良しに。
元々カンクロウと違ってテマリは恐れながらも我愛羅に何度か話しかけるなど姉としての情を見せていたため、仲良くなるのも早かったと思われる。
第四次大戦後はシカマルと婚約した彼女の浮かれっぷりに首をかしげており、
恋愛というものを理解しようとカカシの愛読書「イチャイチャパラダイス」を読んでみたこともあるらしい(が、結局よくわからなかった模様)。

兄。傀儡忍者の一人であり、「黒秘技」と称した独自の技を使う。
登場当初はテマリ共々完全に見下した態度をとり、カンクロウも『化け物』と内心で思うほど我愛羅を恐れていたために腫物扱いしていたが、
テマリ同様、木ノ葉崩しから第二部までの間に関係が改善され、良き理解者となった。

里の垣根を越えた親友であり、同じ痛みを知る同胞。彼によって闇から救われた最初の人間となった。
最初は敵対したものの、ナルトは我愛羅にとって最初の「理解者」となり、我愛羅が闇から抜け出す大きなきっかけとなった。
また、ナルトも自分にとってのイルカのような、我愛羅の理解者になりたいと感じていたようである。
それ以降、ナルトと我愛羅は親友と言っていい間柄になっている。そのためか、ナルトのことを「仲間のために無茶をしすぎる」と、彼の欠点もよく知った間柄になっている。

同類。「本当の孤独を知る目」を持つと評し興味を持っていた。
そのためか、わざわざカカシとの修行中に顔を出して、「お前はオレの獲物だ」と言いに来ている。
その後、五影会談中に闇堕ちしたサスケと再会して説得を試みたものの失敗、ナルトにすべてを託すことになる。

  • バキ
砂隠れの上忍。下忍時代の上司で現在は後見人に近い。
長い付き合いであり、我愛羅を名前で呼び捨てに出来る数少ない人物。

  • マツリ
砂隠れの里のくノ一。我愛羅を強く慕っており、彼を侮辱する者には怒りを露わにする。
原作漫画の第280話では、五代目風影である我愛羅の復活を喜ぶ砂忍の一人として登場。
アニメでは、少年篇216話にて我愛羅の教え子として登場。
疾風伝の「風影奪還の章」では成長した姿で再登場を果たし、テマリの部下となっている。
オリジナル回である中忍試験編では、親友のユカタやミコシとスリーマンセルで受験参加。
フギやホウイチによるクーデターに巻き込まれながらも木ノ葉隠れからの受験者達と共闘している。

  • フウ
滝隠れのくの一で七尾・重明の人柱力。
アニメオリジナルエピソード「中忍試験編」において彼女と遭遇、一方的に友達認定された。彼女を見てナルトを思い返し、「あいつなら簡単に友達になれるだろう」と述べている。

  • シラ
アニメオリジナルキャラクター。砂隠れの下忍で、体術しか使えない。
羅砂の時代は忍術が使えなければアカデミーに入れなかったため独力で修行をしていたが、
その中でうっかり砂防岩を破壊してしまったことがきっかけで風影となった我愛羅の目に留まり、下忍になった上で体術の指南役に抜擢された。
中忍試験編では似たもの同士のリーとの激突が描かれている。

  • ハクト
「我愛羅秘伝~砂塵幻想~」のヒロインで、妻になるかも知れなかった女性。
ホウキ一族の姫で医療忍術を収めている。エビゾウの推薦でお見合いに臨んだが、裏の真相は婚約者の地位を得たあとで出奔、風影の権威を貶めるという計画の一部だった。
姉・シジマが大蛇丸の甘言に乗ったことがきっかけで恋路を諦めざるを得なかった過去があり、想い人・シゲザネと駆け落ちするために計画に乗ったのだが追いつかれ交戦。
抜け忍として表向き抹殺したように見せかけ(そのために痕跡が残らない「砂瀑葬送」を使った)、シカマルの伝手で木ノ葉へ移らせた。

  • 奈良シカダイ
シカマルとテマリの息子で、甥っ子に当たる。カンクロウ共々シカマル以上に懐かれている模様。

  • シンキ
息子。実子ではなく養子。
養父であり師匠でもある我愛羅の事は非常に尊敬している。
三代目風影や祖父の羅砂と同じく磁遁の血継限界を持ち、砂鉄を操る。






【我愛羅語録】


  • 「血は出ないけど……ここんところが……凄く痛いんだ」

  • 「ヤツらにとってオレは今では消し去りたい過去の遺物だ。ではオレは何のために存在し生きているのか? ……そう考えた時、答えは出なかった」
    「だが生きている間はその理由が必要なのだ。でなければ死んでいるのと同じだ」

  • 「木ノ葉には―――大きな借りがある」

  • 「砂さえあれば……何でも出来る」

  • 「大切なモノのために戦う……こいつも、うずまきナルトと同じだったな」

  • 「たとえそれが悪だとわかっていても……人は孤独には勝てない」

  • 「他者とのつながり……オレにとってそれは、憎しみと殺意でしかなかった。
    だが、ナルトがあんなになってまで言うつながりとは何なのか……今頃になってオレにも少しだけわかってきた。
    苦しみや悲しみ、喜びも、ほかの誰かと分かち合うことが出来るのだと」
    「オレもいつか、誰からも必要とされる存在となりたい。恐るべき兵器としてではなく―――砂隠れの風影として」

  • 「アンタ達はいつ、己を捨てた?」

  • 「ナルト……お前はいつかオレに、自分は火影になる男だと言ったな。オレは風影になった」
    「影の名を背負う覚悟を決めたなら、サスケの友としてお前が本当にやるべきことをやれ」

  • 「かつてのオレにとって友とはただの言葉……それ以上でもそれ以下でもなかった。だが今はわかる。大切なのはその言葉が持つ意味だと」
    「その意味するところは何なのか…お前はサスケのために何をしてやれるのか、よく考えろ」

  • 「オレは友を守りたい、そしてこの世界を守りたい!」

  • 「確かに……見た目で人は判断できないとわかった。アンタは強い」

  • 「さあ……一緒に拾うとしよう」

  • (ナルト……お前は今まさに……この世に「必要とされる」存在になった。オレ達のなりたかったものだ。そしてこのままこの世を救うぞ、ナルト!!)

  • 「オレは人柱力でなくなった。やっと……お前と対等で夜更かしできる!」

  • 「忍び堪えるために必要なのは精神論ではない。技術だ」

  • 「血は、オレやハクトを縛る鎖だ。それが幸福を意味しないことは、シゲザネ。お前ならわかっていると思ったが」
    「……オレはこの力を望んだわけではない。オレが求めていたのは、誰かと対等の友であれる力、ただ家族と過ごせる力だ。
    風影の家に生まれず、人柱力でもないお前達の方が……オレにはよほど、選ばれた者に見える」

  • 「言ったはずだ、シジマ。抜け忍は許さない。そして……ハクトもシゲザネも、里に戻ることは望むまい。
    オレの砂に飲み込まれた者は、骨すら残らない。砂爆送葬にて、痛みすらもなく冥土へ送る」
    「―――まっすぐ、自分の言葉は曲げない。それが、『オレ達』の忍道だ!!」

  • 「砂爆送葬は骨も残さない。立ち会った義兄上が証言してくれれば、異を唱える者もいない。
    ……木ノ葉の里に新しい忍が二人ほど増えたとしても、それはオレの知るところではない」

  • 「影の仕事が忙しいということは、里が発展しているということだ。ましてや木ノ葉だ、この巨大な里を背負うことは並大抵ではない。
    ボルト、お前の父親は凄い男だ。それを忘れるな」

  • 「仲間という言葉は、決して軽いものではない。だがオレとナルトの間には、間違いなくその繋がりがある。そこに里の間柄は関係ない。
    真のつながりとは、人と人との間に生まれるものだからな」



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最終更新:2024年04月01日 22:41

*1 作者曰く、「一度染み付いたものは取れない」との事

*2 よく勘違いされるが「砂“漠”」ではない。滝などを意味する“瀑”という字を使う。「ばくふ(瀑布)」で変換すれば出てくる

*3 それでもカンクロウがサスケに絡んだ際は「里の面汚し」と一喝し、ナルトたちに謝罪するくらいの良識はあった

*4 守鶴を宿す者は眠ると精神を乗っ取られるため睡眠障害になる

*5 テマリは時折我愛羅を思いやる言動も見られたが、カンクロウは化け物扱いしていた

*6 それでもガマブン太と張り合えるレベルではある

*7 我愛羅は未熟児として産まれたので「自分を労わり、いつか修羅のような強い子になって欲しい」と言うのが本当の所なのかもしれない。終盤で判明した事実なので単なる設定の齟齬の可能性もあるが。

*8 この時点で我愛羅たち砂の忍は音隠れの里と手を組み大蛇丸の“木ノ葉崩し”に加担していた

*9 この言葉は会談で最年長だった土影・両天秤のオオノキに特に響くものがあったらしく、戦争開始後も何度かこの言葉を思い返している