ダリー

登録日:2014/11/02 Sun 22:36:45
更新日:2023/08/03 Thu 15:37:13
所要時間:約 4 分で読めます





ダリーとは円谷プロのウルトラシリーズに登場する怪獣である。
初登場は『ウルトラセブン』の第31話「悪魔の住む花」。

概要

種別:宇宙細菌
身長:1ミリメートル
体重:0.1グラム

卵の状態で地球に侵入し、人間の体内に入り込んで血液中のフィブリノーゲンを食べる宇宙細菌。寄生する場所は肺。
細菌とは単細胞生物の事であるが、サイズや形状からして多細胞生物(どう見ても節足動物)にしか見えない。
作中ではなぜか電子顕微鏡でないと観察できなかったが、実際には1ミリメートルなら普通の光学顕微鏡どころか、ルーペや視力のいい人なら肉眼でも普通に観察できる。
ダリーに寄生された人間は同じ血液型の人間や、輸血用の血液を求めて徘徊するようになってしまう。
口からは人間を麻痺させる光線やセブンの動きを封じる粘液を吐く。この光線は寄生した人間を通しても吐くことができる。

地球の医学では退治することは不可能で、寄生された人間はやがて衰弱して死亡する。
寄生された少女を担当した博士がダリーのことを知っていたので、以前から地球に侵入して被害者を出しているようだ。

一見、きれいな花びらのように見える卵の破片に近づいた少女・カオリ(演:松坂慶子)の体内に侵入し、彼女を吸血鬼に変えてしまう。
「こんな美しい顔で血を吸うはずがない」というアレな理由でダンが疑ったことでカオリと同じ特殊な血液型のアマギ隊員を襲ったことで正体を突き止められる。

カオリを救うためにミクロ化して体内に突入したセブンに対して、粘液を吹き付けて苦しめたが、
新たに開発された薬が投与されたことによって弱体化した所をウルトラバブルによって溶かされて倒された。


ウルトラセブンでの活躍

本エピソードについて、有名なのは何といっても後の大女優・松坂慶子氏が無名時代に出演しているという事である。
脚本の上原正三氏は
「ヒロインのカオリ役をとびきりの美少女にしてくれと鈴木監督に頼み込んでおいたのに、
 ラッシュを見るとやや太めの健康そうな女優だったので大いにがっかりした。その女優が松坂慶子だった。
 これが彼女のデビュー作で、天下の美人女優に大化けするとは思いもしなかった」
と語っている。

アンヌ役の菱見百合子(現:ひし美ゆり子)氏は松坂慶子氏とロケで同室だったが、どこにでもいる普通の新人さんといった感じで、大人になりきっていない体はちょっと太めだったという事以外は特にこれといった印象はなかったそう。
ただ、アマギ役の古谷敏氏がやたらかわいがっていたそうで、菱美氏は古谷氏を大人しい人柄と思っていたのでびっくりしたらしい。

上原正三氏はこの作品が松坂慶子氏のデビュー作と言っているが、松阪氏のテレビ初出演作は『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』なので、これは上原氏の勘違いである。


ウルトラマンレグロス ファーストミッションでの活躍

惑星マイジーでレイバトスの肉体に憑依したレイブラッド星人が蘇らせた亡霊怪獣の1体として登場。
当初はレイブラッドの手のひらの上に乗っていたが、レイブラッドの力によって巨大化し、他の亡霊怪獣達と共にウルトラマンレグロスを襲う。
だがそこへ海外ウルトラマン勢が駆け付け、ダリーはそのうちのウルトラマンパワードと戦った末に、パワードボムとパワードスラッシュのコンボで倒された。


派生作品

  • 1969年に公開された松竹の映画作品『落葉とくちづけ』では、主人公の田代信子が「インディアン印の殺虫剤」なるCMの撮影で用いるという設定で、
    このダリーの着ぐるみが使用されている場面がある。

  • 漫画『疾風ウルトラ忍法帖』では0.0001mm(0.1ミクロン)という原作より更に小さい姿で登場したが、出て1ページで烈風斎に踏み潰される出オチキャラであった。
    別の個体が全長1㎝まで大型化し、エースの虫歯*1に潜んで餓死させようとするも、エースの人権など知ったこっちゃないウル忍にボロカスにやられ、
    最期は人間大まで超巨大化したがエース諸共タロウの解剖バラバラの術で切り刻まれた(その後エースはタロウが縫合したが、だいぶダリーのパーツが混じっていた)。

  • SFCゲームウルトラセブン』にも登場しており、ステージ8で戦う。
    カオリの体内ステージであるため、カプセル怪獣の使用はできないが、対戦モードでダリーを選択すると、ステージが必ず体内ステージとなる。
    ミクロサイズのキングジョーニセセブンはなかなか夢が広がる存在ではないだろうか?

  • ゲーム『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』では、敵宇宙人がアメリカ大統領の体内に忍ばせて洗脳するのに使用した。
    ヒーローたちはウルトラの父の力を借りてミクロサイズになり、白血球に喰われそうになりながらもなんとかダリーを倒すことに成功したのである。


  • 絵本『ぼくだってウルトラマン ユウキVSセブン!?』では、イカルス星人により巨大化させられ
    複数個体がウルトラマンユウキ(12m)より少し小さいくらいの中型怪獣となり町を襲うも、セブンにより殲滅される。
    ウルトラファンの認識で「ダリー=とにかく小さい」という認識が覆るド迫力の見開きは必見。


余談

  • 名前の由来はスペインのシュールレアリズム画家「サルバドール・ダリ」。
    本エピソードは1966年の映画『ミクロの決死圏』にヒントを得た作品で、ダリが「ミクロの決死圏」の美術を担当した所から来ている。
    ちなみに、ダリがこの映画の美術を担当したというのは完全な間違いで、ダリは一切関わっていない。

  • 「細菌」と名のつく割りに大きいという意見もあるが、ウルトラシリーズに登場する巨大な宇宙人にも寄生すると考えれば、十分に細菌サイズと言えるのではないだろうか。

  • 漫画『ケロロ軍曹』にはこいつをモデルにした「宇宙虫歯菌 超ダリー」という悪の宇宙人が登場する。


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最終更新:2023年08月03日 15:37

*1 『ウルトラマンA』第48話「ベロクロンの復讐」で、エース=北斗が歯科医に赴いたのが元ネタだろう