アスキン・ナックルヴァール

登録日:2014/10/27 Mon 11:21:12
更新日:2023/10/14 Sat 17:46:03
所要時間:約 17 分で読めます





俺が陛下に拾われたのは
ただひたすらに死ななかったからだ

みっともねえ能力だろ…?
大嫌いさ、この能力の事を考えると…

いつだって俺は…致命的な気分になるんだ




“ D ” アスキン・ナックルヴァール        
Askin Nakk Le Vaar

[職業]滅却師
[所属]見えざる帝国「星十字騎士団」
 [誕生日]6月6日(ふたご座)
 [身長]187cm
 [聖文字]“ D ”
 [能 力]The Deathdealing ― 致死量(ザ・デスディーリング)
  ― 生物の完全致死量を意図的に操作する
 [完聖体]神の毒見(ハスハイン)
 [CV]武内駿輔


漫画「BLEACH」の登場人物。

●目次

 概要



漫画『BLEACH』の最終章「千年血戦編」に登場する敵対勢力「見えざる帝国」に所属する滅却師。
精鋭部隊「星十字騎士団」の一員。
騎士団の中でもその実力は上位に食い込むらしく、第二次尸魂界侵攻の際はユーハバッハの直属精鋭部隊親衛隊(シュッツシュタッフェル)の一人に抜擢されている。
初登場は石田の王位継承の時。

頬がほんのり痩せこけて顔立ちの整った*1ノリのいいラテン系の男性。
髪型はオールバックで後ろへすきあげた前髪にチョロ毛が突き出している。
腕輪を嵌めており、片方は三重に嵌めた腕輪を装着。衣装は古代エジプトの服飾のような恰好。
一見細い身体だが、意外と引き締まった肉体をしてる。



 人物




つかみどころがない心平気和で冷静な性格。口癖は「致命的」
口調は落ち着きのある静穏な喋り方をし、自身の言動と挙動に「下っ端・雑魚・小物」みたいだと自虐しているが、それも自分のいいところだと受け入れたりといった具合にネガティブかと思いきやポジティブな所がある。
諸所でコミカルな面が目立つコメディリリーフであり、相手としゃべるのが好きなのか会話が多い。
彼の中ではキツい言葉を遣うのが好きではなく、本人曰く「キツい言葉を遣う奴は余裕が無く見える。俺は余裕のある男でいたい」
そのためユーモアのあるアダルト的な言い回しをしており、相手に向けて指のジェスチャーで構図を決める仕草が多い。
「女の価値は顔よりもオシャレか否か」と悪びれずに公言したりと、性格が悪いキャラが多い騎士団の中では最も人間臭くて親しみやすい。

何事にも気怠げでお気楽な姿勢を見せるも、冷静な思考を崩さず戦闘に対しても消極的で敵に出会うと相手の力量を図って撤退などの判断をする。
めんどくさがりかつマイペースで癖は強いものの、性格や感性自体はわりとまとも。
それ故に騎士団員での喧嘩を諌めるなど(やり方こそ荒っぽいが)内ゲバ・仲間割れが平常運転に近い騎士団メンバーにしては極めて数少ない常識人である。
几帳面かつ慎重性でユーハバッハから与えられた情報(ダーテン)を読み込んでおり、ユーハバッハが警戒・着目するほどの特記戦力に選ばれた5人も把握してる。
そのため予め浦原喜助の事を知っていた。対面したマユリに迂闊に能力を見せず浦原の動きに注意深く凝視したり大変用心深いのもポイント。
揶揄うような言い方をするものの本人の性格的に相手を侮らず舐めてかからず、決して慢心もしない。
それどころかわざと舐めプをして相手のペースを崩し、自分の能力に嵌められやすくしたりするなどと狡猾な一面がある。
更には
  • 自身に影響を受けた未知の効果や危険性を見抜く、浦原が感嘆するほどの読みが深く高い洞察力
  • 自身の能力で得た無効化を貫く相手の性能を解釈して、すぐさまに解決策を出すといった優れた分析力
も持ち合わせている。
能力を十二分に使いこなすほどの頭脳、様々な策・数々の手段を講じて戦闘不能に陥れたりと見た目や言動に惑わされてはいけない。
もっともBLEACHという作品においてこの手のキャラは大体組織内で最強格というのがお約束なので騙された読者はいないかもしれないが

戦いに独自のポリシーを持っており、それに反する行いをよしとしない。
四楓院夜一バンビエッタ・バスターバインから指摘されたやり方にドン引きしたり、己の戦い方に信念と誇りを持っているようだ。
また敵に気取られず「コッソリ殺せばベスト」と暗殺者のような在り方としている。
飄々とした態度とは裏腹に最後まで自身の美学を貫き通し、相手の戦いぶりと矜持に感服し、敬意を表するなどと…他の騎士団メンバーにはない、高潔さが彼にあった。

このような濃すぎるキャラクター性だからか、読者から「最終章の唯一の良心」「致死量さん」「アスキンさん」などと慕われている。我らが主人公チャン一を画面外で絨毯にしたのはアレだが
異常な生命力を見せたリジェ・バロジェラルド・ヴァルキリーなど反して彼は心臓を潰されただけできちんと長く引き伸ばさないで潔い散り際を魅せてくれたのも好感度高い。
それもその筈、彼は元々特別な存在でもない。人外の領域を持つ騎士団最上位の親衛隊に選ばれた唯一の滅却師である。
親衛隊だとユーハバッハに心酔しているユーグラム・ハッシュヴァルトやリジェ等とは異なり、彼は「ユーハバッハが現世・虚圏・尸魂界の3つを潰し、その後に何を創るのかを見てみたい」という興味で動いている。
忠誠心はないわけではなく、本人曰く忠誠心は「ポメラニアンの倍程度はあるつもり」


ちなみに好物は甘めのカフェオレ。水筒に入れていつでも飲めるように持参してる。
またはサンドイッチ(手作り?)をかごに入れて自分以外戦ってる者達を観ながら食べられるように持ち歩いている。
戦地に赴くというのにふざけてるのか?と見えがちだが、親衛隊に選ばれるほど騎士団上位の実力者である彼にとってはそれが普通なのだろう。曲者と言ってもいい。


 戦闘能力




毒々しくって、

眩々するだろ?

(BLEACH68 THE ORDINA RY PEACE より)



言動こそ一見情けないが技量・身体能力・頭脳ともに親衛隊に選ばれる程度には相応に高く、体術もかなりのもの。
中でも脚力に関しては凄まじいものがあり、十刃でも速力に優れるグリムショーが辟易する程に足が速く、アニメでは全死神中でも最高速度を誇る麒麟児より足は遅いものの攻撃には反応出来ていたり、挙句に瞬閧を発動させた夜一の攻撃すら慣れれば平然と回避しカウンターで拳を叩き込むなど恐るべき身体能力を見せている。

基本は装備した腕輪から折り畳み式風のメカニカルな形状の「神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)」を展開させ、戦闘に用いている。
これは弓を介さずとも相手の背中に周囲の霊子で構築した複数の矢を落とす事が可能。

「自分の能力で相手を倒すこと」という戦闘スタイルを持ち、能力を使わず相手を倒すことや力勝負をすることに対して「デリカシーがない」と嘆き、嫌がっているところがある。
そんなポリシー故か他の団員のように真っ向から戦闘を仕掛けたり、肉弾戦を行うことはせず、基本的には相手から隠れて身を潜めたり、敵と遭遇しても一目散に逃げる、分が悪いと判断すれば下手に手を出さず交戦を避けたりもするBLEACHでは珍しいガン逃げ戦法が特徴。
しかし戦いが避けられない場面では逃げずに交戦したり、飄々とした言動で相手を惑わしつつ隙を突いて戦闘不能に陥らせるなど、実力の底は非常に測りがたい。
そして他の騎士団の面々のように相手を侮ることはなく、ひょうきんなふるまいや言動で油断を誘ってカウンターを炸裂させたり罠に嵌めることが多い狡猾な頭脳派。
また能力にかまけた騎士団の面々と違い能力を頼らず、自力で相手の見るからにヤバい初撃を見抜いて躱したりとリスク管理能力も中々に高い。
加えて耐久力も(流石にほかの親衛隊程ではないにしろ)高く、夜一の『瞬霳黒猫戦姫』により、一秒間で四十八回霊圧が変化する瞬閧を完聖体になる事で一秒間受け続け耐えきっている。

何より、目算で相手の各種物質への致死量を正確に弾き出し自在に能力を調整できる優れた観察眼・頭脳を持つが、他のキャラの例にもれず「致命的な説明」が原因で敗北に繋がった。だが説明好きなのは本人の戦いへのポリシーによるところが大きかったようだ。


なおアスキンの場合は、攻撃の行動が終わった後に解説しているので問題はない。
他者のサポート・自力で対抗してくる相手がいるもの、技によれば回避は出来てもこの能力を止められた相手がいない。
…この手の初見殺しで厄介極まりない能力者はおしゃべりでもなく、説明してくれないと浦原やマユリといったような頭脳キャラでもなければ、読者も戦ってるキャラも何もわからないので難しい。


◇─ 致死量(ザ・デスディーリング)


聖文字“D”の能力。
まず前提の説明として、生物が体内に物質を摂取した際、その摂取量が一定以上を超えると死に至る。
そのデッドラインを「致死量」と呼び、全ての生物が100%死に至る致死量を「完全致死量」と呼ぶ。

ナックルヴァールの能力は、自他の100%死に至る「完全致死量」を正確に弾き出し、その量を自在に操作・調節すること。
致死量を下げれば、致死に200mg必要なカフェイン10mg、1mgで殺すことができるし、逆に上げれば毒物を何mg摂取しても死ぬことはなくなる。
ただし能力を発動する条件として、操作したい物質を自分の体内に大量に取り込む必要がある。

そしてこの能力の真の恐ろしさは、生物の体内にあるものも全てこの能力の対象になるという点。
つまり生物の体液の致死量すらも摂取することで操作できる。この対象となるものはナックルヴァールが決定する。
この能力の対象となったものが「血液」であれば、標的の体内に血液が満ちていれば満ちているほど標的は死に近づいていく。
「設定された致死量」以下まで血液を抜こうとしても、失血死に至るレベルまで致死量を下げられれば、相手は死を免れない。

そして、更に恐ろしいのは取り込む物質の種類に縛りがないこと。「種類の縛り」というのは、例えば上記のように敵の血液の致死量を操作したい時、敵自身の血液を摂取する必要がないという事である。
血液であればなんでも良く、自分の血液を取り込んだ場合においても敵の血液の致死量を操作することが可能。
さらに能力の応用として「物質に対する耐性」の上げ下げも可能であり、霊圧すらもその対象に含まれる。
自身に能力を適用すれば、「失血死」の致死量を下げることで死を免れたり、対象の霊圧に対して致死量を上げることで“免疫”を持つことが可能。
対象の霊圧への免疫獲得後は強力な耐性を得るため、相手の霊圧による攻撃を無効化するのみならず高速で肉体が治癒していくようになる。
結果として、ナックルヴァールは不死身に近い状態となる。

極端な話、大量に取り込んだものに対して自身は耐性を持ち、更に敵にはそれら全てを猛毒に変えることが出来る
この免疫獲得速度は圧倒的であり、しかも本人の体質或いは能力練度の成果なのか反射で解析が可能。浦原すら「1分もあればどんな攻撃も無効化してしまうでしょう」と評価するほどである。
この副産物なのか、耐性を完全に獲得する前であってもかなり生命力が強い。
相手が『致死量』の影響下から脱するにはアスキンが摂取した物質を取り除くしかないが、血液などの体液を対象に設定された場合はそれらを全て抜いて新しいモノに入れ替える必要があるため簡単に対処できるわけではない。


しかし、持久戦にはとことん強いがいくつかの弱点も存在する。
特に心臓を狙う不意打ちと一撃で即死に至らしめるような攻撃には能力の発動のための大量摂取・対応が間に合わず弱い。当然ながら滅却師共通の弱点である「虚の霊圧」に対しては免疫を持つことはできない。
また、能力を瞬時に解析出来る頭脳・様々な対抗策を持つ浦原喜助涅マユリに対しても、即座に相性が悪いと判断している。
一方で初見殺しの極みのような能力であるため、一護やグリムジョーのように直情的な性格で搦め手に弱い相手はカモにできる。
上記の免疫獲得による霊圧の無効化も、相手の霊圧が変化してしまうと意味をなさなくなる欠点を持っているが、上記の欠点の一部は完聖体になることで能力が上昇するため解消することが可能。
アニメで補足されたが一番相性が悪いのは零番隊の麒麟寺天示郎である。
彼の温泉の前では完聖体の毒ですら簡単に流されてしまいマトモに戦うどころの話ではなかった。


◇─ 完聖体「神の毒見(ハスハイン)

アスキンの持つ完聖体。
発動すると星座と思わせる光輪(ハイリゲンシャイン)・翼が出現し、顔にバイザーを装着される。
両腕に嵌めていた腕輪と両足に足輪が浮き出て共に浮かぶ、近未来的でサイバーチックな姿と化す。

得られる能力は「毒の変質に適応する」こと。
相手が霊圧を変化させようが、ベースが同じならばそれら全てに瞬時に適応出来るようになるため、より防御面が強化される。
「致死量」の能力をより完璧に高める能力であり、完全に相手の霊圧に耐性を獲得しきってしまえば以後その相手はアスキンに対していかなる攻撃を放とうと傷一つ付けることも不可能と化す。

他にも星座の軌跡が現れ、その軌跡の向かう点の所に辿って瞬間移動といった特殊な移動方法する事が出来る。
そして左右対称の四つの球体をついた霊子の棒を展開して接近戦で来た相手に対抗する。


  • 毒入りボール(ギフト・バル)
自身の能力の対象となった物質を内部に含む玉を相手に放り投げ、ボールが命中した(受け取った)相手を「致死量」で蝕む技。
アニメではピーというモスキート音が鳴っている。
なお油断してこの技を喰らい意識を失いかけるグリムジョーに、アスキンはギフト・バルの日本語訳をご丁寧に説明してくれた。
幾つものの派生技「毒入りボール」を持つ。

  • 毒入りプール(ギフト・バート)
ナックルヴァールが「プール」と呼ぶ特殊な空間を形成。
その内部に踏み込んだ対象が持つ「耐性」を、致死未満のレベルにまで下げる技。
下げる対象を「霊子」に設定すれば、相手を重度の霊子中毒に陥らせ行動不能にできる。
修行を終えパワーアップしたはずの黒崎一護は、これにより触れることすらなく戦闘不能にされた。

  • ハイブリッド毒入りボール(ギフト・バル)
自身の能力の対象となった複数の物質を内部に含む「毒入りボール」の派生技。
色んな物資を致死量の判定に入るため、人種類は無限大。
作中では致死化させた霊子・酸素・窒素を含ませた毒入りボールを放っている。

  • 極上毒入りボール(ギフト・バル・デラックス)
完聖体時に使用。
自身の可能な最大のサイズまで大型化させたボールを作り出す「毒入りボール」の派生技。
この『極上毒入りボール』と後記の「猛毒領域」のコンボで相手を閉じ込めた上で戦場を自分の有利なフィールドに変え、戦闘を自分のペースに引きずり込む。
また球体の形を変えながら毒の濃度を上げることも可能。
ナックルヴァール曰く「脱出不能の毒の要塞」
なお、本体が死亡すると球体が激しく変形、無意識に手加減・抑え込んでいた自身でも死にかねない危険な毒の濃度が上昇。脱出できない毒死の牢獄に変わる。

  • 猛毒領域(ギフト・ベライヒ)
完聖体時に使用。
『極上毒入りボール』の表層に毒の結界を張り、猛毒の空間に敵を隔離する技。
肩だけを少し上げ、両手のひらを天に上向き、周りに現れた無数の光球が天に昇り、それぞれの光球を星座の様に互いに繋ぎ合い、ロックして敵を猛毒の結界に封じ込める。
内部空間の毒性は自由にコントロールできるため、作中ではしなかったがアスキンの発言を鵜吞みにすれば、入った瞬間敵が即死する致死毒に満ちた空間にすることも容易いようである。
ナックルヴァール曰く「絶対脱出不可能」
この発言から、浦原は「侵入」は「絶対に不可能」というわけではないと推測し*2、実際その見立て通りであった。
彼が発したこの言葉により「致命傷」につながることとなった。

  • 猛毒の指輪(ギフト・リング)
完聖体時に使用。
ナックルヴァールの嵌めている腕輪を敵に向けて放つ技。
腕輪を天に向け、空中へ浮かび、巨大な腕輪になり、敵に放った瞬間、あたかも消えたと相手を惑わせた途端に指輪サイズとなって当たった箇所を潰させる。
途中で消えて、突如指輪サイズにまで小型化して着弾するため、回避は困難。
「致死量」の能力を一点集中で極限にまで威力を高めた技で、命中してピアッシングした部位を「即死」させる。
ナックルヴァール曰く「とんでもなく強くて『致死量』の能力がロクに効かないヤバい奴にしか使わない」とのこと。
ナックルヴァールの口ぶりから、腎臓や内臓といった部位で即死させることが可能な様子。
奇しくも第8十刃の能力と類似して両科学者であるマユリも浦原も同じ相手する。



 活躍



石田の王位継承後、それに不満を抱くバズビーと諌めるハッシュヴァルトの衝突を諌めた。
精霊廷襲撃では技術開発局に乱入したが、全身発光したマユリが出現。
長考の後、マユリを一筋縄で倒す事はできないと判断し、面倒臭がってその場を立ち去った。
その後もペペと共にグレミィの戦いを観戦したり随所で登場する。

霊王宮戦でニャンゾルが敗北した後、陛下の親衛隊として召喚される。
他の3人の陰に隠れて積極的に戦うことはしなかったが、3人が二枚屋王悦に瞬殺されたことで初めて重い腰を上げる。
王悦を術中に陥れ、さらに自分の手についた血液を舐めるというOSRポイント爆上げの行動をとったことで、
やっとナックルさんの活躍が見れる
Oh-Etuもう終わりかよ…
と読者の期待を沸かせた。しかし…


ナルホド…参った
どうしたらいいかNa…

なァ!天示郎!


霊王宮戦で全く見せ場のなかった麒麟寺天示郎がかけたのは「赤い湯」。
これにより、「致死量」に侵された王悦の血液は全て入れ替えられた。
何が起こったのか認識するまもなく、ナックルヴァールは復活した王悦に一撃で倒されることとなってしまった。


初登場から散々引っ張っておきながら、わずか1週でその出番を終えてしまったことから「師匠、打ち切りコース入ってる」と懸念する人もいたとか。
ちなみにナックルヴァールはこの時、自分の能力を逐一相手に説明するという致命的なミスを犯している。解説THX!
とは言え麒麟寺がいなければ王悦は何も打つ手がない等しい状況だった。
つまり事実上、王悦を倒していたという事になる。
陛下が麒麟寺を処理しないから…。

一方で王悦の体重を目測でほぼ正確に計算し、失血死をギリギリ越すラインに血液量の致死量を設定するあたりは地味に凄い。
別に計算が上手になる能力ではなさそうなので、元から暗算は得意なのだと思われる。


しかし倒された直後、陛下の「聖別」により瀞霊廷に残された騎士団の力を得て復活。
彼の言を借りるならば、「またしても死に損なって」しまった。


アニメではその後に麒麟児と戦闘。
自身の毒で麒麟児と戦おうとするもいとも簡単にその毒が流されたので(案の定)迷いなく逃走を決断。
原作の如く決死の鬼ごっこになるかと思われたが、麒麟児の方は足までナックルヴァールより速いという最悪の状況に。
しかし毒は効かない、速力も上回っているという状況が良すぎたために麒麟児は少なからず油断してしまい真っ向からナックルヴァールを追いかけてしまった。
結果ナックルヴァールは(例の如く)毒入りの沼*3で罠を張り麒麟児の足を止め神聖滅矢の一撃で重傷を与える。
そして追い込まれた零番隊は封印を解き千手丸の卍解を行使。
ナックルヴァールは毒も効かない鋼の空間に誘われ、鋼の刺で全身を串刺しにされ圧し潰されるという凄惨な末路を向かるのだった…


原作ではその後も親衛隊として活動。
霊王を取り込んだ陛下の異様な姿に怖気立ったり、そんな陛下を見て顔色一つ変えないハッシュヴァルトに内心動揺したり、
力を持て余した陛下が霊王宮を壊し始めた際に転落しそうになって必死に助けを乞うたり、
一護組と対峙した際にさっきまでいなかったグリムジョーからの強襲にたじろいだり、一護組と正面から鉢合わせたり、隠れて殺すつもりだったのに予定外だったために即刻に逃走の判断するが、グリムジョーに執拗に付け狙われて全速力で逃げ回ったりと、相変わらず場を和ませている。

一方で油断させたグリムジョーを「毒入りボール」で返り討ちにするなど、依然として手強い難敵の姿も見せている。

再び一護の前に姿を現す。
それを見て一護は「グリムジョーが負けたのか?」と問う。

何でも勝ち負けで物事語るのヤメねえか?
俺・そういうの苦手さ


オメーの好みなんか訊いてねえよ
答えろ

その態度に痺れを切らして突っ込んできた一護といざ戦闘開始する瞬間には京楽の卍解に一護同様感知していた。
対面後、描写はないものの一護と戦闘に突入したようだが……
戦いの途中でナックルヴァールはリジェがやられた事に感づいていた。

ジェラルドの戦いを一瞥してここで親衛隊の事を少し話す。
リジェは「親衛隊のリーダーであり、ユーハバッハが最初に力を与えた滅却師」
ペルニダとジェラルドは「ユーハバッハに力を与えられてない滅却師。既に持っていた力になぞえて聖文字を決めたに過ぎない」故に騎士団内でこの2人の正体に噂が絶えないらしくペルニダは“霊王の左腕”。ジェラルドは“霊王の心臓”

滅却師なのに何故霊王云々なんて出てくるのか知らないが、ジェラルドの力を見てそう例えたくなるのも仕方ないと言い、一護に向き直す。

そう思うだろ?
一護

──────って




もう聞こえちゃいねェか


主人公の黒崎一護がうつぶせになり何故か床にしかれたカーペットみたいにペラペラの姿で倒れているという衝(笑)撃的シーンを自身の能力で作り出した。
なお、一護の性格と能力的にぶつかればこうなることは大体皆知ってた。どう考えても相性最悪なので…。
おまけにここの霊子支配権は滅却師側にある。
後に出た虚と死神の力である『王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)』との融合・月牙天衝なら確殺いけると読者は読むが、
わざわざそれを受けてくれるのかと疑問に思う。
王悦戦で4回目*4の鞘伏を回避するナックルヴァールなら瞬く間に自身の「致死量」がロクに通じない即死確定の超強力な攻撃の前にして回避を選ぶだろう。
もしくは虚と混ざり合った一護の奇怪な姿を見て瞬時に、情報にあるならば虚化だと警戒心を強めると思われる。
上記で述べた様に空中戦はまず不可能。

一護の性格的とナックルヴァールの性格的に互いの相性の悪さからして同じ結果なのかもしれない…。

その後は一護を助けようとしたチャドと織姫も毒入りプールで霊子中毒に陥れ、夜一と交戦。
「瞬閧・雷神戦形」となった夜一の広く包むほどの雷撃に食らった隙に一護たちを逃がし、夕四郎の介入も許してしまうが、彼らの攻撃に対する耐性をつけ、反撃に出る。

反撃後は夕四郎はおろか、夜一さえ窮地に陥らせるも、浦原が介入。
自身の能力の抗体を夜一に施され、さらに「瞬鬨・雷獣戦形 “瞬霳黒猫戦妃” 」となった夜一に自身の能力さえ通じず圧倒される。
ピンチに陥ったナックルヴァールは奥の手である完聖体を発動。

黒猫戦妃の夜一の1秒に48回変化する霊圧を分析してこの完聖体で全48種感染完了(コンプリート)
「極上毒入りボール」を展開し、 “領域”を区切って浦原達を逃がさない様に閉じ込める。
その行動に対して疑問に思った浦原から「忠誠心で動いてる様には見えなかった」と指摘されたナックルヴァールはそれを物申すが「だが見立ては間違ってない。確かにそれが全てじゃ無い」と肯定。自らの行動原理を言う。
ユーハバッハへの興味で動き、彼の目的を見届けると。
そしてナックルヴァールは浦原へ誘いかける。


浦原喜助
あんたは物知りだ
この世の全てを見てきたってカオをしてる

そのあんたが 思わねえのか?


3つの世界を潰した後に 陛下が何を創るのか それを見てみたいと思わねえのか?


浦原はその問いを否定する。マユリならあるいは見たいと言ったかもしれないがそれでもやはり違う。
死神である以前、科学者としての答えを示す。


誰も見たことのないものを作るなら 自分の手で
それが科学者ってもんス


成程ね…
嫌いじゃねェぜ その答え

それでも俺は 陛下の方を見たいけどな!


浦原の答えに気に入ったのか物凄く嬉しそうな満面の笑顔で受ける。
「猛毒指輪」を発動して浦原の片目を即死させ、示した浦原に全身全霊をもって殺しかかる。
こうして『訣別』をして戦いの火蓋は切られた。


アンタが強すぎるから悪いんだぜ
致死量を下げてもダメ 手段を全部消してもダメ

それなら五臓六腑軒並み潰して死んで貰うしか手が無ェんだ


参ったな……本気で殺しにきてるじゃないっスか……
─────仕方無いっスね

卍 解


観音開紅姫改メ(かんのんびらきべにひめあらため)


目を即死されて命の危機を感じた浦原は卍解を発動。
未知の卍解の効果に及ぼされ、瞬時に “範囲”だと読み、瞬間移動する。
即死させた筈の眼が視えてて驚愕した途端、
交差に一閃されるも再び斬りかかってくる浦原に霊子の棒で一触即発の鍔迫り合いするも、
卍解で造り変えた左手が斬魄刀の目貫をぶつけ吹き飛ばされるが、
周りに星座のような数々の霊子が放出して、
戦塵を舞い立つ彼は「嫌いな力対力の戦いだ」と嘆くが見た目は無傷で効かない。ナックルヴァールは浦原との戦いを楽しんでいるかのような表情で「極上毒入りボール」の力をさらに上げ、今も毒の濃度に精一杯だと地面を這い回ってくる浦原の卍解の危険性を見抜く。


……流石よく理解してる
ただ

もう遅いっスけどね


しかしこの卍解は囮でもあり、「猛毒領域」が「侵入は不可能ではない」という点を突かれ、
浦原の卍解の能力により「帰刃したグリムジョーを猛毒領域の中にいるナックルヴァールのもとに誘導する」という奇策で、
グリムジョーに心臓を抉り取られる「致命的なダメージ」を負う。
グリムジョーが倒れた時はまだ帰刃していなかったため、破面から虚のものへと霊圧が変化する帰刃の変化も決め手となった。
この浦原の戦いぶりとその矜持に敬意を表しつつもついに死亡するが、
ナックルヴァールから星座のような霊圧の星々が彼方の表層へ飛び出て繋ぎ合い「極上毒入りボール」の濃度を強化する(正確には自身の能力にビビッて無意識化で抑圧していたとのこと)という置き土産を残した。

アンタにゃ敬意を表してえが……こればっかりはどうしようも無ェ……

アンタらにゃもう逃げる力なんか残っちゃいねェだろう……すまねェな……


……とは言え……

アンタならきっと……何とかしちまうんだろうなあ……

……全く……癪だから……

致命的だとは……

言わないでおくぜ…………


(BLEACH666 「空っぽ、傀儡、伽藍堂」 より)


 名言


  • …ホントだ 落ち着いてるねエ 頭からツッ込まなかった 落ち着いてる、落ち着いてるよォ~
  • 助けたのさ 喧嘩は良くない 陛下は争いを好まれないしそれに─────野次馬の“眼”もある
  • おお〜〜〜〜〜〜っ? 何だ何だスゲーな グレミィとマトモにやり合ってるよあいつ さすがは更木剣八ってトコかね
  • 俺に言わせりゃアンタも充分バケモノだよ ぺぺ
  • まったく世間じゃ空想だけで何にもできねえ奴を悪く言うが 空想だけで何でもできちゃう奴を見ちまうと 何にもできねえ方がどんだけ平和だろうと思うぜ
  • …まだだなア…まだこの位じゃア…致命的じゃアねえぜッ…
  • 俺が陛下に拾われたのはただひたすらに死ななかったからだ…みっともねえ能力だろ…?大嫌いさ この能力のことを考えると…いつだって俺は致命的な気分になるんだ
  • よく分かんねえよな 俺も最初そうだったぜ でもアンタはいいよ分かんねえままでいいんだ これから終わんのに分かったところでな
  • キツいだろ?どうしようもねえんだ 致命的な気分さ
  • …あァカッコいいよ…それに比べて俺ときたら最後に勝ったと思っちまった 全くナメてたのはどっちだよ…致命的だぜ…
  • (何だ!?何だ何だ何なんだよ!?あんなバケモンみてえになっちまった陛下を見て何も感じねえのかよコイツ!?)
  • 戦いに来たんじゃなくてあんたらを殺しにきたの!コッソリ殺せりゃそれがベスト!
  • ギフト・バルってのは毒入りボールって意味さ 小さい頃教わらなかったか?知らない人からモノ貰っちゃいけませんってな ママの言いつけ守れないなんて アンタ致命的だぜッ
  • 何でも勝ち負けで物事語るのヤメねえか? 俺・そういうの苦手さ
  • でも今、カフェオレ飲みすぎてハラいっぱいなんだ だから俺のハラが減るまでそのまま待っててほしいんだよ
  • それマジで言ってんの? 昔バンビにも同じこと言われたけど当時もヒイたし今聞いても改めてヒイてるわ 全くデリカシーが無いったら……無えよッ!
  • 違うね 自分のスタイルで敵を倒す事さ
  • 女の価値は顔じゃねェよ……オシャレかどうかだ!!
  • 死ぬほど霊圧をブチ込んでくれてありがとうよ、もうあんたらの霊圧で俺は殺せねえ
  • 思ったより俺の能力の理解が遅かったなァ、致命的だぜ 四楓院夜一
  • フゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ まさか一歩逃げなくても 死なねェとはね 感じる 死から遠退いてる実感があるんだ "免疫"が死を遠避ける究極の方法だとすればこれも"免疫"のお陰なのかねェ…
  • 自分がバケモンなの棚に上げて俺がヌルいみたいに言うのヤメてくんねェか ヘコむぜ
  • "神の毒見"(ハスハイン) ってんだ 冴えねェ名前だろ?
  • さァ どうするよ浦原喜助 まさかあんたの打つ手を1から10まで潰したくらいで 万策は尽きた訳じゃ無ェだろう?
  • 俺はキツい言葉を遣うの好きじゃなくてね キツい言葉を遣う奴ってのは余裕が無く見えるだろ? 余裕のある男でいたいもんでね
  • 失礼なこと言うね 忠誠心ならポメラニアンの倍ほどもあるつもりだぜ
  • あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜イヤだ イヤだイヤだイヤだ イヤだね〜〜〜〜〜〜〜 これじゃア俺の嫌いな力対力の戦いじゃねェかッ!
  • ワルい奴だぜ浦原喜助…
  • アンタにゃ敬意を表してえが……こればっかりはどうしようも無ェ……アンタらにゃもう逃げる力なんか残っちゃいねェだろう……すまねェな……
  • アンタならきっと……何とかしちまうんだろうなあ…………全く……癪だから……致命的だとは……言わないでおくぜ…………



 余談


ソシャゲの「BLEACH Brave Souls」で星十字騎士団の第一弾参戦メンバーとしてバンビエッタ、キャンディスと共にプレイアブルを果たす。
必殺技は『致死量』で、「猛毒領域」を形成して相手に向けて「猛毒の指輪」を投げつける。稀に追加効果で即死が発生する。

2016年02月29日(月)に発売されたジャンプ13号(664話)では師匠がインフルエンザにかかり急病の為、次号は休載になってしまい続きは2016年03月14日(月)で読者は待たされることになる。
その日は長らく気になっていた浦原の卍解を最後のページでお披露目をしたのだから続きを待ちきれない人が多い。
中にはナックルヴァールが師匠を倒しやがったという声が上がる。
完聖体となったナックルヴァールが猛威猛毒を振るいまくったら浦原どころか、
グリムジョー、一護、夜一に続いて師匠まで撃破…。

師匠でさえ────!!



毎年師匠はインフルエンザにかかって休載してることが多い。


オレの追記とか修正って
どうも小物臭い風に見られてね

でもまぁ…
今はそう気にしてない…

昔はよく気にしてたけど…
今じゃそれも長所だと思ってる


ベラベラとウザかったかな?
それも俺の…「致命的」な点さ

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最終更新:2023年10月14日 17:46

*1 彼の個性的な顔つき故に作画が安定しない事が多い。初登場時にはコマのアングルで太ってると勘違いする読者が少なくなかった

*2 もっとも、自分から猛毒だらけの空間に入りたいとはだれも思わないが

*3 恐らくギフト・バートと思われる

*4 3回目は王悦が自身の“致死量以下”になるまで血を抜く為に自傷をした