奈良シカマル

登録日:2014/10/26 Sun 20:36:18
更新日:2024/03/20 Wed 20:16:24
所要時間:約 19 分で読めます




覚えとけ…術だけが武器じゃねーんだよ

奈良(なら)シカマルは、漫画『NARUTO‐ナルト‐』及び続編の『BORUTO‐ボルト‐』の登場人物。

◆もくじ

◆プロフィール

所属:木ノ葉隠れ
役職:下忍→中忍
忍者登録番号:012611
誕生日:9月22日
星座:おとめ座
血液型:AB型
身長:150.8cm(12歳)→152.1cm→170cm(16歳)
体重:42kg(12歳)→42.9kg→53.4kg(16歳)
好きな食べ物:サバの味噌煮、酢こんぶ
嫌いな食べ物:かたゆでたまご
性格:冷静、めんどくさがり
戦ってみたい相手:面倒くさいから無し
好きな言葉:日々是平穏なり
趣味:昼寝、将棋
CV:森久保祥太郎


…こんな名前だが、大仏さんに鹿の角を生やした某ゆるキャラとは縁もゆかりもない。


◆概要

木ノ葉隠れの里猿飛アスマ以下第十班に所属する忍者。チームメイトは親友の秋道チョウジと、くノ一の山中いの
主人公のうずまきナルト他[第七班のメンバーは忍者学校の同期である。
木ノ葉の特別な一族である奈良一族に属し、影を扱う特殊な忍術を用いる

「鹿」の名前通り、奈良一族は特別な場所でシカを飼っている。
薬草などの蒐集も行っており、特に鹿の角などは医療忍者である綱手にも高く評価されている。


◆性格

「めんどくせー」が口癖でマイペースな性格。良く言えば恬然として拘りが無い、悪く言えばやる気が無い。
アスマによると「ゆっくり時が過ぎるのを楽しむことを知ってるジジイみたいな楽しみ方をする奴」なんだとか。
そのためか普段の言動もどことなくじじむさい。
もともと「それなりの人生をフツーに生きる」ことが目的だが、その優秀さが表に出てしまってからはいろんな分野に引っ張りだこになっているのが実情。

アスマはシカマルを趣味の将棋の駒である"桂馬"にたとえ、
「力は弱いが駒を飛び越して進むことが出来る…このユニークな動きは型にはまらないお前の柔軟な思考に似てる」と評している*1
この評価はシカクにとっても満足できるものであったらしく、「お前の性格よく分かってやがったな…」と洩らした。

また、彼の特徴の一つとして「女運の悪さ」が挙げられるだろう。
ただし、モテるということは全く無いが。
割とフェミニストで、か弱い女性を殴るのはポリシーに反するらしく、テマリとの試合でも「男が女殴るわけにはいかねー」と消極的だった*2

なお、面倒くさがりだが意外と見栄っ張りで、「男が女に守られるのはカッコ悪い」と語っており、
第四次忍界大戦では同期のメンバーが次々と新技をお披露目した際は自分らも負けじと新技を披露し、
敵を多数蹴散らしたにも関わらず「まだまだ見せ場にゃ足りねぇ」と張り合っていた。


◆能力

一族に伝わる影を使う秘伝忍術や忍具、罠を用いたトリッキーな戦術を得意とし、
正面からでは敵わない格上相手であっても、搦め手を上手く使って上手に立ち回る。

一方、チャクラ量や身体能力はよく言っても平均レベルであり、真正面からの戦いは不得手。ナルトと異なり幻術返しは一応使える。
最大の強みはその頭脳であり、IQは200以上の超天才
初見の相手の術を短時間で看破して対応策を立てるなど、分析力や作戦立案能力、戦略眼は他の追随を許さない。
特に臨機応変に対応する能力がずば抜けており、周囲の地形や環境、人材を活かした作戦を瞬時に組み立てられる。
サスケ奪還篇では、寄せ集めの下忍チームで即座に最適なフォーメーションを組んだり、
飛段・角都篇では、猪鹿蝶に飛び入り参加したカカシを上手く活かせるよう作戦に組み込んだりと、参謀としての能力は作中随一。
一方で、「鉛筆動かすのもめんどくせえ」という理由で忍者学校の授業はほとんど寝て過ごしていたためにペーパーテスト等の点数は低い。
そのため、学生時代の成績はナルトより上とはいえドベ2だったらしい。

作中では単独で戦うよりも戦略を立て、状況を把握し、適切な対応を検討して仲間を動かす指揮官や参謀としての役割が多い。
特にチョウジ・いのと組んだ時の「猪鹿蝶トリオ」の連携が強力であり、
搦め手が二人で直接戦闘に長けるのはチョウジだけという、個々の戦力では不安が残るこの三人だが、
互いの能力・性格を知り尽くし、強い信頼感で結ばれた連携を持って、幾度も強敵を打ち破っている。

音楽関連の才能が全くないという欠点もあり、音感もなければ音楽知識もないため、
笛の音色で幻術を掛けてくる多由也との戦いでは、この欠点によって曲のパターンで相手の戦術を分析したりできず、苦戦を強いられている。
なお、この時は笛を操る指の動きから術のパターンを見切るという方法で術を破っている。


◆使用術

陰遁に属する一族の秘伝忍術を主に用いる。

  • 影真似の術
伸ばした影を相手の影にくっつけて動きを縛り、術者と同じ動きを強制する。
もともとは「影しばりの術」と呼ばれていたが、シカマルが勝手に改名した(一族内でもそれなりには広まっている模様)。
敵を縛って行動を制限する、無抵抗化するというオーソドックスな使用法の他、
罠に引っ掛かりそうな味方を縛って未然に防いだり、不意打ちに対処するといった使用法も見せている。

縛る対象との距離、同時に縛る数などによって効果が上下し、少ない対象を近距離で縛る時ほど拘束力が強くなる。
縛った対象が格上の実力者だったりで、術者とのチャクラ量に差があると、拘束下にあろうと相手は動いてしまうことも。

  • 影首縛りの術
影真似の術を攻撃よりにしたもので、伸ばした影で相手を物理的に拘束する。首を絞めればそのまま殺害することも可能。
こちらも相手との距離が近いほど絞め上げる力が強くなる。初めて使用したのは父親の奈良シカクで、綱手捜索後に彼から教えてもらった模様。
多由也を縛った時は、目の前の至近距離まで近づいた事で、彼女が状態2にならないと抵抗できないほどの拘束力を見せた。
…が、状態2になった後の多由也を含め、使用した相手がシカマルよりチャクラ量の多い格上ばかりだったため、解かれたり抵抗されたことも多い。
ゲームでは当初「影括りの術」という術名だったが、後に「影首縛りの術」に修正された。

  • 影寄せの術
影で周囲の物体を引き寄せる。

  • 影縫いの術
影首縛りの応用術で、触手状に変化させた影で敵を貫き拘束する。
その気になれば敵をハチの巣にできる恐ろしい術だが、劇中でまともに食らった敵は不死身の飛段のみ。

  • 影真似手裏剣の術
影真似を仕込んだクナイや手裏剣を投擲し、相手の影を貫くことで術の効果に落とし込む。
アスマの形見である、使用者のチャクラを通しやすいアイアンナックルを使用することが多い。

奈良一族の秘伝忍術である「影」を用いた分身術で、ダメージを受けると真っ黒な影になって崩れる。
その性質からして、ナルトが得意とする同名の術とは、名前が同じなだけの別忍術と推測される。ゲームでは「影擬人の術」と呼ばれている。

  • 影掴みの術
影を編み上げ、敵の影を捕捉し行動を掌握する術。
本来は影真似を強力にしたような術だが、シカマルは連携忍術「肉弾用々」でチョウジの動きをコントロールするために使う。



◆作中での活躍


中忍選抜試験

他の同期とともに、中忍試験編で初登場。ナルトからは他の班員とともにオバカトリオ扱いされていた。
シカマルは、「いつも文句ばかりのやる気ナシ男」「グチタレオバカ」。
因みに初期は眉毛がなくアヒル口で「死ね」が口癖だったりと今とはかなり別人に描かれていた。

中忍選抜第一試験のペーパーテストはいのの「心転身の術」で切り抜ける。

続く第二の試験では、「オレらより弱えー奴なんかいねー」とかぶっちゃけていたが、ナルトたちが大蛇丸の部下の音の下忍三人組に襲われている場面に遭遇。
サクラを助けるために飛び出したいのに巻き込まれる形でシカマルも出る。
本人はやる気なさ気だったが、「いのが出ていくのに男のオレらが逃げられるか!」とチョウジまで引きずり出した。

その後、シカマルは影真似で相手の動きを縛り、いのの心転身のサポートをしている。
しかし、人質ごと敵の攻撃を受けたため窮地に陥るが、サスケの復活もあって命拾いした。
終わった後には寝ているナルトをチョウジと一緒に叩き起こす。

その後、どうにかこうにか第二の試験を突破し(いのの発言から推測するにシカマルの策に拠る所が大きかったらしい)、
第三の試験の予選では先の音忍の一人、キン・ツチと対戦。
「女が相手じゃやりづれー」と愚痴をこぼすが、彼の女運の悪さはまだ始まったばかりだとは知る由も無い。

「影真似の術」は相手に一度見られていたので警戒されていたが、相手の糸に見せかけて自分の影を伸ばして影真似の術を成功させる。
相手は「同じ動きをさせるだけなら良くて相打ちしかできない」と拘束されても余裕を見せていたが、
自分の背後の壁までの距離は同じではなかった事を利用し、相手の頭だけを壁にぶつけさせるという方法で勝利。
「忍ならな…状況や地形を把握して戦いやがれ!」

この勝利から、アスマなど身内以外からも存在を知られるようになっていった。
ナルトも「あいつ地味なくせして…ちょっと今のはカッコ良かったな…」と渋い顔。

他の班員は予選で敗退したため、シカマルのみ本選に出場する。

本選での対戦相手は、のちに嫁になる砂の国のくノ一、テマリまた相手が女である。

…だったのだが、サスケの遅刻のせいで試合を先にやらされるハメに。
棄権も考えるが、ナルトに試合場に突き飛ばされてしまった。
しょぼい前座の試合を見せられる観客からはブーイングの嵐。

それでもテマリのほうはやる気満々だが、シカマル本人は「雲はいいよなー」といつも通りのやる気なし。
とりあえずは林の中に逃げ込むが、テマリの「カマイタチの術」による攻撃を受ける。

その後、本腰を入れて戦うことを決めたシカマルは、両手の指を合わせて円を作る独特のポーズをとる。
アスマによると、これはシカマルが将棋などで戦略を練る時のクセであるという。

そして戦略を練り終えたシカマルは、
①太陽の傾きを利用して影を伸ばす
②上着をパラシュートにして上に注意をひきつけるだけでなく、その影を中継地点にして自身の「影」のレンジを延長
③同時にテマリと自分の直線上に、先の試合でナルトが空けたトンネルがあるように位置を調整し、その穴の中から影を伸ばしてテマリを背後から捕縛
という、スタジアムの環境や天候を利用し、さらにテマリの対応も読んだ作戦によって、テマリを影真似の術の影響下に置くことに成功。

彼女に自分と同じ動きを強制し、スタジアムの中央に互いに歩み寄るような形でテマリを引きずり出すと、
すっと手を挙げ、攻撃されると怯えた表情で身体をすくませたテマリの前で、

まいった…ギブアップ!

と、ギブアップを宣言。
シカマルは既に前述の戦略でチャクラを使い過ぎており、おそらくテマリをダウンさせる前に影真似が解けてしまうこと、
チャクラをなるべく使わない攻め手も考えたが、間違いなく時間切れになってしまうと判断したことから、ギブアップを選択したのである。
仮にこれが実戦であれば、影真似の術で縛った時点で仲間によってさらに拘束したり、追撃を行ったり、
そもそも無抵抗の相手の喉を一突きするなどで速やかに殺害することも出来ただろうが、そのどれもがルールで不可能であるが故の判断であり、
シカマルは、いわば勝負に勝って試合に負けた形となった。

…ただし、そこら辺が理解できないナルトには「バカ!!!」と言われていた。

シカマル「うるせー超バカ!!」

その後、サスケと我愛羅の試合中に大蛇丸による木ノ葉崩しが勃発。
カカシの命令で、ナルトやサクラとともに我愛羅を追ったサスケの追跡をすることになる。
会場の殆どの人間が幻術によって眠らされていた所、幻術返しの心得があったシカマルは眠らされてはいなかったが、
従来のめんどくさがりに加えて上忍クラスが飛び交う「本物の戦場」故に狸寝入りを決め込んでやり過ごすつもりでいた*3
しかし忍犬のパックンに狸寝入りである事を気づかれ、噛まれて起こされてしまった。

そうしてカカシに命じられたAクラス任務「先行するサスケを追って止めろ」。
シカマル、ナルト、サクラ、パックンという下忍3人と忍犬1匹のフォーマンセルで出発するが、大蛇丸の部下たちが追ってきた。
切羽詰まった状況なだけにやる気を見せ、待ち伏せを考えるナルトに対し、シカマルは現在の戦略状況を元にした最善策の必要を力説。
その上で、待ち伏せに見せかけた陽動を提案。さらに自分が囮役も買って出た。
ここでサクラも「シカマルってこんなに頼りになるキャラだっけ…」と見直したようである。

その後、シカマルは逃げ出したように見せかけて、追っ手全員を影真似で捕まえる。ひとまず足止めには成功。
肝心のシカマル本人は「足止めしただけ」であり、その足止めも長く続かない事から逃げ切る見込みがなく死を覚悟するが、猿飛アスマが増援に到着。命拾いした。

中忍試験終了後、シカマルは本選で敗退したものの、
先の試合を三代目火影らが高く評価した*4こともあって同期の中では唯一中忍に昇格する。

VS音の五人衆

うちはサスケが音の四人衆の手引きにより里抜けする事件が発生。
シカマルは五代目火影に就任した綱手から、サスケ奪還任務を命じられる。
集めたメンバーは、うずまきナルト・秋道チョウジ・犬塚キバ日向ネジの四人。

シカマルはランダムに集めたメンバーで最適なフォーメーションを結成。さらにメンバーに対し、

「サスケは同じ木の葉隠れの忍だ 仲間だ!」
「だから命懸けで助ける これが木ノ葉流だ」
「それにいくらオレでも めんどくさがったり出来ねーだろーがよ…」
「お前らの命預かってんだからよ」

と宣言した。

敵と接触後、シカマルは一旦影真似を成功させるが、次郎坊の「土遁結界・土牢堂無」に全員捕まってしまう。
全滅の危機にシカマルは「もうサスケを追わない」「俺一人だけでも助けてくれ」などと敵に命乞いをはじめる始末。

だが、これはシカマルの策だった。
作戦を理解したチョウジがポテチでカロリーを補給している間に、声のする方向から次郎坊の位置を特定。
その逆ならば壁が薄い、と看破したネジがそれを確定し、一行は脱出に成功。

さらにシカマルを馬鹿にした発言に激怒したチョウジが次郎坊の相手を引き受け、四人はさらに後を追う。

その後、シカマルは次郎坊に化けて敵に接触するが、気づかれてしまい、またしても取り逃がす。
鬼童丸は日向ネジが相手することに。

三度目の正直で、今度こそ敵からサスケ(の入った棺桶)を手に入れるが、五人目の敵・君麻呂の登場で奪い返されてしまった。

シカマルは自分が敵を引きつけてナルトに君麻呂の後を追わせる。
そうしてシカマルは、多由也と対峙。またまた相手は(ry …シカマル…呪われているんじゃなかろうな?

シカマルは多由也からここまで隊員を一人ずつ犠牲にしてきたことを指摘される。

「そんなにあのサスケとかいう男が大切なのか?一人のために隊員を犠牲にしてまで‥‥このホモヤロー共が!」←約一名だけです

これに対しシカマルは、自分の判断が定石に反することを認めつつも、
「さらわれた仲間を見捨てて身の安全の為に戦うことをやめちまうような輩はオレの小隊には一人もいなかった オレも含めてな」と苦笑。
さらに、仲間は犠牲になったとは思っていないと反論した。

敵の笛の音を利用した人形たちに苦戦しつつも(壊滅的な音楽センス故に「音色で動きを予測する」等の対策も取れなかった)、指の動きを予測して人形を影真似で捕縛。
さらに、奪った人形を囮にして多由也本人も影真似の影響下に置くも、多由也が呪印を解放して「状態2」となったことで形勢が逆転。
力技で影真似を突破しに来た敵に対し、敵の幻術にかかったフリをして近づかせ、シカマルは「影首縛りの術」にかけるが、
これまでのチャクラ消耗もあって力負けしてしまい、チャクラが切れてしまえばまず殺されるという絶体絶命の危機に陥る。

やがて、ついに限界に来たシカマルは死を覚悟するが、そこにまさかの救援が現れた。
シカマルを助けたのは、なんと彼と中忍試験で対決したテマリ。
シカマルたちが出発してすぐに綱手から支援要請を受けた砂隠れの里が、彼女を含む忍びたちを救援に送ったのだった。

その中忍試験でいいようにやられた腹いせもあってか、テマリは「頭のキレが悪くなったんじゃないか?」だの、
「またギブアップするか?代わりに私がやってやるよ」だのとキツイ言葉を掛けてくるが、シカマルにとっては心強い応援に変わりない。
好戦的な笑みを浮かべるテマリに、シカマルもまた少し笑みを浮かべて多由也への警戒を促した。

尤も、攻防を一手で行える風遁を持ち、笛の音もその風で吹き飛ばせるテマリは、多由也にとっては最悪と言っていい相手。
「俺と違っていい術持ってやがる」とシカマルも称した通り、テマリは戦局を有利に進め、
多由也が距離を取って幻術に掛けようとしたところを、その周囲の木々ごと斬り飛ばすという力業で制圧してのけた。
あまりにも一方的な顛末に、シカマルは「強引な奴…こいつうちの母ちゃんより怖えー女だな…」と内心で怖がるが、
「どんなもんだ?」と無邪気ながらどことなく得意げな笑みをこちらに向けた彼女に、毒気を抜かれたように微笑み返すのであった。

任務終了後、重傷を負った仲間たちを見て責任を感じ、「オレは忍にゃ向いてねぇ…」とヘタれ始める。
その姿を見て、テマリには言い負かされ(本人は「女じゃないからめんどくせーケンカはしたくないだけ」と言い訳していたが)、父親には「腰抜け」呼ばわりされる始末。
だが、仲間たち全員の生命が無事だと知り、シカマルは綱手に「次こそは…完璧にこなしてみせます…!」と涙ながらに宣言した。

VS飛段・角都

第二部にも初期から登場。中忍試験の準備のために木ノ葉で活動中、帰郷したナルトと再会。…テマリも一緒に。
年頃の男女が並んで歩いている姿を見たナルトに「デート?」とからかわれたが、両者ともそんなつもりはなく、素気無く否定している。

その後、サイの登場でひと悶着あった後、の侵攻を受けて小隊が結成され、
シカマルもアスマと共に戦場に赴く(チョウジといのは別行動だった)。

換金所で暁を捕捉し、シカマルは影真似で飛段を捕らえるが、完全不死身の敵には急所攻撃も無意味であり、一行は窮地に陥る。
その中でアスマが飛段の"儀式"の餌食となりかけるが、シカマルは影首縛りにより一時的に飛段の動きを止め、その間に分析を開始。
その結果、シカマルは飛段の言動と動き方から「呪い」のカラクリを突き止め、アスマは脱出に成功し、飛段の首をハネた。

だが、それでも飛段は死ななかった。さらに相方の角都まで戦闘に加わり、一行は再び窮地に。
のちにチョウジらの増援も到着し、角都・飛段は一旦退くが、健闘空しく、アスマは息を引き取ってしまう。

三人はアスマから最後の言葉を受け取る。シカマルは最後だった。

「…お前は頭がキレるし…忍としてのセンスもいい…」
「火影にもなれる…器だ…」
「まぁ…めんどくさがり屋のお前は…ゲホッ…嫌がるだろうが…」

その後、シカマルはかつて将棋の時に話していたアスマの"玉"を託され、
アスマはそのまま殉職(この辺りについてはのちに回想でより細かく触れられている)。

アスマの葬儀後、シカマルは師の犠牲で得た貴重な情報を元に新たな作戦を立て、
彼の形見のチャクラ刀とタバコを手に仲間とともに弔い合戦を開始。
はたけカカシが新たな小隊長として加わる。

敵の捕捉後、「影真似手裏剣」により今度は敵を二人とも捕まえることに成功する。
このシカマルの手並みには、敵の角都も「オレの連れと違って賢い」と称賛している。
だが、未知の能力を持つ角都には手を焼かされ、カカシが雷切で心臓を貫くも、五つの心臓を持つ角都は死なない。

シカマルは二人を引き離すため、飛段の足留め役を買って出る。
シカマルは影真似で敵の動きをコントロールしつつ、特定の場所におびき寄せるも、
影真似の持続時間が切れ、シカマルも飛段の"儀式"の犠牲になった…かに見えた。

しかし、実は“儀式”を行わせるまでがシカマルの策であった。
敵の血を体内に取り込むことで相手を呪う“儀式”の性質を利用して、
シカマルは飛段の攻撃を喰らったように見せかけて、自らの血ではなく予め採取していた角都の血を飛段の武器に付着させ、
その血をもって“儀式”を行わせることで、飛段に自分ではなく彼の相棒を呪わせるよう仕向けたのだ。
これにより、角都の心臓を一つ、他ならぬ相棒に潰させた上に、
“儀式”の際の自傷行為と、相手が何故か死んでいないという事実に驚いたことで、飛段に隙を作らせたシカマルは、
その隙を衝いて飛段を周囲の起爆札で縛り付け、アスマの形見のタバコで点火。そのまま飛段を生き埋めにした*5

結果として、シカマルは一人で暁の一角を葬ったことになる*6
角都・飛段の襲撃編は、一方は主人公ナルトの新術風遁・螺旋手裏剣開発が軸となっているが、
アスマ・シカマル師弟の活躍がもう一方の軸だったと言っても過言ではないだろう。


第四次忍界大戦

我愛羅が率いる第4部隊に配属されるが、我愛羅は連隊長でもあるため、
代理だがシカマルが実質的な部隊長であることを告げられる。…テマリに。もうこれ里公認の仲になってね?

戦場では穢土転生された雲の金角・銀角兄弟をいのやチョウジをサポートしつつ封印に成功。
さらにこれも穢土転生されたかつての師・猿飛アスマを、意気消沈していたチョウジを叱咤しつつ封印に成功している。

また、マダラに扮したうちはオビトが九尾チャクラの回収に現れた際にも、
相手の目的が尾獣であることに目聡く気付いて影真似で縛り、
「敵にしておくには惜しい男だ」と評価されている。

その後、ナルト達と十尾が戦う現場に全軍とともに到着。
父・シカクの戦死に際して連合全軍の指揮を引き継ぎ、十尾の尾獣玉に対して、岩隠れの忍が土遁障壁を張り、
さらに連合全員が岩隠れの基本忍術である練瓦の術で立て続けにひたすら壁を張り続け、尾獣化したビーの攻撃で軌道を逸らすという策を瞬時に発案してみせた。
ちなみにこの作戦自体は十尾の攻撃力が想定を上回っていたことで失敗しかけたが、穢土転生されたミナトの介入で回避に成功している。

無限月読発動後に見ていた夢は「里でのんびりと過ごす夢」。
アスマとの猿飛夫妻、カカア天下の両親の姿を見つつ「結婚なんてめんどくせーからやめる」とボヤいていた……が、隣で相槌を打っていたのがテマリ。
もはや何も言うまい。

劇場版

本作でも割と人気の高いキャラ故か、劇場版でも出番は多い。
特に疾風伝の3作目はナルトと対になる立ち位置として登場したりと結構活躍している。

シカマル秘伝

大戦の終結後は六代目火影に就任したはたけカカシの秘書として多忙な日々を送っている。
同時に忍連合の重役に抜擢され、あまりの優秀さから「連合に木ノ葉のシカマルあり」とまで言われていた。
仕事に忙殺される日々が続き、いつしか雲を見ることすら忘れ自分らしさを失っていくシカマル。
ある日、各地から忍が大量失踪しているという報告が入る。
失踪した忍や抜け忍が大量に流れ込んでいると思われる黙の国に調査に向かったサイから不穏な報せが届き、それを最後にサイからの連絡も途絶える。
事態を重く見た六代目火影の命により、シカマルは二人の部下と共に自分らしさからは程遠い“暗殺任務”へと赴くことになる。

BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-

ナルトが七代目火影に就任してからはその補佐役を担当。
シカマル本人としては「初代様に対する二代目様」のポジションらしい。顎鬚が生えてシカクによく似た風貌になっている。
また大方の予想通りテマリと結婚しており、シカダイという息子を儲けている。

しかしながら新たなる脅威「」や大筒木一族の対処に追われたり、自分と同じ頭脳派の天才科学者・三途アマドにほとほと手を焼かされたりと、相変わらずのめんどくせぇ日々を送っている。

BORUTO-ボルト- -TWO BLUE VORTEX-

カワキの手で異空間に幽閉されて表向きには死んだ事になっているナルトに代わり、なんと八代目火影として3年間務めていたことが判明する。
今までの火影は基本的に過去の火影の血縁者or弟子(あるいは同じ班の隊長と部下)にあたる者が任命されていたが、どれにもあたらないシカマルが火影の座につけたのはかなり異例と言える。*7


◆人間関係


師匠で第十班の担当上忍。
アスマにとってシカマルは一番のお気に入りだったようで、シカマル曰く「大切な事からくだらない事までいろんな事を教えてくれた」とのこと。
将棋を教えたのもアスマである(ちなみに、アスマは初心者のシカマル相手に一戦目から負けた)。
「木ノ葉をになうこれからの子供達」を"玉"とたとえた上で、自分にとっての"玉"に当たる夕日紅との子供をシカマルに託し、その師となって守り育てるよう頼んだ。

親友。第十班のチームメイトで、猪鹿蝶の「蝶」。
シカマルを「サスケネジよりシカマルはずっとずっとスゴい奴だ」と評し、
シカマルもまたチョウジを「ここにいる誰よりも…あいつは強い」と信ずるなど、お互いに全幅の信頼を置いている。
彼らの関係は幼少期にまで遡るらしく、チョウジが「秋道一族はデブばっかで鈍感」と仲間外れにされたとき、自分も抜けてきてそのまま友達になった。
お互いのんびりした性格であることもウマが合う理由だろう。

第十班のチームメイトで、猪鹿蝶の「猪」。
気風のいい姐御肌の彼女には振り回されることが多く、「大体男が自分の思い通りになると思ってっからな」と匙を投げ気味。
父親には「女がいなきゃ男はダメになっちまう」と諭されたが、シカマル自身は「女がいても駄目になる男もいるってことだな…」と呆れていた。

拘りの無い性格とやる気がない問題児だったからか、同じく成績が悪くて里の皆から冷遇されていたナルトとの関係は悪くなかった模様で、ナルトの身を幼少期から案じていた数少ない人物の一人で、木ノ葉の住人がナルトを迫害することを疑問視していた*8
ただ、ナルトは熱血漢の単純バカだったのでソリは合わなかったらしく、いがみ合って口喧嘩になることも多かった。
それでもナルトはシカマルを「あいつは口もワリーしいつもめんどくさがってっけど裏切ったりはしねー奴だよ!」と評すなど、何だかんだで信頼している様子である。
シカマルもまた、ナルトが師である自来也を失って悲嘆に暮れている際に、自分が師を失った経験を踏まえつつ、
「オレたちだっていつまでもガキのままじゃいられねェ」「アスマや自来也様みてーなあんなかっけー忍になりてェならよ」と励ましている。
また、ナルトにも足りないところがある(シカマル曰く"バカ"なところ)ことを認めつつも、それを補い支える相談役となると決意している。

  • 奈良シカク
父親。
先代「猪鹿蝶」の一人で若い頃はいのの父親の山中いのいち、チョウジの父親の秋道チョウザの二人と組んでいた*9
シカマルの父親だけあって戦略眼に長け、将棋もアスマより大分強い。
第四次忍界大戦の際には全軍の参謀の役割を担う。忍連合軍の総大将となった四代目雷影にも「木ノ葉をなかなか落とせなかった訳だ」「いい忍がいるな」と高く評価された。
だが、うちはオビトに作戦指令本部を狙われ、作戦の伝令役となっていた山中いのいちとともに戦死した。
ちなみにかなりの恐妻家で、死に際に最期の言葉を残そうとして物置の中にしまっていた何かのことを思い出して慌てるなど、最期まで妻に頭が上がらなかった。

  • 奈良ヨシノ
母親。
鷹揚な夫とは対照的に、口うるさく強気な性格で、母を知らないナルトに「母ちゃんってのはスゲー怖い」と教えたのもシカマル。
父子揃ってこの母には頭が上がらないらしく、シカマルはこっそり父に「どうしてあんなキツイ母ちゃんと結婚したんだ?」と尋ねたこともあるが、
シカクは結婚を後悔していないらしく、なんでもない風に「あんな母ちゃんでも優しく笑う時がある…それでかな…」とノロケを返されている。
シカマルは納得していない風に「そんだけ?」と聞き返していたが、後に自分も似たような感じの女性と結婚しているのを見る限り、血は争えないようである。

砂隠れのくノ一。中忍試験本選の相手で、それ以来何かと縁がある。
ヨシノと性格がそっくりなためか当初は苦手にしていたが、サスケ奪還任務で助けられてから何かあるたびに顔を合わせるようになり、
腐れ縁状態のまま自然と距離が近づいていた。
終戦後は相棒というべき間柄になっていたものの、マイペースな面倒がり+強気な直情型とあってか恋愛面での進展は見られなかったが、
「シカマル秘伝」における黙の国での一件で急接近、最終回時点では結婚している。
結婚後は完全に尻に敷かれているが、小説版によれば、テマリが風影の血筋の娘であることもあり、
奈良家へのやっかみや風当たりが強くなったきらいは結婚当初見られたようで、シカマルが肩身の狭い思いをしないようにテマリなりに気を遣っている。
しかしシカマルとシカダイは共にマイペースでそうした世間の目を余りに意に介さない為、テマリから気構えについて説教される機会が余計に増えている。

  • 鏃(ソク)
「シカマル秘伝」の登場人物。
木ノ葉隠れの里の暗部に所属するくノ一。
本名はヒノコ。
アカデミーを出るとすぐに才能を見込まれて暗部にスカウトされた秀才。
まだ14歳だが暗部内での信頼も厚い。
武器はチャクラの針で、指先から放たれたチャクラ針は、一度狙いを定めたら標的を貫くまでどこまでも追っていく。

  • 朧(ロウ)
「シカマル秘伝」の登場人物。
木ノ葉隠れの里の暗部に所属する忍者。
自分や他人のチャクラの量を自由に操って気配を完全に消したり別人になりすます能力を持つ。
対象人物のチャクラを実際に増大させられるのではなく、知覚する側の錯誤を生む能力。

  • 猿飛ミライ
自らの師である猿飛アスマの娘で上忍時代の部下の一人。
彼女からは非常に尊敬されている。

  • 奈良シカダイ
息子。外見も性格も少年時代のシカマルそっくりだが、目はテマリ似。
新世代の猪鹿蝶トリオの一角で秘伝忍術も受け継いでいるが、修行はサボりがち。
父親以上に地に足付いていると同時に冷めた思考もしているが、負けず嫌いの熱いものも根底には宿っている。


◆余談

将棋

史上初の外国人女流棋士であるカロリーナ・ステチェンスカ氏は『NARUTO‐ナルト‐』の大ファンで、シカマルが将棋を指しているシーンを見て将棋に興味を持ち将棋を指し始めたとのこと。
ちなみにポーランド語版では将棋がチェスと翻訳されていて、日本ルールのチェスは相手の駒を使えるの?と疑問に思ったのが発端だとか。

将来設計

中忍試験のテマリ戦では
「テキトーに忍者やって、テキトーに稼いで…美人でもブスでもない普通の女と結婚して、子供は2人、最初が女の子で次が男の子…」
……と、小市民的な将来願望を持っていることを、心中で語っていた。
しかし実際は
  • テキトーに忍者やって、テキトーに稼いで→火影の補佐役。里のNo.2…に留まらず里のNo.1火影に
  • 美人でもブスでもない普通の女と結婚→風影の血筋の美人と結婚
  • 子供は2人、最初が女の子で次が男の子→現状子供は1人。男の子
……と、この頃の願望を何もかも完璧に外している。
おかげで読者から何一つ夢が叶わなかった男と評されることもある。


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  • 火影
  • インフレの被害者

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最終更新:2024年03月20日 20:16

*1 ちなみに敵となった暁の角都・飛段の名前も将棋の大駒である角行と飛車に由来している

*2 多由也はか弱くない上に状況が状況だっただけに例外

*3 下忍なら本来はこの対応が正しい。

*4 戦い自体の評価と勝負の先を見据えた行動から。ちなみに他は後先を考えていなさすぎたことで評価が低くなった。

*5 飛段は死ぬことがないが、身体が爆散している上に、周囲は奈良一族のシカたちが見張っているため、逃げ出すこともままならない

*6 これにはサイも、「この人案外すごい」と認識を改めた模様

*7 このシステムで行くと5代目の弟子のサクラや3代目の孫で7代目の弟子?の木ノ葉丸に白羽の矢が立ちそうだが、本人が辞退したか力不足と判断されたか、そうなっていない。

*8 アニメではナルトが迫害されてる理由を父親のシカクに問いただしたり、「めんどくせーけど意外と面白いヤツ」と言うなどその部分が強調されている

*9 というか、これらの一族は先祖代々三人一組を組む関係にあるらしい