霊獣(遊戯王)

登録日:2014/10/23 Thu 04:40:55
更新日:2024/01/04 Thu 21:52:36
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現在この項目は 【提案所】肥大化項目記述独立・簡約化等議論所 において、
記述の独立・簡約化の議論対象となっています。本項目に詳しい方のアイディアを募っています。




「霊獣」を操りし一族!

この地に古くから存在し、神秘の力を持つ「霊獣」
「霊獣」と寝食を共にする「霊獣使い」達は、人獣一体となる事であらゆる災厄を防ぐ力を手にするのだ!



【概要】

「霊獣」とは遊戯王OCGに登場するカード群である。ブースターSP-トライブ・フォース-で初登場した。
「霊獣」カテゴリのモンスターは、「霊獣使い」「精霊獣」「聖霊獣騎」という更に細かい3種類のカテゴリに分かれ、ガイアペライオ以外のモンスターはすべて風属性で統一されている。

「霊獣使い」「精霊獣」「聖霊獣騎」という名前から察せられるように、
乗っただけ融合の系譜なのだが、過去の乗っただけ融合と比較しても強力な性能となっている。

■「聖霊獣騎」の共通テキスト
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):(各カード固有の効果)
(2):このカードをエクストラデッキに戻し、
除外されている自分の「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

注目すべきは以下の点である。
  • VWXYZ式の除外融合。
  • 融合素材がカテゴリ指定であるため特殊召喚しやすい。
  • 融合解除に近い能力を持ち、「霊獣使い」「精霊獣」を帰還させる事ができる。(これが有限ループに繋がる)
  • 融合解除能力がフリーチェーンであるため、サクリファイスエスケープによる「対象を取る」除去への耐性を有している。

一見すると簡単に無限ループができてしまいそうにも思えるが、融合素材となる「霊獣使い」「精霊獣」が共に、
「同名カード縛りで1ターンに1度しか特殊召喚できない」という効果外テキストを持っているのでご安心いただきたい。
この為特殊召喚で素材を揃えた場合は効果で素材を帰還させることもできない。

逆に言えば、この特殊召喚制限外の「霊獣使い」「精霊獣」の数だけループをグルグル回すことができる。
霊獣デッキはこの特殊召喚制限の存在する有限ループコンボを使いこなせて初めて真価を発揮するテーマとなっており、
デッキ・手札・フィールド・墓地・除外領域・EXデッキのすべての状況を把握しながら、どの順番で融合⇔融合解除を行い展開するかを常に考えなければならない。
そのため扱う情報量の多さは随一であり、霊獣デッキは屈指の脳トレテーマとして名高い。おそらく慣れるまでは二、三度ぐらい投げ出したくなることだろう。
そういう時には、ウェンちゃん・レラちゃん・ピリカちゃん・ウィンダちゃん・幼かった頃の長老の可愛さを見て耐えるのだ。

▼霊獣カード一覧

○霊獣使い

・霊獣使い レラ
現状の霊獣使いではもっとも守備力が高い。かわいい。
名前の「レラ」はアイヌ語で「風」。名前と言い、ガイアペライオといい霊獣テーマの主人公的ポジションである。
……などと思っていたら、「神の摂理」のイラストにてインフェルノイド・ティエラの攻撃からウェンとピリカを庇う→「霊獣の誓還」では登場せずというイラストコンボから生死不明の状態に。生きていることを祈るばかりである。

「除外テーマで墓地から釣るってあんま強くなくない?」と思われる方がいるかもしれないが、
逆に言うとレラは「(聖霊獣騎になることで事実上)墓地の霊獣を除外領域に送ることができる」ため、レラ1枚から聖霊獣騎を用意しつつ、墓地リソースを除外リソースに変えるという動きが可能である。
この動きの重要さは、霊獣デッキの動きを理解していく過程で思い知らされることだろう。

マスタールール4施行以降は霊獣カテゴリ唯一のレベル1モンスターということで、
特定のリンク1モンスターに繋げることができるという大きな利点が加わり、1枚で幅広い活躍ができるようになった。
特にリンクリボーは中々の相性を誇り、相手ターンで聖霊獣騎の分離から出したレラをコストに展開する動きが中々ニクい。

・霊獣使いの長老
ステータスや容姿からカムイの成長した姿。渋い。
そしてDTストーリーにおいては激動の時代を苦労しながらも最後まで生き抜き、しかもその苦労の大半が報われた。やはりガスタの希望の名は伊達ではなかった。
一方で、ご老体でありながらでっかい精霊獣に乗ったり降りたりを頻繁に繰り返すため、霊獣デッキ使いの諸兄もたまにはじいちゃん無理すんなと心配してあげよう。

効果は霊獣限定の二重召喚。
しかも召喚に成功しさえすればチェーンブロックを作らずにルール効果として適用されるため、ヴェーラーでも無効にできない。すげぇぜ長老!ただしスキドレは勘弁な!
他にも、長老の召喚権追加効果は「長老がいなくても使える」ことは大事なので覚えておこう。

長老とセットで精霊獣を出せば、聖霊獣騎になる→戻るを一度タダでできるため、初動で超重要な一枚である。
この恩恵を最も受けるのが、初ターンにこれとカンナホークが手札に揃ったときである。(コンボについては後述)

・霊獣使い ウェン
現状の霊獣使いではウィンダに続いて攻撃力が高い打点候補。かわいい。
だが名前の意味はアイヌ語で「悪い」「良くない」。嫌な予感がする……。
マスターガイド5によるとあまりに強大な霊力を持って産まれたが故にその力を恐れた両親に捨てられ、長老の手でピリカと姉妹同然に育てられたらしい。(つまり義理の姉か妹であり、ガスタの血族ではない可能性もある)
イラストで目を閉ざしているのはリアル邪気眼強大すぎる力を封印しているからだとか。
が、その霊力を欲した邪悪な存在に目をつけられてしまい……

霊獣デッキでは、打点が低めの同デッキにとって超重要なキルルート製造機として働いてくれる。
特にウェン召喚からのアペライオ特殊召喚の流れは、アペライオの効果も含めれば4300打点となり、ライフの半分以上を削り取れる。
そこに相絆があればさらにガイアペライオの3700が加わり8000ダメージをぴったり叩き出せる。

・英霊獣使い-セフィラムピリカ
たびたび霊獣関連のイラストにゲスト出演していた「ガスタの末裔ピリカ」が遂に霊獣使いとなった姿。かわいい。
ただし聖霊獣騎は存在しない。そもそもペンギンに乗ろうなんてのが無理だったんや……。

レラやウェン同様に、このカード1枚で聖霊獣騎になれるため非常に重要な存在。
一見するとレラの効果と非常によく似ているが、二人のステータスの違いなども相まってかなり明確な差別化をされている。
  • レラは守備力、ピリカは打点で貢献する
  • ピリカは特殊召喚したモンスターがターン終了時に破壊されてしまう。(レラは完全蘇生。)
  • ピリカはセフィラの神託によるサーチに対応している。
  • 展開しやすいEXデッキのモンスターの種類に差があり、ピリカはウェンやセフィラウェンディと組み合わせる事で汎用ランク3や特定のリンク2モンスターを展開可能

このように、どちらをどの枚数積むかプレイヤーの手腕次第と言えるだろう。

・影霊獣使い-セフィラウェンディ
シャドールに堕ちていたウェンがセフィラの力を得た姿。だからこそ「『影』霊獣使い」なのだろう。かわいい。

霊獣に所属しておきながら霊獣と何の関係もない効果であり、霊獣デッキは少々使いづらい性能となっている。
特に、長老のように初動に寄与するワケでも、セフィラウェンディ1枚で聖霊獣騎へと繋がるワケでもないのは、霊獣デッキにとっては致命的な問題である。
(逆にセフィラではスケールのリカバリが可能となため、非常に重要な一枚となっている。)

以前はこの問題があったことと、霊獣の特性そのものがペンデュラム召喚やセフィラと合っていなかった事から、霊獣デッキに入り得ないカードであった。
しかし、近年のルール変遷とカード強化によってその状況もまた少しずつ変わりつつある。

特に相性の良いリンクモンスターが続々登場しており、
  • キムンファルコスの登場によって召喚権を消費する余裕が多少生まれたため、EXデッキのピリカの回収をしつつ展開する動きができるようになった
  • ピリカとコンビを組むことで、Pモンスターを比較的自由にサーチ可能なヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムエレクトラムを使用することができる
このような利点が霊獣デッキにも生じ始めており、今後もリンクモンスターの発展次第ではさらなる活躍の場が見つかるようになるかもしれない。
そういった意味では、リンク召喚によって救われた子、とも言えなくないだろう。

○精霊獣

・精霊獣 アペライオ
名前は「アペ(アイヌ語で「炎」)」+「ライオン」。
融合後の姿が他の2体に比べて、あまりにも変化し過ぎなことで有名。

墓地の霊獣(魔法・罠カードもOK)を除外リソースに変換する+ステータスに不安がある霊獣デッキに全体強化を与える、という有能なライオン。
相手ターン中に発動できるというのも重要で、聖霊獣騎から分離後のモンスターの壁としての性能を底上げしてくれる。(生き残れるとは言っていない)
そのため、基本的には霊獣デッキのループコンボの際にはカンナホークの次に重要な役目を担っていると言っても過言ではないだろう。

・精霊獣 カンナホーク
名前は「カンナ(アイヌ語で「雷」)」+「ホーク」。
霊獣専用の封印の黄金櫃であり、名実ともに霊獣デッキのエンジンの役割を担うモンスター。

無論、除外したカードをちんたら2ターンも待っていられないので、ループコンボの継続に利用されるケースがほとんどである。
ただし、このサーチ効果をうっかり忘れて1アドを損なうというのは、稀によくありがちなうっかりミスなので注意。

・精霊獣 ペトルフィン
名前は「ペツ(アイヌ語で「川」)」+「ドルフィン」。
貴重な除去要員であるピンクのイルカ。ちなみに「アマゾンカワイルカ」という川に棲むピンク色のイルカが実在する。

相手のカードならばあらゆるカードがバウンス可能という範囲の広さがウリである。連契で対処できないモンスターはこちらでどうにか対応しよう。
(逆に言うと、霊獣デッキでは連契でもペトルフィンでも突破できないモンスターをどう処理するかが重要な課題である)

単体でも強いのだが、騎カンナホークとの連携はなかなか強力なムーブであり、
霊獣カードをサーチしつつ分離してペトルフィンを場に出すと、そのまま相手のカードを1枚バウンスできる計算となる。
この際に使用したコストの霊獣カードも多くの場合その後のループで再利用が可能となるため、実に無駄がない。

・精霊獣 ラムペンタ
名前は「ラム(アイヌ語で「心」「精神」)」+「ペンギン」。
ピリカちゃんのイラストに描かれた可愛い精霊との関係が気になる所。

霊獣専用のおろ埋やらプリズマーやらのポジション。
初動で利用する場合には、EXデッキから聖霊獣騎を除外しなくてはいけない点には注意。
霊獣デッキではEXデッキのピリカやウェンディを除外領域に送る仕事もあるので覚えておこう。

登場当時こそ霊獣カテゴリのカードが少なく、あまり強いカードではなかったが、
他のカードの後押しを受けて成長を続けているカードであり、今では初動の一端を担えるまでに成長している。
そのため、今後にも期待したいカードである。聖霊獣騎ラムペンタの登場を我々はいつまでも待ち続けます。

○精霊獣使い

・精霊獣使い ウィンダ
ストーリー上でとても重要な役割を果たしたガスタの巫女にして元・シャドールの球体関節人形。
というか誓還ともども、存在そのものがDTストーリーのネタバレのオンパレードのようなカードである。

  • 「霊獣使い」かつ「精霊獣」であるため、他のすべての霊獣モンスターと聖霊獣騎になることができる
  • EXデッキにも干渉可能かつ条件のゆるいリクルート効果(これには回数制限がない事も重要)
  • ランク4エクシーズに繋げることができるレベル4

といった点から、名実ともに霊獣デッキの中核を担うモンスターである。
展開できない場合でも無理矢理自爆特攻してカンナホークや騎カンナホークにつなげたり、
相手ターンでの分離後の布陣に一役買ってくれたりと、その活躍の場は枚挙に暇がない。

ただし、その特異性のため、留意すべき点も多い。
  • リクルート効果は「相手によって破壊される」が成立しないとダメなので、ガスタ的な送りつけ戦法には使えない。
  • リクルート効果は「相手によって破壊される」が成立すれば破壊される方法はなんでもよい。そのため、神の宣告や神の警告などによる破壊や、一部手札破壊などにも対応する。
  • 「霊獣使い」かつ「精霊獣」であるため、霊獣の騎襲のような「霊獣使い」と「精霊獣」を指定するカードを使う際には2体のウィンダを指定可能。

○聖霊獣騎

・聖霊獣騎 アペライオ
霊獣のメインアタッカー。「攻撃中は」あらゆる効果を受けない。
とかバリアなどの伏せを気にせず攻撃できるが、
自分の強化も受け付けないのでイラスト的に融合元なアペライオの強化も消えてしまう。なんでやねん。

とは言うものの、「カードの効果を受けない」という耐性は中々のものであり、相手のセットモンスターや伏せカードをある程度無視して攻撃に行けるのは大きな強み。
総じて、融合解除ギミックも含め安心して運用できる性能であることは間違いない。

・聖霊獣騎 カンナホーク
霊獣デッキのアドバンテージ・エンジン。
あらゆる「霊獣」カードをデッキからサーチできるデッキの要であり、海外では規制を受けている。

一見サーチ効果のコストは除外領域のカード2枚に見えるが、指定した2枚の内1枚でも墓地へ行けばサーチできる裁定なので、
サーチ効果に分離効果をチェーンすることでリソースの消費を抑えることが可能である。(霊獣のコンボの基本である。)

霊獣の基本にして最も強い動きに密接に関わるカードなどで、その使い方は頭に叩き込んでおこう。
このカードに関連するコンボは後述するので、ぜひ参考にしていただきたい。

聖霊獣騎 ペトルフィン
破壊耐性と守備力、破壊以外の除去に対しては分離して戦線維持と、なかなか頼れる壁。
その耐性故に、激流葬やブラックホールの被害を一方的に減らすこともできる。

破壊耐性持ちでは珍しく、No.101でも突破できない。でもカステル・ライトニング・壊獣その他諸々は勘弁な!
最近では採用率が減ってきているように見え、一抹の寂しさを感じる。

・聖霊獣騎 ガイアペライオ
霊獣デッキの切り札枠。
遂にナチュル・ガイアストライオまで合体してしまった。
なお、当のナチュル・ガイアストライオは融合素材にできない。

攻撃力は3200と高水準で、加えて手札の霊獣カードをコストに発動する万能カウンターまで持っている強力なカードだが、
精霊獣・霊獣使い各1体に加え聖霊獣騎まで融合素材に要求し、融合後は分離不可と何かと重たい。
しかもご丁寧に正規の手段で出さないとカウンター効果が使えない制限まで持っている(ウィンダや相絆がありますし)。
キムンファルコスの登場によって出しやすくなった上に、EXモンスターゾーンに居座って邪魔なときにもどかしやすくなったので、かなり使いやすくなっている。

また、各種カードの参照先としての仕事もあり、ラムペンタで除外して良し、ウィンダから引っ張ってきて良し、と活躍の場面は多い。

・聖霊獣騎 キムンファルコス
最終局面で復活したウィンダとガスタ・ファルコが人獣一体の聖霊獣騎となった姿である。
名前は「キムン(アイヌ語で「山の、山に居る」)」+「ダイガスタ・ファルコス」。
その名の通り、山脈を遥か下方に見下ろしながら優雅に飛んでいる姿が描かれている。
非常にファンサービスに富んだ1枚であり、イラスト・効果ともにダイガスタ・ファルコスを強く意識している。
(また、智天の神星龍とTierraの千日千夜の戦いの末に世界がどうなったかをうかがい知れるなど、考察素材としても極めて優秀である。)

無論、ただイラストアドや設定的に美味しいカードという訳ではなく、以下のように霊獣デッキの中核を成す性能を誇る。
  • リンクマーカーが優秀な右下+左下
  • 召喚権の追加という形での後続展開を可能にする
  • 墓地の霊獣カードの除外手段をもたらす(しかもコストで)
  • 他の聖霊獣騎と違い、正規に特殊召喚された後はレラ・ウェン・ピリカ・誓還で蘇生可能

特に、デッキのエンジンである騎カンナホークとの相性は抜群で、
サーチのコストとして墓地に戻った霊獣カードをコストに、サーチで持ってきた霊獣モンスターを展開する事ができる。
これによって、
1.騎カンナホークのサーチ+分離でレラ・ウェン・ピリカのいずれかをサーチ
2.分離後の霊獣使いと精霊獣でキムンファルコスを特殊召喚し、効果で1.でサーチした霊獣使いを追加召喚して任意の精霊獣を展開
3.フィールド上には聖霊獣騎+霊獣使い+精霊獣が揃うのでガイアペライオが降臨
と言った形で、騎カンナホークが展開できる状況で一度でもサーチが成功すればガイアペライオが出せるようになった。
元々、ガイアペライオの制圧力は非常に高いものであるため、それをループコンボの終着点として組み込めるようになったのは非常に大きい。

反面、他の聖霊獣騎とは違い、自身がリンクモンスターであることから、
リンク召喚の素材が除外領域ではなく墓地に送られてしまい、すぐに③の効果による分離ができない、といった欠点も存在しているので注意されたし。

○魔法・罠カード

・霊獣の相絆(しょうばん)
霊獣専用の速攻融合。バトルフェイズ中の追撃やサクリファイスエスケープのような使い方が主な役割。
指定が「霊獣使い」+「精霊獣」ではなく「霊獣」2体である点も重要。
「召喚条件を無視して特殊召喚する。」という一文が足を引っ張るだろうなーと思っていたら、
本当にガイアペライオで足を引っ張っちゃったのはご愛嬌。
事故覚悟で3枚入れる人もいれば、使い所が難しいということで1枚も入れない人もいるカード。

ちなみに特殊召喚できるのは融合モンスターだけではないので、キムンファルコスも展開可能。
まさかKONAMIは霊獣用のリンクモンスターの登場を見抜いてた……?

・霊獣の誓還(せいかん)
霊獣専用の蘇生・帰還魔法。
長老とAIBOの再会、ウィンダの帰還……そしてかつて「戦火の残滓」でリチュア・ノエリアに救われた三人の子供(エミリア・アバンス・ウィンダ)が、時を越えて再開する姿が描かれた、DT背景ストーリー好きにはたまらない一枚である。

効果自体は、手札コストと、霊獣モンスター自身の特殊召喚制限があるため、初見の印象は悪いかもしれない。
しかし、実際のところは、
  • ループ要員を手札から除外領域に直接叩き込むことができる
  • ループに到達するための序盤の展開が何より重要な霊獣デッキに追加の展開手段を与えてくれる
  • 霊獣の騎襲と違って攻撃表示での展開を許すため、追撃要員として使用可能
  • 墓地か除外領域にキムンファルコスがいれば、このカード1枚からを除外領域の精霊獣と霊獣使いにアクセスできる。
といった形で、霊獣デッキの動きを影に日向にサポートしてくれる。

特に初動の展開に寄与できることが重要で、長老+カンナホーク以外にもカンナホークorラムペンタ+誓還+任意の霊獣使いでも動くことが可能。(内容は後述)
一方で、このカードの登場によって霊獣の展開ルートが一気に増えたため、難解なパズルが更に難解になってしまったのは痛し痒しである。

・霊獣の連契
霊獣のメイン除去。基本はこのカードの発動に聖霊獣騎の分離を合わせると良い。
  • かの悪名高いモラルタ同じく、「選んで」なので対象をとらない除去である。
  • 最大5体のモンスターをたった1枚で除去可能と、場合によってはサンダーボルト並みの効率を誇る(気がしないでもない)。
  • 騎カンナホークでサーチ出来るので、インフェルニティにおけるブレイクのような感覚で使用可能。
防がれやすい破壊ではあるが、このように流石は9期テーマのカードだけあって何かがおかしい。

ただし対象には取らなくても破壊耐性を持ってる上に破壊してもまた戻ってきやがるマジェスペクター相手とかは勘弁な!
それから、対象を取らない効果故に、効果解決時までにフィールドの霊獣を除去されてしまうと不発になってしまう弱点もあるので注意だ!

とはいえ、弱点もあるものの非常に強力で魅力的なカードであり、
カンナホークと並んで霊獣を代表するカードであると言って間違いないだろう。

・霊獣の騎襲
霊獣専用の蘇生・帰還罠。
イラストでは聖霊獣騎アペライオとみられるシルエットが邪竜星ガイザーと思しきシルエットと激闘を繰り広げる背後で
霊獣使いウェンと精霊獣ペトルフィンが触手姦謎の影に拉致されそうになっており、
それに気づいたガスタの神裔 ピリカが必死に手を伸ばして連れ戻そうとしている。が、結局拉致された結果……

そこ、奇襲されてるのは霊獣の方だろとか突っ込むんじゃない。

霊獣版ガトムズの緊急指令とも言うべきカードで、
発動条件もコストもなくフリーチェーンで2体蘇生or帰還という単体で見ても相当なパワーカードである(ある意味で、特殊召喚制限のある霊獣だから許されているとも言える)。
役割が似ている誓還と比較した場合にはアドバンテージ獲得能力で勝り、
罠ゆえの即効性の低さや戦闘フェイズでの打点追加に使用できない点や聖霊獣騎(というかキムンファルコス)を蘇生・帰還できない点が劣る。

基本的に相手ターン終了時に打ちたいカードであるが、相手の除去や戦闘に対応してウィンダを展開するなどの動きも強力である。
この場合にはウィンダを2体対象に取れれば、2体とも特殊召喚することが可能である。
(これはウィンダの特殊召喚が1ターンに1度しかできないだけで、1度に複数体の蘇生には対応するためである。)
後続をそのまま展開できるのでアドバンテージ増となる他、相手ターンに動きまくる霊獣の姿が見られるようになる。

○霊獣コンボ集

霊獣の展開ルートはとにかく難解で脳がとろけること請け合いである。
そこでこの項では、霊獣で頻出となるコンボパターンをいくつか紹介したいと思う。
特に、騎カンナホークによるアドバンテージ獲得パターンと初手からの展開ルートについては最初は丸暗記でいいので頭に叩き込んでおくと良い。

基本パターン
基本となるアドバンテージ獲得の手段は以下の通り。

初手展開パターン
初手の展開パターンには色々あり、
しかも誓還やキムンファルコスの登場によって難解な事になっているが、基本の考え方は以下の通りである。

・長老+カンナホークパターンの挙動


▼デッキとして

フリーチェーンの融合解除と騎カンナホークによるアドバンテージを軸に敵の戦線を消耗させ続け、
、息切れした相手をじわじわと追い詰めていくのが基本の動きとなる。

特に、霊獣の連契、霊獣の騎襲、聖霊獣騎の融合解除、ウィンダのリクルートなどに起因する防御力の高さは顕著であり、一度型にはまってしまうととにかく固くしぶとい。
また、除外リソースをアドバンテージに変える特性から、一般的なデッキにとって致命的な弱点になる除外は全く通用しないどころか逆に利用される傾向にあり、
「トリシューラ撃たれたら逆にアドになる。」というホントかウソか判断つきにくい冗談まで囁かれる始末である

弱点

霊獣の弱点となるのは主に2つ、初動の不安定さ、致命的なメタカードの存在である。

弱点その1 初動の不安定さ
霊獣は、初手に長老+カンナホークが揃った場合の強さは折り紙付きだが、
この動きを安定させる手段が無く、ほとんどの場合引きに左右されてしまうという欠点が存在している。
これは霊獣が、
  • 増援やテンキ、エマージェンシーコールなどのようなサーチ手段が存在していないこと
  • サーチがないにも関わらず、精霊獣と霊獣使いのセットが揃わないと聖霊獣騎になれないため、初動が安定しないこと
という2つの欠点を持っているためであり、霊獣の初動は霊獣使いの永遠の課題といえるだろう。
最近ではウィンダや誓還のおかげでだいぶ初動も動きやすくなったが、それでも手札事故による「何もできずに負ける」危険性は他のデッキと比べて高い。

弱点その2 霊獣に刺さるメタカードたち
特殊召喚による展開を封じられると厳しいのは他のデッキも同様だが、霊獣は騎カンナホークによるサーチができなければまともに動けない関係上特にその影響を受けやすい。
また、他のデッキにおいてはメリットとなりうる場合もある「除外を封じる」や「場外領域からのカードの移動」といった効果が強烈に突き刺さる。トリシューラがアドになる分、エリクシーラーが天敵なのである。
前者なら《虚無空間》、後者なら《王宮の鉄壁》が代表的なメタカードであるため、サイクロン等の魔法・罠カードの除去手段は用意しておきたい。

なお、騎カンナホーク自体はヴェーラーやブレスル、無限泡影に対してある程度耐性を持っているが、当然のことながら普通の霊獣たちはそうではないため効果無効も刺さる。
中でも威光魔人やスキルドレインなんかは騎カンナホークすら機能不全を起こすためゲームにならない。
したがって由緒正しきメタビート相手はとにかくキツい戦いとなる。
特にサーチ妨害効果と特殊召喚妨害効果を併せ持つライオウは不倶戴天の天敵であり、相手にすると辛い。
他にもフォッシル・ダイナ パキケファロなども居座られるどうしようもないことが多い。

真の弱点

さて、ここまでデッキとしての弱点を紹介してきたが、
最も忘れてはいけない最大の弱点は何と言ってもこのデッキ自体の難解さ・複雑さである。

すべての霊獣には1ターンに1度までの特殊召喚制限が課せられているため、
正しいゲームプレイのためにはすでに特殊召喚してしまったモンスターの把握が必須である。
コンボが止まるだけならまだしも、それでプレイミスをしてしまうと対戦相手にも申し訳がない。

さらに1ターン内にすさまじい回数の特殊召喚と効果発動を繰り返すために動き方も複雑怪奇で、基本の考え方はあれどもアドリブ性もとても強い。
イラストの可愛らしさにつられて迂闊に手を出した結果、あまりの複雑さ・難解さに挫折しそうになるのは多くの決闘者が通る道だろう。
少なくとも初心者が気軽に扱えるレベルの代物ではない。扱い方を理解した上級者向けのデッキテーマだと言えるだろう。
にもかかわらず、女の子が可愛いため使いたがる決闘者が後を絶たない魔性のテーマでもある。

霊獣への対策

基本的に霊獣デッキは融合⇔融合解除のループコンボがアドバンテージに直結するため、
(1)フィールドから霊獣モンスターをどかす
(2)除外領域にモンスターを貯めさせない(できれば墓地にも置かせない)
この二点を徹底することが重要である。

そのため、騎ペトルフィンやウィンダなどの破壊に対して耐性・カウンターのあるモンスターを破壊以外の方法で処理し、
それ以外の霊獣モンスターは再利用できないように墓地に叩き落とすのがひとまずの基本の動きとなる。
これ以外にも霊獣デッキと戦う場合には、ループコンボへとつながらないような立ち回りを心がけ、将来のアドバンテージを減らすようにすると良いだろう。
(無論、騎襲を打たれてリカバリや、レラが通常召喚されてリカバリなども十分ありうるが、そこは読み合いの範疇ということで……)

相性のいいカード

・封印の黄金櫃
言わずと知れた好相性カード。だが、便利故についに制限を受けてしまった……。
基本的な運用はカンナホークとほぼ同一だが、こちらは手札から即使用できるという点が極めて重要。
ウェンと組み合わせてダイレクトに展開へと繋げられるだけでなく、召喚権を消費せずにその時一番欲しい霊獣をデッキから用意できる。

・緊急テレポート
霊獣使いの多くはレベル3以下のサイキック族なので、このカードでリクルート出来る範囲は非常に広い。
霊獣使いの効果はどれも特殊召喚には対応していない・特殊召喚制限が存在するという点には注意しないといけないが、
霊獣デッキは性質上霊獣使いと精霊獣を並べないと始まらないため、その片方を補えるこれは便利。合体失敗した後の除外デメリットもあまり痛くない。
霊獣以外にも、幽鬼うさぎちゃんを引っ張って来るのにも使えるナイスガイである。

・嵐征竜-テンペスト
まさか帰ってくるとは思わなかった征竜の一角。
墓地の霊獣を除外しつつ毎ターン湧いてくる2400打点という頼りになる相棒である。
特に、騎カンナホークのサーチのコスト捻出が目に見えて楽になるのは嬉しい限り。
ドラゴン族のサーチ効果は少々活かしにくいが、ペトルフィンを釣り上げてランク4を作れるデブリ・ドラゴンを1枚差しておくと役立つこともあるだろう。

・激流葬
聖霊獣騎の分離効果は自身をエクストラデッキに戻すことが発動条件のため、
相手の召喚・特殊召喚にチェーンして、融合解除効果→激流葬とチェーンを組むことで相手のモンスターだけを全滅させた上で、
素材だけががら空きになった自分のフィールドに戻ってくるというえげつないコンボが実現できる(ブラックホールにはできない芸当である)。
なお、騎ペトルフィンがいる状態で撃っても強い。

・マクロコスモス、次元の裂け目
墓地依存デッキを殺す嫌らしいメタカードだが、除外ゾーンが第二の墓地(ナニカがおかしいが気にしてはいけない)な霊獣では気にならない。
レラやピリカと相性が悪いが、騎カンナホークで墓地に戻したカードを利用する等してカバーすることは可能。
ちなみに、これらのカードが貼ってあっても騎カンナホークのサーチ効果は問題なく発動できるという裁定が出ているので安心して使おう。
ただし増殖するGやエフェクト・ヴェーラー、幽鬼うさぎ等のメタゲームに有効な汎用手札誘発カードの多くと相性が悪い点には留意しておく必要がある。

・魂吸収
1ターンに何度も除外と特殊召喚を繰り返すデッキである為、相性は抜群。
1枚貼るだけでも毎ターン数千ライフを回復、気付いたら数万を超えてることもザラである。

・無限泡影
最近流行りのモンスター効果無効系罠カード。
激流葬の項で書いたように聖霊獣騎の効果発動時に場を空っぽにすることができるため、そのタイミングで手札から発動できるという点で相性が良い。
シンクロ召喚の可能性やレラ同様に一枚でリンクリボーに繋げられそうという理由から、ヴェーラーの方がよくない?などの声も聞こえてきそうだが、
ヴェーラーは相手メインフェイズでしか使えないという点と、このコンボが決まった時のびっくり具合で言った場合にはこちらの方に軍配が上がる。

▼デッキの種類

霊獣デッキはメインデッキ・エクストラデッキ共に霊獣カードの比率が非常に大きいため、
別のカードをチョイ足しして、デッキのオリジナリティを高めることが求められる。
以下は、その一例である。

墓地メタ型
相性の良いマクロコスモスをメインから投入し、相手に墓地アドを稼がせないように立ち回る。
昨今では墓地を利用しないデッキなど存在しないと言い切っても良いが、その度合はデッキによるため刺さる相手と刺さらない相手がまちまちなのが難点。
マクロコスモスから原始太陽ヘリオスを引っ張ってくる動きもランク4エクシーズに絡めやすい。(いつか炎族*2を素材とするリンクモンスターが出た際には更に重要になるだろう)

リンク召喚型
霊獣デッキは基本の動きがEXモンスターゾーンを空けながらの展開になるため、エクストラデッキの枠を割くだけでリンク召喚を無理なくデッキに追加可能。
抜群の相性を誇るキムンファルコス、リンクリボーに始まり、自分で出した霊獣モンスターを除外しつつ魔法・罠を除外できるトポロジック・トゥリスバエナ、
分離から打点向上に貢献できるアークロード・パラディオンなど、比較的相性の良いモンスターは多い。
テーマの性質上、やろうと思えばライトロード・ドミニオン キュリオス、ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムなども出せなくないので、今後のカードの登場如何ではこの辺が霊獣デッキの強化に一役買ってくれることだろう。

エクシーズ召喚型
デッキに別のカードを加えるまでもなく、ウィンダ+精霊獣で容易にランク4に繋げることができるため高相性である。
その場合には、ホープ+ライトニング、電光千鳥、ヴェルズビュート、カステルあたりが候補となるだろうか。
ランク4だけで十分対応可能な状況が多いが、デッキ構築によってはそれなりにランク3も出しやすいのでそちらに目を向けても良いだろう。
余談だが、簡易ノーデンが現役だった頃は簡易融合からランク4に繋げるのが主流であり、
その結果、霊獣が強いというより簡易ノーデン(とテンペスト)が強いから霊獣が強いという、霊獣的に嬉しいんだか嬉しくないんだかよくわからない時期となっていた。

シンクロ召喚型
最もシンプルなのは幽鬼うさぎを3枚取り入れて、召喚権の余るタイミングで、クリアウィング2種やブラックローズ2種などを展開していくパターン。
チューナーを入れないといけないこととエクストラデッキの枠の関係上、かなり明確に意図してカードを選別しないといけない。
なお、エクストラデッキの枠の関係上構築難易度は上がるが、SRとWWのカードに相性の良いものが多いため、そちらとの混合構築も可能である。
  • SR型
SRを用いる場合にはベイゴマックスとドミノバタフライが重要なカードになる。
前者は霊獣デッキの立ち上がりの重さをリカバリー可能なカードであり、後者はカンナホークや封印の黄金櫃と組み合わせることで霊獣モンスターによる展開をサポートしてくれる上に、場合によってはP召喚もやりやすい。
  • WW型
WWを用いる場合には、言わずもがなアイス・ベル、スノウ・ベル、グラス・ベルの3体を使用して耐性つきクリスタルウィングを立たせる事に特化することになる。
アイス・ベル→グラス・ベルと展開した場合の「風属性しか特殊召喚できず、エクストラからレベル5以上のモンスターしか出すことができない」というデメリットが霊獣デッキではあまり気にならないのもポイントが高い。
あと女の子モンスターがさらにデッキ内に増える。

▼その他補足など

○霊獣の裁定やルールに関する補足

霊獣デッキを使用する上で知っておくと得をするかもしれない裁定をまとめて記述する。

1.霊獣の特殊召喚制限の適用について
霊獣の特殊召喚制限であるが、特殊召喚が成功しなかった場合でも、
特殊召喚制限が適用され、再度の特殊召喚が不可能となる場合がある。
おおまかにまとめると、特殊召喚に関わるカードの発動が無効化された場合には再度の特殊召喚が可能だが、
特殊召喚に関わる効果解決時に特殊召喚効果が無効になったり、特殊召喚そのものが失敗すると再度の特殊召喚が不可能になる。

1-1.再度の特殊召喚が可能な場合
霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの発動が無効になった場合。
(ex.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、死者蘇生の発動に対して神の宣告を撃たれたケース)

1-2.再度の特殊召喚が不可能な場合
霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの発動は無効にされず、カードの特殊召喚効果そのものが無効になった場合。
(ex1.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、死者蘇生に墓場からの呼び声を撃たれたケース)
(ex2.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、相手の場に魔轟神獣ユニコールがおり、手札の枚数が同じであったケース)

霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの特殊召喚効果の解決時に、霊獣がその効果の対象として不適切になった場合。
(ex.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、D.D.クロウでアペライオが除外されたケース)

霊獣を対象とした特殊召喚を行うカードの特殊召喚効果の解決時に、一時的に特殊召喚が不可能となった場合。
(ex.自分の墓地のアペライオを対象に死者蘇生を発動した際に、虚無空間を発動され特殊召喚に失敗し、その後虚無空間を破壊したケース)

2.聖霊獣騎の融合および融合解除について
聖霊獣騎の融合および融合解除は実はかなり融通のきいた裁定をもらっている。

裏側表示の霊獣モンスターを融合素材として使用可能。
(剣闘獣などと同じ裁定である。)

聖霊獣騎の融合解除の発動の際に対象にしたモンスター2体の内、
片方が異次元からの埋葬などの効果で除外領域から消えてしまった場合でももう片方の特殊召喚は可能。(霊獣の騎襲も同様)

聖霊獣騎の融合解除の発動の際に、おジャマトリオなどを撃たれてモンスターゾーンの空きが1つになってしまった場合には、
対象に取ったモンスターの片方を空いたモンスターゾーンに特殊召喚し、もう片方は墓地に置かれる。(霊獣の騎襲も同様)

また、聖霊獣騎の融合解除効果は「効果発動のコストとして聖霊獣騎自身をエクストラデッキに戻す」関係上、
効果の発動そのものはフィールド上で行われたが効果を発動した聖霊獣騎はエクストラデッキにいるという、
剣闘獣ガイザレスのターン終了時効果とよく似た少々特殊な状況になる。このため、以下の様なルール上の解釈が生じる。

発動の時点でフィールド上に聖霊獣騎が存在しないため、聖霊獣騎の効果発動にチェーンしてエフェクト・ヴェーラーやブレイクスルー・スキルを撃つことがそもそもできない。
逆に、これらの効果を別のタイミングで撃たれた場合でも、その発動にチェーンして融合解除すれば無効化効果を不発にすることができる。
そのため、騎カンナホークはサーチ効果の発動に対応してヴェーラーを撃たれても、されにそれに対応して融合解除をするだけで効果無効化をスルーできる。
つまり、霊獣デッキで重要な騎カンナホークの融合サーチ融合解除の流れはその動きそのものがヴェーラーなどに対して耐性を持っていることになる。

発動はフィールド上で行われるため、蟲惑の落とし穴やジャスティス・ブリンガーの効果にもれなくひっかかる。
また、蟲惑の落とし穴を聖霊獣騎に対して撃った場合については、
剣闘獣ガイザレスに天罰を発動したケースと同じようにエクストラデッキに戻るが破壊はされない。
(E・HERO アブソルートZeroのようなエクストラデッキで効果が発動する裁定のカードは破壊されて墓地に行くため、違いに注意されたし)

▼余談

遊戯王のテーマでは珍しく別のテーマの後継テーマとなっており、霊獣テーマはガスタの後継テーマとなっている。
これはリチュアの後継テーマとなる影霊衣も同様だが、リチュアと影霊衣がどちらも儀式モンスターを軸にしているのに比べるとシンクロテーマから乗っただけ融合テーマへのイメージチェンジはかなり大胆と言える。
ガスタとは、カード名にアイヌ語を含み風属性で統一、さらに人型がサイキック族、ついでに相棒のモンスターに乗る、という点で共通している。
なお、かつてリチュアとガスタは敵対関係にあったが、いろいろすったもんだの末に和解したらしく、霊獣と影霊衣は共闘関係になっている上に初収録パックも一緒だった。

また、"霊獣"使いであって、"霊"使いとは分類が異なるが、
霊使いの一人ウィンちゃんがガスタ出身であることから間接的に霊獣テーマとは親戚テーマということになる。ややこしい。

あと、本当にどうでもいい話なのだが、初期の精霊獣が鷹・ライオン・イルカと、某忍風戦隊と一致している。
また、親友が敵になったりするシチュエーションからこの戦隊に近いフィールも感じるテーマである。
シャドールと戦うときなどは「友よ、君たちはなぜシャドールに魂を売ったのか?」などと妄想を膨らませても楽しいかもしれない。

追記・修正はガスタの末裔の皆様でお願いいたします。


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最終更新:2024年01月04日 21:52