宇宙人

登録日:2014/10/23 Thu 01:11:02
更新日:2024/01/29 Mon 16:45:52
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ワレワレハ ウチュウジンダ


地球大気圏外に住む生物である地球外生命のうち、知性を持つものの総称。異星人とも。
一般的には地球人の対語とされるが、地球人だって広い意味では宇宙人だろう。でも実感湧かないのは仕方ないね。

地球人類は21世紀においても、地球外生命やその痕跡を未だ発見できていないため、現時点では宇宙人は想像上の存在として扱われている。

キャラクターの属性としての宇宙人は、人外の一種であり、かつ外国人のSF的な延長上の存在でもある。


歴史

古代~中世から、「我々が住んでいるこの世界以外にも生命が住んでいるのでは」という考えは存在し、世界各地の人間たちは、空に浮かぶ天体を異世界の一つとして捉えていた。

4世紀の中国では干宝の『捜神記』に火星人の少年預言者が登場し、10世紀の日本では、月からやって来たヒロインが登場する『竹取物語』が書かれている。
しかし、「我々が立っている大地もまた天体の一つである」という認識がない時代であったため、当時の宇宙人は異世界人と同じ存在であった。

現代人がイメージするような宇宙人は、19世紀ごろから登場し始める。
その草分けと呼べるのが、ハーバート・ジョージ・ウェルズ『宇宙戦争』(1898年)の地球に侵攻する火星人であり、彼らを一つの雛型として、ファーストコンタクトや宇宙人の侵略を題材としたSF作品が次々と書かれるようになる。

宇宙人の形態は、第二次世界大戦後さらに多様化を見せる。
惑星表面を覆う海状の宇宙人とのファーストコンタクトを描いたスタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』(1961年)、
有機生命絶滅を狙う機械生命体との戦いを描いたフレッド・セイバーヘーゲン『バーサーカー』シリーズ(1967年~2005年)、
様々な宇宙人がコミカルに描かれているダグラス・アダムズ『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズ(1979年~1992年)といった、
バラエティ豊かな宇宙人描写がなされるようになっていった。


著名な宇宙人

「地球外生命体」と思しき謎の生物は世界各地で目撃されており、そのバリエーションは豊富。
以下に代表的なものを記載する。

グレイ・エイリアン

おそらく「宇宙人」と聞いて真っ先に思い浮かぶであろう宇宙人。
人間のようなシルエット、アーモンド型のつり上がった目、黒や灰色っぽいツルツルの皮膚という特徴がある。また、手には水かきがあるという。
1970年代頃から世界各地で目撃情報が相次いでおり、狡猾で知能が高く、侵略のために地球を訪れたとされている。
既にアメリカ政府によって捕獲されているという都市伝説も。
オカルトマニアの間では恐竜が人型に進化したものだとか、河童の一種だとか言われている。

レプティリアン(レプトイド)

直訳すると、「ヒト型爬虫類」といった意味合いになる。
その名の通り、トカゲが直立したかのような外見をしており、全身がウロコに覆われている。
脳が発達しており、知能が非常に高い。
性格は凶暴かつ悪辣で、地球を狙っているという。
また、地球人に化けて普通に生活しており、密かに侵略を進めているという噂もある。

インセクトイド

昆虫のような外見をした宇宙人。
目撃例によって様々だが、顔はカマキリやハエなどによく似ているという。
ジャンプ力が発達しているらしい。
カマキリ型のものは「マンティスマン」とも呼ばれる。

ノルディック

人間によく似た見た目をした宇宙人。
顔は北欧系の人々にそっくりで、スカンジナビア半島の白人に似たような姿をしているといわれている。

フラットウッズ・モンスター

アメリカで目撃された異星人と思しき謎の怪人。日本では「3mの宇宙人」として有名。
1952年、ウエストバージニア州の小さな町・フラットウッズに、謎の発光体が落下した。
それを目撃していたとある一家の7人が犬を連れて現場へ向かうと、そこには身長約3mはあろうかという怪人がいた。
怪人はスペード型のヘルメットを被ってローブのような服をまとい、「シューッ、シューッ」という音を出しながらガスのようなものを噴射していた。
恐怖にかられた一行は急いでその場から逃亡したが、翌日、目撃者の一部は鼻や喉の痛みに苦しんだという。
後に中国でもよく似た怪物が目撃されている。

フライング・ヒューマノイド

1999年にメキシコで初めて目撃され、以降日本を含めた世界各地で目撃例が相次いでいる謎の生物。
シルエットは人間に酷似しているが、皮膚は真っ黒または茶色っぽい。中にはマントらしきものを着用していたり、魔女のような姿をしていたりするものもいるらしい。 
最大の特徴が、特殊な装置などを使うことなく自力で空を飛行できること。速度もすさまじく、車に乗っているときに1km以上並走されたという証言もある。
正体については、バルーンや気球、パラセイリングをしている人間の見間違いとする説が有力。

エイリアン・アニマル

その名の通り、地球外から来たのではないかと推測されている動物のこと。
地球の動物とは思えないような外見や、出現と同時に怪現象が起こったり、UFOが目撃されたりすることなどが根拠としてあげられる。
家畜の血を吸う怪物「チュパカブラ」や、蛾のような怪人「モスマン」といった未確認生物の正体は地球外生命体という説が有力。
またオカルト界隈では、昆虫などの節足動物やタコなどの頭足類もエイリアン・アニマルではないかと言われているとかいないとか。

メン・イン・ブラック

UFOや宇宙人の目撃者のもとを訪ねてくる、全身に黒服を纏い、サングラスをかけた謎の男達。無論、あの映画の元ネタである。
正体に関しては、アメリカ政府の調査員や宇宙人など様々な説がある。
詳細は個別項目を参照。


形態分類

人類は地球外生命との(直接的な)出会いを未だ経験していないため、実在する宇宙人がどのようなものかは不明である。
だが、これまでのフィクションに登場した宇宙人には類型が存在し、大きく以下のものに分けられる。

ヒューマノイド(人型)

地球人類に類似した姿を持つもの。
さらに分類すると、地球人とほぼ同じ姿をしたもの、体色や器官形状等細部が異なるもの、全体的には人型であるが体格や体のバランスが大きく異なるものがある。
「似た環境で似たニッチを占める生物は似た姿になる(収斂進化)」、
「知的な高等生物は地球と似た環境で誕生するのではないか」という考えから生物学的にも妥当な姿と考えられ、また実写作品においては役者が素顔や簡単なメイク、または比較的単純な構造の着ぐるみを着ることで演じることができるため、撮影をしやすいというメリットがある。
なお、作品中に地球人が一切登場しない場合、『スター・ウォーズ』や『装甲騎兵ボトムズ』に見られるよう、地球人とほぼ同じ姿のヒューマノイドが「作品世界における『人間』」して扱われることとなる。

例1:地球人とほぼ同じ姿のもの

例2:細部が異なるもの

例3:体格や体のバランスが大きく異なるもの

アニマリアン(動物)

節足動物や脊椎動物等、地球の動物に近い姿を持つもののうち、ヒューマノイドを除いたもの。
古典的な「タコ型火星人」もこの範疇である。
人間がクリーチャーをデザインする際、何らかの動物をモチーフに求めることが多々あるため、ヒューマノイドに次いで数が多い。


ロボット(機械生命体)

高度に発達し自我を手に入れた機械、または肉体のほとんどが機械に置き換わったサイボーグ。
主要構成物質が無機物のため、地球人の目からはどう見ても人工物にしか見えない。


エキゾチック

明確な肉体は持っているのだが、地球の高等生物とは似ても似つかない、
またはそもそも地球人の考える「生物」の概念にすら当てはまらないもの。

ヒューマノイドとは正反対の形態といえるが、地球の生物が地球の環境に適応してこんにちの姿になったことを考慮すれば、
地球と全く異なる環境で進化した生物が異質な姿をしていてもおかしくはない為、これはこれで妥当性がある。

地球人の常識が通用せず、コミュニケーションができるのかどうかすら怪しそうな姿となるため、宇宙人との対話の難しさを描写するのに適している。


アパリッショナル(幽霊)

実体が存在しない、霊的な存在やエネルギーの塊で構成されたもの。
霊的な存在の場合、精神的な進化の過程で肉体を捨てた等の、なんらかの理由づけがなされていることが多い。
地球での活動で肉体が必要になったために、手頃なものに憑依し、仮の肉体を手に入れるといった描写も見られる。


エイリアン・アニマル

詳細については上記を参照。
地球上の動物とは大きく異なった姿をしていたり、体を構成する元素が地球の生物とは違っていたりと様々な特徴がある。
また、超常的な力を使う存在とされることが多い。
地球を訪れる目的は侵略や人類の抹殺だったりするが、自分の意志とは関係なく偶然地球へ来てしまったという場合も。他の知的生命体に操られているというパターンも多い。
フィクション作品に登場する「宇宙怪獣」は大概これに分類される。


宇宙人を自称する地球人

地球外に居を構えた地球人が、何らかの理由で「私はもはや地球人ではない」と表明することがある。
理由としては、地球または地球人への否定的な感情や、地球への帰属意識の低下と居住地への愛着等、様々である。
地球と当地が対立関係にある場合、「我々は地球人とは異なる存在である」と、
当地住人達に意識させて地球側になびくのを防ぐ等、政治的な思惑も絡んでくる。

これの変形として、「当初は地球人と異なる存在と思われていたが、後から地球人と同族であることが判明した」というパターンもある。

例1:自ら地球人ではないと表明したもの

例2:後から地球人と同族と判明したもの

宇宙人と地球人の混血

宇宙人の中には、地球人との間に子供をもうけることができた者もいる。そしてその子供は、両種族の形質を受け継ぐこととなる。
地球の異種生物同士の混血もある程度近い種同士でないと子供はできないため、親となる宇宙人はヒューマノイドであることが多い。
宇宙人・地球人両方から同族とみなされない、政治的に利用される等、子供はその立場上、思わぬ受難を背負うこともある。
作品を複数カ国で展開する場合、そのままでは当地の性的タブーに触れてしまうため、設定変更を余儀なくされるケースも見られる。



宇宙人を探す試み

宇宙人やその痕跡を探す試みは、SETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)と総称される。
大きく分けて、宇宙探査機に手紙を積む等して、地球からメッセージを放ち宇宙人に拾わせる「アクティブSETI」と、
電波望遠鏡で捉えた電波を解析する等し、宇宙人が発した人工的な信号を探す「パッシブSETI」の2種類がある。

ただし、これらはあくまでも「地球人の知識・技術水準と常識」に基づいて行われているため、宇宙人を発見できるという保証はない。
気付かぬうちに、地球人の考え付かない形で発せられた宇宙人の信号をとりこぼしているかもしれないからだ。

アクティブSETIについては、「悪意のある宇宙人に利用されたら危険なのではないか」という懸念が存在する。
1972年~1973年のパイオニア計画では、探査機に手紙を積もうとしたときにこのことが問題視された。
これに対し、カール・セーガンは「我々地球人は、もう何十年もラジオやテレビの電波を地球外に流出させている。
銀河系の宇宙人たちはそれらを傍受し、我々が存在することをもう察知しているだろう」と述べている。

未確認飛行物体(UFO)はしばしば異星人の乗り物(エイリアン・クラフト)と同一視されるが、
搭乗員が宇宙人なのか、そもそも乗り物なのか、もっと言えば本当に「物体」なのかも含め厳密には別の概念である。
宇宙人の目撃談も含む有名UFO事件は項目参照。

UFOに関連して、探すも何も「既に地球に潜んでいる」とか「目撃した人に接触して他言無用を強いている」という都市伝説や、
過激なものでは「地球の生命の起源は宇宙人の仕業」とか「今も世界を裏から操っている」という陰謀論まで存在している。

宇宙人と地球人が接触しない理由の推定としてはフェルミのパラドックスで述べられている説もある。




追記・修正はSETIが成果を出す日を待ちながらお願いします。

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最終更新:2024年01月29日 16:45