ワイルド星人

登録日:2014/10/19 (日) 18:06:07
更新日:2024/01/20 Sat 07:12:42
所要時間:約 3 分で読めます





ワイルド星人とは、『ウルトラセブン』の第11話「魔の山へ飛べ」に登場した宇宙人
せっかくなのでこの記事では宇宙竜ナースに関しても記載する。


ワイルド星人

演:荒垣輝雄
声:丸山詠二
身長:2.2メートル
体重:150キログラム
種別:宇宙野人

種族そのものが老衰し、滅亡の危機にさらされているワイルド星からやってきた宇宙人。
猿人に触角が生えたような毛むくじゃらの姿が特徴。
地球にやって来た目的は侵略ではなく、滅亡しかかっている母星を救うために地球の若者の命を盗み取ることである。
宇宙竜ナースをボディーガードとしており、岩見山を拠点として山を訪れた若者の命をスコープ付の生命カメラで奪っていた。
三本の触角から赤い催眠光線を発射する能力を持つ。

若者達の謎のが相次いだ事で調査に来たダンをも犠牲にしたが、ダンの敵討ちとしてやって来たウルトラ警備隊に遂に発見される。
目的は侵略ではなく、種族を救うためだと必死に懇願するも、当然受け入れられる訳もなくナースを呼んで逃亡しようとした所をソガ隊員に撃たれて死亡した。

地球にとっては紛れもない敵対者であるが、動機自体は滅亡しかけている仲間を救うという切羽詰ったもので、作中でもそれを必死に訴えていた。
未来から若い肉体を奪いにやってきたケムール人と似た立場の宇宙人である。
ワイルド星人の「自分の星のためなら、何をやってもいいのか」という行動は、後に地球人にも重く圧し掛かる事となる

◆他作品におけるワイルド星人

桑田二郎の漫画版『ウルトラセブン』でも動向は概ね変わらないが、最期はナースの敗北を見届けての自決と言う形になっている。

漫画『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャーNEO』にもナースと共に登場。
コールドスリープを繰り返して何とか宇宙世紀まで生き残り、バトルナイザーの怪獣蘇生能力に目を付ける。
そして諸事情でガッツ星人の実験場にさらわれたアイとカネゴンの前に出現してバトルナイザーを狙うも、
火星じゃないのに何故か出現したナメゴンの怪光線で倒された。
ちなみにナースは、バトルナイザーの実験のために戦っていたレッドキングとアロンの戦いに乱入するも、
レッドキングの怪力で倒された(アロンはナースに倒されたらしい)。

『ナースデッセイ開発秘話~特務3課奮闘記~』ではザガーという個体が登場。
温厚な性格で、何故か新潟弁で喋る。名前の発音はガーではなくザーである。
地球が美しい星という噂を聞いて立ち寄るも、大気圏突入の際に宇宙船であるナースが故障したために山中に隠し、自身はソラフネシティに建設中のビルの資材置き場に住み着いていた。
そこでホッタ主任とマルゥルに出会い、新型戦闘艇開発の技術参考も兼ねてナースの修理を手伝うという提案を受け入れる。
その後、経理のテルミに一目惚れされて、半ば強引に彼女の家に住む事になり、交際の末に最終話でテルミの口から結婚が発表された。

◆余談(ワイルド星人)

成田享御大の発案であるアクターの顔が見えるスーツは中々に印象的かつショッキングであり、トラウマになった子供も多いとか。
ただし当時のアトラクション用スーツは顔部分が顔出しではなくリアルな人間型のマスクになっており、これはこれである意味本編より怖い。
またこのスーツは何故か触角が付いておらず、毛を刈り込んだゴーロン星人のような見た目になっている。まあ野人っぽさは増したかもしれないが。
近年は本編準拠の見た目をしたスーツも新造されており、ウルトラ系のイベントや怪獣酒場などに時折出没している模様。映像作品再登場の日も近い……かも。


宇宙竜ナース

全長:120メートル
体重:15万トン

ワイルド星人が連れてきた金色の龍型のロボット怪獣。とぐろを巻いて円盤に変形でき、下部から光弾を発射して攻撃する。龍形態では長いボディを巻き付かせて締め付ける技を使う。
円盤に変形してウルトラセブンの周囲を高速で飛び回って幻惑し、その巨体で絞め殺そうとしたが反対にセブンの力で引きちぎられて倒された。

◆他作品における宇宙竜ナース

その特異な体型ゆえに再登場は難しいかと思いきや、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で41年ぶりの再登場を果たす。
……もちろんCGなんですがね。
邪悪なウルトラマンベリアルに従うゼットン星人が操るロボット怪獣として登場し、ZAP SPACYの母艦スペースペンドラゴンを襲撃する。
円盤形態で追いつくと、体を解いてペンドラゴンに絡みついて締めつぶそうとしたが、アスカ・シンによりゼットン星人はあっけなく蹴り殺され、
アスカの変身したウルトラマンダイナのビームスライサーで破壊された。

他にもギャグ漫画『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』ではその特異な外見をよくネタにされる。

『ウルトラセブン誕生35周年 EVOLUTION5部作』には、ナースの円盤形態に酷似した「円盤竜」が登場した。
こちらはM78星雲以外の惑星からやって来た恒点観測員で、条例に従い、地球で起きることを静観していたが、
ある事件を機に、宇宙の罪人として幽閉されしウルトラセブンが復活するきっかけを作る事になる。

その後、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』では防衛組織GUTS-SELECTの母艦としてナースデッセイ号が登場。
視聴者の多くが『ティガ』のアートデッセイ号とナースのリメイクだと一発で気付いたが、14話にて遂にその正体が発覚。
元々はメトロン星人マルゥルがワイルド星人から購入したナースを元に開発された機体であり、戦艦モードの他にナース同様のバトルモードがあることが判明した。


◆機械龍ナーガ

小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』に登場。
サーペント星人の操るナースの後継機で、三つの首を有する。物質転送円盤形態への変換も可能。
本作においてはエンペラ星人が登場しないため、サーペント星人がどこで入手したのかは不明。

他の円盤軍とともに東京上空に飛来し、CREW GUYSやウルトラマンメビウスと壮絶な空中戦を繰り広げるが、
最後はメビウスにすべての首を跳ね飛ばされた挙句、胴体にメビュームシュートを受け空中分解した。

小説巻末でも触れているが、モデルは察しの通り某東宝怪獣


◆宇宙竜ドラゴドス

体長:425m
体重:22万6千t

ザ☆ウルトラマン』第24話「ふたりのムツミ隊員」に登場するロボット怪獣。
ナースを銀色にリペイントし更に凶悪な改造を施したような姿をしており、背中の翼と尻尾の先端の丸鋸が特徴。エイのような形状の円盤への擬態能力を持つ。
主な武器は口から吐く120万℃の高熱火炎と尻尾の丸鋸、敵に巻き付けて締め上げる程の力を持つ長大なボディ。

アルファ・ケンタウリ第5惑星の暗殺者が第1惑星の王女を抹殺するために使用。
地球に逃げ延びてきた王女を襲撃し拉致したことで、ウルトラマンジョーニアスと交戦。
ナースの比ではない強力なパワーでジョーニアスを締め上げ、丸鋸で首を切り裂こうとするも、科学警備隊のスーパーマードックによる攻撃で尾を破壊され、
鋸が目(メインカメラ?)に突き刺さってしまいジョーニアスを取り逃がしてしまう。
最後は王女を助け出したジョーニアスの放ったプラニウム光線で木っ端微塵に爆砕された。

作中では触れられていないが、『ウルトラ怪獣大百科』ではナースの強化機であることが仄めかされている。


余談

  • メディカルセンターのベッドに横たわるダンを診察する三人の医師として、金城哲夫氏・上原正三氏・赤井鬼介氏の三人の脚本家が出演している。
    また、ワイルド星人によって殺害された牧童・ユキムラの死体はセブンのスーツアクター・上西弘次氏である。

  • ワイルド星人のフィルムに捕らわれた生命を犠牲者の肉体に還元した装置の正体はオプチカル・プリンター。フィルムを別のフィルムにコピーする、光学合成に使われる機器であり、フィルムの生命を肉体に焼き付け、合成するという、作中での使用方法と近いものがある。*1





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最終更新:2024年01月20日 07:12

*1 当時高額だったこの機械の購入資金を得るために企画されたのが「UNBALANCE」、後の「ウルトラQ」である。え? 逆じゃないのかって? Woooその……本当は別の企画のために注文してたんだけど、お蔵入りした時にはもう船に載せられてたもんで……