リベール王国

登録日:2014/10/18 Sat 22:30:13
更新日:2024/01/03 Wed 08:16:45
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リベール王国とは、英雄伝説 軌跡シリーズにて登場する架空の国である。


【概要】

英雄伝説 空の軌跡FCおよびSCの舞台となる小国。西ゼムリア大陸の西部に位置し、北は大国であるエレボニア帝国に、東は同じく大国のカルバード共和国に接している。

小国ではあるがその歴史は深く、1000年以上昔の歴史も確認されている。君主制を布いているが貴族制は廃止されており、ダルモアやフィッシャーといった元貴族の人間も登場する。

隣接国がどちらも軍事大国ということもあり、軍事的な脅威には常にさらされている。事実帝国には《百日戦役》にて王都以外を占領され滅亡寸前まで追い込まれており、共和国とは比較的友好な関係を結んでいるが《百日戦役》の時には援軍の派遣が機会を逸したと言い、仲裁と帝国への非難のみの対応であり(それもリベールの反攻作戦が成功した後)、両国とも信用ができない状況。

特に帝国に関してはかなり警戒しており、リベール王国の軍人がわりと精強揃いなのも帝国という脅威に晒されているからだと、とある元猟兵の少女は述べている。因みに軍の食事は結構美味しいらしい。

脅威には晒されているが、豊富な七耀石資源と高水準な導力技術、そしてそれらを用いた女王の巧みな外交術により両国とほぼ対等な関係で外交関係を結んでおり、宿敵同士である両国の緩衝国としての役割も持っている。

地理としてはヴァレリア湖という国の中央にある巨大な湖を囲う形で、五大都市というそれぞれの地方の名を冠した都市が存在し、それぞれの都市の市長はその地方の首長としての役割も併せ持っている。
また山間部など険しい道が多いため、鉄道や導力自動車はあまり普及していない。その代わり飛行艇の技術力は大陸でもトップクラスで、高速巡洋艦「アルセイユ」の開発など常に飛行艇開発の最先端に居続けている。

「七の至宝」の一つである《輝く環》の伝説や、古代竜が生息するなどの伝説も存在している。

総人口は不明だが、作中のセリフによると人口は共和国の約五分の一、兵力は帝国の約八分の一になるらしい。
モデルとなった国は、常に植民地の危機にさらされながらも緩衝国として独立を保ったタイ王国であるとスタッフから明かされている。


【主要都市】

◯王都グランセル

リベール王国の首都にして最大の都。人口は約30万人。女王が住まうグランセル城を始めとして、王立競技場や各国の大使館、教会の大聖堂など政治・文化の中心として存在する。
《百日戦役》の時には、グランセル地方を囲う巨大な城壁「アーネンベルク」の存在もあり唯一帝国の占領から免れることが出来た。
グランセル城地下には「封印区画」と呼ばれる古代遺跡があり、「七の至宝」の一つである《輝く環》を文字通り封印していた。

◯商業都市ボース

リベール王国第二の都市。ボースマーケットと言う大規模な市場が存在し、そこへ集まる品々を求めて国内外問わず多くの人びとが集まってくる。
北には帝国と接しているハーケン門があり、帝国との交流も盛んな模様。
市長は亡き前市長である父の跡を継いだ、若き女性市長のメイベル。

◯地方都市ロレント

リベール王国北東に位置する都市。主産業は農業と七耀石の採掘。
五大都市の中では一番の田舎。シンボルである時計塔は《百日戦役》の際に破壊されているが、後に住民の手で再建された。
主人公であるエステルヨシュアカシウスが住んでいる家は都市から少し離れた外れの方にある。
市長は温厚で住民からの信頼も厚いクラウス。

◯海港都市ルーアン

リベール王国の西に位置する都市。
その名の通り港町だが、近年の飛行艇の発達により空輸業が盛んになったため海運業が衰退しており、現在は観光業の方に主要産業をシフトしようとする動きがある。街のシンボルとして巨大な跳ね橋である「ラングランド大橋」がある。
市長はFCではダルモア。SCの途中から汚職で捕まった彼に代わりノーマンが担当している。
またこの地方にはジェニス王立学園がある。かなりの名門校として知られており、奨学金制度も充実していることから留学生も多い。クローゼレクターの出身校でもある。

◯工房都市ツァイス

リベール王国の南に位置する都市。東部はカルバード共和国と接しているが、比較的関係が良好なことと、たとえ攻められても大軍を派遣しにくい地形であるためハーケン門のような軍事施設はない。
リベールどころか大陸中に名が知れ渡っている「ツァイス中央工房(ZCF)」があり、工房を中心に全てが成り立っている都市である。
都市の長も市長ではなく工房長であるマードックが務めている。


【関連キーワード】

◯百日戦役

七耀歴1192年(FCより10年前)にエレボニア帝国とリベール王国の間に起きた戦争のこと。開戦から終戦まで100日要したことからその名がついた。
帝国軍はハーケン門を文字通り粉砕した後、王国軍の約3倍もの兵力で電撃作戦を決行。僅か一月で王都グランセルとレイストン要塞を除いた全ての領土を占領し、女王に降伏勧告を行った。
しかし開戦から二月が経った後、レイストン要塞内で3隻の軍用警備艇が作成され、圧倒的な機動力と精鋭中の精鋭であった独立機動部隊の奮闘により各地方間の関所を奪還。孤立した各帝国軍師団をレイストン要塞から出撃した王国軍総力で次々と撃破。カシウス大佐が企てた大規模な反攻作戦が成功した瞬間であった。
王国を占領していた帝国軍師団の大部分が降伏し、本国から援軍を差し向けようという動きもあったが、ここに来てカルバード共和国を初めとする各国が帝国に対して非難声明を出し、七曜教会と遊撃士協会が共同で停戦を呼びかけたこともあり戦争は終りを迎えた。翌年1193年にリベール王国のエルベ離宮で講和条約が結ばれる。賠償金等は双方請求せず、代わりにエレボニア政府から「不幸な誤解から生じた過ち」という形で謝罪がなされた。
しかしこの「不幸な誤解」が何であるのかは国民に明かされることはなく、結局開戦の理由は謎のままであった。
…そう、この戦争の裏に余りにもの理不尽過ぎる悲劇があったことは、公になることはなかった。

◯クーデター事件

七耀歴1202年に、情報局所属であったアラン・リシャール大佐が部下である情報局とともに起こしたクーデター事件。リシャール大佐は軍事力強化のため、それに反対するアリシア2世女王に退位を要求。障害となりうる人物の家族を人質に取り身動きできなくした上で、女王の甥であるデュナン公爵を国王とし、クローディア姫とエレボニア帝国の某皇子の間に婚姻関係を結ばせて国防の強化をしようとする。
また強大な古代遺物(アーティファクト)である《輝く環》の力も使い国防強化にあてる予定であったが、エステル達遊撃士の介入によりクーデターは失敗に終わり、リシャールも逮捕されることになる。
結果王国軍の立て直しのためカシウス・ブライトは遊撃士を辞め軍に准将として復帰。一部情報局の隊員が逃亡したままであったが、リベールを震撼させたクーデター事件は幕を閉じたのである。
…しかしこの事件も後に起きる大事件の前座でしかなかったのである。

◯リベールの異変

七耀歴1203年に起きた原因不明の異変。リベール王国のヴァレリア湖上空に正体不明の巨大な浮遊都市《リベル・アーク》が出現し、それと同時に浮遊都市を中心として広範囲で導力が停止してしまった事件。
リベール国内はもちろん混乱に陥ったが、導力停止の範囲は帝国の南部も入っており、帝国側は原因究明のため一時リベールとの国境付近まで軍を進行させ一触即発の空気を作り出した。
帝国のオリヴァルト皇子とカシウス准将の機転と、エステル達遊撃士の活躍もあり浮遊都市は崩壊。導力停止現象も収まり事態は収束に向かった。
しかし事件を引き起こした秘密結社身喰らう蛇《ウロボロス》に関しては首謀者を始めとして計画の要に居た人物を捕縛するには至らず、またエステル達は知らないが「七の至宝」の一つである《輝く環》も奪われているので、「身喰らう蛇」の計画は果たされてしまっている。

◯《輝く環》

オーリ・オールと読む。
《七の至宝》の一つであり、空間を司る究極のアーティファクトの一つ。かつては《ゴスペル》を介して人々に無限の快楽と幸福を与えていたが、際限なく与えられる快楽によって人の実存さえ危ぶまれる結果となった。
そのため「封印機構」の手によって苦節の末封印される…が「リベールの異変」の際に封印が解かれ、最終的に結社の「盟主」にカンパネルラの手によって献上されることになった。

◯四輪の塔

リベールに古くから存在する4つの謎の塔。《翡翠の塔》《紅蓮の塔》《紺碧の塔》《琥珀の塔》と名付けられており、調査もされているが詳細は分かっておらず、内部が魔獣の住処にもなっているため人はあまり近寄らない。
実は「封印機構」が作り上げた《輝く環》を封印するための装置であるデバイスタワーであった。

◯リベル=アーク

《輝く環》を中枢として建造された浮遊都市。
《ゴスペル》を介してあらゆる願いを叶えることができる実験都市として作られた。しかし上述した通り、無制限な快楽を享受するあまり人が人として生きる価値を見失いつつあったので、「封印機構」によって《輝く環》ごと異空間に封印された。
「リベールの異変」の際にヴァレリア湖上空に封印が解かれ出現する。その後は《輝く環》を失ったため崩壊し、ヴァレリア湖に沈んでいった。


【関連人物】
多いので一部のみ。記事がある人物はそちらへ

◯遊撃士協会

  • カルナ
姉御肌の遊撃士。使用武器は導力銃。ルーアン地方で主に活躍。
  • グラッツ
若い男の遊撃士。使用武器は大剣。自分の技の頭に「グラッツ~」という風に自分の名前をつける。

◯リベール王国軍

  • モルガン将軍
リベール王国軍のトップにあたる老将。厳格かつ頑固で短気な人物で、怒鳴られた新兵が泣き出すことも。極度の遊撃士嫌いで、これは優秀な部下であったカシウスが遊撃士に転向したことが一因としてある。ただSC以降はカシウスが軍に復帰したからか、それとも遊撃士の活躍を認めたからか態度は軟化している。
軍の機甲化以前はハルバードを振り回し《武神》と謳われた猛将であった。
  • マクシミリアン・シード少佐→中佐
レイストン要塞の守備隊長。FCでは家族を人質に取られていたので仕方なくクーデターに協力していたが、こっそりエステル達を逃してくれたり協力してくれた。
リシャールと共にカシウスの弟子であり、剣技と高位アーツを操る実力者。特に防衛戦でその能力を存分に発揮できるらしく、単身でも執行者あいてに立ち回れる実力者。
  • カノーネ・アマルティア大尉(元)
情報局の大尉でリシャールの腹心。武器は導力銃や地雷設置などの工作。
リシャールのことを盲信しており、彼のクーデター計画に協力した。クーデター失敗後は残党とともに潜伏しリシャール奪還を狙うがこれも失敗。収容され自暴自棄になるが、勾留されているリシャールの説得により我を取り戻し泣き崩れる。
結社の王都襲撃の際に元情報局の面々とともに活躍したことからリシャールと共に恩赦を受け、「R&Aリサーチ」の秘書となる。

◯王族関係者

  • アリシア・フォン・アウスレーゼ
アリシアⅡ世。リベール王国26代女王で60歳(空の軌跡当時)。温和で平和主義な老女王だが、卓越した外交手腕により大国とも対等に関係を結んでいる女傑でもある。
  • デュナン・フォン・アウスレーゼ
アリシア女王の甥に当たり、公爵。クローゼと並ぶ王位継承順位第一位であったが、女王はクローゼを後継者とした。
FC時点では「物語一の愚者」と公式で書かれるほどの愚かな人物であったが、SC終盤では心を入れ替え真面目に政務をこなしたり、自ら兵を指揮し執行者相手に逃げずに立ち向かうなど男を見せる。この辺は執行者達にも「噂ほど放蕩者ではない」と賞賛されていた。
  • フィリップ・ルナール
デュナン公爵に仕える老執事。誰相手にも物腰が低く、公爵に振り回されながらも常に彼のことを案じている。
実はかつて「鬼の大隊長」とも呼ばれた王国親衛隊の大隊長で、《剣狐》の二つ名も持つ実力者。レイピアを用いて5つの神技とも言える技を操るという。
老いてもなお実力は健在で、執行者4人相手に大立ち回りを見せるが、数の差もあり敗北する(一応フィリップにも親衛隊の仲間が居たが、執行者相手には居ないも同然であろう)。
またたとえ敵であっても女性相手に剣を向けることがなかった紳士でもある。
  • セレスト・D・アウスレーゼ
リベール王家の始祖。かつて《輝く環》を封印するため「封印機構」を組織した人物。既に故人だが影の国にセレストの仮想人格として生まれ、迷い込んだ者たちを導いた。

◯技術者

  • アルバート・ラッセル
エプスタイン博士の三高弟の一人。ティータの祖父で「ツァイス中央工房」の初代工場長。リベールが導力技術大国となったのも彼の力が大きく、「導力革命の父」とも呼ばれる偉人。他国の歴史の教科書にも名前が乗っている。ただ研究の際には周りが見えなくなる悪癖もある。
  • エリカ・ラッセル
ティータの母親でラッセル博士の娘。基礎理論は父親に劣るが、応用力はズバ抜けており「アルセイユ」の基板を作ったのも彼女。娘を溺愛しており、娘に近づく悪い虫であるアガットには様々なトラップを使って追い返そうとしている。
祖父とは顔を合わせる度に喧嘩する仲だが、研究の際に周囲が見えなくなる悪癖をこちらも持っているなど似たもの親子である。

◯リベール通信社

  • ナイアル・バーンズ
男性記者。相棒のドロシーと共に特ダネを追い求めている。結構面倒見はいい。
後に「リベールの異変」の報道記事が評価され「フューリッツァ賞」というジャーナリスト最高の賞をドロシーと共に贈られる。
  • ドロシー・ハイアット
女性カメラマン。ナイアルの相棒で写真撮影の腕前はピカイチである。
しかしかなりおっとりとした性格でドジっ子。トラブルをよく引き起こし、ストレスでナイアルの胃が大変なことになる。
後に「フューリッツァ賞」を贈られる。


追記・修正はリベール王国民の方がよろしくお願いします。

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最終更新:2024年01月03日 08:16