終物語(下)

登録日:2014/10/18 (土) 13:48:16
更新日:2023/02/23 Thu 12:02:48
所要時間:約 6 分で読めます




“それがきみの―――青春の終わりだ”



青春は、「僕」がいなくちゃはじまらない。



『終物語(下)』は講談社BOXから発売されている、何度でも、趣味で書きたい小説。
物語シリーズのファイナルシーズン第5弾にあたる。

著者:西尾維新
イラスト:VOFAN

阿良々木暦を語り手とし、『暦物語』の第十二話『こよみデッド』直後の大学入試当日の朝から卒業式直前までの、彼の高校生活最後の事件を描く。
ファーストシーズンから続いてきた物語シリーズの集大成として描かれ、今まで積み重ねてきた描写が収束し、伏線が回収されるストーリーは圧巻である。

そして2017年8月12日13日に2時間スペシャルとし2日連続放送する。

第五話 まよいヘル


三月十三日、大学入試当日。
暦は入試前に北白蛇神社に立ち寄ったがそこで遭遇した臥煙伊豆湖に妖刀『心渡』でバラバラに斬り捨てられた―――。
そして目が覚めると、彼の目の前にいたのはもう二度と会えないと思ったかつての友達・八九寺真宵がいた。
真宵との再会を喜んだのもつかの間、暦は彼女から今自分がいるのは地獄の最下層・阿鼻地獄だと伝えられる。
そこで彼を待ち受けていたのは生前の彼の「お人よし」な行いの振り返りと言う名の責め苦だった。


第六話 ひたぎランデブー


入試から帰った暦を待ち受けていたのは恋人・ひたぎからの「高校生活総集編のデート」の申し込み。
二学期から休む暇もなかった暦は浮かれるが、その反面ようやく見えてきた一連の事件の黒幕との対峙が気になる。
そしてデートに向かった人工の星空・プラネタリウムの中で、彼はある人物に出会う。


第七話 おうぎダーク


いよいよ最後の戦いが目前に迫り、作戦を練ることにした暦や伊豆湖の面々。
伊豆湖から語られるのは四月から始まった怪異の事件からの総決算と謎の解答。
そして謎に満ちた暦の敵・忍野扇の正体。

ついに暦は対峙した。瞳に闇を持つ少女・忍野扇と。誰よりも彼自身が知っていた彼女と―――。



◆登場人物

「…って、やっぱり無理!」

本シリーズの主人公にして、ある意味元凶でもある「お人よし」な高校三年生。
二学期からの事件で吸血鬼化が進行していたが、大学入試当日に「心渡」で斬り捨てられ「吸血鬼化」という咎により地獄に堕ちる。
そこから懐かしの少女と再会し地獄巡りしたり逆大バンジーしたり彼女とけしからんばかりのラブラブデートしたりと怒涛の三日間を過ごすが、
それらを通じて自分の行動の「正しさ」を総括して見つめ直すことになる。
今まで多くのヒロインを通じて助け、あるいは助けられ、またある時には変態セクハラ行為をしてきた彼は、最後にどんな行動をとるのか?


  • 忍野扇
「そのときは、私の味方をしてくれませんか?」

今まで散々伏線を張られ、ようやく明かされたセカンドシーズンからの事件の黒幕。
今回もまた暦の前に現れ彼の行いを試すような振る舞いで煽りまくる。
真っ暗な瞳、「間違ったものを糾す」という信念―――それらの共通項があの存在と酷似しているが、その正体は…。


「わたしの知る阿良々木さんは、少女が好きで、幼女が好きで、童女が好きで、スカートの裏地が好きで、女子の腰つきが好きで、大きなおっぱいが好きで(以下略」

鬼物語』で成仏したはずの人を迷わせる迷子の少女。
今作では「親より先に死んだ」咎により子供の地獄・賽の河原に落ちたと判明し、地獄で暦と再会し、ある人物の依頼で地獄を案内する。
相変わらずの小生意気な噛みキャラっぷりだが、その一方で暦を叱咤し、肯定する肝っ玉を見せる。
そしてまたも暦の「欲張り」により思わぬ形で現世に現れ…


「確か、ホッチキスとカッターナイフを振り回す、クールビューティーだったかしら」

かつて暦に受け止められた、重さを失った少女にして、現・暦の彼女。
彼氏の大学入試終了を機に、今までできなかった高校生活最後のデートを申し込む。
初期のクールビューティーっぷりはどこへやら、けしからんくらいのイチャつきっぷりを披露しつつ彼氏をエスコートし、最後にあるお願いをする。
初期からの成長が最も現れたキャラの一人。
あと彼氏より先に運転免許を取っていた。
そして羽川様への愛が重い。


「幼女に戻して欲しいもんなんじゃがの」

暦とペアリングを繋いでいた元・鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼の幼女だったが、暦が地獄に落とされペアリングが切れ、全盛期の吸血鬼美女の姿に戻った。
だがあるじ様にベタ惚れっぷりは相変わらずで、かつて膝に乗せられていたところを逆に暦を膝に乗せている。


「こんなでたらめな結末を、私が最初から目論んでいただなんていい加減な噂を流さないでおくれよ」

怪異専門家の元締めのおねーさん。
前回、暦を初代怪異殺しの鎧から鋳造した妖刀「心渡」で斬り捨てたが、それはある計画のためと判明。
そして「夢渡」で暦を蘇生させた後「何でも知ってる」という言葉の通り、一連の事件の真相を解き明かし、暦にわかりやすい説明と対処の方法を伝える。
今回もまた彼女の計画通りに進むのか?


「何赤面してんだよ、気持ち悪い」

暦の家に居座っている人形童女。
今回は大きな活躍はないが、彼女とのデートに浮かれる暦に茶々を入れたり会議中に空気の読めないギャグを突っ込んだりと、相変わらずキャラがブレつつも安定のウザかわいさである。


  • 手折正弦
「普段の私は天国で悠々自適に暮らしている」

憑物語』に登場し吸血鬼化した暦を狙った、人形使いの怪異専門家。
登場する意味も分からないまま余接に殺されたと思われていたが、地獄に登場し伊豆湖と組んだ計画の一部を担っていたと明かす。
実はかなりの有能な人物であった。


「なーんにも変わらないのは、私だけかあ」

暦のちっこい方の妹で、ピーキーすぎる感情の持ち主。
相変わらずの落ち着きのなさだが、変わっていく兄姉や友人に囲まれ、自身の目的のない生き方に内心焦りを抱いている。
先延ばしにしてきた不死鳥としての生き方、彼女はどう選ぶ?


「人間、たとえ幸せになれなくっても、いいことはあるんだよね―――生きてたら」

かつて蛇に巻き憑かれ、蛇を飲み込んだ少女。
一連の事件を乗り越え、長かった髪を切り、漫画家になる夢を目指し嫌いだった努力に励むようになった。
そこにはかつての叶わない恋に執着し可愛かっただけの彼女はもういない。


「人助け」

暦のでっかい方の妹。
最後に少し登場。高校入学を控えても相変わらずである。


「私の勝ち」

完璧すぎる委員長だが、現在忍野を探して世界中を旅している。
と思いきや、最後にまたしてもファインプレー。


「僕はきみを尊敬するよ、阿良々木くん」

六月以来、ずっと暦の前から姿を消していた彼の恩人。
長らく消息がつかめていなかったが、ついに…。





追記・修正は困っている後輩を助けるために卒業式をサボってからお願いします。

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最終更新:2023年02月23日 12:02