ルーファス・アルバレア

登録日:2014/10/17 (金) 00:03:49
更新日:2023/09/27 Wed 15:40:54
所要時間:約 8 分で読めます





ルーファス・アルバレア(Rufas Albarea)は『英雄伝説 軌跡シリーズ』の登場人物。
CV.平川大輔
年齢は『閃』時点で27歳。


四大名門の一角、アルバレア公爵家の嫡子であり、ユーシスの異母兄。
トールズ士官学院の常任理事の一人でもあり、Ⅶ組の特別実習のカリキュラムも担当している。ユーシスはこの事を知らなかったらしく、バリアハートで明かされた時はビックリしていた。

ユーシスに無関心な父とは違い、ユーシスに宮廷剣術や馬術、貴族としての生き方への訓示など様々なことを教授した師とも呼べる存在であり、ユーシスにとっては「今の俺を形作る全てを与えてもらった」天上の存在のような尊敬すべき兄上。

貴族派きっての貴公子とも称されるほどの美男子で、社交界では“とある皇子”と並んで話題を二分している。
領民に対しても気さくな好青年で、父である公爵から増税などの仕打ちを受けている領民たちからの人気は高い。
政治的に対立するレーグニッツ知事の息子であるマキアスや下級貴族の子息であるリィンとの会話でも彼らの親の顔を立てて話すなど、周囲への気配りも完璧。
人々からはその明晰な頭脳と成熟した人間性を一目置かれている。

一方で貴族制度は帝国に必要と考え、伝統を重要視する姿勢を見せる貴族派の中心人物でもある。
貴族派の筆頭であるカイエン公ともつながっており、各地で貴族同士のつながりを強化するため行動を起こしているようだ。
ただ、父であるアルバレア公とは考え方に相違があるようで、出過ぎた行動を繰り返す父や領邦軍を諌めたりもしている。

前述したように相当な切れ者であり、ルーレでは革新派オズボーン宰相の腹心であるクレア大尉を出し抜いていた。
またⅦ組の面々にも学院の理事として気さくに接し窮地を助けたこともあるが、貴族派として釘をさしたこともある。

そのいい人なんだか悪い人なんだかよく分からない立ち位置から黒幕説が囁かれ、身喰らう蛇の使徒、もしくは執行者とか色々言われていたが……



【閃の軌跡Ⅱ】




内乱の勃発に伴い、貴族連合の《総参謀》として活動。
その頭脳を遺憾無く発揮させ、帝国正規軍の分断に見事に成功。ブルブランからも貴族派の優位はルーファスの頭脳によるものと言われていた。
内乱の指揮をとると同時に、カイエン公と共謀して《獅子戦役》の再現を目論む。どうやら“黒の史書”にも目を通したようで、獅子戦役の“真実”も知っている様子。

そしてⅦ組が合流した矢先、《灰の起動者》であるリィンを“招待”するためにヴィータらと共にユミルを急襲。オルディーネとヴァリマール、両陣営の協力者達がそれぞれ戦いを始める中、自身はリィンを除くⅦ組メンバー全員を相手に戦う事になり、実は滅茶苦茶強いことが明らかになる。

その実力はフィーをしてサラと互角かひょっとしたらそれ以上かもと分析するほどであり、ゲーム的にも負けイベント。
ただしHPを半分以下にするとAPがもらえるので頑張ろう。とりあえずアーツもまともにくらうと即死するので、駆動解除のクラフト持ちを何人かパーティーに入れるか、エマのクレセントシェルを切らさないようにするべし。

Ⅶ組の面子を余裕で下した後はリィンをパンタグリュエルに迎え、エリゼとアルフィン殿下を餌にリィンを脅すカイエン公に対し二人の安全を確約させるという相変わらずいい人なんだか悪い人なんだかよく分からない態度を見せた。
その後、いちいち余計な事をして貴族連合の立場を危うくする父をケルディックの焼き討ちを機に見限り、カレイジャスに情報を与えてアルバレア公を捕らえさせた。
これらの局面では貴族連合の総参謀としてⅦ組とは敵対する関係となりながらも、Ⅶ組には度々「学院の理事」としてアドバイスや激励を送っている。

最終決戦では帝国正規軍が仕掛けてくるタイミングを完璧に読み切り、オーレリア将軍とウォレス准将という貴族連合最強の武人を配置して第三・第四機甲師団を迎え撃ち、煌魔城を顕現させる時間を稼いだ。

煌魔城顕現後は最後の仕上げに向かうヴィータとカイエン公とは別行動をとる。

















「君の出番は終わりだよ────魔女殿」






その正体は、《鉄血の子供たち》の筆頭、《翡翠の城将(ルーク・オブ・ジェイド)》。

つまり、貴族連合の宿敵であるギリアス・オズボーンの腹心である。

ちなみに《鉄血の子供たち》の他の面々は筆頭の存在は知っていてもその正体は知らされておらず、レクターすらルーファスがそうであることには気付いていなかった。

ルーファスとオズボーンは結社の《幻焔計画》によるクロスベルの結界封鎖が起きることを事前に掴んでおり、それを利用して貴族派と革新派の闘争に決着をつける事を目論んでいた。
クロスベルが結界に封鎖されれば、共和国は帝国に攻め込んでくることが出来なくなる。そしてそのタイミングで正規軍の戦力が削がれることになれば貴族派は間違いなく行動を起こす。
そしてオズボーンは自身を狙撃させるという大芝居を打って表舞台から一時姿を消し、その腹心である事を気取られもせずに総参謀の地位に就いたルーファスは戦況を調整してクロスベルの結界が消失するのを待っていた。

煌魔城の最終決戦後は、「皇族への不敬及び帝都へ災厄を招いた罪」を名目としてカイエン公へ反逆し、まんまと四大名門の筆頭を追い落とす事に成功し、自身は帝国の内乱の早期解決に尽力したとして貴族派のトップに立ったのだった。
さらにその後、クロスベルの結界消失を機に復活した共和国の脅威を最大限に煽って貴族派を説き伏せ、オズボーンへの全面協力を表明し、クロスベルを電撃作戦によって制圧してクロスベルの初代総督となった。


とまあこんな感じで閃の軌跡Ⅱでおきた内乱は最初から最後までこの二人の手によって仕組まれたものであった。

ただ、四大名門の跡取りである正真正銘の大貴族の彼が何故にオズボーンの配下になったのかは不明。
そもそも《鉄血の子供たち》自体がどういう経緯で集められた面子かも不明なのでそこら辺に何か理由があるのかもしれない。
生まれてこのかた父の醜い姿を見続けたのも影響しているのかもしれない。

オズボーンがどうやって復活したのかはルーファスも知らないようで、オズボーンとリィンとの関係にも聞かされていなかったがクレア同様に薄々感づいていたという。


しかし親父は馬鹿+真性のクズだし兄上はオズボーンと肩を並べる黒幕だしで、シリーズでも屈指の苦労人になってしまったユーシスの胃と精神は大丈夫なのだろうか……。




【閃の軌跡Ⅲ】



クロスベル州の初代総督として活動している。
市民からすれば侵略者であるためいい感情を抱かれておらず、更にはその極めつけとして特務支援課やその関係者をミシュラム方面に封じ込めるという作戦を決行。
これによってロイド達を動けなくさせ、ユウナに深いショックを与えてしまった。ついでにプレイヤーからのヘイトも買った。
一方で、クロスベルの長年の課題だった治安面は彼の統治下で大幅に改善、経済発展も帝国領地故の偏りはあるものの順調に推移している事から、彼自身への感情はともかく統治体制自体は評価する市民も少なからずいる。(この辺りは創の軌跡でアリオスも評価していた。)

《黄昏》が始まるに際し、それを阻止しようとするユーシスは兄に詰め寄った。クロスベル総督の地位に貴族や諸外国との繋がり、自分の力で半分以上を手に入れたルーファスはオズボーンと政治的に対立することさえ可能であった。
愚かな父が自ら貶めたアルバレアの家格などどうでも良い。ユーシスと違い、ちゃんと両親がいるにも拘わらず、鉄血宰相オズボーンを『父』と崇め、世界を滅ぼしかねない様な事態に加担するのか。元々親がいないミリアムや家族を喪ったレクターとクレアがオズボーンに『父』を求めるのは理解できていても、ルーファスだけは納得が出来なかった。

が、ルーファスの返答はユーシスだけでなく、リィン達にも衝撃を与えるものであった。



















簡単なことさ。私が父の実の息子ではないからだ。
ヘルムート・アルバレア公爵のね。










実はヘルムートの子ではなく、アルバレア家の正妻と追放された叔父の不義密通の末に生まれた子であり、つまりユーシスとは腹違いの兄弟ではなく従兄弟だったのである。
ヘルムートが実子でない事を知っているにも拘わらず家の名誉のためにルーファスを実子とし、後から生まれたユーシスを平民の血が流れているという理由で遠ざけた父を見て、四大名門ひいては貴族そのものに深い失望と疑念を抱き、己の存在意義についても悩み始めてしまう。

また、ヴァルカン率いる猟兵団アルンガルムをオズボーンに差し向けたのは彼であることが判明。理由は軍部出身の平民宰相の力量と仕掛けた人間に気付くかを試したかったため。

鷹狩りの時にリィンの養父・テオにオズボーンを紹介してもらった時に首謀者が自分であることに加え、自分が抱えている悩みまでもを見抜かれた。
限りない才能の持ち主であり、何よりも自分という存在を認めてくれるオズボーンを真の父と考えるようになり、同時にいずれ乗り越えることで自分の存在意義を見出そうと考え、最初の《鉄血の子供》となった。
このことは堂々とオズボーンに宣言しているが当の本人からは「子は親を乗り越えるもの」だと黙認されている。





【閃の軌跡Ⅳ】



クロスベルのエルム湖湿地帯に現れた試しの地の召喚に成功し、金の騎神の起動者となる。
クロスベルの総督になったのもそのためで、1年半も注意深く探り続けていた。

第三相克である人物を不意打ちで殺害し、白銀の翼を手に入れ、金の騎神が更なる進化を果たす。
これによってプレイヤーも含めた多くの人物からの怒りを買い、ユーシスからもとうとうブチ切れられてしまう。

そして、《黒》はもちろん、オズボーンを乗り越え、人の生を捨てて不死者となるつもりだったことが判明する。






その上で偉大なる父に挑み、必ずや乗り越えて証明してみせる……!
不義の子として生まれながら持てはやされた欺瞞を超えて――
私が私として世に生まれ出でた意味を!!




全ては偉大なる父と認めたオズボーンを超えるため、そして自らの存在意義を見出すため。
そのためにあらゆる作戦を企て、あらゆる人物を敵に回し、あらゆる力を手に入れ、或いはあらゆる人間をも切り捨ててまで己を高めることに費やしてきた。
そしてこの第五相克においてリィン達の勝率が1割を切っていたと読んでいたが、敗北してしまう。
武術に仕事に権謀術数に、あらゆる才能に恵まれ「完璧」とも称された彼の敗因は人や絆を頼らなかったこと。ミリアムやマキアスによると誰も頼らなかったらしく、脆い「完璧」に拘って完璧であり続けた故に彼は孤独となったようだ。
そんな敗因をユーシスに告げられ、遂にルーファスもぐうの音も出ないとして負けを認める。そしてユーシスは決着がついた後、弟として兄を叱責するべく全力で殴りつけ、気絶させるのだった。

その後は憑き物が落ちたらしく、この騒動の全責任を負う形としてクレアやレクター、オズボーンの罪を全て引き受ける形で逮捕された。



【創の軌跡】



ところが閃の軌跡Ⅳから半年後となる本作においてまさかの再登場を果たす。
上記の事件集結により逮捕、その後はオーロックス砦に収監されていたはずなのだが脱走し、クロスベル独立調印式が行われるまさにその瞬間に姿を現した。
多数の黒の衛士や新型魔煌機兵を引き連れ、いつかの電撃作戦以上に強引にクロスベルを襲撃、占領しようとする。
当然ロイド達特務支援課はそんな彼の暴挙を許すはずもなく彼に挑むのだがまさかの敗北を喫し、更には尚も立ち向かおうとするロイドを切り伏せて完全勝利を収めた。
これによって市民たちを失意のどん底に突き落とさせ、更には収監されているはずのディーター元大統領やガルシア、更には金色の鎧の人物に謎の舞姫など新たな部下としてお披露目、その中の一人である舞姫によって市民を洗脳することにより再びクロスベルを占領し、それどころか「クロスベル統一国」としての独立やゼムリア大陸の統一を目指すことを宣言。
共和国は愚か帝国にすら敵に回し、大陸全土を大混乱に陥れた。

先の《相克》で敗れ、憑き物が落ちたはずの彼が何故こんな暴挙に出たのか。
元同僚であったレクターや逮捕後も度々面会していたユーシスもその真意が掴めていない。

また今回脱獄したルーファスだが脱獄の日は3月14日、独立調印式の前日である。
つまり彼は脱獄した翌日に多数の黒の衛士や新型魔煌機兵を大量に生産して引き連れ、そしてクロスベル占領を成し遂げたということになる。
あまりに手際が良すぎる、というよりどう考えても時間が足りなさすぎて不可能だとしか言えない事態に誰もが困惑した。
一体彼に何があったのだろうか……。


ネタバレ注意





















実は新総統としてクロスベルを再び支配したこのルーファスは偽物である。
上記の通り、手際が良すぎると言われた犯行も単純に本物が拘置されている間に準備を進めていたというだけ。
だが偽物にしては本物と見分けがつかないくらいに完璧であり、それどころか本物以上にあらゆる作戦においてまるで未来でも視ているんじゃないかというくらい合理的な一手を打ち続けている。
また件の脱獄に関しても、本当の狙いは拘置されている本物のルーファスを消すために衛士達を使って襲撃を仕掛けさせたというのが真相。
だが当の本人が本当にその場から逃れて脱獄してしまったために彼が偽物であると気付く者は現れなかった。
……あれ? じゃぁ本物のルーファスはどこに……?






「我が名は《C》────《新生帝国解放戦線》のリーダーである。」

2年半前の内戦の引き金を引いたテロ組織のリーダーの名を騙る仮面の人物、そして本作の第3の主人公「隠者」の正体が彼である。
彼自身は偽ルーファスや黒の衛士隊らの計画には一切無関係であり、むしろ上記の通り邪魔になる存在として始末されかけた立場。自らの偽物の打倒のため、そしてかつて戦争を主導し“元総督”としてクロスベルに関わった者としての責任と矜持のため、事件の解決に向けて行動することになる。

と言っても正面切って悪をねじ伏せるのは“英雄”たるロイドやリィンらの仕事と考えており、自身は別アプローチからの解決を目指している。
作中では脱獄騒動の際に黒の衛士に襲撃されるも、それを返り討ちにして情報を引き出し自身も脱獄。翌日のクロスベル再占領の報を知るなり《C》としてオリヴァルト皇子夫妻の失踪事件の犯行声明を出し、更にその日の内に黒の衛士隊が狙っているという情報のあったトランクを事件解決の鍵と当たりを付けて確保。脱獄直後の何もない状態からの活動準備や情報収集も含め、短時間で凄まじい行動力を発揮している。
上記の通り半年も投獄されて鈍っていたにもかかわらず黒の衛士を返り討ちにする、神速のデュバリィの斬撃をただ一人完璧に防いでみたばかりかその後の一騎打ちも(アーツによる不意打ち込みとは言え)勝利を収めて見せるなど、相変わらずの超人じみた実力の持ち主である。

その後はトランクの中身だったラピスに加え、運び屋だったスウィンとナーディアを雇い《新生帝国解放戦線》として旗揚げし、基本的にはラピスの記憶を取り戻す方針で活動することになる。
因みにこの時二人には多額の報酬を条件に雇うことに成功しているが、肝心の彼は逮捕されていたが故に財産は押収されているはずでは……と思いきやこんなこともあろうかと各地に資産を分散していたらしく、押収された金額も全体から見て大した割合ではないらしい。完全にやり方が悪徳政治家のそれである。

なお、割と序盤の内に仮面を割られて正体が露呈してしまうが、誘拐の声明でⅦ組を引っ張り出せればそれで良かったのか、中身バレについては気にしている素振りはなかった。
と言うか武器や所作などルーファスを連想させる要素が結構あり(クラフトのモーションが完全に同じなど)、本人(とおそらく制作側)としても隠す気はあまり無かったのかもしれない。



全体的に前作までの冷徹で合理的な部分はそのままにえげつない行動も多いが、背負っていた物が無くなり幾分自由になったこと、更に同行者の存在が化学反応し、意外と天然で愉快なお兄さん(29)の面を見せることも。

  • ノリノリでテロリストを演じ、先代から「それ後で黒歴史になるから注意しろよ」と忠告される
  • クロスベルの美しい野山を目にしてはしゃぐラピスを横目に「非効率だから総督時代にもっと開発しておけばよかった」とコメント
  • 精巧な偽ラピスの山の中から本物を一発で見つけられた理由が「予め発信機を付けておいたから」と、夢もロマンもあったもんじゃない
などなど

こんな言動をするものだから当初はスウィンやナーディアからも呆れられており、ラピスを除いては信頼も薄かったのは言うまでもない。
しかし悪人だからこそできる強引ながらも合理的な手腕の数々、スウィンやナーディアの暗い過去も「自分に比べればマシ」と許容する面など、まさに「隠者」として行動する姿は歴代主人公と比較しても新鮮である。
尚、彼は三十路手前だが他の面々は十代の若者揃い(一人は見た目幼女の人形)なので周りから見た彼らの印象は「子供とその保護者」。
果てがナーディアによって「新生帝国解放戦線」が「新生帝国ピクニック隊」と名付けられる羽目になる。
因みにエステルやロイド、リィンら歴代主人公は釣りをすることが出来るが彼自身は釣りをせず、その役目はスウィンとナーディアに回ることになる。
また以前共和国の諜報部隊「ハーキュリーズ」が使用していたRAMDAというステルス装置をちゃっかり手に入れており、街中ではそれを用いて自分の姿を隠している。


一方で「“父”を越える」という人生の目標を失い、ひいては自身の存在価値やアイデンティティを見失ってしまったことでどこか空虚になっていたが、機械知性たるラピスの無邪気で純粋な言葉が、彼の心に響き渡った。



「何をしても何をしなくても、何を持っていても何を持っていなくても、その人はその人だよ。」




「理由なんていらないし、誰が認めても、誰が認めなくても、そこは変わらない。だって、それが人間でしょう?」




「ルーファスはルーファスだよ。」



この言葉をきっかけに、ルーファスは自身を見つめ直してゆく。
その後は事件解決のために旅を続け、その間にも様々な成り行きからレン・ブライトデュバリィ、果てはアリオス・マクレインと前作まで敵対関係にあった人物たちと行動を共にするようになり、事件の解決を目指すことになる。
尚、前作までの所業が所業なので彼と敵対関係にあった人物からは軒並みいい印象を持たれておらず、特にデュバリィに関しては彼の顔を見るや否や問答無用で切りかかるほどであった。
一方でその実力や手腕は認められてもおり、そんな彼がどう変わっていくのかをプレイヤーたちと共に目の当たりするところもルーファスルートの見どころの一つである。



以下ネタバレ











幻想要塞での敗北で一人で出来ることの限界を知ったことに加え、今回の道中での経験から他人との接し方にも以前とは変化が出始める。
ラピスが自身の複製体たちを前に自己を定義できなくなった際にも、上記の彼女の言葉を持ち出し「君だけが、ラピス・ローゼンベルクだ」と言葉を掛けて彼女を救い出した。この一件や偽エンペラーとの戦いなどを通じて新生帝国ピクニック隊新生帝国解放戦線の3人からは信頼を寄せられるようになり、他の仲間達からも変わったと指摘されるようになる。本人は他人を利用しているだけ、自身を信頼するように仕向けているだけと嘯いているが…

物語終盤のクロスベル市解放作戦では、自身の偽物から総統の役割を引き継ぎ大陸統一の偉業をもって“父”を超えるよう提案されるが、「僅かな経験の差」からこれを一蹴し勝利を収めた。
「“私”は“私”だ。   断じて“君”とは違う。」
「父は   彼はただ愛する者を愛し、成すべき事を成しただけなのだから。」

彼は決して世界を呑み込もうとした底知れぬ怪物などではなかった。
その背中が誰よりも大きく見えたのは、かつての獅子心皇帝の魂を受け継いだからか?
その力が誰よりも強靭であったのは、【黒】の起動者に選ばれたからか?
   否、彼は愛する者の為にと必死に足掻き続ける一人の父であり、ただの人間でしかなかったのだ
ずっと傍で父の一挙手一投足を見ていたはずなのに、そんなことすらもわかっていなかった愚かな自分(かこ)を乗り越え、ルーファスは姿を表した真の黒幕が潜む最終決戦の地、【逆しまのバベル】を目指す。

………全ての事態を収めるための、密やかな、ある決意を胸に   


なお、ラピスが自身の送り先としてルーファスを選んだ理由は、必ずこの事態に立ち向かい、かつ最短でラピスの記憶にたどり着ける人物だったから。
実際、記憶を取り戻せたのは最終決戦の前日というギリギリのタイミングであり、これ以上ない人選だったと言えるだろう。



その後の《逆しまのバベル》での最終決戦では、鹵獲した魔煌機兵ヘルモードを駆り《零の騎神》との戦いに参加。一時的に戻ってきたエル=プラドーの助力もあり、最後は自機を盾にしてラピスがエリュシオンのコントロールを奪取するための時間を稼ぎ勝利に貢献した。

しかし終焉のイシュメルガは最後のあがきで、人々の集合無意識下で憎悪が最も集まる地に《天の雷》が落ち続けるようバベルの制御を変更。このままでは人類の滅亡は必至かと思われたが、
ルーファスは新総統を演じて放送を流し、2年半前からクロスベルや帝国、周辺諸国で起きた事件や紛争は全て自分が仕組んだものであること、そしてこれから大陸全土に「裁き」を下すことを宣言。人々の憎悪を自身に集めることで雷のターゲットをバベルに設定しようと画策する。

放送を終え刻限を待つ中で、最後まで空虚な人生だったと独り自嘲しながらも不思議と悪くない気分を感じていたが、エリュシオンの未来観測の助けを受け戻ってきたラピスやユーシスらに救出される。「自身が紡いできた“絆”を甘く見た容疑」でロイドに強制連行され、直後に《天の雷》がバベルを直撃しバベルは消滅、事件の終結を迎えるのだった。


「そうか、私は…………とっくに手に入れていたのだな……」


最後の最後で彼はようやく、自分にとって大切なものを手に入れたと理解することが出来たのだった。
その後は戦いの影響で大怪我を負っていたため聖ウルスラ大学病院にて治療を受けることに。
本来であれば極刑となってもおかしくない身の上だが、公的にはルーファス・アルバレアはバベルで死んだという扱いになっており、身分も家も名前も、贖罪の機会すら失いつつも罪に問われることは無くなった。
全て片付いた後にはラピス、スウィン、ナーディアの3人とともに当てのない旅に出た。また、ユーシスとも改めて和解できた模様。

因みにデュバリィもルーファスの入院中は多数の果物を持って見舞いに訪れていた。曰く「早く治して約束していた一騎打ちをしろ」とのことだが、最早そこには敬愛するマスターの敵討ちという理由だけではないだろう。さすがツンデレ
約束通り彼女とも改めて一騎打ちを行ったらしいが、結局はルーファスの全戦全勝。デュバリィは勝つまで挑み続ける所存らしく、最早その姿は「稽古を付けて貰っているようだ」とはスウィン談。

悪人として背負うものは途方もないだろうが、ルーファスはもう一人ではない。彼にとっての物語は、ここから「創まる」のだった。



因みに余談だが、『創の軌跡』の開発当初は彼が主人公となる予定はなく、3ルート目は彼でなくエステルを主人公とし、クロスベル再独立の件に関してリベール王国で起こる出来事を彼女が先頭に立って解決するという内容であった。
これは『創』で西ゼムリア大陸における物語が完結を見る為であるが、リベール王国での物語はすでに『空』で終えてしまっており、それ以上の物語がうまく展開できず、開発メンバーも難儀していたという。
そんなこんなで『閃IV』発売も迎えてしまい、時間が無くなっていた中、『創』から開発に加わったある新人開発メンバーが打開策を提示した。それが《C》―――仮面を着けたルーファスを3ルート目の主人公とするものであった。
この新人の提案にベテランの開発メンバーや日本ファルコムの近藤社長は大変驚くと同時に、その発売前に正体が発覚したら正気を疑われかねないレベルの斬新な発想に感嘆。結果、この開発案が採用され、『創』は完成・発売を見たのである。
《C》ことルーファスルートを目にしたユーザーも、当初はそれまでの所業やこれまでの軌跡シリーズの主人公からかけ離れた彼の性格故、彼が主人公である事を少なからず不安視していた者が多かったが、上記の通り、彼の性格や変化、『閃』での背景を丁寧に掘り下げ、しっかりと描写し切ると同時に、彼に同行するラピス、スウィン、ナーディアら新キャラの魅力も発揮したシナリオを目にしてその不安は消え去り、ルーファスルートは特に高い評価を得た。



【黎の軌跡】



続編である本作では本人は未登場。
しかし、あれから仲間達と共に共和国を訪れており中でもクレイユ村に彼ららしき人物が滞在していたという話を聞くことが出来る。


【黎の軌跡Ⅱ】


なんと共に旅をしてきたパートナーであるラピスが突然機能停止しているという事態に見舞われることに。
その原因を探るため、仲間であったスウィンとナーディアは裏解決屋と接触を図っているが、本人は別行動をとっておりその姿を見せることはない。
というのも、世間一般的には死んだことになっているルーファスだがCID(カルバード共和国が擁する諜報機関)には生存を知られており、最重要監視対象として徹底的にマークされているためである。
そのためスウィンとナーディアも彼の情報はぼかしながらも「ボス」と呼んでおり、彼に示しが付かない真似は出来ないと言わしめるほどに強い信頼関係を築き上げている模様。
また、共和国を抜ける際に情報屋でもあるディンゴ・ブラッドと接触しており、彼の協力により偽造身分を貰えた上に各方面の情報攪乱してもらったことで監視の目を搔い潜って共和国を抜けることに成功した。
表向きは歴史的大罪人として知られているルーファスだが、正義感の強いディンゴがここまで協力してくれた辺りクロスベル再事変に関するある程度の真相は知られているらしい。
因みに本作では予約特典としてホロウの音声をルーファスに変更できる「R・A」というホロウコアが入手可能。

+ ネタバレ注意
なんと物語の最終盤、《グレンデル=ゾルガ》となってしまったディンゴとの最終決戦を終えたその直後に顔も名前も伏せた状態で登場
ディンゴの未練であったマリエルに詳細を伝え、以前助けて貰った借りを返すために彼女を引き合わせるという超美味しいところどりな活躍を見せた。
一見すると実に単純な行動に思えるが、

  • CIDの厳しい監視の目を抜けて共和国に潜入する。
  • (ラピスを通じては言え)ディンゴの置かれているあまりにも特殊な状況をすべて把握している。
  • ディンゴの交友関係も調べ上げ、彼の気掛かりがマリエルであると推測。
  • 短時間でマリエルの居場所を突き止めて接触。
  • そしてディンゴとマリエルの感動の再会をお膳立て。彼の最期の望みを叶えてあげた。
  • (描写こそないが)その後も捕まることなく共和国から脱出。

……と、文面にするととんでもないことの数々を成し遂げており、相変わらず「才能の塊」としか言いようがない恐るべき手腕と能力を見せつけた。マジでなんなのこの人。
これにはその場にいたヴァン達は勿論、プレイヤーすらも唖然としたことだろう。
ディンゴも「やはりとんでもない御仁だな」と称賛した上でマリエルを引き合わせてくれた彼に心から感謝した。




【余談】

ルーファス演じる平川大輔氏は軌跡シリーズにおいてツァオ・リーも担当。
兼役が多い軌跡シリーズではあるが、ルーファス(CV:平川大輔)&ツァオ(CV:平川大輔)という珍しいシーンを拝めることも。
またツァオとしての出演も含めれば平川氏はツァオ初登場となる「零の軌跡」からシリーズ最新作である「黎の軌跡Ⅱ」まで皆勤賞となっており、最早軌跡シリーズにおける常連声優となっている。
因みに両者とも非常に有能、戦闘の達人、腹黒い点、そして自分の所業のケジメとして鉄拳制裁を受けたことがあるという点でも共通している。





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最終更新:2023年09月27日 15:40