ヴィータ・クロチルダ

登録日:2014/10/14 (火) 21:04:12
更新日:2024/03/18 Mon 17:25:40
所要時間:約 10 分で読めます





「ふふっ……よかったらご贔屓にね、学生さんたち。」


ヴィータ・クロチルダとは、英雄伝説 閃の軌跡に登場するキャラクターである。
年齢不詳。CVも公式サイトでは明かされていない。


「蒼の歌姫(ディーバ)」と讃えられる有名なオペラ歌手。
エレボニア帝国の帝都ヘイムダルにある帝都歌劇場のトップスターであり、帝都市民から絶大な人気を誇っている。

リィン達と出会ったのは、四章の帝都での実習にて。
ホテルで出会った際は地元民のマキアスエリオットは歓喜しており、特に普段真面目なマキアスは若干キャラ崩壊を起こすほど喜んでいた。

一方でリィンやラウラフィーの反応はさほどでもない。聞いたことがあるなー程度の反応であり、この三人の反応だけではなんとも言えないが、少なくとも帝国臣民なら誰もが知っている大スターというわけではないらしい。

大スターでミステリアスな人物でありながらそれを驕ること無く初対面のリィン達にも好意的に話をし、実習(ホテル地下の魔獣退治)に向かうⅦ組A班の面々を激励し、マキアスとエリオットを再び歓喜させた。



※以下ネタバレ注意





実はオペラ歌手をやっている裏で、トリスタ放送のトークバラエティ「アーベントタイム」のメインパーソナリティ・ミスティとしてお忍びで活動もしている。
年齢24歳。CV田村ゆかり

(オペラ歌手なので)綺麗な声と軽快なトークが人気を博し、ラジオオタクのムンクやリィン、マキアスも毎週の楽しみとして聞いているようだ。
なお同一人物だと知らないのにヴィータとミスティ、双方のファンであることからマキアスに王国民疑惑がかかっている。

いくら何でも大スターがラジオなんてやっていたらバレないか?と普通なら思うが、彼女曰くちょっとした“コツ”があるらしく、今までで正体を見抜いたのはリィンのみらしい。

なお「アーベントタイム」の番組構成としては、リスナーから集められたネタをミスティがトークを交えながら紹介するようなものらしく、ネタが採用された人物にはミスティ特製のステッカーが贈られる。

ラジオオタクの間では価値のあるもののようで、R.N.ムンムンボーイことムンクは何枚も持っており大切に保管している。因みにリィンも勝手にネタとして使ったとして一枚贈られた。

仕事には殆ど番組開始ギリギリに来る(恐らく本業の関係で忙しいのだろう)ので、碌な打ち合わせもせずぶっつけ本番で番組を迎えているのでディレクターのマイケルの心労は半端ではない。だが受付曰くディレクターとミスティの息はぴったりだそうなので、何やかんやなんとかなっている。

自分の正体を見抜いたリィンに興味が湧いたのか、意味深な言葉を残したり自分がつけている香水の香り(ラベンダー)がリィンに移るほど近くに寄ったりなど、少々大胆なお姉さんである。

発売前はラジオのパーソナリティというポジションから、シリーズ恒例のマスコミ枠かと一部では思われていたが、それとはまた別ベクトルの日常を表す人物であった。
リィンやマキアスと同じように、毎章あるゆかりんVOICEの「アーベントタイム」を楽しみにしているプレイヤーも居るようで、ストーリーにはあまり絡まないが大変魅力的なキャラであったと言えるだろう。
今後の「アーベントタイム」にも期待したい。


追記・修正は「蒼の歌姫」のファンで「アーベントタイム」を毎週欠かさず聞いている人がお願いします。


















「響け 響け とこしえに――夜のしじまを破り 全てのものを 美しき世界へ――」





その真の正体は、結社身喰らう蛇《ウロボロス》の最高幹部「蛇の使徒」の第二柱・《蒼の深淵》ヴィータ・クロチルダ。使い魔にグリアノスと呼ばれる蒼い鳥がいる。
《深淵の魔女》とも《深淵》とだけ呼ばれることもある。

初出は空の軌跡the 3rdにて。第二柱《深淵》として声のみ登場している。

この時はケビンに「塩の杭」を用いて抹殺されたお塩教授の顛末を嬉々としてカンパネルラに聞いて「私も間近で見たかった」「ぞくぞくしちゃう」と言うなど常人とはかけ離れた下衆い反応を見せる。
一方でレーヴェの死を「あら失礼ね。これでもレオンの事についてはちゃんと悲しんでいる」「とうとう最後まで振り向いてくれなかったから余計に忘れられそうにないわね」等と言い、彼に好意を寄せ悲しんでいる素振りも見せた。
もっともレーヴェの方は相手にせず、スタッフ曰く彼が彼女と仲良く話している姿が想像しにくい。相性も悪かったんじゃないですかね、との事。
まぁよしんば相性が良かったとしても、あれほど亡くなった恋人カリンに拘り、彼女を大切に想っていたレーヴェが他の女性に振り向くことなど想像しにくいが。

しかしすぐ後に教授を抹殺したケビンに興味を持ったりと、結構節操がない。第四柱にも呆れられたりと、男漁りが趣味なのかもしれない。
以上のことから、声のみの出番ながらプレイヤーには悪女としてのイメージを植えつけた。

《魔女の眷属》と呼ばれる帝国に古くから存在する一族の末裔で、メインキャラであるエマの姉弟子にあたる。彼女からは「姉さん」と呼ばれているが、セリーヌからは「あの女」呼ばわりと嫌われている模様。

七年前に禁を破って一族を抜けているらしい。一族の長であり度々エマの口から出てくる婆様は彼女をとっ捕まえて罰したいらしいが、エマとしては里を抜けた彼女の真意を知りたいらしく、使命のため士官学院に入るまで探し続けていたらしい。

しかし彼女の方でも手を打っており、エマとセリーヌに見つからないように呪いをかけていた模様。帝都で超有名なオペラ歌手をしていたり、トリスタ放送で堂々とラジオに出ていたのに見つからなかったのはこのため。

魔女としての実力は尋常ではなく、いくら見習いとはいえエマとそのお目付け役のセリーヌに気付かれることなく呪いをかけていたことからその実力はうかがえる。
使い魔のグリアノスを介して、ホログラフィーのような自分の映像を離れた土地に現すことができる。
またその映像の状態でも術が使用可能であり、魔煌兵程度ならその場に自分が居なくとも瞬殺できるし、複数の猟兵に強力な暗示をかけて操ることもできる。

魔女としての知識も優れており、エマやセリーヌすら知らない、それこそ一族の長しか知らないような帝国の伝承や魔女の役割についても知っている。
あらゆる面においてエマより遥かに優れているため、エマはコンプレックスに似た感情を抱いていたようだ。

因みに彼女の方もかつての妹弟子であるエマのことを気にかけていたようで、「可愛い妹」と彼女を呼んでおり、作中でエマが精神的にも実力的にも成長したことを見せつけた時は、驚きつつもどこか喜んでいる節があった。

また性格の方もthe 3rdの時のように人の死を喜々として聞き流すような冷酷なものではなく、猟兵を使った焼き討ちなども彼女の流儀ではない(流儀ではないだけで、ちゃんと目的の皇女誘拐は果たしているが)し、ユミルで戦闘が行われた時も「あまり里には迷惑を掛けたくない」と戦闘が激化しないように努めていた。
まぁエマに魔女としての役割の真実を教えるときはかなりのサドっぷりを発揮していたので根がドSなのは疑いようがないが。

エマやⅦ組の決意を認めるような発言もあり、少なくとも悪党ではあるが教授のような外道ではないようだ。彼女が教授の死を喜々として聞き流したのも、恐らく死んだのが人望皆無の教授だったからだろうと閃Ⅱの性格から推測できる。
実際、使途の任務になるとアリアンロードですら割と冷酷になるが、ヴィータはエマやクロウを初めとする知人に対しての情を優先することがままある。
自身の正体を知ったマクバーンもカンパネルやマリアベルは「問い詰める」なのだが、ヴィータに関しては「話し合う」なので、かなり信頼されている模様。
守護騎士であるバルクホルンからも、アリアンロードと並んで人格を認められていたりと、蛇の使徒の中ではまともな性格である様子。

エマが導いた《灰の起動者》リィンのように、彼女が導いた《蒼の起動者》クロウに関しても計画のための駒のような扱いではなく「私の騎士」と発言したり、戦術リンクを結ぶことが出来たり、彼の心配をしていたりとそれなりの信頼関係はあった模様。クロウも導いてくれた彼女に感謝の言葉を残している。
リィンに対しても見込んだ男の子の一人として気に入っているらしい。


【閃の軌跡】

オペラ歌手やミスティとしての出番は上述の通りである。

閃の軌跡終盤にて、学院祭で楽しませてくれた「お礼」として唄にのせて特定の相手に映像を見せる秘術「幻想の唄」を用い、リィン達Ⅶ組や士官学院の人間に「貴族連合」による帝都占領の様子を見せつけた。

そして「幻焔計画」の第二楽章が始まったことを告げ、閃の軌跡Ⅱに物語は引き継がれる。


【閃の軌跡Ⅱ】

計画遂行のため本格的に動き出す。
序章の皇女とエリゼ誘拐を始めとして、ちょいちょいグリアノスを介して姿を現す。

第二部終盤でゼムリアストーンの結晶を手に入れるため精霊窟をⅦ組が訪れた時に姿を現し、エマに魔女の使命の本質を教える。

幼い頃から魔女の使命のためだけに生きてきたエマにとって、本質を理解しないまま生きてきたということはかなりの衝撃を与えたが、リィン達Ⅶ組の励ましにより気を取り戻し魔女の使命のためではなく、巡り会えた皆とともに自分だけの道を歩いてきたいと決意をあらわにする。
その決意を受け、彼女の成長を認め「稽古」として使い魔に膨大なマナを注ぎ込む術「魔徒の円舞」にてグリアノスを巨大化させ、勝負となる。

結果勝利を収めたエマに「意思は貫き通せなければ全くの無意味」という忠告にも似た言葉を残し、その場を後にする。

終章にて、皇族であるセドリック皇太子を《緋の騎神》テスタ=ロッサの前に据え、魔女に伝わる最大の禁呪たる「魔王の凱歌」を唱えることで250年前にも現出した「煌魔城」を《灰》と《蒼》の決戦の場として呼び起こす。

そして最上階での最終決戦にて、《蒼の騎神》の前座としてクロウとともに戦術リンクを結んで交戦する。戦闘では状態異常をばら撒く範囲攻撃をしてこり、特にSクラフトは悪夢+強化打ち消し+アーツ反射貫通の全体大ダメージの高性能Sクラフトなので注意が必要。

その後の騎神戦後は、まさかクロウが敗れるとは思っていなかった様子。
彼女は消耗していたクロウの心配をしていたが、彼からの「期待に応えられなくて済まない」と謝罪には、結社の計画としては《灰》と《蒼》の決戦を実現させることだったらしく、コレはコレで有りと気にしてはいなかった。
しかし、彼女らが敗れ狼狽えるカイエン公には「結社は騎神同士の闘いを実現出来ればよく、それ以外には一切関知しない約束であった」と、告げる。

逆上したカイエン公の暴走により、本来現出させる予定ではなかった《緋き終焉の魔王》が現出してしまう。この時は彼女もクロウとともにⅦ組に協力し、二体の騎神の活躍もありなんとか《緋き終焉の魔王》を打ち倒すことに成功する。
計画段取りが滅茶苦茶になり、盟主からの叱責を想像して溜息をついていたが
直後にクロウの異変に感じ取り、彼が致命傷を負った事に気付くも助けられる傷ではない事を悟り悲しんでいた。
最期には互いに感謝の言葉を述べ、クロウは息絶えてしまう。

悲しみにくれるなか空気を読まないカイエン公が性懲りもなく皇太子を人質に取り、無駄なあがきをする挙句クロウのことを罵った際には彼女も「これ以上場を弁えないのなら…私にも考えがあるわよ?」と怒りを露わにしていた。

しかしその後正体を現したルーファスと生きていたギリアス・オズボーンが現れ、「十三工房」の一角である「黒の工房」を完全に取り込んだこと、更には帝国での「幻焔計画」をこのまま乗っ取る発言、言うなれば結社への宣戦布告をされることになる。
そしてそのままリィン達に「色々と迷惑を掛けたわね」「クロウの事をよろしく頼む」とその場を離脱。行方不明となる。


【閃の軌跡Ⅲ】
あれから結社に戻っておらず単独行動を始めた。
杖を魔女の長に返却し、扇子を使用している。
各地を転々とし、トマスとの接触も図っている。

アーベントタイムも再開。
帝都の総合郵便局に私書箱を用意して、リスナーからのお便りを送ってから、5日後に録音したトークのデータが届くという形となった。

彼女の過去も判明。
早くに両親を亡くしたものの、天賦ともいえる才能を見込まれ、一番弟子として魔女の長に引き取られた。
エマも魔女の長に引き取られたので、実の姉妹のように育った。2匹の使い魔もそれぞれ与えられた。
16歳の時、巡回魔女に志願。半年で消息を絶ち、身喰らう蛇の盟主と邂逅し、魔女としての使命を捨ててしまっていた。

終盤ではヴァイスラント決起軍に合流し、何処かへと去っていった。


【閃の軌跡Ⅳ】
煌魔城の顛末の後にミュゼに声をかけてもらっていたことが判明。

魔女の使命や相克について調べていた先々代の巡回魔女のイソラ(エマの母親)の影響で独自に調べて身喰らう蛇の盟主と邂逅に至ったことが明らかとなった。

隠しクエストでは郷土愛は人並みに持ち合わせている面もあった。

本作での描写からクロウには異性として結構強い思いを抱いている様子。
ただクロウからすると、《蒼の起動者》として導いてくれたことは素直に感謝しているが、ヴィータの性格や抜け目ない所、また結社の使途としての立場や暗躍もあり、若干苦手意識があるらしい。(それなりの好意もあるみたいだが)

塩の杭攻略時はオーレリア・ヴィクター・トヴァルと共に行動する。
トヴァルとセルナート総長との関係も知っているようで、トヴァルをトビーと呼んだことも。

EDでは未だ結社と袂を分かっている模様。
マリアベルは「理知的で慎重な人だから次の計画には協力してくれる筈」と考えている。

【創の軌跡】
逆しまのバベル出現時に、ロイドやリィンたちに協力。バックアップや転移等、随所で活躍した。
また第六柱の博士とも会話。彼の使途としてのやり方が過干渉だと釘を刺したが、逆に彼からは家族や親友への情を優先して協力しすぎだと述べられた。
こういった関係からか、やっぱり博士とは気が合わない模様。

扉絵のエピソードでは、義母にして師でもあるイソラの遺言を聞き、改めて自身の在り方を見つめ直す。
今作でエリンに里帰りしたが、勝手に奔放したことや結社に入ったことを咎められつつ、心配もされているので関係は良好。(ヴィータ自身、謝罪もしている)
また幼少の頃からエマと共にだらしないローゼリアの面倒を看ていたからか、私生活や家事全般等はしっかりしているらしい。

他には、ルーファスにグリアノスをやられたことを謝罪されたが、特に恨みはない様子で、いずれグリアノスは復活させると語っている。
クロウに関しても生きていたことを喜び、また自身の騎士に戻らないかとスカウトしてたりする。

閃Ⅳ以降に出奔したマクバーンの動向(盟主に直接問い詰めたり等)もある程度予想がついている様子である。
彼女自身は、使途の役職を放棄していないものの、今だ結社に戻っていないようなので、今後の動向に期待が掛かる人物である。

追記・修正は大いなる「盟主」のために…

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最終更新:2024年03月18日 17:25