BLUE DRAGON ラルΩグラド

登録日:2014/10/08 Wed 14:39:06
更新日:2024/02/13 Tue 15:44:27
所要時間:約 11 分で読めます




『BLUE DRAGON ラルΩグラド』*1とは、Xbox360専用ソフト『ブルードラゴン』をベースに、
全く異なる世界観を作り出した週刊少年ジャンプ掲載の漫画作品である。単行本は全4巻。
原作者は鷹野常雄という謎の人物、作画は『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』で知られる小畑健。
『DEATH NOTE』の「死神界」同様に陰鬱で細部まで書き込まれた世界観、次回作『バクマン』で大分河下水希風になる前の生き生きとしたキャラデザなど、
かなり素晴らしい作画をしている。作画は。

前述したとおり『ブルードラゴン』が原作ではあるが、カゲの概念など一部のみを流用しているため、
「リ・イマジネーションブルードラゴン」と言った方が近い内容となっている。
そのため、『ブルードラゴン』を知らない読者でも独立した作品として楽しめる出来になっている。

センターカラーを連発するなどジャンプ編集部は押しに押していたようだが、どうも受けは悪かったらしく終盤は駆け足になってしまった。

あと、ものすごくエロい。
乳首描写とかは無いが、それでも当時掲載されてた『To LOVEる -とらぶる-』よりヤバい。


あらすじ

人類の住む光の世界に、闇の世界の住人「カゲ」の毒牙が迫ったのは、今から15年前の事だった。
カゲの女王「ビラ」は、全てのカゲに実体を持たせるために光の世界に侵入し、光の世界を掌握せんとしていた。
ビラに敵意を持つカゲ「ブルードラゴン・グラド」は、生まれたばかりのスフェライト王国王子・ラルに寄生し、
闇女王軍団と戦うことを決意。
ラルはグラドを実体化させないために暗室に閉じ込められ、15年が経過した…

そして、ビラが本格的にスフェライト王国に侵攻をかけて来たことを知った国王・ロイは、最後の切り札としてラルを暗室から解放する。
ラルはグラドと共に15年の月日を経て、互いに無くてはならない存在であることを認識していたのだ。
15年間奪われ続けた光の中でラルが最初に見たモノは、声だけで意思疎通していた教育係のミオの姿だった。
ミオに一目惚れしたラルは彼女のために、そして長きに渡り自由を奪い続けたビラに復讐を遂げるために、カゲに宣戦布告するのだった。
「狂乱の魔獣」ブルードラゴンとその宿主の少年・ラルの旅が、今、始まる。


共通設定

カゲ

地球が存在する「光の世界」より低次元の「闇の世界」に生息する魔獣。
「闇の世界」は完全な平面のため奥行きを持たず、光の世界では何かに寄生しなければ実体を持つことができない。
カゲは寄生度合によりファースト、セカンド、サードとなっているが、強い能力を持つ5体のカゲだけは「特殊融合」が可能。
カゲはほとんどがオスであり、メスであっても女王に選ばれない限り生殖能力を持たない。
他の生物の細胞を食うことでその生物(カゲ含む)の能力を取り入れることが可能であり、共食いすることも少なくない。
時間経過したカゲの死骸を食っても成長度は低いが、短期間に大量に捕食した場合は強化される(ゲンスイなど)。
また、元が平面世界の住人であるため、光の世界で生じた影は体の一部となってしまう。そのため、影に杭を打ち込むと動けなくなる
なお、カゲは不老であるが、他殺や餓死の場合は本当に死んでしまう。

ファースト

光の世界の生物にカゲが寄生した最初の姿。別名寄生型。宿主の影の中に潜んでおり、宿主から「認可される」ことで影の中から実体を表す。
そのため頭の悪い動物に寄生しても実体化することはできない(猫や犬程度の知能があれば実体化する危険性がある)。
ファーストのカゲはあくまで宿主の影の中から実体化するため、完全な暗闇の中では実体化することができない。
ファーストが宿主を完全に乗っ取ればセカンドとなるが、本人の意志により宿主を食わずに人間に協力しようとする者もいる。
そのため終盤ではビラの治世に疑念を抱くファーストが人間たちに協力した。
ファーストはセカンドやサードの影の中に寄生することも可能。

セカンド

別名侵食型とも言われる第二段階。ファーストのカゲが宿主を完全に喰いつくし、丸ごと融合した場合こう呼ばれる。
セカンドは宿主の姿にもカゲの姿にも変身可能であり、時間制限はない。また、暗闇の中でもカゲの姿に変身できる。
セカンドとサードは寄生しているわけではなく実体を持ったまま存在しているため、闇の世界が復活しても元には戻れない。
なお、カゲは大気中でしか呼吸できないので、セカンド以上のカゲが水中生物を捕食した場合に初めて鰓呼吸が可能になる。

サード

セカンドが他の生物を喰らった場合の増殖型と称される第三段階。食った生物(+本体)全てが合体したバケモノのような姿を持つ。
その食べた生物一つ一つの姿を持つことも可能であり、共食いした場合はカゲの姿も持ち合わせる。
例えば貧乳の美女とナイスバディの不美人を食ったカゲは巨乳美女に変身できる。
人間やサードを食った場合はその人間の持つ知恵も吸収し、より手に負えなくなる。
ビラの配下のカゲの内、上層部は高い知能を持つサードで構成されていることが多い。

特殊融合

ブルードラゴン、レッドフェニックス、ホワイトタイガー、ブラックライノセラス、クリアヒューマンのみが有する形態。
基本はファーストと同じだが、宿主側がカゲの持つ能力を共有することができるという特殊な形態。
他のカゲを捕食した場合、記憶を読み取ることができる。



登場人物

ラル一味

・ラル
主人公。スフェーン島のスフェーン王国王位継承者。15歳。
生まれて間もなくブルードラゴン・ラルに寄生され、その強さを危惧した父親によって暗室に幽閉されていた。
解放された後は教育係のミオと共に闇女王を倒すために旅に出ることとなる。
幽閉生活を送ってきたためヒョロヒョロな体格だが、恐ろしいほどに悪知恵が働くため、グラドに喰われずにすんでいた。
長い間暗室に閉じ込められていたためとにかく女好きでストライクゾーンもとてつもなく広い(面食いだが)。
初恋の女性(というか初めて出会った人)がミオだったためか巨乳好きで、ことあるごとに乳を揉みたがるおっぱい星人
解放されて間も無くは非常に幼稚で好色な言動が目立っていたが、様々な人々との出会いを通じて世界の美しさ、広さを知り、
そんな大切な人々や自然を守るために闘う決意を新たにした。
ミオとヤっただけでなく、お城の女の子たちともヤりまくったため非童貞。
しかし最終回が最終回であるために、子孫残しておくという点では正解かもしれない。
ミオ含めて手を付けた全員妊娠してたらしてたで、後継者騒動の火種になりそうだが。

グラドと融合しているため、翼を生やして空を飛んだり、火を吹いたりできる。

ブルードラゴン「グラド」
特殊融合を持つカゲ。西洋の鎧に似た青いドラゴンの姿をしている。
15年前、ビラに愛想を尽かしてスフェーン島に侵入し、ラルに寄生。
下らない戦争を繰り広げていた人間たちに自分勝手な怒りをぶつけ、「青い炎(フラムブルー)」で見渡す限りの山々を焼き払った。
力は強いが作戦などを考える能力は低いため、ラルを参謀として生かし続けていた。
狂乱の魔獣(デリル=モンストール)の異名を持つが、ラルがぶっ飛んだ性格のため作中ではそれほど野蛮なキャラとしては描かれなかった。
しかし敵のカゲが自分の姿を模したドラゴンに変身すると逆上して実体化し、フラムブルーで消し飛ばすなどプライドの高さを見せた。
フルサイズでのフラムブルーは核兵器並の大爆発を起こし、岩でも金属でも瞬時に溶かすほどの熱量を持つが、
余りにエネルギーを使用するとラルの身体が持たないため普段は小さい火炎弾を吐いて戦う。
本来はカゲを一掴みにするほどの巨体(フルサイズ)だが、光の世界でこのサイズのカゲを具現化するとグラド自身の体力が消耗しきるため、
普段はラルの2~3倍くらいのサイズで行動することが多い。フルサイズになると、抜いた鬣なども呼応して巨大化する。
背ビレや鬣も強力な武器であり、岩でも切り裂いてしまう。

・ミオ
本作のヒロイン。年齢は不明だが、ラルより8~12歳くらい年上(23~27歳くらい)の女性。
黒髪、眼鏡、長身、巨乳、デカ尻、女教師、メイド、姉貴分、理系と属性という属性を片っ端から詰め込んだお姉さま。
カゲに関する知識は作中随一で、他国の者からも信頼されている。計算も速い。
幼少期からラルの教育係を一任され、本当の弟か息子のように彼を愛していた…のだが、解放するや否や服を引き千切られて胸を揉まれまくり
「俺はカゲをやっつけてくるから成功したらミオ先生は女を教えてくれ」という無茶な条件を呑まされてしまう。
その後は作中の台詞から判断するに間違いなくラルとヤったと思われる。
常識と言うものを全く知らないラルにてんてこ舞いしているが、ラルが命令を聞く人間は彼女だけなので、
ストッパー兼ブレインとして旅に同行することとなる。
ついでにラルの夜の相手役もヤっていた。
途中は闇女王に洗脳されかける、海に転落して溺れる、カゲの計略にはまったラルに距離を置かれるなど
様々な困難に襲われるものの最後までラルを信じ、旅を終えた。
ちなみにパンツはドロワーズ派。
途中、硬鎌獣(デュールフォシュモンス)型のカゲ「マキリ」を寄生させ、一行の足を買って出た。
原作者は「彼女は心の底からラルを愛していたのだから、最終回ではレッドフェニックスと完全融合しラルと結ばれるという案もあった」と
最終巻の後書きで語っている。

2018年現在、連載開始から最速でエロ同人が出たジャンプヒロインでもある(第2話が掲載されるより早かった)。

・アイア
カメレオン型のカゲ「クルクル」を寄生させてしまい、王国に捕らえられていた少女。13歳。
のほほんとしていて可愛らしい喋り方をするためロリコンのラルに可愛がられている。
クルクルは足音を立てず、どんな悪路も走行できる上、聴覚と視覚が非常に優れているため一行の偵察役を担っている。

・カフカ
スフェーン島の城、ストラ城の城主であるカシア姫に仕える騎士。後頭部をリヴァイ兵長並に刈り上げている。
責任感が強く真面目な性格であり、武士のような喋り方をする潔白な美青年。剣技は一流だが、内陸国出身の為泳ぎはヘタクソ。
寄生している影は薔薇鎖獣(ジェンヌロード)型のカゲ「リズ」であり、その姿から「華縛りのカフカ」という異名を持つ。
リズは巨大な蔓薔薇の姿をしており、相手を拘束し、仲間を蔓で守る事に長けている。
途中で水獣型のカゲを食ったことにより高圧の水の刃を出す術を身に着けた。

・ヌイ
カフカの駆っている白い大型犬。カゲを持っている者を瞬時に見抜く能力を持ち、索敵が得意。
自分の手でピーナッツを与えたモノにだけは懐くため、普段は暴れたりしない忠犬である。

・スンス
城壁の町ルリーラに住む少年。姉がビラ一味に誘拐され、ガネットにも見捨てられたため、ラル一向に同行しようとする。
語尾には「○○ッス」を付けるのが口癖。年が近いからかアイアとつるんでることが多い。泳ぎが得意。
寄生している影は水黽型のカゲ「ゲンスイ」で、最初はネズミくらいの大きさだったが
ラルが見つけたカゲの死体を食わせまくって巨大化させた。
ゲンスイが水上にいる間は、宿主のスンスは無制限に水中潜航することが可能。


ガネット一味

・ガネット
ホワイトタイガー・ガイラを寄生させた世界最強の剣豪。
メキシコ風の衣装とスペイン風の喋り方をする銀髪の大男で、本来の目的である闇女王討伐のためなら何でも犠牲にする冷徹な性格。
しかし子供相手にムキになったり、ツンデレっぽい言動を見せたりする人間臭い一面もある。
特殊融合することでガイラの持つ最速の脚を手に入れることができ、ワイヤーをガイラから伸ばし剣に結び付けることで、広範囲の相手をバラバラに切り刻む。
やろうと思えば一瞬で地平線の果てまで到達するフラムブルー以上の速度(マッハ24以上)で走行することも可能。

ホワイトタイガー・ガイラ
特殊融合を持つ五大カゲの一角。白虎に似た姿をしている。
「確信の猛獣(シュールモンストール)」の異名を持ち、自身が最強と認めた者以外には決して寄生せず、
見捨てた宿主(ガネットの前の宿主含む)は腹の中に収めてきた恐ろしいカゲ。
カゲの中で最も早い脚を持ち、敵を一瞬のうちに寸断する。

・リーラ
ガネットの取り巻きその一。黒い服と長い黒髪を持つ眼鏡をかけたクールな美女。「○○ですわ」という丁寧なしゃべり方をする。
保有する影は黒蝠獣(ノアショヴス)型のカゲ「ブラッツ」で、超音波で敵を索敵する力を持ち、血を吸うことで毒を抜くこともできる。
しかし残念ながら最終決戦でビラに消滅させられてしまった。リーラは無事。

・セノル
ガネットの取り巻きその二。ツインテールとチャイナドレスが似合う利発な美少女。若干弥海砂に似てる。
レッドフェニックス戦では黒いジャージみたいなアウターを着用しており、結構着道楽。
保有するカゲは魔猫獣(ソルシェシャット)型のカゲ「ミーシュ」。腹の中に闇を蓄えており、その中にファーストのカゲを保管できる。


闇女王の軍勢

闇女王(オプスキュリア)ビラ
本作のラスボスにしてマスコットキャラにして看板娘。
闇の世界を統治するカゲの女王で、本性は特殊融合可能な五大カゲの一角「クリアヒューマン」
自らの身体を光の世界で具現化するために女を片っ端から攫い、更に他のカゲにも実体を持つように迫り、光の世界制圧に乗り出した。
その正体故に透明な姿だが、宿主として選んだ女を模した姿に具現化することが可能。
宿主の全生命を吸収するとその女を部下のカゲの餌にして、本体は次の宿主を選ぶという極悪な生態を持つ。
睨み付けただけでカゲを消滅させる特殊な能力を有する。

あまりにネタとして面白すぎるキャラなので、別項目で立項するかもしんない。

・ブラックライノセラス
ビラ配下の巨大なカゲで、特殊融合可能な五大カゲの一角。
30mほどの巨大な芋虫のような姿をしており、身体全体を覆う黒い皮膚は全ての物体を吸収し、巨大化してしまう。
物理攻撃は一切意味をなさないが、炎などのエネルギーは吸収できない。
知能は極めて低い。

・閣下五騎士(シェンヌロード)
ビラの親衛隊。
本編での活躍はリーダー格と思われる蜘蛛獣(アレニモンス)「ビヨン」がラルを苦しめたくらいで、全員纏めて終盤でガネットに暗殺された。

・部下のカゲ
オモシロ軍団。

レッドフェニックス・コリー
特殊融合可能な五大カゲの一角。数少ないメスのカゲの一人。赤い不死鳥型。
ビラに協力も抵抗もしない日和見を貫いていたが、そのことに腹を立てたビラにより封印され、
まだ幼かったヤヤを成長させてから宿主にしようという彼女の光源氏計画により、
ヤヤを人間や他のカゲから護るために無理矢理寄生させられた。
最大の能力は死なないことであり、どんなに体をバラバラにされても瞬時に元に戻り、血を呑めば瀕死の重傷すら即座に治る
光の世界でもヤヤの意志や体長、周囲の環境に関わらず顕現し続けることが可能なカゲ。
戦闘力も高く、翼をはばたかせて竜巻を起こし、羽根を飛ばして敵を切り裂く。
寄生した際にはヤヤは幼かったため、ほぼ洗脳した状態であった。
部下ですら平気で殺し、スンスに「捕らえられた姉がいるぞ」とわざとけしかけてから闇討ちにするなど卑劣な性格の持ち主だったが、
自らを倒し女たちを解放しようと戦うラル一味や解放奴隷たちの姿を見て改心し、ヤヤの洗脳をやめた。
最終的にビラが殺されたことで新たな闇女王の座に就く。

・ヤヤ
コリーの宿主の少女。フランス人形のような外見でラル曰く「超可愛い」。
幼い頃にビラ配下のカゲに連れ去られていたが、ビラに「成長してから宿主にしてやる」と言われ無理矢理コリーの宿主にされてしまった。
コリーに洗脳されていたため冷酷な性格になっていたが、本来はおとなしく心優しい少女。
ラルとの戦いで徐々に自我を取り戻し、コリーが分離するきっかけとなった。




追記・修正は闇女王の胸を揉みしゃぶり舐め回し味わってから嬲り殺しにしたうえでお願いします。

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最終更新:2024年02月13日 15:44

*1 正確には「Ω」ではなく「ドラゴンヘッド」という記号。読み方は「ブルードラゴンラルグラド」でよい