ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち~

登録日:2014/10/05 Sun 21:21:10
更新日:2024/04/21 Sun 14:56:44
所要時間:約 5 分で読めます





ひとつになれば、大きな力が目を覚ます。



【概要】

『ドラえもん新・のび太と鉄人兵団~はばたけ天使たち~』とは、映画ドラえもんシリーズ通算31作目でわさドラシリーズとしては第6作目に当たる作品。2011年3月5日公開。

ドラえもんのび太と鉄人兵団』のリメイク作品となっている。
前回のリメイク作品(新・宇宙開拓史)が微妙な出来だったため公開前からかなり不安視されていた。
更に今作の新キャラピッポの存在によりその不安は確実なものになりつつあった。

だがいざ公開してみると、

  • ピッポの存在により前作でほぼ空気であったのび太にもスポットが当たった
  • 尚且つリルルとしずかちゃんの関係もちゃんと描かれれている
  • 前作以上に鮮明に描かれているメカトピアの社会事情
  • 時代の流れによりかなり格好良くなったザンダクロスの戦闘シーン

などの点により高評価を得ており、リメイク作品の中ではかなり良作として扱われている。
そのため、「リルルの最期を知らず大喜びするドラえもん達と静香の対比」「ピッポに出番を取られ空気となったミクロス」など原作(旧作)から変わった点も多い。
ドラえもんは出番を増やされることなく空気気味なのは相変わらずだが。

また、「ドラえもん のび太の恐竜2006」以来、出木杉くんが登場しない作品でもある。



【主題歌】

  • 主題歌
「友達の唄」
作詞:藤原基央
作曲:藤原基央
唄 :BUMP OF CHICKEN

  • 劇中歌
「アムとイムのうた」
劇中ではピッポ(CV:小林由美子)が歌ったものとリルル(CV:沢城みゆき)が歌ったものがある。



【あらすじ】

スネ夫の従兄が作ったプラモデルのミクロスを自慢されたのび太は羨ましさのあまり、ミクロスより巨大なロボットを作るとスネ夫たちに約束してしまう。
だが頼みの綱のドラえもんはネコ型ロボットの自分を馬鹿にされたことに逆上して、暑さとのび太のわがままに耐えかね北極に出かける。

ドラえもんを追いかけて北極へとやってきたのび太は、そこで見つけた青いボールと空から降ってきた謎の部品を家に持ち帰る。
青いボールを持ち帰ってから毎日のように空から謎の部品がいくつも降ってくるようになった。
謎の部品は巨大ロボットのパーツだと確信したのび太はドラえもんと共に「逆世界入りこみオイル」と「おざしき釣り堀」で作った鏡面世界へと部品を持ち込みそこで組み立てることにする。
完成した巨大ロボットにドラえもんは「ザンダクロス」と名付け、ドラえもんとのび太はしずかと一緒にザンダクロスで遊ぶことにした。
しかしザンダクロスは危険なロボットだと知ったドラえもんとのび太としずかはザンダクロスを鏡面世界に隠すことに決めた。

数日後、のび太は巨大ロボットの持ち主と名乗る謎の少女リルルに出会いザンダクロスを返却する。
のちに彼女たちの恐ろしい計画を知ったドラえもん達。
そして偶然見つけたザンダクロスの頭脳と話し合ってみようとドラえもんはひみつ道具「おはなしボックス」でひよこ型ロボットのピッポに改造する。
ピッポから語られたのは鉄人兵団の艦隊が地球に攻めてくるという事であり、戦いはどうやっても避けられない事もわかった。
ドラえもん達はその話を聞き、鉄人兵団に立ち向かう覚悟を決める。



【登場キャラ】

声:水田わさび

ご存知猫型ロボット。冒頭では「飛行しミサイルを持つロボがほしい」というのび太に
ここにいるじゃないか」と、ジト目で地球破壊爆弾を出すというシュールな光景をさらっと行いながら教えるも、拒否された。
ロボットで在る故かピッポにも優しく接しており差別のない地球のことを優しく教える。
ほか鉄人兵団の襲来を連絡する際はのび太に特命係に連絡するように促した。
右京さんェ…
出番が増えたのび太とは対照的に、リメイクなのに出番が増やされない辺り哀愁を感じさせる。

声:大原めぐみ

ご存知メガネ少年。「凄いロボ」として「ドラえもん」を示されても、「カッコいいのがいい」と駄々をこねた。
旧作ではかなり空気だったが今作ではかなり出番が増えており、主にピッポとの交流の主軸となっている。
ピッポを助けるシーンでは時代の流れ故か少しツンデレが入っていた。


旧作と変わらずリルルとの邂逅を描かれている。ひみつ道具の駆使っぷりも健在。
安定の現実主義者で彼女の一言一言は現代人を皮肉っているように聞こえる。
わさドラのしずかにしてはめずらしく「あんた」呼ばわりした。

声:関智一

他の映画シリーズと同じくヘタレで、旧作同様「(敵の頭脳を)改造しちゃえ」という発言をする。
本作ではそれをのび太が「残酷だ」と否定することで、ロボットの人格を認めるシークエンスとなっている。
スネ夫には旧作になかったザンダクロスを操縦するシーンが追加されており、得意分野がかなり発揮されている。

声:木村昴

大長編補正により相変わらずの漢っぷりを発揮する。
ピッポにハッキリと歌を下手くそだと言われ、張り合ったピッポの歌声に聞き惚れてしまう。
他にも「男にはダメだとわかっていても行かなきゃならないときがある」とスネ夫を励ましたりした。

声:千秋

ドラえもんの妹。
ポスターでは大々的に乗ってたためメインとして活躍すると思われてたが、本編では兄との電話シーンのみの登場に留まっていた。


メカトピアからの尖兵で見た目は14~15歳位の少女型アンドロイド。
旧作ではのび太のクラスの転校生だったが、今作では転校生ではなく謎の少女として登場。のび太達より年上で瞳にハイライトが描かれている。
今作でも治療の際の全裸姿は忠実に再現されており、新たに体内に心を形成する3つの星形回路が入っている。
その1つをジュドの頭脳の修理に代用したという設定が追加された。

声:なし

ドラえもん達の目の前に現れたパーツを合体させて完成したロボット。
今作ではのび太やしずかの名前候補は全てカットされている。
その正体はメカトピアの土木工事用ロボット。地球人視点ではヒロイックでカッコいいデザインだが、メカトピアでは労働階級として蔑まれる立場だった。
旧作からの変更点はビームの撃つ位置が腹部から目に変わっている他新たな武装として両肩にミサイルが装備されている。


今作で登場した新キャラクター。
ザンダクロスの頭脳をおはなしボックスで容姿を変更した姿で本人は否定してるが見た目はまんまヒヨコ。
まあ確かに語尾にピヨってついてるし。本作の賛否両論を生み出してしまった原因でもある。
とても愛くるしい見た目だが言ってることはかなりえげつなかったりする。
彼がキャラクターとなった事で、旧作のザンダクロスの脳(人格)を改造して言うことを聞かせているというシーンが変更された。
これは旧作での上記の行為が『鉄人兵団と大差ない行為をしている』という問題点として挙げられていたため*1
これによってテーマのブレが消え、メタ視点やメカトピアにおける貧困差別を象徴する存在だったりと重要なキーマンとなった。
中の人は後の2代目野原しんのすけ。

  • 総司令官
声:加藤浩次

ゲスト枠1。本名不明。旧作と比較しかなり出番が増えており容姿も変更されている。カブトムシの意匠が特徴。
旧作ではあくまでメカトピアのロボット達のため、人間を奴隷にするべく行動する一切感情の片鱗がない機械らしい冷徹・冷酷、無機質な存在だった。
今作では悪役らしさがかなり強調されており、部下や人間を露骨に見下したり、部下に暴力を振るうなどかなり典型的な悪者となっている。
中の人はご存知「狂犬」こと極楽とんぼ・加藤浩次。この当時は『スッキリ』が始まって丸5年、司会者としての姿もすっかり板についた頃。ちなみに当時謹慎中の相方は宮崎の肉巻きおにぎり屋で働いていた頃。

  • 副司令官
声:龍田直樹

今作で登場の新キャラクター。といっても、旧作に居た小隊長ロボットの代替的な存在。カマキリの意匠が特徴。
総司令官に比べて部下に対する物腰は柔らかめだが、自己出張は弱い。

  • 戦闘用ロボット
声:渡辺宜嗣、角澤照治、小木逸平、菅原知弘

鉄人兵団の大多数を構成するロボット兵士。
外見は某鉄人に似ていた旧作より幾分スマートになっており、額に触角のようなアンテナが備わるなど他のロボット同様昆虫の意匠が追加されている。
役回りは旧作とほぼ変わらず、総司令官の指揮の下大軍で行動して街を砲撃・破壊する。蜘蛛型の巨大な母艦に乗り込み、倒しても倒しても代わりが送り込まれてくるその圧倒的な物量は健在。
…が、旧作より戦闘シーンが減った事もあってやや印象は薄め。
声は制作当時のテレビ朝日のアナウンサー陣が担当(後に宜嗣さんが定年退職)。

  • 作業用ロボット
声:渡辺宜嗣、角澤照治、小木逸平、菅原知弘

リルルの部下として送り込まれた鉄人兵団の先発隊。
警備型や飛行型などやはり様々なタイプがおり、旧作とほぼ同じデザインながらテントウムシやハエなど昆虫の意匠が盛り込まれているのが特徴。
旧作では同じロボットであるミクロスを仲間と誤認するなど同族意識があるように描かれていた。
しかし今作では「ジュドの頭脳と外見が違う」とピッポを容赦なく攻撃したり、人間のような反応を見せる。
裏山に埋もれたザンダクロスのボディを掘り起こす際も「こんなゴミ捨てちまえ」と吐き捨てるなど、悪役サイドとしての残虐性が増している。
ピッポの回想では彼らも娯楽を禁じられた労働階級として差別され続けていた存在だったので、その反動かも知れない。

  • 貴族ロボット
声:楠見尚己、菅原淳一

メカトピアの支配層。
旧作でもリルルの口から存在は語られていたが、今作ではモブキャラとして数名が実際に登場する。
やはり昆虫の意匠を盛り込んだ外見をしているが、鉄人兵団の戦闘ロボットに比べて明らかに貧弱そうな容姿である。
ピッポら労働ロボットをあからさまに蔑み、「貴族のみに許された歌を勝手に歌った」という理由で半壊するまで暴行を加えるなど言行は悪辣。
奴隷制度廃止後はどうなったか不明。

ちなみに旧作では「肉体的に脆弱な人間をわざわざ連れて来て奴隷にするのは非効率的」とよく突っ込まれていたが、本作では「奴隷制度が廃止されてもロボット間では未だ差別意識や不満が燻っており、それを発散するため人間という社会最下層の存在を作ろうとした」というアンサーが語られている。
要は「上見て暮らすな下見て暮らせ」理論であり、まさにしずかが語った通り人間そのものの発想だった。

  • ミクロス
声:なし

スネ夫の従兄が作ったプラモデル
旧作ではドラえもんに喋れるようにしてもらい、しずかと共に行動するなど活躍したが、
今作ではピッポの存在及び尺の都合により今作ではかなり序盤(とEDで少し)で出番を終えた。

  • 博士(神様)
声:中村正

メカトピアの創造主で、人間社会に嫌気が差し、無人の惑星にロボットの国を作ろうとした科学者。
だが、ロボットに競争本能を植え付けたことで、皮肉にも嫌っていた人間社会と同じ階級社会・差別社会が生まれてしまった。
未来からやって来たしずかの話を聞いて、競争本能を「他者を思いやる暖かい心」に変える改造を施そうとするが、高齢で体が弱っていたためにリルルに託す。
しかし、全てを託す前に老衰で命を落としてしまう。

声:福山雅治

ゲスト枠2。
玉子が見ていたTVに偶然移った歌手。
声は福山雅治さん本人と言うことで公開前から話題になっていたが映画では本当にチョイ役で終わったキャラだった。




次作:ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜



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最終更新:2024年04月21日 14:56

*1 メカトピアではかつて貴族ロボットが奴隷ロボットを酷使していたが、ロボットの代わりに他種族(人間)の星を奪い住人を都合のいい使い捨ての奴隷にする為に侵略してきている。