ワンダーワイス・マルジェラ

登録日:2014/10/05(日) 17:14:19
更新日:2024/02/04 Sun 00:28:37
所要時間:約 8 分で読めます








哀れ・・・感情は削り奪って貰えなんだか

・・・惨いことをする






#77 ワンダーワイス・マルジェラ      
Wonderweiss Margela

[種族]破面(アランカル)
[階級 No.77

 [帰刃]滅火皇子(エスティンギル)
 [解号] 不明
 [虚の孔]胸
 [刻印]不明
 [CV]菅沼久義


ワンダーワイス・マルジェラとは『BLEACH』に登場する破面の一人である。

身長:155cm 体重:42kg



 概要


頬にそばかすのある金髪の少年で、頭部に王冠の様な形の仮面を付けており、クレイモアの様な形状の斬魄刀を背負っている。

言葉を話せず「アウ~…ア~…」「オロァ?」「オオオオオ!!!!」といったような唸り声や叫び声をあげるのが特徴。
ただし、破面化した直後は藍染に名を聞かれ、自分の名をはっきりと口にしていた。
性格は非常に幼く、敵が目の前にいるにもかかわらず飛んでいる鳥を観察し、トンボを捕まえ遊んだりするなど自由奔放な行動が目立ち、その不可解な行動には敵味方問わず呆れている。
ただしいきなり相手に襲い掛かるなど、らしく凶暴な一面もある。

作中で唯一崩玉で破面化する過程が描かれた人物であり、おそらく最後に生み出された破面であるものと思われる。
破面化する直前の姿も一瞬だけ描かれたが、その時の大きさや形状を見る限り最上級であるヴァストローデ級の大虚(メノスグランデ)であった可能性が高い。


 能力


◇─ 帰刃「滅火皇子(エスティンギル)
ワンダーワイスは言葉を話すことが出来ないため解号は不明。帰刃名も藍染の発言によって明らかとなった。

頭部の半分ほどが仮面で覆われ、肩と大腿部が異様に膨れ上がった姿となる。
体格も解放前の倍近く大きくなり、大きな両肩には無数の腕が収納されている。公式ガイドブック『UNMASKED』によるとその数は百を超えるらしい。
そしてこの状態の彼はとある事情により、予備動作無しで攻撃行動に移ることが出来る。

だが、彼の帰刃の真価は無数の腕を使えることでもなければ攻撃に予備動作が無いことでもない。それについては後述。


◇─ 「虚弾(バラ)
掌から放つ。色はピンク。

◇─ 「虚閃(セロ)
口から放つ。発射直前に白の攻撃を受け不発に終わった。色は同じくピンク。

◇─ 「百奇皇手(センチュリオン)
帰刃後に使用。両肩の傷口から大量の腕を放出し、捕らえた相手を一斉に突きまくる技。

◇─ 「ヴァヒード」
雄叫びにより相手の攻撃を解除する技。その効果は隊長格の技にすら及ぶ。

◇─「イ・ブー」
短く叫ぶことで相手の鬼道系の攻撃や虚閃をかき消すことが出来る。ヴァヒードとは異なる効果の技。

◇─超速再生
人間の頭部数個分ほども吹き飛ばされた胴体すらも即座に元通りに修復出来るほどの再生力である。
ウルキオラの発言に反して彼も破面に進化しても超速再生を保持していたのか、後述のとある事情によりこの能力が付加されたのかは定かでない。




◇─フーラー
謎の虚。一つ目の怪物のような外見で、ギリアン級の大虚をも遥かに上回る巨体であり、両指にギリアンの仮面が爪のように付いている。
体内におびただしい数のギリアン級大虚が入っており、ワンダーワイスの叫びによる指示で体外に出すことが出来る。
また、『レグウェルド』という死の匂いが立ち込める息吹を放つ。

初登場は藍染達が尸魂界を離反した時で、この時は姿がほとんど見えず黒腔(ガルガンタ)内から目だけが垣間見えた。
そして護廷十三隊と藍染率いる破面の決戦の際、ワンダーワイスと共に現世の偽の空座町に現れる。

ギン曰くワンダーワイスのお気に入りだったらしい。




 活躍

日番谷先遣隊との戦い

破面となってまもなくルピグリムジョーヤミーと共に現世を来襲し、日番谷先遣隊と交戦。

最初は乱菊と対峙したものの彼女のことなど眼中に無く蝶々と戯れていたため彼女も呆れてワンダーワイスを相手にしなかった。
その後増援として現れルピと戦っていた浦原に背後から襲い掛かるも『紅姫』によって反撃されるが、無傷だった。
そして別行動を取っていたウルキオラが織姫奪取に成功したため十刃達と共に虚夜宮(ラス・ノーチェス)へと帰還。

この戦いで彼は十刃に匹敵する霊圧(技術開発局の観測による)を有していることが明らかとなった。



●偽の空座町での戦い
○VS浮竹十四郎

隊長格と3番以上の十刃の戦闘の最中に黒腔よりフーラーと共にレプリカの空座町に出現した。

死神側も十刃側も皆戦いを一時中断し、その場に立ち尽くして突然の来訪者に目をやる。そんな中浮竹はワンダーワイスと目が合った。
そして次の瞬間、浮竹は背後に現れた彼の手刀に身体を貫かれてやられてしまった。

ワンダーワイスが動き出したのは浮竹が彼と目を合わせた直後のことであったため、距離もかなり離れていたにもかかわらず浮竹は彼の動きに反応出来ず背後に回り込まれた上に瞬殺されてしまったということになる。

まだ奥の手の狼型爆弾を出していない上に『双魚理』の能力により相性が抜群だったとはいえ、第1十刃であるスタークの帰刃状態とも善戦出来るほどの実力者の浮竹が、
帰刃すらしていない破面にあっさりやられてしまったという事態に一部の読者の間でかねてより囁かれていた浮竹黒幕疑惑は更に深まった。(ネタで言っていた人も多いが)

余談だが、この際ワンダーワイスは左手で突いていたにもかかわらず、引き抜いたのは右手だった。まあ師匠の作画ミスなんて珍しくないし。


更に『ヴァヒード』により日番谷の『氷天百華葬』の氷柱からはハリベルを、砕蜂の『雀蜂雷公鞭』の爆煙からはバラガンを解放した。*1
そして彼が連れていたフーラーの『レグウェルド』で山本総隊長の『城郭炎上』を吹き消して藍染達を救出。
尚且つフーラーの口から膨大な数のギリアン級大虚を吐き出させ、死神達を絶望の淵へと叩き落とす。



○VS久南白&六車拳西

仮面の軍勢参戦後ワンダーワイスは、『白スーパーキック』によってお気に入りだったフーラーを跡形も無く粉砕した白を標的にするも、虚化した白の強力な力に一方的に圧倒されてしまう。
それでも白の攻撃を耐え続け、『白スーパー虚閃』も『イ・ブー』でかき消して防御。そして虚化が普段15時間も持続するが故に拳西の忠告を無視して仮面を着け変えなかったせいで虚化が解けた白を撃破。*2
重傷を負った白に更なる追撃を仕掛けるも……


悪りィな。俺はガキに加減できるほど大人じゃねえぞ・・・!


間に入ってワンダーワイスの拳を受け止めた拳西と戦うことになる。

かつて一護の虚化の修行中に暴れている卍解虚化一護の腕を始解で吹き飛ばすほどの実力を見せた拳西なだけに読者からの期待は高まる。
そしてこの戦いは後に読者からBLEACH屈指の名勝負として語り継がれることとなるのであった。


「・・・け・・・ 拳西・・・・・・あたしの・・・かたきうち・・・・・?へへ・・・・」

「ナニ嬉しそうに言ってんだバカ」
「テメーが俺の忠告聞かなかったからそうなったんだろうが。そんなアホの仇なんか誰が討つか」
「調子ん乗ってるガキにゲンコツ喰らわしてやるだけだ」


卍解・鐵拳断風!!!!



その後、隊長達と仮面の軍勢は十刃トップ3と東仙を倒すことには成功したものの前線に出た藍染の凶刃に次々と倒れ、ついに総隊長と一護だけになってしまった。総隊長は藍染を捕え、隊長達が戦っている間に仕込んだ『焱熱地獄』を発動して道連れにしようとするが・・・・


ア~~~~~~~~~~~…………


突然帰刃状態のワンダーワイスがその場に現れた。
総隊長は背後にいる彼に攻撃をするも何故か『流刃若火』の炎は消え、斬撃も掴まれて逆に殴り飛ばされてしまう。

なんと彼は藍染が総隊長への対策のためだけに創り出した存在であり、言葉、知識、記憶、そして理性すらも削ぎ落すことで『流刃若火』の炎を封じることに特化した唯一の改造破面だったのだ。*3
この炎を封じる能力こそが前述した彼の帰刃の真価であり、攻撃に予備動作が無いのも改造破面であるため。
再生能力も改造の際に付加されたものである可能性があるが、真偽は不明。

なお彼が前線に姿を見せた時「こいつが出てきたってことは藍染サマがもう待てなくなっちまったってことだ」とスタークが語っていたことから、
ワンダーワイスが護廷十三隊攻略における藍染の切り札であることは十刃の面々にとっても共通認識だったようだ。

死神の生命線とも言える斬魄刀の能力を封じられ万事休すかと思いきや、そんなことなどお構い無しに総隊長は刀を捨て『一骨』でワンダーワイスを彼方まで吹き飛ばす。
それでもワンダーワイスは倒れず、戦線に復帰して、藍染に殴りかかる総隊長の前に割って入って再び彼を殴り飛ばし、欠けた胴体も即座に再生させた。更に総隊長を捕らえることに成功し、『百奇皇手』を繰り出す。
しかし、総隊長には軽い傷しか与えられず、『双骨』により再生する事も出来ないほどに身体を破壊され、彼は死亡した。

だが、ワンダーワイスの体内には先程封じた『焱熱地獄』の炎が全て内蔵されており、死後に自爆してその炎を一気に放出した。
結果的にそれを抑えるために総隊長は致命的なダメージを負い、藍染に敗北したのだった。


彼は改造の過程で感情だけは削り取られなかったため総隊長の攻撃によって死ぬ直前には恐怖を顕にしていた。
アニメでは菅沼氏の熱演によって視聴者には彼が抱いた恐怖がより克明に伝わることだろう。
また、幼いためか同じく純粋な性格の東仙には懐いており*4(特にアニメの破面大百科では子犬のように懐いていた。まあ他キャラも性格崩壊したりしてるけど)
彼が一概に邪悪な存在ではなかったこと、そして総隊長の言の通り藍染の非情さが窺えると言えよう。




惨い?

虚となった魂に意味など無い
ただ徒に魂を食い漁るだけの存在だ
そこに意味を与えてやることの何が惨いと言うんだい?






追記・修正は純粋な人にお願いします。


































あれ・・・?誰か忘れてるような・・・・・・?



原作を知らずにこの記事を読んだ人にこう疑問を抱いた人は居ないだろうか?

お察しの通り、拳西戦は拳西の卍解後から全く描かれず、唐突に総隊長との戦いが始まる
そして総隊長との戦闘中も戦闘後も、更には破面篇のエピローグでさえ拳西は一瞬たりとも現れず一言も言及されない…。
しかも藍染によって総隊長への対策のためだけの存在と明かされたのに、総隊長の背後に現れた彼は帰刃していたとはいえ無傷であり、総隊長と普通に戦えるだけの力も残している
確かにワンダーワイスは強いと思われるのだが、この情けなさと余りの空気っぷりにたちまち拳西は仮面の軍勢随一のネタキャラと化した。

ちなみにその後かなり時間が経ち、死神代行消失篇のエピローグにて拳西の無事は確認された。







追記・修正は師匠と違って拳西の存在を忘れなかった人にお願いします。

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最終更新:2024年02月04日 00:28

*1 もっともバラガンはその後また雀蜂雷公鞭を喰らってもすぐに動いていたためこの時はただ爆煙の中でサボっていただけの可能性が高いが

*2 虚化は敵が強いと消耗が激しくなってしまうのだ。

*3 斬魄刀を無効化する能力の使用者自体は、以前に藍染が実験でメタスタシアという虚も生み出しており、志波海燕の捩花を封じることに成功している。

*4 逆にギンからは、自分と仲良くしてくれないと嘆かれていた。それに対して東仙は「まともな者なら誰でも君に警戒心を抱く」と少々手厳しい指摘を口にした。