サイファ・ヴェルナンデス

登録日:2014/09/30 (火) 00:46:58
更新日:2023/12/08 Fri 03:44:33
所要時間:約 15 分で読めます





大地の精霊が私に力を貸してくれるでしょう。

最後までよろしく





サイファ・ヴェルナンデスはFC専用ソフト『悪魔城伝説』の登場人物。



✝概要✝

主人公、真正ヴァンパイア・ハンターラルフ・C・ベルモンドの仲間のひとり。
1476年、魔王ドラキュラ伯爵の暴虐に対処すべく、東方正教会がドラキュラ討伐を依頼したヴァンパイア・ハンター。

社会的な立場は教会に所属する僧侶であるが、大地の精霊の力を借りることで、魔法を使うことができる。
幼少期に両親を亡くして以来、東ヨーロッパ各地の修道院を渡り歩いて、修道僧として修行を積み、退魔の技を鍛えてきた。
その途中でドラキュラ伯爵によって焦土に変えられる前の美しかったワラキアにも訪れている。

魔物に穢された思い出の地・ワラキアの現状を憂い正教会の依頼に応じドラキュラ城を目指すが、
その道中、返り討ちにされその身を石に変えられてしまう
危うくそのまま封じ込められてしまうところだったが、偶然サイファが石にされた森に通りすがったラルフが
見張り役のサイクロプスをしばき倒したことで解呪され、以降は彼の旅に同行する。

中性的な口調に加えフード付きローブで全身をすっぽりと覆っているため解りづらいが、
実は女性。ラルフには早いうちからバレていたらしく、戦いを通して男女として惹かれあうようになる。
エンディングではフードを降ろして彼に寄り添う姿が確認でき、後のシリーズでは正式に結婚したことも明らかになっている。


✝人物像✝

上記のとおり実は女性!という最大のサプライズをラストまで温存するために
ヴィジュアル・台詞ともゲーム内では非常に正体のわかりにくい描写をされている。
パッケージ絵や説明書の挿絵でもフード・マント・ローブの完全武装で身体の輪郭は覆い隠され、
画面上に青白いドット絵で表現された姿はまるで幽霊のよう。
顔にしてもフードの陰に隠れている上に前髪を長く伸ばしたヘアスタイルのせいで
線の細い優男に見えなくもないという絶妙な映り方。

フードの下は豊かなブロンドのロングヘアで、サイファを連れてクリアした際のエンディングで
これを見た多くのプレイヤーが驚き、なおかついつのまにかラルフとラブラブになっていたことに更に驚愕したのだった。

聖職者らしく折り目正しい立ち居振る舞いをし、言葉遣いも丁寧。
一見物静かで控えめな雰囲気だが、仲間入りに関する会話での受け答えは非常にハキハキしており、
共に行けば必ず力になれるという確固たる自信に満ちている。

魔法使い=肉体的には虚弱という一般的なイメージと異なり山あり谷ありの道中の難所や
全面魔物と罠だらけの殺人結界の如き悪魔城内を踏破するバイタリティはかなりのもので、
後述のように杖を使った実戦的な武術も修めている。

…その一方で過酷な運命により、物心ついたころからハンターとして育てられてきた過程で、
社会的には女であることをひた隠しにして生きてきたため、不安な中気丈に振舞ってきた部分もあり、
ラルフに巡り会うことで、初めて心の安らぎを覚えるようにもなっていた。
これは孤独な半生を過ごしてきたラルフもまた同じであり、いつしかお互いの間に惹かれあうものが生まれていたという。
グラントさん、そういうわけだから素直に祝福してあげてください。



✝能力✝

悪魔城伝説最強のヴァンパイア・ハンター。
悪魔城シリーズのプレイヤーキャラクターは『男性キャラより女性キャラの方が強い!』というジンクスがあるのだが、
圧倒的火力によりそのエポックメイキングとなったのがサイファ、
決定付けたのが『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』幼女兵器・マリアである。

メインウェポンは杖。リーチこそ最低だが、隙が少なく非常に連打が利くため、耐久力の高い敵が突進してきた時に
鞭を振るごとにタイムラグが発生するラルフだと敵が殴られつつ突き進んでくる場合があるが、
サイファならその場に釘付けにしてバシバシバシバシバシバシバシバシ…撲殺する事が可能。

魔法は3種類のサブウェポンとして表現され、使用にはハートを消費する。
また、魔法の性能が優秀すぎるゆえあまり利用されることはないが、懐中時計を使うこともできる。



流石に防御力こそラルフより劣るが、歩行速度やジャンプの高さといった移動能力はラルフと同じ。
つまり「ラルフなら避けられるが、サイファだと避けられない」という局面は存在しない。
上述の通り燃費も良好なので敵の数だけ光弾を撃ちながら、燭台はあらかた壊してハート回収という進み方さえすれば
ハート不足に悩むという状況に陥ることもまず無い。
マップの裏をかくような短縮ルートをスマートに抜けるグラントに対し、
立ち塞がる敵を悉く滅殺して往く道をこじ開けるのがサイファの攻略スタイル。
いずれもプレイヤーの心強い味方となってくれることだろう。アルカード?…Mっ気のある人は連れてくと良いよ!




✝他作品において✝

後世、ヴェルナンデス家は魔法使いの名門というポジションに落ち着き、
サイファ当人は出ないがその系譜を継ぐキャラクターは何人か登場する。
また、実質上の悪魔城伝説のヒロインという役柄から、お祭り作品やリメイクで同作が取り上げられる際には
漏れなくサイファにも活躍の機会が廻ってくる。…ただし時代に合わせたキャラ改変についていけないファンも大量に出るが。



◆月下の夜想曲◆

悪魔城伝説の次代から300年近い時が経っているためサイファは既に伝説の人だが、
生前の彼女を模したモンスター、サイファ・フェイクがラルフやグラントのフェイクと共に登場、アルカードを襲う。
青いローブ姿ではあるが、フードを脱ぎ長い髪を靡かせた一目で女性とわかる姿をしている(本当はゾンビだけど)。
空中に浮かんだ状態から様々な属性魔法を撃ち込んでくる砲台的ポジションで、3体の中では最も強い。
先に他のフェイク2体を倒すと召喚魔法でラルフの恰好をしたゾンビをけしかけてくるあたり、ネクロマンサーでもあるようだ。
『ギャラリー オブ ラビリンス』の隠しボスとしても登場し、こちらは新たに石化魔法を使ってくる。
これは、凍結のステータス異常が存在しない作品ゆえと思われる。
倒すとクリームソーダが手に入る。サイファは甘党なのだろうか?



◆ジャッジメント◆

同じラルフの仲間であるグラント・ダナスティ、アルカード共々『伝説の三戦士』として同時参戦。
担当CVは小清水亜美氏。

ただし、彼らは本作の舞台である『時の狭間』においてはそれぞれ別の時間軸から召喚されており、
行動を共にした原作と比べると相互の認識に微妙な差異が生じている。
サイファは悪魔城伝説の開始以前の時間軸から来たため、他の仲間とは初めて顔を合わせることに。

なお、ドラキュラ討伐から3年後の時代(『闇の呪印』の直前)から来たラルフはばったり出くわした嫁に向かって
「サイファか?…若いなwwwと失礼なコメントをした他、
「(本気で戦えば負けないが)家ではかなわん」と漏らしており、家庭では完全に旦那を尻に敷いている模様。

原作のイメージに甚だしい改変が加えられることに定評のあるジャッジメントだが、
サイファの場合ビジュアルはおろか背景設定にまで大幅な変更が生じており、旧作ファンを困惑させた。

魔法を使うがあくまで僧侶のヴァンパイア・ハンターであった原作と異なり、
ジャッジメント版のサイファははっきりと魔女であり、異端者であることが言及されている。
また、彼女は例外的に教会に保護され、ハンターとして討伐隊に組み込まれたが
それと並行する形で依然として魔女狩りは行われており、仲間の不運な運命に胸を痛めながらも
人々を護るため戦っているという設定。

格好もローブでは無く、を基調とし、
各所に十字をあしらった女騎士を思わせる華やかな装いとなっている。髪は茶髪のショートに。
ただ男装…というには体のラインが出過ぎというか、異様にむちむちしている。着痩せするタイプだったんですね…
旦那はムチ持ったガチムチだし完全にお肉夫婦である。

杖は完全に打撃武器としてアレンジされ、メイス…?というか十字と水晶玉でできたバーベルの如き奇怪な得物と化した。
戦闘中の演出として出し入れ自在の魔導書も何種類か所持している。

苦労しているせいかもしれないが、原作の奥ゆかしく柔和な人柄は全く見られず、
悪い意味で聖属性キャラクターのテンプレ的な他罰的でキツイ性格の女戦士として描かれており、

未来のひいひいひい…孫?のシモンをぶちのめす鬼婆ぶりを見せつけ、
必死に自分は人間の味方であると訴えるコーネルを一方的に悪と決めつけて断罪しようとし、
ドラキュラの力を術式変換したドミナスをその身に宿すシャノアを吸血鬼の一味と見なして襲い掛かる

…等、ぶっちゃけ偏狭さや脳筋ぶりは『闇の呪印』における旦那と似たり寄ったり。3183は315です!!
『同胞を迫害されたくないから身代わりの標的として悪者退治をしている』ようにも見えてしまい、
「何が善で悪かを見極めることね」(キリッ)という勝ちゼリフも相手によっては完全にブーメランである。どうしてこうなった…
この設定のサイファが魔王の実子であるアルカードを仲間と認めるまでの経緯が真剣に知りたい。

キャラ性能的には足が遅い、攻撃発生が遅い、攻撃のリーチが短い、空中攻撃が弱いなど基本性能がとにかく悪いものの、
コンボ火力が非常に高くワンチャンスで一気に稼ぐキャラ。他キャラに比べサブウェポンへの依存度が高くなりがちなので、
ステージ内のオブジェクトを破壊することで出現するハートやサブウェポンの回収を意識した立ち回りが求められる。

専用BGMは悪魔城伝説でサイファが仲間に加わる森ステージのBGM『MAD FOREST』が採用されている。
なお、何故かこの作品ではヴェルナンデス名義ではなく『サイファ』のみである
(一応公式の壁紙では“Sypha Velnandes”表記だが)。



◆パチスロ『悪魔城ドラキュラ』シリーズ◆

闇の呪印準拠のラルフ・月下の夜想曲準拠のアルカードと共に新デザインで出演。グラント?訊くな。
CVは非公開。(声の感じからジャッジメントと同じく小清水亜美が担当していると言われている。)
物静かな男装の麗人設定は完全にぶん投げられ、コケティッシュな雰囲気の美少女に。
ヘアスタイルも二つ分けのおさげにヘアバンドとなっている。一応青いフードつきローブは纏っているものの、
その下は膝上30㎝はあるピンクのミニスカートにルーズソックスみたいな折り返しのついた白いブーツ、
やけに胸の谷間が強調された服けしからんことこのうえなし。
パチスロでよくある「激アツキャラ」の立ち位置。通常時のサイファ登場演出ではレア役を引くことも多く、強いときにはボーナス確定もある。ステップアップフリーズでも最終段階、悪魔城CHANCEの扉開けでは出てきたら ほぼART確定 という、ある意味 原作再現 とも取れる最強キャラに仕上がっている。男二人だらしねえぞ。
また、前述の登場演出では祈りの呪文を唱えながら、 発展で衣装がはだけていく。 (通常→ちょっと肩が露出→ローブを脱ぎ去る。)
更にARTの上乗せ演出では、絶妙なカメラワークでパイプオルガンを弾く演出も。(通称おっぱいプオルガン)




✝余談✝

★ゲーム中、石化したサイファの周囲には他にも石像が安置されている。
確認できる範囲では全員女性像で、いくつかは砕けて判別できないものも。
彼女らが単なるカムフラージュに置かれた像なのか、サイファ同様ドラキュラの呪いで石にされ、
『完全に封じ込められて』手遅れになってしまった犠牲者なのかは定かではない。


★サイファの出身であるヴェルナンデス家は魔術的な素養の高い血筋であるらしく、
ラルフの代以降その血統がベルモンド家と合流した結果、
一族の中に先天的に強い魔力を持った子孫が生まれることもあった。
また、『暁月の円舞曲』の登場人物、ヨーコ・ヴェルナンデス
サイファの子孫という設定だが、サイファはベルモンド家に嫁いでサイファ・ベルモンド名義になっているはずなので
直系の子孫がヴェルナンデス姓を名乗ることには矛盾がと思われがちだが中世では欧州は勿論日本などでもある程度高い身分で
かつ相手方の名跡などを次がせなければならない場合、敢えて子の誰かに母方の性を名乗らせ家名を分け継がせるという事は有ったので
おそらく何名か出来た子のいずれか(サイファと同じく魔法の適性が高い者が候補にはなり易いだろう)にヴェルナンデスの家名を次がせたのであろう。

後のサイファ×ラルフの子孫の中に女性がいて、サイファの兄弟姉妹の子孫のヴェルナンデス家に逆に嫁ぐことで
サイファの子孫&ヴェルナンデス姓の系譜というパターンでもできなくはない。
が、悪魔城伝説の説明ではサイファは天涯孤独っぽいのでこれもプレイヤーの脳内補完に拠るところが大きい。


★NINTENDO64専用ソフト・『悪魔城ドラキュラ黙示録』シリーズにも魔術師・ヴェルナンデス一族の血統の設定はあるが、
こちらはパラレルワールド扱いであり、サイファにも直接の関係は無い。
しかし、主人公のひとりキャリー・ヴェルナンデス篇においてのみ戦える敵に
ドラキュラの支配下におかれたヴェルナンデス家の戦士の成れの果てが登場するが、
企画段階ではこれがサイファ当人という設定だった。いい度胸だな、おい。
無論、没設定であり、ゲーム本編ではヴェルナンデス家の魔法使いではあるが、名もなきドラキュラの犠牲者である。


★新約悪魔城シリーズ『ロード オブ シャドウ』では、
ベルモンド一族の血統がいくらか単純化され、トレバー(ラルフ)がシモンの父という設定になったため、
その妻であるサイファ・ベルモンド(ヴェルナンデス)はシモンとは母子関係になっている。
ただ、シモンが主人公を務める『宿命の魔鏡』ではドラキュラが大軍勢を引き連れ燈光教団の本拠地を襲撃した際、
それからシモンを逃がすためにサイファは命を落としており、その後あるイベントをこなすことでシモンの守護霊として登場する。






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最終更新:2023年12月08日 03:44